コラボレーション 公演情報 コラボレーション」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    翻訳劇
    私は翻訳劇があまり好きではないのかもしれない。

  • 満足度★★★★

    「ドレッサー」作者による本邦初演作品。戦時下で芸術家の葛藤と顛末を描く良心作。
    「ドレッサー」作者による作品で、本邦初演。
    カトケンの作品選びの選択眼は、常に鋭くて、
    毎回良質の翻訳作品を提供してくれます。
    そして、カトケンの芝居は常に安心して観れます。
    このことは観客が作品のテーマにより集中できる
    ということです。

    戦時下における芸術家の苦悩、
    すべてを犠牲にしても表現の自由のために戦うのか、
    家族を守るために体制に寄りそうのか。
    後世において、その時の判断を問い正すことができる者は
    いるのだろうか。

    導入からは、二人の芸術家の出会いと作品を作り出す
    コラボレーションの喜びを生き生きとユーモラスに描き、
    中盤からはナチの影との戦いと顛末を描く。

    カトケンは音楽家として何とか生き抜こうとする姿を、
    福井貴一はその逆に追いつめられ破滅していく姿を
    ウェットさはない二人の大人の友情を背景に対照的に
    演じている。
    加藤忍(カトケンの劇団員ですが娘ではない)は静かに
    影となり支える妻を、塩田朋子はより強く支える妻を
    地味ではあっても的確に演じてます。
    そして、唯一の悪役、ナチ党員を演じた加藤義宗
    (こちらはカトケンの息子さん)の登場は、
    2シーンのみながら冷静な怖さを感じました。

    カーテンコールでは、演出の鵜山仁が歌うシュトラウス
    の録音が披露されました。これもなかなか見事でした。

  • 満足度★★★★★

    時代に抗いつつ、生きることの苦しさ
    それが、静謐に胸に迫る佳作舞台でした。

    いつも、感じることですが、鵜山さんの演出は、それがどんな国のどんな時代の、どんな分野の話であろうとも、時代や国籍を超越した、普遍性のある作品に変換させて、観客に提示する力がお見事だと、感心します。

    今回のこの舞台もまさにそうでした。

    ナチスの圧政や、それに纏わる、人物の動向をあまり知らない人間が観ても、きちんと、この作品のテーマが伝播する舞台構成になっています。

    この作品の主人公である、リヒャルト・シュトラウスと、彼のオペラの脚本を手掛けたシュテファン・ツウ゛ァイクの、二人の人物の、時代に翻弄される苦悩は、いつ如何なる時代に生きる人の胸にも、共感を持って、心を揺さぶる舞台力がありました。

    加藤さんももちろんですが、ツウ゛ィク役の福井さんが、とても好演されていました。
    ナチスの党員役の加藤さんのご子息の義宗さんは、いつの間にか素敵な役者さんに成長されていました。彼の10代の時の初舞台も拝見していますが、年月が経って、口跡も、立ち姿も、役者さんらしくなられて、嬉しく拝見しました。

    加藤さんと、紀伊国屋ホール、あー、ずいぶん昔、ここで「熱海殺人事件」を、狭い通路に座って、夢中で観劇したことを、懐かしく思い出しました。
    あの頃の、演劇界は、何もかも素敵だったなあと、感慨深い想いがしました。

    ネタバレBOX

    年月と場所が、暗転もなく、瞬時に変わって行くのは、この舞台の性質上、あまり芳しくない気が最初はしましたが、それも、役者さんの熱演で、さして気にならなくなりました。

    ただ、一度だけ、実際のニュース映像が流れる部分は、ない方が良い気がしました。実際に存在した人物の、歴史上の実話に基づいたストーリーではあったとしても、ここで描かれているのは、あくまでも、時代に翻弄させる芸術家の側面として、例示されているタイプの芝居だと感じたので、特定の映像は使用しない方が、普遍性のある作品に、よりなったのではと感じました。

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