満足度★★★★★
素晴らしかったー!
舞台美術も照明も音響も、
そしてもちろんなにしろ脚本と役者さんも、
本当に本当にレベル高くて驚嘆しました。
こんな素晴らしい作品を
こんなに目の前で迫力満点に
しかもこんな価格で観せて頂くのが
申し訳ないような気さえしました。
1万ン千円払って1000人キャパの劇場で
舞台装置と映像演出の方がウリモノっぽくなっちゃった
オオモノ芝居を観るのが
なんだかバカらしくなっちゃったなー。(ちょっと毒)
満足度★★★★
解ききる力
江戸の風情をそこはかとなく取り込みながら、
怪談の態で紡がれる物語。
一つずつの因果が語られる中で
観る側には恐ろしさより、
秀逸な悲劇の構造が残って・・・。
舞台の世界から抜けられなくなりました。
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
怪談と聞いていましたが、怖さよりも温かさやほんのりした感動が残りました。
話の作りがとてもうまく、ちょっとした小道具もよくできていました。
役者さんも皆さんがレベルが高くて、音の使い方光の使い方が効果的で、
なんとも文句のつけようのないいい舞台になっていました。
満足度★★★★
あれこれ見事
沙翁ばりの恋愛悲劇を成仏できない霊による復讐譚で挟み込む構造と明かされる意外な真相が巧み。
どことなく落語(怪談噺、人情噺)的な趣が漂うところも好みだし、内容に合わせた舟型の主舞台など美術も良く、序盤での堀畑杏奈の「人形振り」も見事。
満足度★★★★
バランスのとれた作品
芝居自体は、バランスも良く、シナリオが推理仕立てになっていて、ぐいぐい観客を引っ張ってゆくので飽きない。更に神霊の依代として用いられた人形と隗儡師を配して狂言回しと怨霊怪異とを巧みに結びつける手並みは鮮やかだ。
怪奇現象を顕在化させるのに用いられる方法としては、時空の歪みがあろうが、ここでは、依代としての人形を利用して輻輳化された空間が、必然的に時間を歪ますことを利用している。具体的には、フラッシュバック的手法を用いながら、怨霊の無念を明かし、死の原因を追及してゆくのだが、この辺りが推理小説のように巧みな展開を見せる。
舞台美術も左右シンメトリカルに舞台の上手、下手の縁に蜘蛛の巣を配置することによって空間の結界を作り、あやかしが成立する舞台を現出せしめている。と同時に蜘蛛の糸に絡まれた因果律をも暗示していよう。音響、照明も効果的である。欲を言えば、和服姿の江戸時代の女性であれば、歩き方はもう少し内股になるのが自然なのではないか、ということだ。膝までを締め、膝から下を内股に歩くのである。すると、和服の裾さばきがより美しくなるはずである。
満足度★★★★★
恩師に、時代劇作家中尾ありと報告したくなる
今でも、心の中に往き続ける、時代小説の大家である、我が恩師に、「知り合いの中尾さんという劇作家が素晴らしい才能なんですよ」と墓前に報告したくなってしまいました。(バックの中の遺影には、早速報告しましたが…)
旗揚げから、拝見していますが、今回の作品は、今のところ、最高傑作だと思います。
人物一人ひとりの心情が丁寧に描かれているし、観客に、情報提示する、脚本の頃合が絶妙で、構成の巧みさに感心します。
舞台セットのセンスも抜群。
役者さんも、公演の度に、進化されて、有名な脚本家の作品を、商業演劇で上演する時代劇などより、悠にクオリティの高い作品でした。
ただ、欲を言うなら、髪型と、帯に、もう少し、配慮がほしいと思いました。
特に、花嫁姿の場合において。
会話の中に、人魚のたとえ話が出て来ますが、ヨーロッパならともかく、あの時代の日本で、人魚という概念があったかしらと、その部分も、ちょっと違和感を感じました。
「浦嶋太郎」の方は、似たような伝承が、中世から伝わっていた筈で、OKかなとは思うのですが。
満足度★★★★★
真っ向勝負
半端じゃなく思い入れのある劇団さんなので、
観る前からちょっと緊張したりしましたが、
すごく面白かったです。
蜂寅企画の魅力といえば、
中尾さんが繰り出す、気風のいい江戸言葉の決め台詞、
役者の皆さんが放つ劇場が焦げ付くような熱い情念、
そして毎回お客さんを「ハッ!!」とさせる演出ギミック、
かなあ、と観劇前にぼんやり思っていたのですが、
今回はいつもの蜂寅企画の面白さに加え、
会話の繰り返しの中から忍び寄ってくるような
じわじわっとやってくる面白さがありました。
時代劇、というジャンル。
お芝居を作る上では
確かにかなり制約の多い「縛り」ではあります。
立ち振る舞いやしゃべり方はもちろん、
衣装や小道具のひとつひとつにも
「時代」というディティールが必要になってきます。
ですが、そういったディティールの丹念な積み重ねによって、
演劇の役割のひとつである
「観客を今、ここではない、どこか遠くへ連れていく」
という面でとてつもない威力を発揮する、
そんな難しくもあり、面白くもあるジャンルであるとも思います。
蜂寅企画さんの一番の魅力は
「私たちは、時代劇と真っ向勝負する!」という気概が
舞台の上にいつも立ち昇っていて、
そのエネルギーを一身に受けて前を見据える役者さん達が
なんとも、恰好良いです。うん、恰好良いんですね。これが。
蜂寅さんには、これからも時代劇というジャンルで
ガンガンやりたいことをやりたい放題にやっていってほしいなあ、
と思いました。
満足度★★★★
切れのいい
江戸弁で始まるパンチの効いた時代劇。怪奇と推理の要素もたっぷりあってすっごく楽しかった!幻想的な美術も舞台がそのまま部屋になったり屋形舟になったりと、上手いな~と感心。他にも人形振りや、時間のループなど、エンターテイメントとしても一級品でした。怪奇物からだんだんと心理劇の様相を呈してくるのも脚本の凄みを感じた。役者さんの演技も熱の入ったきれいな台詞回しとクリアーな発音で時代劇の醍醐味を満喫しました。ただ、初日のせいか、明らかな台詞の間違いがいくつかあり 残念至極。また、小劇場で本格的な日本髪などは難しいことと思いますが、あの髪ではやはりちょっと残念感が残った。でも人形師の衣装は素晴らしかった。怪しく、それらしい感じがよく出ていて、美しかったです。まさにジャパネスク!
満足度★★★★
初日、伺いました。
この世界観、音と照明、さすがです。怖くないので苦手な方も大丈夫です。むしろ切ないかなぁ。こんな本が書けるなんて、中尾さんすごいなぁ。