=侠= 君、逃げたもうことなかれ 公演情報 =侠= 君、逃げたもうことなかれ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    タイトル「侠」とは…。
    タイトルだけ見たら義理人情の世界かと思わせるが、その想定は良い意味で裏切られた。
    話は、デパートのお客様苦情専門部署での出来事だ。

    話の展開は違うが、映画 「ミンボーの女」 (1992年公開 伊丹十三監督)とオーバーラップした。さて、反社会的勢力に対する姿勢が厳しくなっている昨今、時代背景・状況も透けて見えて面白かった。

    ネタバレBOX

    ある地方都市にあるデパートのお客様苦情部署にいる九条室長が主人公。単に苦情に対処すると言っても、一筋縄でいかない内容ばかり。

    ここで描かれたパターンは3つ程(接客態度への難癖→賠償要求)(賞味期限切れ→代替品要求)(単なる嫌がらせ→要求?)だが、実際は千差万別であろう。

    自分は業種こそ違えど、その部署に在籍したことがある。
    『内容は“苦情”だが、部署名は“お客様サービス部”である。自分の(営業・接客)姿勢は正しいのか、その映す鏡が歪んでいては正しい判断が出来ない。その鏡を磨くのがお客様の“声”だ』 という。
    理屈はそうかもしれないが、何時間も不平・不満・苦情を言われる現場の人間からしてみれば、きれいごとの教訓など・・・、と当時は思っていた。
    そんな思いが脳裏を過ぎり苦笑した。

    公演は苦情を切り口にしながら、人間との関わり、人材教育の厳しさなど、実に示唆に富む内容で好感が持てた。

    今後の公演にも期待しております。
  • 満足度★★★★

    苦情処理!
    ストーリーの構成良く身近な話題で解かりやすく面白かったです。
    配役のネーミングはウケる!
    ただ、内容については、現実とは異なる所が多々。
    例えば、百貨店では苦情処理室というネーミングはしない。
    消費者相談室とかお客様相談室など苦情という言葉は避ける。
    さらに、百貨店は本来お買い上げ頂いた商品を返金する義務はありません。
    好意としてやっているだけでそれも皆メーカー持ちです。百貨店はあくまで窓口で理不尽なお客様への賠償その他はメーカーに押し付けられます。
    クレーム処理スペシャリスト倉持の毅然とした態度が実際百貨店の人間にできるようになってもらいたいものだ。

    ネタバレBOX

    百貨店の苦情処理室が舞台。定年間近の室長(名前クジョウ)の後任者(名前がマルナゲ)が頼りない為、社長がスカウトしてきたクレーム処理を得意とする女性倉持が奮闘する話。
    劇中で九条の話でクレームが少なくなることがよいことか・・・・とありましたが、
    クレームが少なくなることは良いことで、それとは別にお客様の意見箱などで改善をしようとしています。
    室長九条は従来どおりのやはりことなかれ主義サラリーマンの苦情処理者と私は感じる。
  • 満足度★★★★★

    "落とす"のも"落とされる"のも"人"
    "クレーム処理"の表裏で繰り広げられる人間模様。

    私事ではあるが、サービス業に従事したことがある為「わかるよ〜」と思ったり、キーッ!!と心の中でなったり(笑)

    今の世の中、九条さんと倉持さん、どちらが正解なのかはわからないけれど、どんなことでも"対人間"なんだと、暖かく優しく時に冷たく突き放すお話は、さすが、サンハロンシアター。
    演者の皆さんの力量も素晴らしく、キャラの色合いもはっきりして面白く、今回も観られて良かった。

    次回作ももちろん期待大!!

  • 満足度★★★★

    楽しめました
    殺陣や恋愛などの派手なシーンは無く、日常のどこかで実際にあるような世界。大人なら共感するようなところを突いてくる作品でした。サービス業の方は必見かも。

  • 満足度★★★★

    現実にありそうなはなし。
    それぞれ登場人物の個性が強く、演出や話の所々にユーモアがあり、楽しく観劇しました。

    ネタバレBOX

    デパートのクレーム処理係が舞台のお芝居。商売をする側とソレを買う側の話は実際にありそうなストーリーでとても面白かったです。クレーマーとお店側のやり取りは観ているだけでハラハラと緊張を感じました。
  • 満足度★★★★★

    着眼点の素晴らしさ
     初見の劇団であるが、着眼点の良さに感心した。また、勝ち負けだけを重視する最近の傾向に対し、心構えや立場の諸関係、即ち勝ち負けが成立する為の諸状況という場を対置してみせ、それ自体を作品化し得た実力を評価したい。シナリオの良さに加え、主役の九条を演じた内藤さんの演技が素晴らしい。物語の進展するにつれて、どんどん、良い顔に見えてくるのだ。(追記後送)

  • 満足度★★★★

    コメディかなぁ・・とか勝手に思っていたら
    結構真面目な話であり、客層も高齢者が多くいらしたように思えました。
    (で後列の方は若者たちが多かったかな(^^)

    わかり易い話で起承転結も基本として抑えていたように思えたが、
    ”ど~ん”とした感じは受けなかった流水のような作品に感じました。

    1時間45分(全席自由)

    ネタバレBOX

    フタバ百貨店勤続20年のクレーム対応=お客様係=室長=苦情対応のクジョウ氏が退職するコトになり(退職後はクレーム対応する会社を立ち上げるらしい)。後任の有望な新人と頼りない新室長や対応した百貨店内の店舗の各店長らが、クレーマー5人衆(笑)と戦う話でありました。途中途中に差し込む室長らの出来事を振り返るモノローグが入って、話しの内容や進行などは、とってもわかりやすかったです。

    それにしても60代の男性がクレーマーになる率が高いとは(小人閑居して不善をなす=を地でやるんですね~団塊世代)知りませんでしたが、今作では丁寧にただの客からクレーマーになる過程がわかりやすく展開されていきましたです。役者さんの上から目線の演技がらしくて上手でした。

    舞台セットは中央にテーブルで左右に長方体の箱を置いて、シンプルに表現された舞台で、百貨店内の店舗や廊下などを上手に見せていました。中央の背面のとこには「侠」の額が紗幕で浮かび上がります。(チラシのヤツです)

    さまざまなクレーマーの手口やキャクターが楽しめたです(^^)

    九条侠介=「苦情係の九条です」が売りのお客様相談室室長。20年来の苦情係でなかなかの傑物。
    投山丸夫=後任のお客様相談室室長となる予定の小心者さん
    多田勤=クレーマーと化す壮年男性
    常盤兼成=やくざ風の脅し系クレーマー
    倉持侑=フタバ百貨店の系列スーパーのレジ打ちバイトからクレーム処理の巧さで社員になり社長の一押しで相談室配属となった正義感の強い新人さん。巧みにクレーマーの撃退をするが、九条の危ぶんだ不安が的中し=トラウマ(小学生時代に友達のコンパクトを壊してしまい土下座を強要された=正義感の根幹)を突かれて危機を呼び込む話がオチ(コンパクトの持ち主がピアスのクレームをするが、クレーマーとして心無い対応してしまう=相手は倉持のことなど忘れていた)となる。
    飯山広恵=焼肉店やスナックなどの経営をしている要注意クレーマー。倉持の土下座作戦にて敗北を喫する。
    与瀬晶子=中学の国語教師にして今回のクレーマー騒動の仕掛け人=他のクレーマーをまとめて九条に挑んだ。
    徳井美江=フタバ百貨店内でジュエリーキタの店長をしているが、脅迫じみたクレジット契約とクレーマーに捻じ込まれて本社から店舗の移動を命じられるハメになってしまう・・・。
    斉木加奈子=食品の賞味期限クレームの得意な親子クレーマーであり、40過ぎの息子と共にクレームで生活している・・・。
    斉木利夫=母と共にしている食品クレームがメインな分、食べ物の味などにはうるさいグルメクレーマーと化している。
    深堀譲二=女学生に人気の服飾ブランドBalPalBal(BPB)のフタバ百貨店店舗の店長。この場所への転属を都落ちと思って客からのクレームが多い接客をして九条に手間を取らせている問題店長=多田氏のクレーマー化へのキッカケを作ってしまう。
    宇田川祥子=フタバ百貨店ではクレーマー認定されているが、本当は九条にさまざまなクレームの話を教えてくれていた苦情処理コールセンター勤務者。タイトルの文句を九条あてに送った張本人でもあり。九条の退職を嘆いている。

    倉持のネット利用のクレーマー撃退で百貨店来客数も増加するも、お客様対応が疎かになり、その酷い対応をネットでつかれて百貨店側が困る事態を招くが。九条が何とか改善して退職し花束を机に置いて終幕となります。
  • 満足度★★★★

    時代を反映
    前回の作品より笑いが少なかったように感じ、ちょっとだけ終演後の気持ちが重かった、かなぁ(笑)。決してツマラナイ訳ではなく、むしろあまりにも社会派に振った内容で、難しいテーマを投げかけてくれた。初日ゆえに一部セリフがぎこちない箇所もあったけど、サンハロンシアターらしい舞台。

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