満足度★★★★★
前回に引き続き「狂喜乱舞」
人間にこき使われ、故障すれば「新しいのを買った方が…」と解体処分されてしまうロボットたちが憂さ晴らしのため花見に行くが、酔った1人(1体?)が人間から投げつけられた石を投げ返すと他の者も投げ返し…な状況から始まる物語。
『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』など近年のスプラッタコメディ(爆)映画のテイストも取り込みつつ、ベースとなる物語は典型的な'60年代(あるいはそれ以前?)のロボットを扱ったレトロSFで、さらに結末は昭和どころか沙翁などに近い古典的な悲劇だし、まさに「温故知新」な感覚。
レトロSF的元ネタは小説に限らず「鉄腕アトム」も入っており、そのあたりが好きだった身としては「何もかもが懐かしい…」みたいな。(笑)
とはいえ、マリーの自爆時のポーズはア・バオア・クーにおけるラストシューティングとは限らないし、「それ以上でもそれ以下でもない」なんてフレーズはクワトロ大尉でなくとも使うだろうから、ガンダムもというのは深読み(あるいは考えすぎ)でしょうね。
ましてや「マリーの改造された左腕ってデストロイド・トマホークでは?」なんてのは考えすぎもいいトコロ…。
そんな懐かしくも切ない内容に、今回は音楽劇ということで歌をちりばめ(牛水里美ってば3作品連続で劇中で歌っているな)、若干の個人差はあるものの完璧に近いロボマイム(人間役の出演者もカーテンコールではロボマイムなのだ)も取り入れて十分に楽しめたので、前回の実験公演『御霊祭御祭騒』に引き続き評価は「狂喜乱舞」。
満足度★★★★
大音量
史上初のインダストリアルミュージカル!史上初かどうかはわかりませんが、騒音でまともに会話ができない工場のように、大音量の音楽でセリフが聞こえない場面も多く、これがインダストリアルミュージカルなのか。難聴ライブを聞きにきたような気分。
大音量でセリフが聞き取りにくいのは、前作も同様でしたので意図的な演出なのでしょう。聞き取れなくても、どんなこと言ってるかは大体想像できましたし、大昔のサイレントSF映画を見ていような趣がありました(いっそ、字幕スーパーにしちゃったらいいんじゃないかな♪)。
マリー役の牛水嬢、やさぐれた踊り子少女がぴったり。
クオリア役の大島嬢、"買い物籠片手におつかい"っていう姿が妙に似合ってました。
マリーvsクオリアの対決は、もっとたっぷり見たかった。
奥様役のこもだまり嬢、ドレスで片肌脱いで日本刀。やっぱり日本刀だもの、片肌脱がなくちゃ絵になりませんね♪。
音楽CD購入。もうちょいちゃんとミックスダウンして欲しい感じ
翻訳劇か音楽劇か
井の頭公園で日蝕に合わせて芝居を打つなど、アングラを志向してきた若手が、ミュージカルに挑戦する。
そういえば、以前にも毛皮族やゴキブリコンビナートが「アングラ」を志向して「ミュージカル」を標榜していたような気がする。でも、よくよく考えてみれば自由劇場出身のアングラ演劇人(串田和美、佐藤信)らは翻訳劇(ストレートプレイ)に対して、ミュージカルをやっていたような。
そうやって考えれば、彼らが「ミュージカル」をやるというのは必然的に感じられた。
そう考えると、リアリスティックな表現と、象徴的な表現に分かれるのは、昔から続く表現上の対立なんだよなあ。