うーん…
開幕していきなりのベッドシーンて初めて。シルビア・グラブさんが怖過ぎて魔女にしか見えない。愛されて解き放たれた後の普通の姿が美しい。魔女からのギャップが凄い。愛されることとストーカーは紙一重だということを、改めて思い知らされる。家族のある人との恋。どちらがアプローチしたのかにもよるけれど、「子供が幼い今は無理。時期が来ればどんな犠牲でも払う」という姿勢には誠意を感じるけどな。相手が今すぐ家庭を捨てられないこときっかけで、呪いのようなストーカーまがいの愛に心移りって腑に落ちない。出演者が演劇畑、オペラ畑、ミュージカル畑など、さまざまなバックボーンをもっているようで、何だか統一感がないように思えた。決闘への流れも、決闘自体も急展開で感情がついていけなかった。感情が寄り添える人物も場面も見つけられずに終幕してしまったなぁ。無念。
満足度★★★★
ミュージカル「パッション」
題名とチラシ画通りの暗く熱い情熱が満ちてた。シルビア・グラブさんが素晴らし過ぎ!急転直下の展開に驚き、疑問噴出(笑)。穴があくほど見つめて考える時間をもらった。
満足度★★★★
なぜその人を愛してしまうのか
それは、他人にはわからないものである。
さらに本人もわからないのでせはないか。
この作品では、それがじっくりとねっとりと描かれていた。
満足度★★★
ちょっと難解だけど、レベル高し
ソンドハイムのミュージカルは、元々万人受けするタイプではありませんが、この作品は、特に、玄人受けする演目かもしれないと思いました。
井上さんの演技には、「アンナカレーニナ」を彷彿とさせるものがありました。
和音さんの背中の美しさと、シルビアさんの怪演並の名演ぶりにドキドキすること多々あり。
演技と歌唱力の確かなキャスト揃いで、舞台のクオリティは高いのですが、好みは分かれる演目だと思うし、明るいミュージカル好きな方には、奨めにくい作品かもしれません。
両者にお気の毒な気がしたのは、後方席で車椅子で観劇されていた障害者の方と、一般客の方々。
難解な恋愛哲学のような作品で、ソンドハイムの、人物の心情を音符に還元したような、不協和音的なメロディの度に、障害者の方々の不安を煽るのか、静かな劇場に、度々、雄叫びが響く結果となり、作品に見合わない空気が生まれてしまったのは残念でした。
心から、ハッピーになれるような、スイングできるようなミュージカル作品なら、両者が楽しめたのでしょうに…。
満足度★★★★
好き嫌いが分かれる作品かも・・・。
久しぶりのミュージカルでした。
私はストプレは結構暗かったり、ドロドロだったりも好きなんですが、ミュージカルはわかりやすいのが好きなので、物語的にはちょっと苦手でした。
でも、生演奏は素敵だったし、出ている役者さんたちが皆さん美声で、大型ミュージカルにありがちな大人の事情的なキャストがいないので、作品としてのクォリティーは高いと思いました。
自分の残り少ない命をジョルジオへの愛に全て使ったシルビアさんが、素晴らしかったです。でも、正直、ちょっと怖くもあり、ラストのジョルジオの気持を理解するのは、私にはちょっと難しい・・・・・。
でも、不倫にあそこまで純粋な愛を求めたジョルジオだから・・・とも思うのですが。
満足度★★★★
愛されて死ぬことこそ生きた証(喜び)!
ソンドハイムの感情の起伏にあわせ、同じ曲の中で拍子までもが変わるという難曲を歌いこなす井上芳雄、シルビア・グラブ、和音美桜の3人のキャストが素晴らしい!
約30曲の中で3曲しか明るくなるような曲がないという。
いわゆる東宝系などの商業ベースではやらないであろう新国立劇場ならではのミュージカル。
フォスカ役シルビア・グラブは”レベッカ”と共に代表作になるでしょう!
満足度★★★
至上の愛に泣けるか
ミュージカル界のプリンス井上芳雄の登場に、女性客で埋め尽くされた新国立劇場。すべて与えるだけの無償の愛を知ることになる主人公の兵士ジョルジオを演じた、井上の熱演に最後はスタオベだ。さて、あなたはこの至上の愛に涙することができるか。
ジョルジオに一目惚れをするフォスカは不治の病に冒されている。それでも執拗に追いかける姿ははっきり言ってストーカーだ。ジョルジオは、フォスカが上官のいとこゆえ、むげにもできず困り果てているが、常軌を逸するストーカー行為はどう見ても迷惑千万。さらに、「私なんか死んだ方がいいと思っているんでしょう」と言うフォスカは、その迷惑行為を自覚している。
だが、ある瞬間から、その形勢は逆転する。ジョルジオが「無償の愛」に気付くからだが、これに心を動かされるかどうかで、この物語へのめり込めるかどうかが決まるのではないか。
個人的には、フォスカを演じたシルビア・クラブが歌唱よりも演技で舞台を席巻したと思う。宮田慶子演出で大きな期待があったが、その演出も評価が分かれるところかもしれない。ツボにはまった人は、至上のミュージカルとなろう。