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沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】
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公演情報
蜂寅企画「
沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】
」の観てきた!クチコミとコメント
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unicorn(1870)
満足度
★★★★
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面白い。
ネタバレBOX
お吉(堀畑杏奈)の失踪から1年。結婚相手だった鶴屋二代目の孝之助(斉藤太志)や迷子のお吉を引き取った善蔵(ヲギサトシ)や善蔵の実娘・お燐(島田紗良)が屋形舟に集まっている。そこに人形師(安田徳)と善蔵の紐結いの弟子であった伊三次(浅倉洋介)が乱入。お吉が死んだことの真相に困惑をみせる面々。そして、気づくと舟は三途の川についていた…。
お吉の死んだ真相を、人形師が中心となって各人に回想させる構成。善蔵の紐で高官が首吊り自殺をして借金まみれになり酒に溺れる善蔵。二代目になってすぐにお吉と結婚をしようとする孝之助。その孝之助に想いを寄せる番頭・彦七(中村史輝)。借金返済のためお吉を遊郭へ売ろうとする善蔵。お吉と密かな恋心を共有する伊三次。そして、美人で気立てもいいお吉への劣等感と伊三次への恋心をひた隠しにするお燐…数奇な運命と人間の弱い心が折り重なって生前のお吉を美しく儚く描き出す。
回想が進むにつれ、善蔵や孝之助は身投げし、孝之助は彦七を刺し殺す。三途の川を走り続ける舟は、彼らの薄暗い力とお吉の呪いで動いているようでとても不気味。
角隠しで表情の隠れたお吉を堀畑が好演してた。舟の上にも時たま現れ、見えない紐で面々を縛るなど、存在感も抜群。ここのとこの、照明や演出もとても良かった。彼女のいいひととその裏の弱さが舞台の中心にあって、心震える。
伊三次と一緒になることもできず、父を見捨てることもできずにいるお吉と、伊三次に受け入れてもらえずお吉への劣等感を爆発させるお燐の取っ組み合いの末、お吉は入水したことが分かり、現の世界へ戻る面々。善蔵とお燐とお吉の三人で花火を観た幸せな時間をラストに据え、それまでの悲劇(それから起こる悲劇)に心がギュッとなる。
怪奇な空気感を終始濃く保ち、登場人物の関係性を最大限に活かして、人間の業を描いた秀作。紐がその人の人間性が出るらしいが、人と人の太くて細いつながりがどこか怖くて寂しいのだけど、それでもすがりたくなるような気持ちになった。それで人間いいんだろうけど。
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2012/09/06 20:11
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