ミュージカル『パッション』 公演情報 新国立劇場「ミュージカル『パッション』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ちょっと難解だけど、レベル高し
    ソンドハイムのミュージカルは、元々万人受けするタイプではありませんが、この作品は、特に、玄人受けする演目かもしれないと思いました。

    井上さんの演技には、「アンナカレーニナ」を彷彿とさせるものがありました。

    和音さんの背中の美しさと、シルビアさんの怪演並の名演ぶりにドキドキすること多々あり。

    演技と歌唱力の確かなキャスト揃いで、舞台のクオリティは高いのですが、好みは分かれる演目だと思うし、明るいミュージカル好きな方には、奨めにくい作品かもしれません。 

    両者にお気の毒な気がしたのは、後方席で車椅子で観劇されていた障害者の方と、一般客の方々。

    難解な恋愛哲学のような作品で、ソンドハイムの、人物の心情を音符に還元したような、不協和音的なメロディの度に、障害者の方々の不安を煽るのか、静かな劇場に、度々、雄叫びが響く結果となり、作品に見合わない空気が生まれてしまったのは残念でした。

    心から、ハッピーになれるような、スイングできるようなミュージカル作品なら、両者が楽しめたのでしょうに…。

    ネタバレBOX

    冒頭、いきなり、濃密なベットシーンから始まるので、ドキドキものでした。

    後方席で構えていた双眼鏡を慌てて下ろすほどでした。(笑い)

    和音さんの背中の美しさにはクラクラしました。

    シルビアさんのフォスカが、まさにストーカーのようで、観ていてかなり怖いです。

    でも、夫と子供がありながら、都合の良い時にだけ、自分との情事を欲する美しいクララへの欲情ろり、病弱にも関わらず、身を呈して付き纏う、フォスカの濃い愛情にやがて、靡いて行くジョルジュの心情は、やはり、女の私には、ちょっと共感し辛い部分がありました。

    出演者の力演を堪能したい方にはおススメですが、あまり、演劇に精通していない観客には、少し、苦痛かもしれないステージでした。

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    2015/10/30 10:18

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