満足度★★★
正直、私には理解不能ですが
何だか、五感で体感する芝居という気がしました。
台詞に官能性があり、言葉で愛撫されているようなゾクゾク感で、気持ちがざわつきました。
デウ゛ィット・ルウ゛ォーの演出作品は、感覚的に好みですが、何せ、私には、ハロルド・ピンターを理解できる頭脳は皆無のようで、3人の登場人物の誰が実在の人物なのか、もしかしたら、3人とも不在なのか、果たして、女性は二人存在するのか…等々、さっぱりわからず仕舞いでした。
ただ、わからないながら、エキサイティングで、スリリングであることは、確か。3人の配役も絶妙で、堀部さんが、とてもセクシーに感じました。
久しぶりに遭遇してしまった、伝説のブラボーおばさんが、彼女特有の、あり得ないリアクションで、一人高笑いし、最後には、一人だけスタンディングして、にんまり笑っていらしたのには、まるで不条理劇の置き土産風で、さすがのハロルド・ピンターをさえ、あの世で驚かせたのではと思いました。
予想通り、この作品を、日生劇場で、上演したのには、賛成出来かねました。
上演時間も短いし、これは小劇場で観たい作品でした。
満足度★★★★
密やかな官能性
女2人と男1人の濃密で曖昧な会話劇で、単純に笑えたり泣けたりする場面は皆無でありながら、冒頭からラストまで求心力を保ち続ける充実した作品でした。
昔の思い出を象徴する様なまだらなモノトーンに塗られた家具や調度品が舞台奥に並べられ、物語は客席に浮く様に張り出した正方形に近い赤いカーペットの敷かれたステージで展開しました。
交される会話は3人それぞれの記憶が異なっていて、何が事実なのかが分からないまま進んで行き、終盤でようやく少し明かになったかと思うと、明確な事実が判明することも無いままに終わってしまい、記憶の曖昧さがそのまま舞台上で表されていたかの様でした。
音楽や効果音はほとんど用いられず、誰も喋らない間も多い、静かな作品でしたが、思わせぶりな視線のやりとりや体への接触がミステリアスかつ官能的で、引き込まれました。舞台の形状や昔話を語る形式が能を思わせました。
室内を舞台にした登場人物3人だけの作品に日生劇場の空間は広すぎるのではと懸念していましたが、客席と舞台との間に空気の壁が感じられことによって、リアリズムの演技で台詞も海外戯曲ならではの違和感も無かったにも関わらず、どことなく現実離れした感じが出ていて良かったです。
最初と最後の演出も大空間ならではの表現となっていて効果的で強く印象に残りました。
終演後にルヴォーさんによる公開ワークショップがあり、柔軟な即興能力とコミュニケーション能力を要求する課題を若手の役者4人がこなす様子が興味深かったですのが、役者達がすぐにふざけた笑いの方向に持って行ってしまうのが残念に感じました。
満足度★★
同じ作品観たはずなのに・・・・・
一緒に観た人と話の内容が合わない=これが狙いか演出家デヴィッド・ルヴォーよ!=確かに人の記憶(?)の不確かさは理解できた約80分。
(んでアフタートークにその演出家さんと助手=通訳さん付いて30分弱ほど+)
舞台セットは赤を基調に豪勢でいろいろ面白く感じる作りでありました
(ここだけの評価だと星5つ~です(^^)