満足度★★★★★
「いい仕事してますねぇ」
・・とは、劇場を出る人波の中でおばさんが関係者らしい男性に嘆息まじりにかけていた言葉。この声に私もつい共振してしまった。
円形劇場は3度目。本谷有紀子、鹿殺し、で今作。一番良かった!(さんぶんのいちかよっ) ・・の意味は円形劇場の空間処理がうまい。
ほぼ腰の高さの四畳半大、リノを敷いたような台(下は空いている)が四つ並び、その間は十字の通路となり、台は登場人物(世帯)の家となり、シーン転換ごとに所有者が変わるのもめまぐるしい。代替可能性は、ああ多分この話が「誰にでも起こり得る事」の暗喩となってた、と思う。この装置のシンメトリー、あるいは点対称が「円形」にマッチしてるし、通路は各出口へと繋がっていて、怪しげな「侵入者」がいつ現れてもおかしくない「不安定」を醸してる。後付かもしれないが、案出した方の直感の源を手繰れば、あながちはずれでないようにも。。