玉川上水心中 公演情報 玉川上水心中」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    太宰治の心中事件に取材したフィクション。思っていた程深刻な話にならず、また文学的な雰囲気(?)があって、じっくり、まったりと楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    珠玉の作品
    本作品は「千草」の娘である鶴巻浜江という女性を中心に描かれている。

    ネタバレBOX

    心中事件に関して“第三者”である浜江を軸に描くことで同じく“第三者”である観客があたかも現場に居合わせているかのような錯覚を起こす効果を生み出している。
    しかし、真の主役は無論、太宰治である。本作品では太宰を幻想として登場させ、幻想の太宰は周囲の人々に太宰流の別れを告げる。ラストで太宰はタクシー運転手に六文銭を渡して三途の川を渡る。
    特筆すべきはエンディングの「黄昏のビギン」。「雨に濡れてた 黄昏の街、あなたと逢った 初めての夜~」悲劇の天才歌手であるちあきなおみのせつない歌声が暗転した会場を大きく包み込み、感動のラストを飾った。
  • 満足度★★★★

    タクシーこわい
    “私にはわかる”ためにおのれを虚しくした、その虚しさに堪えられなくなったのではないか、実のないおのれに実を持たせたくなったのではないか・・・ 終いには、いったい太宰は実在したのだろうか、と仮宅してみたり。確かな演技がおぼろげな時空にくっきりと輪郭を与え、人物各々の立場からの‘真相’に思いが巡る。

  • 満足度★★★

    少々物足りない
    “太宰治”は、脚本家にとって創作し甲斐のある題材だと思うのだが、
    本作は、作者独自の視点や表現の描き方が弱いと感じた。

    演劇に対する真摯な姿勢には好感が持てるが、
    作品としては少々物足りなさが残った。

  • 満足度★★★★

    小説と現実、妾と正妻、真実は水の中…
    太宰治の最期、謎に満ちた心中事件…。
    こじんまりとした小さな空間で堪能しました。

    未完の「Goodbye」になぞらえつつ、現実の治は小説の内容を喜劇といい、小説で喜劇といった結末が…。

    太宰治の最期をほとんど知らなかったこともあり、タガが外れた人たちを楽しく拝見させていただきました!

  • 満足度★★★

    作品としては踏み込みが欲しい
     太宰 治は6月19日の誕生日(遺体発見日・桜桃忌)直前、1948年6月13日(38歳)に山崎 富栄と玉川上水で心中した。

    ネタバレBOX

    太宰ファンならずとも文学好きなら誰でも知っている事実である。が、最後の数日の二人の行動には、謎が多いことも事実だ。前年には、「斜陽」が大ヒットして斜陽族という流行語迄生まれ太宰の名は一躍有名になっていた。その後も多くの執筆依頼が殺到し、創作にも熱が籠っていた。1948年5月10日には、「人間失格」も脱稿している。然し一方で、結核の進行もあったであろうことは考えられる。また文壇の寵児ともてはやされても、稿料は飲んでしまうし、多額の税に悩まされたことも事実ではあろう。
     今作は、こういった背景を前提に当時太宰が入り浸っていた小料理屋、千草の女将、太宰の一番弟子を自認していた田中 英光、小説「グットバイ」の担当編集者、妻、刑事やタクシー運転手の証言と太宰、富栄のフラッシュバックシーンや霊の現前で構成されたゴシップ事件史のような作りになっている。
     その点、脚本家はもう少し練ってほしい所だ。何をって、何故太宰は何度も心中事件を引き起こしたのか? についてである。別の言い方をすれば、何故、太宰は無頼派だったのか? と問うても良い。その根底にあったであろう彼のコンプレックス(複合意識)を想像力によって埋めて欲しかった。何故なら、実際に死に至ったこの心中事件には、不明な点が多いのだから、その点を脚本家の想像力によって埋める自由はあるハズだからである。この創作がうまく嵌れば今作は遥かに良い作品になったであろう。

このページのQRコードです。

拡大