盗賊と花嫁【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】 公演情報 盗賊と花嫁【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    言葉と身体
    仄暗い地下の劇場の客席に挟まれた空っぽのステージ。黒一色の空間を色鮮やかに満たしていく言葉と身体。

    話の種から広がっていく言の葉たち。疲れた、いや憑かれた人々と、満開の桜。憑くのは狐か、女か、それとも桜か。

    それは、一夜の夢で観た長い年間のような、不思議な時間だった。

  • 満足度★★★

    久々に山本演出を堪能
    雑遊にて対面舞台。割と観たことのあるお芝居の印象なのがちょっと残念。と、言うよりも、空間を支配しきれてはいなかった。もし、もっと大きな演出や劇場を目指すような団体であるならば、ある意味頂点や限界みたいなものを感じました。

    ネタバレBOX

    日本語の美しさは台本上は感じましたが、演技ときてそれがマッチしていたかは疑問です。それは役者の力量なのか、演出の裁量なのか...?
  • 満足度★★★

    磨き切れている訳ではないが翻案の意図が貫徹された舞台
    舞台というか、床の上なので、パフォーマンスというのがイメージに近い。言葉を言の葉と言い、狐憑きが何かの隠喩であるかのような、含みを持った「言い回し」の多用が、時に駄洒落レベルに聞こえたりもあるが、俳優の「型」を持った動き・素早い滑らかな場面転換と、その台詞の謎っぽさが相まって、全体のリズムを作っていた。物語としては、坂口安吾の書いたお話の「都」(都会)に着目し、人間を狂わせる種子の存在を、「狐」という言葉に代理させて、また実際に「狐」の役を登場させ、人々の間に齟齬を起こして行く様子を「動き」で表現したりしている。 演技は単調(感情が一色)だったり、声をそこまで張り上げる台詞かな・・と引きそうな所も正直あったが、中盤以降見入り、終了時には一本通った出し物を観た、と感じた。俳優としては「狐」役の奮闘が劇世界の構築にかなり貢献していた。

  • 満足度★★★★

    重いストレート。
    挑戦的な対面式のシートアレンジ。
    絡み合う台詞にエモーショナルな役者の演技。
    一つの台詞も聞き逃すな、演者の動きを見逃すな、そんな力強いメッセージを発して観るもの全てを巻き込む圧倒的な展開。大人目線のおとぎ話は日本語特集の漢字と音をかけあわせる音場遊びで言葉の大切さを知らしめた。
    贅沢を言えばもっと遊んでも、もう少し柔らかくても良かったかもしれない。
    芝居の内容とは関係ないが、小劇場でありがちな上演する事が目的で観る者の事を考えない苦痛で狭い座席とは大違い。対面座席のすべてから、ゆったりしっかりと芝居を観て感じられました。ありがとうございます。

  • 満足度★★★★★

    初くちびる
    初日開幕後に各所で感想を見掛けて気になって、でもどんなお芝居なのかさっぱり想像つかなくて行こうかどうしようかすごく迷ったけど見ました!見てよかったです……最高に大好き。言葉遊びと、孤独のエッセンスと、狐の禍々しさと、フラメンコと、全部全部見えました。の、のぐちさん、めっちゃ、めっちゃよかっ  た。

    ネタバレBOX

    まるで人が変わったかのように優しくなった女房の姿に浮かぶ文字。同じく「日照り雨だ」と言う多襄丸におぶわれた女房の白い羽織から立ち上る文字。いずれも現実には見えていないものだけれど読めた。「憑き物が落ちたように」「狐の嫁入り」
    あそこまで幾重にも言葉を重ねて、重なった色合いと引きはがす軽やかさを楽しんでいたのに、このふたつだけぽっかり言葉が抜かれている。押して押して引く力加減が絶妙で、気付くとラストシーンへ落ちている。ここまで巧みに弄ばれたら、身体を任せるしかなかった。
  • 満足度★★★★

    おもしろうございました。
    ちょっと予想してたのとは違いましたが、
    演者の皆さんの身体の使い方も滑らかで、観ていて楽しかったです。
    言葉遊びというか、日本語の使い方が面白いなあーというシーンはよかったですねえ。

    ネタバレBOX

    衣装が、各キャラには合っているけど時代的にはあってなくて、
    モブになるには個性が出ていて、とちょっと気になったというか。
    ここは好みですかね。

    桜の頃に上演されていたなら、観劇後に見上げる桜に何を思いましたやら。
  • 満足度★★★★

    シンプルで良かったです。
    対面式の客席が新鮮でした。

  • 満足度★★★★

    時代の狂気は
     誰が産むか?

    ネタバレBOX

     世界はめまぐるしく動いているが、アメリカの残光と中国の曙光が第二次冷戦を作り出すか否かが当面の世界情勢の柱となろう。無論、単に軍事力の問題のみならず、経済力、外交能力、情報収集力及び分析力、そして世界知の集積力、更に自国領土以外での影響力等、その土台となるべき領野は広く深い。このような情勢の中で、坂口 安吾の“桜の花の満開の下で”を下敷きにする本作の構成は、多用な状況を見据えた上で、様々な解釈が可能なディスクールを用いている。結果必然的に、解釈は多用である。以下に自分の書く解釈も、自分の幾通りかの解釈の内の一つに過ぎない。
     この話、主人公は多襄丸と女だが、物語の進展に最も深く関わるのは、管屋である。彼は“言の葉”を操り、都で狐憑きを流行らす。狐憑きとは、無論、見たから信じたのではなく、信じたからこそ見える幻影であるが、人々は管屋の操る言の葉の魔術(端的に言えば詭弁)に惑わされ幻を真と観るようになって、狂わされてゆく。丁度、自民党の詭弁家達が、「国民」を誑かすのと同じように。
     そして、誑かされた者達は大挙して山に入り、強く吹く風からも、日常の喧騒からも自由に、どっしり大地に根を下ろしていた桜の老木を焼きに来る。その狂気の原因が、此処に在るとして。後に残るは風ばかり。
  • 満足度★★★★★

    すごく面白かった
    とても躍動感のある舞台で、役者さん達全てが動けない人が全くいない。台詞の間やリズムも小気味よく、見る側聞く側を楽しませてくれます。演出もこういう演出があるんだなととても感心しました。観に行くことが出来て本当に良かったです。

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