【千秋楽当日券ございます】値札のない戦争 公演情報 【千秋楽当日券ございます】値札のない戦争」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    日韓共作
    日本と韓国の二つの国の役者が共演して、戦争について上演するのはとても刺激的だなと思いました。テーマも良いし、要所に出てくる格言のような言葉もうまいなと思いました。それでも何故か既視感が強くて、物語にのめり込め無かったのは、僕の頭も平和ボケしてるのかな〜と思いました。

  • 満足度★★★★★

    見応えありました
    お芝居が終わってから、タイトルのつけ方がうまいなぁ、と感じました。日韓関係を半島側からこういう風に見えるんだ、という驚きが新鮮でした。それも、納得できる驚きで、理解が進めばもっといい関係になるんじゃないかと感じました。

  • 満足度★★★★

    戦争を利用する側の話
    二つの国を巡る大人の寓話。

    ネタバレBOX

    一国一核となった世界では戦争が無くなったそうです。切り札の核弾頭を一回使うともう使えないので対立が生じたときに慎重に対処するということでしょうか。そんな世界で、月国と星国が雨島を巡って対立します。月国が日本、星国が韓国という構図でした。

    戦争が無くなって失業中の星国の戦場カメラマンの捏造写真が元で対立がエスカレートしていき、核シェルターとミサイルを製造している星国の会社がより強い矛と盾を交互に作りながらせっせと儲けるという大人の寓話。

    ほこ×たてがヤラセだということに月国の人も星国の人も気付くべきでした。

    自分やごく親しい人の生命や財産に悪影響がない限り、雨島の所有権を主張し続けるというのは至極当然で、このままでは解決する見通しは立ちません。

    戦争を愛していたのか、失業中ではなくて廃業であるべきだったという戦場カメラマンの言葉は印象に残りました。

    そして、お金こそが人の気持ちを引き出すことができる、即ち人の気持ちを写すことができる一番のカメラだという事務所の男の言葉も凄い名言でした。
  • 満足度★★★★

    良かった
    知らないことや不安が、間違えた選択をするとすれば、一緒に創作活動をすることは、素晴らしいと思うし、継続して戴きたいです。応援します。

  • 満足度★★★★

    時代を見ようとする目
    4年前に国連決議された一国一核制度のお陰で、世界は完全に平和になった。戦争カメラマン、タリタリは、世界的に知られた戦場カメラマンだが、世界中に平和が蔓延してしまって仕事が無い。それで、旧知のヌードカメラマン、橋の事務所を頼った。二人は、友人だが、国籍は異なる。橋の国は、かつて、タリタリの国を植民地化していたのだ。
     何れにせよ、目先の問題は、仕事が無いことである。橋も優秀なカメラマンなのだが、モデルに手を出すのが早く、業界では要注意人物なのである。
     こんなわけで2人とも崖っぷちに立たされていた。尚、事務所には、もう1人、音門という仲間が居る。マネジャー役とでも言っておこう。橋の大学時代の写真部仲間なのだが、音門は、被写体に寄ることができず、プロはあきらめたのだった。
     何れにせよ、食わなければならない。企画を出し合うが。ここには、もう1人、押し掛けてくるシェルターの販売人、ラーニャソンがいる。彼女は、タリタリと同国人だが、矢張り、平和のせいでシェルターが売れない。
     彼らは日々、新たな企画、売れる企画を考えていたのだが、終に、その企画を発案、チャレンジしてみた。結果は爆発的なヒットであった。平和に飽き飽きしていた人々に議事戦争写真を呈示したのである。だが、人々は、疑似的なものに、心象風景を犯されていった。(追記2013.10.28)

    ネタバレBOX

    先に、疑似的なものに云々と書いたが、物語では、このヒットのさなか、隣国との間で領有が問題化していた島を巡って問題が起こる。音門は、これを好機と捉える。最初は、漁船の乗組員が島に上陸した。その後、音門達の国の旗を持って上陸したグループが、島の最も高い場所に旗を立てた。だが、タリタリの国の軍に排除され、旗が焼かれたのである。タリタリは報道カメラマンとしての本能から、問題が起きると直ぐ、島に飛んで取材をしていた。彼女は、旗が焼かれている現場写真を写していた。彼女は、発表すべきか否か迷うが、音門に説得され1度はメディアに発表することを認める。直後、前言を翻すが、時すでに遅し。時流に乗ったこの写真も、人々の戦争気分を加速させた。
     今作では、このように領土問題が語られる。現在、3つの領土問題を抱える日本としては、耳目を集める話題であり、多くの人々が踊らされる元凶でもある。興味のある方は、「永続敗戦論」白井 聡著などお読みになると宜しい。白井が指摘する通り、領土問題を論ずるならば、双方の当事者が、交わした国際間の協定なり何なりの原典に当たる必要があるのは、当然のことだ。また、国境画定に関しては、露骨な力関係が支配するのは、常識である。その上、国際関係の様々な利害、歴史的事情等々が絡み合って成立する諸条約・協定については、一見矛盾するような事態が度々生ずる。だが、互いに再度、戦争をして新たな領土画定競争をするのは忍びない。こんな事情があって棚上げにされて来たわけであるが、背景を知らず、知ろうともせず、またキチンとサジェッションしてくれるような有能なブレーンもいない場合、虎の尾を踏んでしまうのだ。そして、己は、そのことに気付きもしない。これは単なる馬鹿である。丁度、現政権トップがそうであるように。
     更に悪いことが、今作では描かれているのである。それはメディア操作によって踊らされる人々についてである。
     ひと頃盛んに言われた、勝ち組・負け組。この根底にあった価値観は、サッチャーがかつて述べた「社会というものは無い。私のお金、私の成功があるだけだ」という悲愴な発想と同根だろう。
     この論理に沿って行動しているのが、音門とラーニャソンらであるが、ラーニャソンによれば彼女のカメラとは即ち金、そのカメラは、「両カメラマンよりも世界をより写すかも」と宣う。因みに彼女の働くシェルター製作会社は、ミサイルも開発している。新しいミサイルはより強力であるから、シェルターを買い変えさせる需要に繋がり、シェルターを買い変えた頃には、また新たなミサイルを開発する、というである。かくして企業は安泰というわけだ。人々はたった一つの命を守る為には、永遠に買い物を更新し続けなければならないのである。
  • 満足度★★★

    強い批評性
    現在、大きな問題になっている日本と韓国(広くみれば中国も)との国際間摩擦をメディア批評を中心テーマに置きながら描いた寓話作品。

    今の社会状況で、そしてBeSeTo演劇祭で、日本人と韓国人が一緒にこの舞台を作る意義は大きい。

    ネタバレBOX

    ただし、芝居としては、メッセージ先行という印象が否めない。

    そこにある批評性が一義的な意味に留まり、演劇的な何かが生まれている感じがしない。
    月の国と星の国との摩擦・戦争を描いているのだが、
    寓話ではあっても、もはや直喩であって、日本と韓国のことでしかありえない。竹島/独島の問題なども直球。
    寓話的な意味の広がりが感じられなかった。
    勿論、直喩の面白さはあるのだけれど。

    それでも、ここで描かれているメディア批評は素晴らしい。

    平和な状況で、ちょっとした遊び心から撮り、売るために発表した戦場を模した偽戦場写真が、実際の戦争状態への引き金になっていく。
    また、実際の竹島/独島らしき島で撮った写真も、国旗を燃やしているのか、単にタオルか布のようなものを燃やしているのか判然としないようなものを、国旗を燃やしているものと受け取れるように敢えて発表するなど、お金に繋がりさえすれば(読者・観衆を興奮させられれば)、事実なんてどうでもよく、そしてその結果がどんな影響を及ぼそうが関係なく、なんでもセンセーショナルに報じる今の日本のメディア状況をとてもよく描いている。

    また、日常にあるような出来事と政治的な問題を重ねて描く点もよかった。
    男が「女は昔のもう終わったことをいつまでもネチネチ問題にするけど、もうその話は一度謝って、片が付いているじゃないか」というような主旨の発言には、韓国と日本との賠償や謝罪の問題が重ねられていたりする。この問題も、両方の言い分を別の役者に言わせることで、どちらが正しいということではなくしている点もとてもよい。

    ミサイルの問題と、男性器を重ね、そこに男性原理の暴力性を重ねていたりもする。

    戦場カメラマンの話が中心で物語が進むのだが、
    「お金こそ目に見えないものを見えるようにするカメラだ」というような台詞もよかった。

    だが、すべてが政治状況や思想的なものに意味を変換(解釈)して味わうという感じで、演劇的な面白さをあまり感じなかった。

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