グループ・アントルス『[àut]』 公演情報 グループ・アントルス『[àut]』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★

    この際言わせていただくわ
    もう公演も終わっちゃったからこの際言わせて頂くわ。
    良くも悪くも意味不明って感じかしら。
    こういうコンテンポラリーダンスって細かい動作全部に意味を持たせない場合もあるじゃない?だから観ている側も理由を探す必要はないんだと思ってるの。
    でもね、そういうパフォーマンスだからこそ言葉ではなく魂に訴える何かを感じたいのよ。私。
    20分くらいまでは、の後きっと何かが起こるはずと期待してたのよ。
    でも期待を裏切って、というか期待を裏切らずこうなのよねきっと。
    フランス的なシュールでは片付かないんだから。

    感想?身体が柔らかいのね、かしら。
    音もノイジーだし、1時間弱くらいもうただの苦行でしかなかったわ。
    あらやだ、厳しい?
    でもね、私の魂を揺さぶる事は一度もなかったのでこの点数よ!

  • 満足度★★★★

    歪みの中
    観ているときは何もかも忘れていた。手足の指先ひとつ意味があって動いていたりして、地面に貼りついたり、わわわわってなったり、どどどどどってなったり、きーーーーーーーーーーんってなったり…好きな空間でした。決して心地よいとかじゃなく。不思議な空間に彷徨えました。

  • 満足度★★★★★

    行けないかな、と思ってたけど・・
    偶然家に来た兄貴の車で運んでもらって・・当日券で。劇場が家から近かったもので(苦笑

    自分は逆にテクニックよりは物語の方が先に頭に浮かんできました。


    ネタバレBOX

    足元にある不気味な黒い塊。

    なかにラジコンが内蔵されているのか、時折「ウィーン」という音を立てて男女の周りを巡ったり、男性の足にぶつかったり、後ろに回り込んだり。

    音楽が時折変わる。

    懐かしい音楽だったり、楽しい時もあるが、ふいに終わると不安に包まれたような表情で見つめ合う男女。

    足が時折地面に吸い付くようで、ずっと重くなってしまったのか、自分の意のままに操れない。

    成程。

    あの黒い塊は、病気、あるいは怪我。あるいは不安そのもの。

    慎重に間をとっていたつもりではいても、不意に運命とともに接近するその影をよけることは出来ず、二人の間を引き裂いてしまう。

    やがて片方を闇の中に引きずり込んだまま物語は終わるのか?

    観客席が明るくなってこれで終演かと思われた後抱き合う男女。

    「死がふたりを分かつまで」・・?

    いや、これは死んだ後の世界と見るのが正しいのではないのかなと自分は思った。

    ここでは闇の意味は反転している。

    それまでは、人生と言う闇。

    やがて安らぎの中死という闇の中で睦み合う。

    テクニックとしても高度、というかシンプル。最小限。

    物語としても60分の中にすべてが凝縮されている。

    まさに昔のサイレント映画のよう。

    パースペクティブを強調した黒一色のシンプルなセットは昔の表現主義を意識しつつ完全に塗りつぶした贅沢な視覚だったのではないのかな。

    帰りに外のポスターを見て思ったのは、
    百年前(あるいは200年前)の場末の人生を美しい蒼い華に昇華することを目指した小品だったのではないのかということ。

    美しい。チャップリンか何かのように。
  • 満足度★★★★

    奇妙な世界
    観客に媚びることのない独特のシュールな世界観が魅力的で、1時間弱の間で一瞬も集中力を失わせない作品でした。

    開場すると、壁で三角形に仕切られたステージに既に女性ダンサーが静かに佇んでいて、オペレーターの2人が入って来て始まり、更に男性ダンサーが入って来て激しくないものの異様なテンションを感じるパフォーマンスが展開しました。途中からはおそらくラジコンにカバーを被せた、照明を仕込んだオブジェが登場し不気味なユーモアを感じさせました。時折照明が切り替わり『美しく青きドナウ』が流れて、奇妙なデュオを踊るシークエンスが何度か繰り返された後、終盤で不意に客席が明るくなり、何事も無かったかの様にまた暗くなり、今度は壁の向こう側が明るくなりそのまま終わってしまうという、人を食ったような雰囲気が魅力的でした。
    結局何が言いたいのかさっぱり分からず、奇妙な印象だけを与えたまま終わりましたが、逆にその突き放し方が爽快でした。

    LED照明を用いた青や緑の一色の光に照らされた空間やダンサーが非現実的で印象的でした。動きもいわゆるダンスとはかなり異なるタイプで、重力の方向や空間が歪んで感じられる様な人間離れしたムーブメントやポーズが飄々と繰り広げられて不思議な感覚でした。冒頭の女性ダンサーの常に微かに揺れながら繊細に異様な形を作って行くシーンや、デュオで絡みあって手足がどちらのものか分からなくなって行くのが刺激的でした。

    おそらくステージ上の椅子やダンサーにマイクが仕込まれていて、それを増幅して音と動きの関係を意識させる手法が興味深かったです。

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