実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/28 (土) 18:00
この作品は2015年3月に初演されたものだが、コアな観劇ファンからは評価が高かったものの、一般の観客からはその残虐性に戸惑いがあがっていたものだ。大正時代に北海道で起こった熊害(ゆうがい)事件として有名なものには「三毛別羆事件」や「石狩沼田幌新事件」などあるが、この作品は日本史上最悪の熊害といわれる前者をモデルにしている。昨年来、熊が人間を襲う事件が頻繁に報じられ、その意味では初演時よりも観客に身近に迫ってくる感があるだろう。
(以下、ネタバレBOXにて…)
実演鑑賞
満足度★★★★
三毛別羆事件をモチーフにした作品、予告通りのグロテスクがありました。いつものラビット番長とは違うテイストですが、ガツンときましたね。
実演鑑賞
満足度★★★★★
あらかじめホラー、スプラッター要素アリってアナウンスあったので、それなりに覚悟して行ったのですが、それでも凄惨な描写に息を飲む壮絶さでした。
自分は、メルヴィルの白鯨を思い出したりしたんですが。
生と死、善性って何だろ?、正気と狂気。
ただ、怖いだけじゃなくて、色んなこと考えられる深みもあると思います。
凄い芝居だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
いつもとは全く違く雰囲気でぞわっとし、自然の怖さより人の怖さを感じる舞台でした。
障子の向こう側は見えないが、咀嚼音や悲鳴、影のみで血の匂いを感じさせる地獄を表現するのは上手いなぁと。
最前列で見ていたので、色々な感情で体が強張ってしまうほどでした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演を観たのは観劇の回数が増え始めた頃だったので、舞台でこんなことができるのだと驚くとともにその恐怖に震えたものです。今回も音、光、舞台美術にやられました。
いつもはほっこりさせられる井保さんの悲痛な叫びが胸に届きました。
コロナ下で中止になってしまった『闇の中』も観てみたいです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
今までに何度か拝見している「将棋」をモチーフにしたハートフルなお話から、よい意味で裏切られビックリです。説明にもグロテスクな… という記載もありましたが、舞台でそこまで…なんて思っていたらなんともリアルに表現されていて凄かったです。それら演出に応えるような役者さんの演技、素晴らしかった。ラビットさんでこんなお話もするんですね。時々みられるといいかも。でも、またハートフルな作品もお待ちしています。本作は、リアリティーのある素晴らしいお芝居でした。
実演鑑賞
満足度★★★★
初の生ラビット番長。
名を知ったのはもう十年前。自分的に「見分けが付かぬ」劇団名3つ(はらぺこペンギン!、ぬいぐるみハンターと)の一つだったが、かねて未見だったコチラの生舞台を漸く目撃した訳であった(どーでも良い前置きだが)。
ハートフルストーリーを演るとの先入観で観ると一見異質な作で、持ち味であろう群像劇の要素はあってもタイトルが匂わす「恐怖」の物語となっている。脚本上の苦労が見られ、辻褄の点では序盤で(演出的に)躓きがあったのだが、終ってみれば骨格が明瞭な舞台。劇空間には蠱惑的空気が残り、心地良い感触があった。
歴史に名も残らぬ人々の開拓期北海道を舞台としたと覚しい劇世界は、史実や歴史考証を踏まえたのでは辿り着かなそうなフィクショナルな世界だが、架空の物語にしてはある種の、固有のリアルがある。
実演鑑賞
すごく怖くて、背筋が寒くなりました。
衝撃が強いし、役者さん達の演技力の高さも加わり、観劇して数日経つ今も、残虐な場面や咀嚼音を思い出すだけで、胃が気持ち悪くなります(実力を褒めてます)
ラビットさんの舞台は優しい系が好みですが、この舞台により、更に劇団の実力を再認識しました。
本当に、何とも言えぬ凄い舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
人間讃歌が多いと
作品の方向性を思ってたら
こんな怖い話を出してくるとは
なかなか驚かされました
実話の人食い熊の話を
巧くまとめてたなぁと
思った作品でした
実演鑑賞
満足度★★★★★
ずっと観たいと思っていた作品。
いつもとちがう空気感に、開演前から少しずつ物語に引き込まれていく。
自分も村人になったかのような錯覚。恐怖と怒りと悲しみに押しつぶされそうになった。
心して観るべし。
名作です。
実演鑑賞
満足度★★★★★
同劇団の「将棋物」に親しんでいた自分にとって、良い意味で衝撃の舞台でした。開演前に少し時間がありましたので、「三毛別羆事件」を調べてから観劇に望んだのですが、文字で知るのと、実際に舞台で体感するのでは全く別物でしたね。凄惨な描写と登場人物達の葛藤が、深く胸に刺さり、何度も息を呑む瞬間がありました。また舞台の構成も素晴らしく、障子の開閉や光と音を駆使した熊の描写には、思わず目を奪われ、まさに傑作と言える舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)
大正4年、北海道で実際に起きた事件をモチーフにされたとの事ですが、よくぞここまで見応えある作品に創り上げたものだと感動!
動物パニック映画に通じる恐ろしさは舞台で体感すると、生で感じる防衛本能なのか注意力(集中力)がグングン上がってのめり込んでいくこと必至
登場人物に対しての感情移入にも熱が入って一分一秒に息を呑む展開
野生の脅威、それがどんなに血生臭く残酷な物語であっても、やっぱりラビット番長さんが描き演じられる人間ドラマは秀逸
ただ「怖かった~」の枠に決しておさまっていない
恐怖しながらも人間ドラマとしての完成度の高さに感動したのでした
やはり語り継がれている名作で間違いなかった
これで自分も語り継ぐ事ができる一人になれたのはとても光栄だと思いました
実演鑑賞
満足度★★★★★
ラビット番長は将棋ものばかり観てきたが、こういう世界もあるんだと驚く
大正4年に北海道で起こった日本最大の獣害事件である三毛別熊事件を下敷きにしている
巨大な熊に次々と襲われる村の人々の恐怖
惨劇の有様はなかなか生々しくおどろおどろしかった
下手なホラーよりはるかに背筋が寒くなる
途中失神した観客がいてしばし中断
この恐るべき自然の驚異に「差別」「侵略」といった社会派的要素が加わる
キャストは皆好演だったが、子役二人が可愛い
今回も松沢英明がいい味を出していた
元キーチェーンの北澤友梨枝の「死に方」も凄かった
障子が実にうまく使われていて、その開け閉めで場面の切り替えもスムーズに行われていた
実演鑑賞
満足度★★★★
滅茶苦茶面白い。
タイトルだけでずっと観たかったのは今作と鵺的の『悪魔を汚せ』。全く情報を入れずに観たのが正解。ラビット番長は再演を度々行なってくれるのが本当に有難い。
ホラーなのかと思っていたらガッチリした人間ドラマ。改めてチラシを見るとよく出来たイラストだ。まさにこれ。場面転換に使うのは土間と板の間を遮る障子戸、左に3枚右に3枚。
北海道の北西部苫前(とままえ)郡を旅行していた2組の大学生カップル(宇田川佳寿記氏&鈴木彩愛さん、金田央〈ひろと〉氏&青山真梨さん)。渋滞を避けようと脇道に入ったところホワイトアウトに遭い車の中で暖を取る。ガソリンも底を尽き救助を呼ぼうと外に出、一軒の建物の灯りに辿り着く。廃墟のような小屋には老人(松沢英明氏)が独り、一晩泊めて貰うことに。「何でこんな廃村に一人でいるのか?」皆が不思議に思う。「それを伝えるには長い昔話が必要だ」と老人はゆっくりと話し始める。時は1915年(大正4年)、日清日露戦争に日本が勝利し第一次世界大戦に参戦した時代の物語。
ラビット番長オールスターズ、皆適材適所に適役でハマっている。
鈴木彩愛さん、江崎香澄さん、流石の見せ場。
子役の酒井碧葉君、大崎嬉(うれい)ちゃん、プロの仕事。
MVPは傲岸不遜の陸軍隊長・宮沢天氏。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
しっかりのめり込んで観た2015年の作品、ストーリー知っているはずなのに今回は前回より、怖さというか血生臭いと言うか"妙に恐怖映画的な雰囲気"が漂い、障子越しに血の匂いがドクドクと溢れ出しているような感覚がした。ほんの少し覗く断末魔の見せ方も上手過ぎた。加えて、あの熊の咀嚼音!あまりの生々しさにちょっとウっとなってしまった。しかし、恐怖だけでなく切なる人の想いを感じさせる辺りは井保三兎ならでは!また、小劇場あるあるになるが、役に対してキャストの年齢がかけ離れていて"これは無理があるなぁ"と思わされることが度々ある。この舞台ではそういう違和感は感じられなかった。長年同じ舞台を踏んでいるキャストたちのチームワークは半端なく流れも良かったと満足させてもらった。やっぱりラビット番長は外せない!
実演鑑賞
満足度★★★★★
家屋の前方が緩めのV型になっていて何だろうと思っていたら、左右から出てくる障子がセンターで止まるようになっていて成程と。羆の恐怖表現に、小劇場の狭い空間を最大限に工夫していて見応え充分。