満足度★★★★
モノの怪たちの祝祭
タイトル『prayer/s』の「/(スラッシュ)」が気になっている。
登場人物たちが、お互いに関わりたいと願いながら関わることができない、一人一人が「遮断」されている象徴として、この「/」が置かれているように感じるからだ。
彼らの言葉が「pray=祈り」であるのならば、その祈りは誰にも届かないようにも思える。もちろん「神」にも。
半裸の男女たちは、めいめい、何かに向かって、誰かに向かって語りかけてはいるが、その意味内容も抽象的で、果たしてそれが本当に「祈り」なのかどうかも分からない。
しかし、そこにはこの時空間に、現実に、肉体に縛られ追い詰められて、自由になれない人間の精神の、根源的な「痛み」があり「叫び」がある。
その叫びを口にできただけでも、彼ら、彼女らは幸福なのだろう。特にストーリーのない点景のみの舞台で、陰鬱な暗闇の中で演じられていながら、そこには人々が織りなす「物語」があり、苦しみの後にささやかな開放感が漂っている。
照明、音響、衣装までもそぎ落としていく美意識が好きだなぁ
役者の表情まで見えないくらいの蝋燭明かりのみ
音響効果らしいものは、薄ーくシャンソンとか古めかしいBGMがずっと同じボリュームで流れいてるのと、鈴の音くらいかな?
あと、衣装も最小限。
ちょっと半ば生きるのを諦めたような、それでいてぎらぎらしているような動物的なヒトが何人もうごめいている。
そんな中、周囲の飲み屋から食器の当たる音や笑い声が響く。演出的にどこまでOKだったのかはちょっとわからないですが、その環境音も含めて、人の営みが対比できておもしろかったです。
私としては、この会場は得した感じがありました。
満足度★★★
業と欲と我
観る人の「我欲」によって見え方が代わる面白い作品だと思いました。
ラストに至るシーンの解釈で、特に。
あたしは永山さんの描く世界に「古代神話」の空気を感じるので、中々に恐ろしかったです。
っていうか、本当に素晴らしき変態。
変態って、「変態性欲」って意味だけじゃないんですよ。
ふふふ。
本公演、楽しみ。
★が3つなのは、お尻が痛いのとトイレが無くて不便だったから。
芝居とは関係なく、場所選定のための減点…(←偉そう)
満足度★★★★
こんな永山作品、大好き
勢いにあふれた、ややエロっぽい永山作品が還ってきた。
ワーク・イン・プログレス公演ならではの、俳優たちの生きのよさでも見せた。
詳細な感想は、次に書いています。
http://f-e-now.ciao.jp/20110508.html
満足度★★★
期待できる
まだ「途中経過」なので評価はしにくい。
観たものの、実を言えば自分にはわからなかった部分も多かったので
、観たことにより自分の中に浮かび上がったイメージを列記してみる。
最初に浮かんだのは「見世物小屋」。俳優たちは開場したステージで自分の姿をさらしている。
俳優たちが喋り、何人かの俳優が去って行った頃「精神病院」のイメージが湧く。これは、白い壁からのイメージだろう。
そして次に「死後の世界」ではないかと思い始める。彼等は死後未だ苦悩し、もがいているのだ。
そして物語も終盤、コミュニケーションの苦悩や、同じ場にいながら違う位相に住むものを描いているのではないかと考える。
キャンドルと外から漏れる明かりだけを使った照明は面白かった。
ことばの入れ替えをもっと多元的にしたら面白くなるかも、と妄想した。
正直言うと会場客席は狭くて体が痛かったし、だんだん暑くなり、観劇状況としては辛かった。
満足度★★★
不思議な感覚
パーツが数個、って感じの公演だった。
テーマはひとつなんだろうけど、人はそれぞれ違うように
思いもそれぞれ違う。
顔が見えない公演っていうのが足元が不安でしょうがない。
これは私への罰なのか。