女王の盲景 公演情報 女王の盲景」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 20件中
  • 満足度★★★

    2014年の初観劇はコレ
    面白いことは面白かったんだけど、なんかこう…あともうちょっと!って感じ。何でかな。
    ストーリーはもちろん、衣装や舞台美術も目指すところはよく判るし、なかなか素敵に仕上がっているともおもうのだ。

    ネタバレBOX

    とにかく一番つよく感じたのは、「草薙が可哀想すぎる」こと。
    人生のほぼすべてを捧げていたと言っていいほどの献身だというのに、何一つ報われない。
    劇中での活躍は人一倍で、彼女の芸達者ぶりがみどころの大きな目玉だというのに、役柄としてもまったく掘り下げられないなんて…。
    男性で、しかもお若い脚本家には顧みられないキャラクターなのかしら(涙)

    キッチンに用意された朝食が一人分多いことで「この家に誰かもう一人いる」と仄めかすエピソードがあったのに、ほのかが起きるのは午後からだという話があったり、「窓の無い部屋」のはずなのに「鳥が入ってきた!」という咄嗟の噓をまったく疑わないとか、色々矛盾があって気になったせいかしらん。
    それを言うなら、草薙が一人何役も演じているのをほのかが気づかない訳がなかろう!と突っ込みたい。盲人は音や気配に敏感なはずなんだから。
    ほのかが自ら望んだ噓だから、無意識に気づかないふりで騙されているのだという説もあるけど、うーーん。

    少女のために嘘をつき、監禁して世界を作り上げる。
    そういう物語はよくあるが、結末はその噓や世界が破綻するのが殆どだとおもう。
    というか、噓の世界がほころび始めるところから、破綻するまでが「物語」なのだな。フム。
    「誰も死なない世界」という噓は、もう破綻することが目に見えているのに。
    嘘をつき始めた時はまだ慶一郎も少年だったから、きっと「ずっと先」のことだとおもったのかも知れないね。そして噓を信じたほのかが、数十年を経て少女のままなのと同じく自分もそうあれたらとおもっていたのかも…。
    年老いた慶一郎の手をとった時の、ほのかの叫び声が残酷だ。
    若いハイジよりも老慶一郎に一歩近い年齢のアタシにも、さっくりとココロに刺さる。

    結局、ほのかは老慶一郎と手に手を取り消えていく。
    あのふたりにとってはハッピーエンドだけれど…(ハイジも高遠もまだいいよ?でも…)
    ラスト、その後についてハイジが語るシーンは蛇足。無い方が叙情的かと。
    そうそう、レビューをいくつか読んで知ったのだけど、リンゴの香りの演出があったらしい。
    しかしアタシはまったく気づかず…。アタシの鼻がバカなのか、一番後ろまでは香りが届かなかったのか…。


    ハイジ役の和田くん、イケメン枠で期待してなかったけど、わりとちゃんとした役者さんだった。すらりとして、本当にイケメンだった(たぶん。最後列からだったので、よく見えなかった)なぜ役名がハイジなの? 草薙がロッテンマイヤーさんだから?

    老慶一郎の大門さん、ベテランさんなのだろうけど随分と噛んでいて気になった。この日だけ? 噛む以外はとても良かったんだけど。

    草薙の小玉さん。まさに彼女の芸を堪能するための芝居。演じ分けもさすが。老慶一郎への想いがちらと描かれていたけれど、その後全くスルーで悲しすぎる! 一番笑いを取っていたけれど、一番悲しい役だった。母娘で慶一郎を養ってあげたのに…。

    高遠のかじもん。おもったより出番が少なかったけどよかった。ハイジ(こちら)側と、特殊な屋敷の世界とを橋渡しする役。おちゃらけているけど、実は過去に傷を持つ切ないお医者さん。彼のその後も気になるわ…。

    ほのかの青木嬢、まだ二十歳ということでまだ青いかな~。叫び声が耳に厳しかった。
  • 満足度★★★★

    コワいコワい…
    孤島(?)での仕事の唐突な誘いを請けた青年の驚くべき体験…。
    序盤はよくワカらない仕事に就く青年に感情移入して漠然とした不安を感じたが、事情が明かされるに従いそれは超自然的なモノに対する畏怖へ変容し、ある人物の「反乱」に至ってはコワいコワい。
    そんな物語、モラトリアムでぬくぬくしていないで現実と向き合いなさいと諭されているようで、胸の奥底がチクチクしたりも。
    また、本人にとってのみ時間が進んでいず周囲は普通に経時変化していることから浦島太郎も連想。→終盤、真実を知って一気に老けるのではないかと…。(順番的には急に老いるイメージが浮かび、そこから浦島太郎を発想)
    ちなみにほさかさんに伺ったところ、浦島太郎は全く念頭になかったとのことだが、エンディングについてはもっと悲観的な案もあったとのことで、それもそれでアリか、と納得。
    なお、小玉さんの役どころは登場した時点では「あーやっぱり!」ではあったものの、その後は「そう来たかぁ!」でありました。(笑)

  • 満足度★★★★★

    美しかった
    言葉の一つ一つにジーンとなり異空間を十二分に堪能した。出演者も魅力的で今度は本公演を見たい。

  • 満足度★★★

    ダークじゃないファンタジー
    4人で大人数のお芝居。
    小玉さんの孤軍奮闘が見れる舞台です。
    そんな騙されるハズないよーと思いますが
    みなさんの演技も良かったから
    魅入ってしまいましたね、
    みなさんはどう思うのは解りませんが
    個人的には幸せな方のファンタジーだと思います。
    これこそ優しい嘘なんでしょうね。

  • 満足度★★★★

    観応えあり
    よく作り込まれたシナリオ構成。舞台美術も綺麗で観応えあり。ただ、今作は展開が読めてしまった事もあり、ダダ泣きとまではいかなかった。ラストにぐわっとくるタイプで、じわじわときた『空想』の方が好みに合うという我儘な感想。

    ネタバレBOX

    ちよっと気になったのは、納得感が少し低いこと。本当にそんな事あるのか?と疑問を感じてしまった。力技でもいいのでその辺りを流れで押さえ込んで欲しかった。自分で無理やり理屈付けしなければならない部分が何箇所があり、そこがクライマックスに影響したかも。

    小玉久仁子が良かった。コミカルな部分を担いつつ、実は一番悲劇的な役柄を好演。普通に考えれば一番悲惨なのは彼女。シナリオの力点がもう少し彼女にも傾いていたらもっと素晴らしいものを観られたのではないかと思うほど。

    最後の暗転下での演出は吃驚。何度か近いものは体験していたが、演出効果として確り体感出来たのは初めてかも。強弱も絶妙にコントロールされてた。あれはやっぱり場当たりからいろいろと工夫と調整をしたんだろうなと感心。
  • 満足度★★★★★

    すばらしかった☆
    前回の公演がとても良かったので 期待していましたが、 ずばり 期待以上でした!   
    舞台美術、照明、演技、そしてストーリー  すべてにおいて最高 と言っていいでしょう!
    最後まで ずっと物語の世界に引き込まれていました!
    大満足です☆☆☆


  • 今年初の観劇
    ほさかさんの作品は初めて観ましたが、すっかり虜になってしまいました。
    次回作も楽しみです!

  • 満足度★★★★★

    圧倒的な世界観
    「組曲空想」からファンになったほさかさんの待望の新作。
    切なくて哀しいおはなしだけど私はこちらの方が好み。世界観がすごくて。
    周りのお客さん結構泣いていたけど、人によってそのポイントが全然違うのがはっきり分かって。いろんな見方ができる作品なんだと思います。
    もう一回見たいけどしばらくひきずりそうで怖い。

    ネタバレBOX

    医者役の鍛冶本さんが特に素敵でした。
    飄々としてて全体的に軽い感じなのに、子供を中絶させていた(させようとした?)ことが明らかになって。それまでの台詞にも後悔や償いが含まれていたことに気づいて、そこからラストまで泣きっぱなしでした。
  • 満足度★★★★

    刺さりつつも揺れる
    2014年の観劇初めに空想組曲は、個人的にざわめく観劇初めでテンション上がったので、良かったです。
    ギリギリまで悩んでいたのですが、観に行けて良かったです。

    ほさかさんの紡ぐ、美しく滑らかな言葉は、かなりの確率で刺さりますけど。
    痛いですけど。
    うちひしがれますけど。
    それでも、魅力的なんですよね。
    優しいだけじゃない世界なのに。
    リアルでもあり、ファンタジーでもある世界の境目を、緊張感と違和感を感じながら、笑いも涙もある人間関係に、心揺さぶられました。

    現実とファンタジーの境がわからなくなること、狂うこと、演じること…。
    誰のために?
    誰かのために?
    自分のために?
    幸せって何だろうなって思うような。
    人と関わらないと生きていくことは出来ないというあたりまえの前提を踏まえた上で、嘘をつくこと、また真実を晒すことは、幸せになることなのか…?と、すごいぐるぐる考えてしまいました。
    「いい人」っていうのは、自分にとって都合の良い人のことなんだなあって…改めて感じたり。
    たくさんもやもやもします。
    もやもやしても、答えは出ません。
    ですが、色んな要素が盛り込まれていて、受け取る側のチョイスで、色んなメッセージが受け取れるような気がして。
    あのストーリーで、ポジティブなラストを想像することは、ちょっと難しいのですが、それでも5人の不思議な関わりは濃密で、各キャラの幸せを願うものでありました。

    色々刺さったけど、楽しかったです。
    舞台セットも、照明も素敵で、大人向けなファンタジーでした。
    私は、空想組曲の本編観る前に、短篇と番外編観ちゃってるので、カラーの違いはわからないけれど、(本編は最初からファンタジー、番外編は現実の入り口から見えるファンタジーってことでいいのかなあ?)染みる舞台でした。

    ネタバレBOX

    大門さんの迫力、捻れてしまった、深く一途な愛情に圧倒されました。
    あの味わいは、人生の経験値な気がします。
    そこまでして、ほのかちゃんに虚言の世界を与えるほど…現実が嫌いなのかと思うと、その世界を本当に欲しかったのは、時任さんなのかな。
    名目は、ほのかのため、だとしても。

    ほのかちゃん役の青木さんは、あの中で唯一無邪気で唯一天真爛漫で、それが逆に見ている方がつらくって。すっごい複雑でした。

    和田くん。執事服がお似合いで、熱い演技と笑顔が爽やかだった。
    ストーリーテラーも分かりやすく、かっこ良かった。
    ハイジって、マラソンって…「風は強く吹いている」の清瀬ハイジかと思ってしまいました。
    生田君時々小池徹平君みたいな、イケメンさんでした。

    小玉さん。大活躍!抜群の演じ分けが絶品。
    イメージはアルプスの青年ハイジに対するロッテンマイヤーさんと見た。
    大好きだ、そのネタ。
    でも…旦那様への想い…辛すぎる。
    側にいても、手に入らない望み。切なすぎるー。

    そして、かじもーん!素敵だった!輝いてた!
    キャラメルで見るよりかっこ良かったなぁ。
    第3者としての目線は、とてもリアル。

    ラストの暗闇でのストーリーテラーで終わるというのは斬新。
    結局、特に何も解決しないというか、明らかにしないというか。
    真実を闇の中に隠したのは、もやっとするけれども、それでも、彼ら、彼女らの幸せを祈らずに居られない。
    なお、暗闇にほのかに香る、りんご(アップルティー?)の香りが、これまた甘酸っぱく、柔らかく客席に漂い、涙が出た。
    りんごからの想像が、良いほうに行くか悪いほうに行くかは、見てる側の想像力次第っていう感じがしました。
  • 満足度★★★★★

    今年初リピート
    ほさかさんのアフタートーク(滅多にしないらしい)を我慢出来ず、今年初リピート。
    二回目の方が伏線や言葉の意味を深く探ることができて興味深かった。
    番外とは言え、そこは空想組曲。複数回見る楽しさがある。

    重苦しさのあるストーリーの中で、キャラメルボックスの鍛治本さんが実に良い清涼剤。

    ネタバレBOX

    ラスト近くの小玉さん演じる草薙の叫びが切なくて泣いてしまった。

    アフタートークは神谷ハイジ役の和田さんと。
    しっかり受け答えする和田さん、絶妙な返しをするほさかさん。真摯に答え合って、なおかつサービス精神満載な美青年二人。終始劇場が笑いに満ちて、これだけでも見る価値有り。
    ほさかさんがこの作品をあえて「番外」と銘打った意図を聞いて実にしっくりきた。
  • 満足度★★★★

    小玉久仁子サンが楽しい(^_^)
    特に目新しさの無い少女趣味的(もしくは少女漫画的)ファンタジー。
    俳優陣の演技や照明等素晴らしいが、物語としての吸引力が弱く多少物足りなかったかな。

  • 満足度★★★★★

    素敵なお話
    ガマ王子vsザリガニ魔人を思い起こしました。

    ネタバレBOX

    現実と空想が交錯する話が本公演ということで、現実だけの話を番外公演と称したということでした。そうすると、ほのかがいつまでも少女であること、慶一郎が年齢よりも老けていること、慶一郎の若さがほのかに吸い取られていたように思えた現実に頭がクラクラします。

    その後、リンゴの森に出掛けた二人はどうなったのでしょう。全てを理解したほのかはその後少しずつ年を取り、慶一郎はほのかから若さを少しだけ返してもらって少し若返ったのではないかと想像しました。

    素敵なお話、美男美女。ほのかの白いドレスや、ほのかのためにみんなが演じる様は、ガマ王子vsザリガニ魔人のようでした。

    小玉久仁子さんの不思議な話の中での抑え気味の個性的な演技は素敵でした。普通の話の中での抑え気味の演技も見たいと思っています。

    大門伍朗さんがちょっと噛み気味だったのは少し気になりました。
  • 満足度★★★

    嘘と夢想の境界線
    先日、早割チケットをあまりの寒さに無駄にして、でもどうしても観たくて、再度チケットを購入し、観に行きました。

    いつになく、少人数の、ほさか作品。

    主役の和田さんが、玉木宏さんと小池徹平君を混ぜたような好男子で、ビックリ!でも、どこかで見覚えがあると思ったら、以前、別の舞台で、注目した俳優さんでした。

    相変わらずの、飛び出す絵本のような世界。

    昔は、ほとんど嘘をつくことを知らない少女だった私も、最近は、家族のために、かなり嘘つき女になったので、ストーリー進行の最中に、自分の嘘の必要性を検証したり、嘘と夢想の境界線を考えたりもしていました。

    後半、泣いていた観客が多数いましたが、周囲の感想同様、「なかなか良い」といった程度の印象で、ほさかさんの渾身の一作とまでは、言い難い気がしました。

    ほとんど常連の役者さんではなかったので、普段のほさかワールドの熱とは違う空気があったせいかもしれませんが…。(大門さんが、何度か噛むのは仕方ないとしても、重要な台詞を言い間違えた部分は、さすがに気になりました。)

    でも、二度もチケットを買った甲斐はあったと思います。

    ネタバレBOX

    神谷ハイジへの手紙の差出人の名前を、ほのかが、ハイジに呼び掛けるところで、既に、ストーリー展開の大枠を、推測できてしまうのが、ほさかワールドファンとしては、やや物足りなく感じてしまいました。

    小玉さんの多彩なキャラは、芝居として、大変痛快な部分ではあるのですが、ただ後半に爆発する草薙の苛立ちの理由が、もうひとつ、共感にまで至らなかったのは、草薙という女性の脚本上の心理描写が、やや浅薄だったせいではないかなと思いました。

    夢想のお城の住人3人に比べ、現実社会に生きる、マラソンランナーハイジと医師高遠の苦悩の描き方は、リアルで、二人が、心情を吐露する台詞には、何度も胸を打たれました。

    ほさかさんの生み出す世界には、まだまだ興味が尽きません。次回公演も、楽しみに待ちたいと思いました。
  • 満足度★★★

    2014年の観劇始め
    番外編と銘打っているが、安定のほさかワールドだった。
    人は見たいものしか見ない。
    たとえそれが嘘と分かっていても。
    少女が見えない目で見つめていたのは
    正に自身の夢の国であり、
    それを与えた者さえもただの僕にすぎず
    その世界を共有するためにはただ与え続けるしかなかったのだ。
    嘘は人を縛る鎖なのか、他者を救う手のひらなのか。
    他者のための嘘のつもりが
    実は自分を守るためのものになってはいないか。
    そんな事を考えてしまう芝居でした。

    ネタバレBOX

    本土から遠く離れた孤島に
    ひとりの青年がやってくるところから物語が始まる。
    神谷ハイジは将来を嘱望されたマラソンランナーだったが
    自分が走ることが自分だけの物でなくなっなったことに失望して
    走ることをやめてしまう。
    そんな彼の元に島で働かないかとの誘いの手紙が届く。
    見ず知らずの自分に何故このような手紙が届いたのか、
    興味半分、現実逃避半分の気持ちで島を訪れたのだが、
    島で待っていたのは足の悪い老人時任慶一郎と使用人の草薙、
    島で唯ひとりの医師高遠だった。
    彼等はある秘密を共有していた。
    盲目の少女ほのかの信じる世界を守るために、
    全員が演じ取り繕ってきたのだ。
    好奇心からこの秘密を知ってしまったハイジがこの世界に加わる事により
    少しずつ綻びが大きくなってゆく。
    そしてそれが繕い切れなくなった時・・・。

    ハイジ@マラソンランナーで三浦しをんの小説『風が強く吹いている』の
    清瀬灰二を思い浮かべてしまいました。
  • 満足度★★★★★

    切なくて痛く刺さりながら、優しく愛に満ちた作品
    空想組曲の新作公演を見に椎名町の風姿花伝へ。番外編として5人のみの濃密な会話劇だったが、いつものダークファンタジー、切なくて痛く刺さりながら、優しく愛に満ちた作品だった。
    毎回ながら脚本の完成度には 驚かされる。観る人の想像が膨らむ美しい言葉のセンスと紡ぎかた、現実と虚構が入り混じりながらラストに収束していく心地好さ。セットと照明も美しく、役者は当然の上手さで、好きな小玉さんはらしい活躍、主役がイケメン過ぎ。

    ネタバレBOX

    現実から空想への逃避は楽だけど、誰かの(自分の)ために狂うこと、演じること、嘘をつくことは本当に幸せなこと?結局は自分を傷付けないために嘘をついて何ものかを演じながら生きていくのだろうか?せめて楽しい嘘をついて信じていけたらなあ…
  • 満足度★★★★★

    最高
    絵本の中に入り込んだような感覚でした。
    ほさかさん特有の、虚実と時間の入り交じりに魅了されました。
    今年の観劇初めがこれ、良い年になりそうです。

  • 満足度★★★★★

    ほさかさんの才気
    番外公演ということで本公演とどう変えてくるのか期待して観劇しましたがいつもの空想組曲の世界観にも匹敵する質感でほさかさんの類いまれな才気を感じました。虚構と現実の狭間を行ったり来たり。素敵な時間でした。

  • 満足度★★★★★

    空想の新境地
    確かにコレは番外!
    妄想と現実が入り混じる世界を描く空想組曲の新たなる到達点。

    大枠はあくまで現実路線のはずなのに、観客に現実と妄想の曖昧さを疑わせるストーリーテリングと演出はさすがの一言。
    設定は複雑ながら、これ以上なら説明過多、これ以下なら置いてけぼりをくらうという絶妙なラインで描き、まるで純文学のような肌触り。

    ネタバレBOX

    キャストは全員適材適所。特に小玉久仁子さんの演じ分けは圧巻。

    ラストの暗闇の中に、台詞でも語られた「孤独と豊かさと祈りに満ちた風景」が劇場空間を越えて広がった気がしました。
    アフタートークがある回にすれば良かったとそれだけ後悔。
  • 満足度★★★★★

    長い そして静かな余韻
    強烈なコメディエンヌとしての小玉さんしか知らなかった自分を恥じた作品でした。


    小玉さんに限らず、五人の役者のエネルギーのぶつかりあいを堪能しました。

    空想組曲というのは初めてです。しかし劇団、世代の枠を越えたこんなコラボは、わくわくします。

    最初は舞台背景が説明不足と思いましたが、今はその語らなかった部分は、観る側のイマジネーションに委ねてくれてい
    るのだと感じさせます。

    次の日の今も、まだ心地好い余韻が私を満たしてくれています。

    ネタバレBOX

    物語の最後、暗闇の中で和田琢磨さん演じる神谷ハイジの静かなモノローグがとても良かった。

    おはなしがおわるのは…

    の結びの言葉は忘れがたく、急いで書き留めました。
  • 満足度★★★★★

    新しい…!
    初日観劇。
    組曲『○○』シリーズを番外公演のように思っていたのですが、今回はしっかり番外公演vol.1って銘打たれているので、どういうこと?と思いながら、どっかに会話劇って書いてあったよねーくらいのことしか考えずに、素直に着席。
    確かに舞台となる場が限られてて、移動は少ないけど、会話劇だ!という印象は全然なかった。

    見た感触はどうだったかというと、手触りが全然違う!ふわっとしてる!
    今まで見てきたものがペルシャ絨毯だとしたら、今回は羽毛布団みたいな。

    新生・空想組曲って言ってもいいくらいな気がする。
    言葉の力を癒しに使おうとしているのか。祈りに満ちていて。

    小玉久仁子さん(ホチキス)ファンの方は必見です。フル活用!嬉しくて思わず笑っちゃいます。会話劇だと感じないのは、小玉さんが大活躍してるからってことも大きいかも。

    あと、今回が舞台初挑戦だったと思うんだけど、青木志穏さんのエネルギーがすごい。
    ひっぱたかれるような、引き倒されるような、そういう瞬発力のある惹きつけられ方でした。物凄い女の子を見付けてくるなぁ。

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