満足度★★★★
ある意味デスマッチか
「八百長デスマッチ」
デスマッチとのタイトルだったので、玉置さんと村上さんが戦うのか?と思っていました。
まあその予想は外れましたが(笑)、キャラ名は違うが同じ台詞を息を合わせて言ったりするようになってたので、ある意味これもデスマッチか(笑)。
少し村上さんが危うい場面が見受けられましたが、なかなか見事にあっておりました。面白かったです。
「いきなりベッドシーン」
こちらは再演となります。
初演の記憶は薄れてきてますが、七味さんパワーアップしてるなあと感じられる舞台となっておりました。
ただ、面白いと感じたが、本や役者が来て欲しいと思う深さまで行き着けなかったかな。
(八百長デスマッチで面白く感じる方向に連れて行かれた分、戻しきれない感じかな)
上演順番、個人的には逆がよかったかも。
満足度★★★★
よくもまぁ、こういうスタイルを発想するもんだ
玉置玲央、村上誠基による『八百長…』は、二人芝居とはいえかなり変則的。
何から何までソックリな2人の小学生のハナシで、一方がした演技をもう一方がそっくりトレースする、なんてところから始まり、以降、マナカナの如く(笑)シンクロした台詞が全体の9割以上(推定)を占めるという。
アフタートークで「台本には1人分の台詞しかない」なんてハナシが出たが、なるほど納得。
よくもまぁ、こういうスタイルを発想するもんだ。
七味まゆ味の一人芝居『いきなり…』は08年11月の初演を観ているので、「あ~、そうだった…」的な。
が、どこか違うような気もしたのでアフタートークで訊いてみたら、いわば「先攻と後攻が変わった」とのことで(巧い比喩だな)、初演時は中屋敷主宰主導で創りあげ、今回は逆に七味主導で創り上げたそうな。なるほど。
なお、その質問の回答で、本題に入る前のマクラ的に中屋敷主宰の大学演劇部に入部するかしないかの頃の思い出話も聴くことができて「そんなコトがあったんだぁ…」と。
で、やはり一人芝居や二人芝居だと観る側の「気持ちの焦点」が絞られてほぼ固定されるので空気が張り詰めており、それが通常の公演と大きく異なる点だな、と今更ながら気付く。
無言のシーンなんて本当に客も微動だにしない、な感じで、「シ~ン」という描き文字が見えるくらい(笑)の静寂も良かった。
さすが!の一言。
2作品とも、さすが。としか言い様の無い作品。
公演情報を入手したのが公演初日で「村上と玉置の2人芝居。しかも七味さんの「イキナリ-」再演の2本立!!!」という事で
仕事上くそ忙しいこの時期でしたが見逃したら後悔必至。
どちらの作品も観れて良かったです。
満足度★★★★★
人力爆走列車
まだ数回しか行ってはいないが、観に行く度、柿喰う客ってすごいんだなあと思う。そのバイタリティの面においても、コンセプチュアルなものを観客に見世物として提供する段階にまで毎回きちんと建設する意識と実力の面においても。
今回の公演、特に40分を噺だけで引き込んでしまう一人芝居を観ていて、作品自体が持つ強度にまた改めてすごさを実感した。
なんというか、もはやこれは、普遍性に近づくことで生まれている強度なのではなかろうか。
観ている最中、身体の若さや年齢的なあれは置いとくとして、これをもし、落語のようにずっとやり続けて名人芸のようになったら一体どういうものになるんだろうだとか、あるいは他の役者が演じたりしたら、ということを考えていた。
もちろん今回の2作は当て書きであると公言していたし、この3人でしか表現し得ない緊張感を観せつけていたのも確かなのだが、それでももし他の人がこれを演じたら・・・と想像してしまうのは、やはり作品自体にどこか普遍的な強度を感じるためだろう。
見世物としての強さと作品の普遍的な強さ。中屋敷法仁作品がもし時代を越えたらどうなるんだろうとか考えると、ちょっと面白い。
満足度★★★★
カラダひとつで良いのだよ。
いまや小劇場界で説明不要の柿。その主要メンバーの再演ときた。
てゆーか、私の一押し玉置玲央と、村上誠基2人芝居だってー。
有無を言わさず予約ボタンぽちっとな。これは見ないわけにはいかない。
という訳で鑑賞。この勢いで、いまさらキスシーンも再演してくれたらいいのに。
満足度★★★★★
再見
初日に比べて、役者の解像度が高まっただけでなく、なにより照明の造形力が格段に増したことで、まるで密度が違う作品に。とくに「八百長デスマッチ」は、ふたりの声の重なり方がより音楽的になっていて、おなじ小屋とは思えないほど気持ちよい響きに変容していたのが、嬉しい。
満足度★★★
ファーアウェイに行きたいんだ!
八百長デスマッチ、めちゃくちゃ楽しかったです。
ヘビーユーザーを思い起こすような、音の重なりや繰り返しが生む不思議な感覚に引き込まれました。
小学生の二人が、意図せずなぜか同じことを考えて しゃべってしまう、という設定から
セリフのハモリ具合がいちいち面白くて
前作で感じた「人の声って面白いな」という感動が さらにさらにパワーアップした感じでした。
演出にいちいち理由を求めるのは良くないかもしれないけど
必然性があると、やっぱり面白いな と思います。
二人の格闘シーンがw ほんとにツボですww
満足度★★★★
切れと豊かさの両立
初日を拝見
両作品ともに、
圧倒的に研がれた表現だからこその
豊かな軽さがあって・・・。
舞台にあるものが
拡散せずにすべて観る側にやってくる。
個々作品の上演時間の短さが
まったく感じられない充実に
目を見張りました
満足度★★★★★
媒介としての身体
新作と再演の短編連続上演。
すがすがしさと毒々しさが、もっともピュアな状態で混在していた。
身体性を操ることにかけては、やはり随一の劇団です。
玉置さんや村上さんや七味さんの、媒介としての身体があってこそ、中屋敷さんの世界はわたしたちの眼前に具現化するのだと実感。
濃縮された、柿、本来の味
それが甘いのか渋いのかはさておき、柿喰う客の俳優は、中屋敷法仁の演出で舞台に立つときにもっとも魅力を最大に放射するのだと、あらためて体感。つねにいまあるために、過去があったのだろう、とすら錯覚するほどに。
そして、初日ゆえ、まだ渋味が残っていたようにも思えたけれど、これからどう完熟するのか、想像するだけでちょっと幸福、ではなくて口福。