白魔来るーハクマキタルー 公演情報 ラビット番長「白魔来るーハクマキタルー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    滅茶苦茶面白い。
    タイトルだけでずっと観たかったのは今作と鵺的の『悪魔を汚せ』。全く情報を入れずに観たのが正解。ラビット番長は再演を度々行なってくれるのが本当に有難い。
    ホラーなのかと思っていたらガッチリした人間ドラマ。改めてチラシを見るとよく出来たイラストだ。まさにこれ。場面転換に使うのは土間と板の間を遮る障子戸、左に3枚右に3枚。

    北海道の北西部苫前(とままえ)郡を旅行していた2組の大学生カップル(宇田川佳寿記氏&鈴木彩愛さん、金田央〈ひろと〉氏&青山真梨さん)。渋滞を避けようと脇道に入ったところホワイトアウトに遭い車の中で暖を取る。ガソリンも底を尽き救助を呼ぼうと外に出、一軒の建物の灯りに辿り着く。廃墟のような小屋には老人(松沢英明氏)が独り、一晩泊めて貰うことに。「何でこんな廃村に一人でいるのか?」皆が不思議に思う。「それを伝えるには長い昔話が必要だ」と老人はゆっくりと話し始める。時は1915年(大正4年)、日清日露戦争に日本が勝利し第一次世界大戦に参戦した時代の物語。

    ラビット番長オールスターズ、皆適材適所に適役でハマっている。
    鈴木彩愛さん、江崎香澄さん、流石の見せ場。
    子役の酒井碧葉君、大崎嬉(うれい)ちゃん、プロの仕事。
    MVPは傲岸不遜の陸軍隊長・宮沢天氏。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    一人、女性が途中退席したが駄目な人には本当に駄目な話なんだろう。かなりグロテスクなスプラッター・シーン。小道具の完成度には感心。見せ方も練りに練っている。サウンド面もガッチリ。スピーディーな障子の張替えも見事。この劇団の最大の武器が映画のようなカット割り。パッパッパッと絶妙に切り替わる。

    物語は三毛別羆(さんけべつひぐま)事件。口先から後ろ脚の踵までの長さが2.7メートル(立てば3.5メートル以上)、体重340kgのエゾヒグマが開拓村を襲い、2日間で死者7名重症者3名を出した。日本史上最悪の熊害(ゆうがい)と呼ばれている。吉村昭が書いた小説『羆嵐(くまあらし)』が有名。木村盛武が調べて著した「獣害史最大の惨劇苫前羆事件」が基になっている。味を覚えた人間の女性の肉だけを執拗に狙い喰らう化物。

    当時、村長の息子だった大川春義(6歳)は幼いながらにヒグマに対し激しい復讐心を抱く。「殺された村民一人につき10頭のヒグマを殺す」と犠牲者の霊前で誓った。マタギになり、1977年(昭和52年)、102頭目のヒグマを殺したところで引退。8年後、事件の70回忌法要の記念講演の壇上で突然死。

    思い出すのは千葉真一の初監督作品、『リメインズ 美しき勇者(つわもの)たち』。人食い熊に復讐を誓ったマタギの物語。JAC創立20周年記念作品でメチャクチャ気合が入ったアクション、濃密な脚本、大傑作になる筈だったが・・・。肝心の熊のシーンがモロ着ぐるみでどうしようもなかった。いや、これ何とかならなかったのか・・・。

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    2024/09/27 21:47

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  • ヴォンフルー様
    ご観劇ありがとうございました!
    冒頭のシーンもしっかり観て頂けてとても嬉しいです。
    瞳(大学生)役 / 青山真梨

    2024/09/29 09:20

    過分な評価、ありがとうございます🍛

    2024/09/29 08:51

    ヴァンフルー様
    ご観劇いただきありがとうございます!
    細かなご感想も嬉しいです😊

    2024/09/27 22:25

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