満足度★★★★★
恩師に、時代劇作家中尾ありと報告したくなる
今でも、心の中に往き続ける、時代小説の大家である、我が恩師に、「知り合いの中尾さんという劇作家が素晴らしい才能なんですよ」と墓前に報告したくなってしまいました。(バックの中の遺影には、早速報告しましたが…)
旗揚げから、拝見していますが、今回の作品は、今のところ、最高傑作だと思います。
人物一人ひとりの心情が丁寧に描かれているし、観客に、情報提示する、脚本の頃合が絶妙で、構成の巧みさに感心します。
舞台セットのセンスも抜群。
役者さんも、公演の度に、進化されて、有名な脚本家の作品を、商業演劇で上演する時代劇などより、悠にクオリティの高い作品でした。
ただ、欲を言うなら、髪型と、帯に、もう少し、配慮がほしいと思いました。
特に、花嫁姿の場合において。
会話の中に、人魚のたとえ話が出て来ますが、ヨーロッパならともかく、あの時代の日本で、人魚という概念があったかしらと、その部分も、ちょっと違和感を感じました。
「浦嶋太郎」の方は、似たような伝承が、中世から伝わっていた筈で、OKかなとは思うのですが。