女王の盲景 公演情報 空想組曲「女王の盲景」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    刺さりつつも揺れる
    2014年の観劇初めに空想組曲は、個人的にざわめく観劇初めでテンション上がったので、良かったです。
    ギリギリまで悩んでいたのですが、観に行けて良かったです。

    ほさかさんの紡ぐ、美しく滑らかな言葉は、かなりの確率で刺さりますけど。
    痛いですけど。
    うちひしがれますけど。
    それでも、魅力的なんですよね。
    優しいだけじゃない世界なのに。
    リアルでもあり、ファンタジーでもある世界の境目を、緊張感と違和感を感じながら、笑いも涙もある人間関係に、心揺さぶられました。

    現実とファンタジーの境がわからなくなること、狂うこと、演じること…。
    誰のために?
    誰かのために?
    自分のために?
    幸せって何だろうなって思うような。
    人と関わらないと生きていくことは出来ないというあたりまえの前提を踏まえた上で、嘘をつくこと、また真実を晒すことは、幸せになることなのか…?と、すごいぐるぐる考えてしまいました。
    「いい人」っていうのは、自分にとって都合の良い人のことなんだなあって…改めて感じたり。
    たくさんもやもやもします。
    もやもやしても、答えは出ません。
    ですが、色んな要素が盛り込まれていて、受け取る側のチョイスで、色んなメッセージが受け取れるような気がして。
    あのストーリーで、ポジティブなラストを想像することは、ちょっと難しいのですが、それでも5人の不思議な関わりは濃密で、各キャラの幸せを願うものでありました。

    色々刺さったけど、楽しかったです。
    舞台セットも、照明も素敵で、大人向けなファンタジーでした。
    私は、空想組曲の本編観る前に、短篇と番外編観ちゃってるので、カラーの違いはわからないけれど、(本編は最初からファンタジー、番外編は現実の入り口から見えるファンタジーってことでいいのかなあ?)染みる舞台でした。

    ネタバレBOX

    大門さんの迫力、捻れてしまった、深く一途な愛情に圧倒されました。
    あの味わいは、人生の経験値な気がします。
    そこまでして、ほのかちゃんに虚言の世界を与えるほど…現実が嫌いなのかと思うと、その世界を本当に欲しかったのは、時任さんなのかな。
    名目は、ほのかのため、だとしても。

    ほのかちゃん役の青木さんは、あの中で唯一無邪気で唯一天真爛漫で、それが逆に見ている方がつらくって。すっごい複雑でした。

    和田くん。執事服がお似合いで、熱い演技と笑顔が爽やかだった。
    ストーリーテラーも分かりやすく、かっこ良かった。
    ハイジって、マラソンって…「風は強く吹いている」の清瀬ハイジかと思ってしまいました。
    生田君時々小池徹平君みたいな、イケメンさんでした。

    小玉さん。大活躍!抜群の演じ分けが絶品。
    イメージはアルプスの青年ハイジに対するロッテンマイヤーさんと見た。
    大好きだ、そのネタ。
    でも…旦那様への想い…辛すぎる。
    側にいても、手に入らない望み。切なすぎるー。

    そして、かじもーん!素敵だった!輝いてた!
    キャラメルで見るよりかっこ良かったなぁ。
    第3者としての目線は、とてもリアル。

    ラストの暗闇でのストーリーテラーで終わるというのは斬新。
    結局、特に何も解決しないというか、明らかにしないというか。
    真実を闇の中に隠したのは、もやっとするけれども、それでも、彼ら、彼女らの幸せを祈らずに居られない。
    なお、暗闇にほのかに香る、りんご(アップルティー?)の香りが、これまた甘酸っぱく、柔らかく客席に漂い、涙が出た。
    りんごからの想像が、良いほうに行くか悪いほうに行くかは、見てる側の想像力次第っていう感じがしました。

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    2014/01/15 12:56

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