満足度★★★★
さすがイキウメにハズレ無し
やっぱりおもしろかった。今回は、ちょっとオカルトというか、怖いお話。
手塚とおる氏が出るというので、これもたのしみだったのだが…
満足度★★★
初イキウメ
期待をしすぎてしまったのか、ストーリーが自分にはハマらなかったのか、楽しみきれなかった。なんというか、中途半端な後味が残ってしまった。ただ、役者さんはとてもよく、違うお話で観てみたい…と、また期待を膨らませてしまいました。
満足度★★★★★
ハズレなし
新潟県柏崎市出身の前川さんのお芝居は、いつもちょっと暗く、不穏であり、私はいつも冬の日本海の暗さを感じます。
今回の「片鱗」もゾクっとする怖さ。日常の中のホラーが一番怖い。後ろに誰かがいるような…。
円形劇場の使い方も面白かったです。
ラストの、出産のシーンも象徴的(昔はたぶんあんな感じで産んでたんでしょうけど)で良かったです。
満足度★★★★
最終日観劇
気になっている役者さんに見つめられたら、恋に落ちそうなもんだが、ここに出てくる人達と視線を合わせたら、第六感と薄気味悪さが研ぎ澄まされそうな感覚に陥りそうだ。
人間関係や日常の因習が構築して破壊して、生み出し増幅し、成長し続けたような展開というか。
劇場内の空調やスタッフの動きを見ても何かあるのでは、と訝しさが包みこんでそれすらも興味深く、ホラーで不条理世界な舞台だった。
90年代末期〜00年代隆盛だったJホラー映画を思い出した。
縦横無尽に這いずり動きまくりながらも存在を消した手塚とおるさんが見事。
円形であの動きなら他の劇場ではどんな演出になるんだろう。
満足度★★★★
お隣さん
隣は何をする人ぞ。そうではなく、日常にあるひとつの風景の中にお隣さんとして生活していた気がしました。あのひとことがいろいろな意味を持ち、いろいろに受け取れる。面白い。
満足度★★★★★
ホラー作品だとは思わない
久しぶりに、イキウメの本領発揮の舞台だと感じました。
思索的、哲学的にして、やや怪奇的味わいが絶妙!
小泉八雲の怪奇小説を思い出したりもしました。
現代の怪談的な作りながら、どこか究極の人間賛歌風な後味が素晴らしかった!
今回、一番驚いたのは、大窪さんの演者としての並々ならぬ躍進ぶりでした。
かなり、円形劇場の芝居は観ている方だと思いますが、この劇場の使い方も、私のベスト1という衝撃的なセッティングでした。
それにしても、手塚さん、存在そのものが不気味で、改めて凄い役者さんだなあと感嘆!森下さんも、私が観たこれまでの芝居の中で、一番存在感ある役柄でした。
今後のイキウメが益々楽しみ。そして、前川作品の演出は、やはり前川さんご自身じゃないとと、改めて痛感しました。
満足度★★★
やや新味に欠けるかも
イキウメのホラー作品。閑静な住宅街に起こったある異変、
それが引き起こす疑念が徐々に大きくなって、やがて崩壊を
招く、という物語。
青山円形劇場をああいう形で使う、というのはなかなかない
感じで、すごい、と思いました。ただ、台本が…最後は多分
こうなるかな、と思ってた着地点に落ち着いたのが残念。
満足度★★
面白かった・・・かい?
正直、コレが舞台じゃなくて映像作品だったらもっと怖くて面白かったろうと思わせるのが残念(でも怖いの苦手なので映画だったら観にいかない)。
生身の役者が目の前で演じるホラー作品は怖がる気持ちに客席の自分を持って行くのが難しいよね。アバンタイトル的なパートが一番怖くて、後はひたすら左脳で観てしまった。
…まあ、それ以前にハナシも演出、照明、音響の手法もありきたりなホラー映画のソレなので、あのやり方で「ホラー演劇」ってムリあるかもなあ。
満足度★★★★
流石前川作品
イキウメ(前川)のアジが全面に出た良い作品かなと思います。
得体のしれない恐怖をSFチックに描き出し
現代に投影した作品に仕上がってます。
精神錯乱、不安、恐怖、想定外の事態と、通常の世界でなら当たり前のはずのことが
今現在の恵まれた世界では「ありえないこと」とされ、想定外の事態に誰も対処できず、今ある幸せを手放す恐怖、不安に苛まれ、崩壊していく現実的な恐怖にさらされ、どうしようもなくなっていく仮想現実をうまく描き出しているのではないでしょうか。
満足度★★★★★
「いい仕事してますねぇ」
・・とは、劇場を出る人波の中でおばさんが関係者らしい男性に嘆息まじりにかけていた言葉。この声に私もつい共振してしまった。
円形劇場は3度目。本谷有紀子、鹿殺し、で今作。一番良かった!(さんぶんのいちかよっ) ・・の意味は円形劇場の空間処理がうまい。
ほぼ腰の高さの四畳半大、リノを敷いたような台(下は空いている)が四つ並び、その間は十字の通路となり、台は登場人物(世帯)の家となり、シーン転換ごとに所有者が変わるのもめまぐるしい。代替可能性は、ああ多分この話が「誰にでも起こり得る事」の暗喩となってた、と思う。この装置のシンメトリー、あるいは点対称が「円形」にマッチしてるし、通路は各出口へと繋がっていて、怪しげな「侵入者」がいつ現れてもおかしくない「不安定」を醸してる。後付かもしれないが、案出した方の直感の源を手繰れば、あながちはずれでないようにも。。
満足度★★★★★
素晴らしい。
話のすじはありふれた感じがしました。でもベタをきっちり押さえた上でキャラが精密に描かれ、作り込まれた感情表現があれば、一流の作品です。SF的な、今現在は起こりえないのだけど、近い未来に起こったらと想像出来るくらいのリアリティがある。絶妙だと思いました。
満足度★★★★★
さすがです
手塚さんをこんな贅沢な使い方をして、役者が『ゆるさない』とか言い出して病院行きにならないか心配です。冗談はさておき、舞台自体は本、演出、役者の演技とも素晴らしく、さすがイキウメさんという舞台でした。
満足度★★★★
“怖いは面白い”を実感
面白い。なのに4つ星にしたのは、この劇のことを人に話す時、素直に「面白かったぁ~!」と言う自信がないからだ。というのも、バルブは話の呑み込みが悪く、結末の解釈に自信が持てずに終演後、自分の見立てが合っているかをスタッフの方に尋ねに行ったという体たらく。「合っている」とのことでホッとしたが、やはり自力で理解できなかった作品に5つ星はつけづらいものである。
とはいえ、分かりづらさが怖さを生むという側面もあるはずで、分かりやすくしようとバルブ基準に合わせて説明過剰にしていたら怖さが損なわれて本作は台無しになっていただろう。
やはり、当方のような物分かりの悪い人間は度外視して製作にあたるのが恐怖モノの作り手としての正しい態度なのに違いない。
ところで、ここまでに「怖」という字が繰り返し出てきたのは本作がホラー演劇として一級だったからに他ならず、ホラー慣れしてない当方は本作を観て“怖いは面白い”ということに気づかされ、今後はホラー演劇にも手を広げようと思った次第。
それくらい怖かったし面白かったのだが、それは演出や人物造形、さらには人物造形を支える演技に負うところが大だったと思う。
というのも、本作のストーリーだけを怪談話として人に話してもあまり怖がってもらえなそうな気がするのである。こう言ってはなんだが、筋だけに着目すると同巧の話を過去にも何度か聞いたような記憶があるのだ。
なのに本作が“一級のホラー演劇”と形容して差し支えない怖さを持っているのは、やはり演出、とりわけその大きな仕事の一つである人物造形の賜物だと言えよう。
冷淡な人間性がひしひしと伝わってくる長身の男も本作の不気味さを高める上で大きな役割を果たしているし、社交性に乏しそうで何を考えているのか分からないアフロヘアの独身男も同様だ。
しかし最も恐怖感を高めているのは、なんと言っても、本作の鍵を握る人物の家族だろう。
この者が時を追うごとに薄気味悪く見えてくるよう前川氏が演出したことにより、本作は“じわじわ、ひたひた怖くなる”というホラーの醍醐味をかち得たように思う。