れしぴえんとへん。
個人的には過去に観た作品と比べて大分観やすく、脚本協力というクレジットが何処までの仕事を指しているのか非常に気になりました。
ネタバレBOXは揚げ足取りみたいな内容になっちゃったので、好きだった人はスルーしたほうが作品を観た時の気持ちを保てるかも。
満足度★★★★
レシピレント編観劇
無くなった長男?の臓器を提供した家族と臓器提供を受けた人達(長男を殺した人物もいたと思われる)の物語でしたが、最終的には歪んだ家族愛の物語でいいのかな。
上演時間を短くしているからか、あまり脇にそれることなくラストの展開まで一気に行く感じのシンプルな物語でした。
シンプルな物語りながらも、歪んだ家族愛はそこそこ描かれておりました。
ただ、やはり時間が短かったからか、臓器提供者が歪んだ家族愛(恐怖?)を感じるところまで描ききれてなかったかな。
満足度★★★
両バージョン観劇
<臓器提供者(ドナー)編>を先に観劇し、翌日に<臓器受容者(レシピエント)編>を観劇。臓器を提供される側の心理と提供する側の心理の差を極端ではあるが、人間倫理の本質をえぐり出した演出は、何とも心にぐさりと突き刺さりました。両バージョンとも、それほど長いものではなかったので、できれば同時に上演した方が、作品の意図を明確に提示できたのではないでしょうか。
満足度★★★★★
両編とも「This is elePHANTMoon!」
【レシピエント編】
まずは説明的なものがまったくないのに、交わされる会話の中から自然に諸状況が伝わってくる序盤に舌を巻く。
そんな会話劇的な中からドナーの遺族の気持ちがジワジワと滲み出てきて、しかし迎える結末はショッキング気味?
ってか、ブラックでありながらも「そうか、そのテがあったか……って、そーじゃねーだろ!」なノリツッコミをしたくなるようなユーモラスなオチは前作『ブロークン・セッション』(前年11月)のクライマックスと同質で、笑っては不謹慎かと思いながらもσ(^-^) は満面の笑み…(爆)
思い起こせば前述の「会話から状況がしっかり伝わってくる」手口も『ブロークン…』と共通で、前作にウケまくった身として大いに満足。
その一方、ドナー編の初日をご覧になった方の情報(ってか印象?)と照らし合わせ、この時点で「観る順を間違えたかもなぁ…」とも思う。(笑)
【ドナー編】
まず、装置を目にして「あらまぁ」と。
R編では窓があり外の木々が見えていた装置後方中央部分がコンクリート壁だし、天板が木目で丸いテーブルも黒一色の四角いものだし、などの変化があり周囲の細い縦材まで色合いが違って感じられるほど。
なるほど、60分と75分という中篇でありながらも通して上演しないのはその転換のため「も」ある(← 内容的にも続けて観るのはヘヴィーそうだし…(笑))のね、と。
そんな似て非なる(?)装置内で進むストーリーは静かな中にピンと張り詰めた緊張感があり、初日をご覧になった方が持たれた「『ブロークン…』よりも『成れの果て』(前年5月)に近い」という印象に大いに賛同。
また、ヒロインが悩んだ末に我が子を殺した犯人の臓器を受ける決断を下すものの、決して「めでたしめでたし」にはならず、手術の直前で…という後味の悪さ(笑)もいかにも、な感じ。
【総括】
そんなこんなで、動と静あるいは陽と陰にクッキリ分かれつつも、その両方が「This is elePHANTMoon!」に仕上がっているのが見事。
で、両編を観終えての結論は「やっぱり観る順を誤った…」(爆)
しかし事前にD編の印象を耳にしていたので覚悟ができていた(笑)のは幸い。予備知識なしにこの順で観たらヘコんだかも?(爆)
満足度★★★
リアルな視線、ニヒリズムの罠
D(ドナー)編、R(レシピエント)篇の両方を観劇しました。
どちらも苦い終幕。その時に感じたもやもやをどう整理するのか――それにはある程度の時間が必要で、今になって感想を書くことに。
生きる、ということはすなわち人と関わるということ。人と人との間には、愛も慈しみもあれば、打算や嫉妬、憎悪もある。さらに、それらが交錯し、なかなか1点に一致することがないのが、この世の常。この2本の芝居は、そのことを極めてヴィヴィッドに、スリリングに描いていると思います。また、そのことによって「考えさせる力」も持っていると言えるでしょう。
が、、私はこういうものを書き、表現できる人にこそ、「ドラマティックであること」に惑わされず、限界まで考えて考えて、考えうる限りの希望をしぼり出し、描いてほしいとも思うのです。
そこにはきっと、もっと鮮やかで深く、耐用期間の長い感動(ドラマ)があるはずです。
(むろんそれは、分かりやすい「希望」にはならないでしょうが)
満足度★★★★
両バージョン観劇
D編
あまりの衝撃のラストに茫然自失。
心にズシンと来るテーマであり、内容だった。
自分だったらと考えると切が無い。
見応えはバッチリで上演時間が短めだったのを全く感じさせなかった。
R編
D編とは異なりホラーチックな作り。
結末自体は途中で察しが付いてしまうが、
それでも怖くて観ながら鳥肌が・・・。
満足度★★★
シュールな現代ホラー
臓器移植をテーマに、臓器提供者(ドナー:D編)と臓器受容者(レシピエント:R編)の当事者心理を描いた2本立て公演。作・演出はマキタカズオミさん。私は【R編】【D編】の順番で鑑賞しました。
舞台は木の茶色とアルミ(素材は不明)の銀色が壁にうまく配置された、品のいい都会的な部屋。中央奥のコンクリート打ちっぱなしの壁から木々の緑が少し覗き、自然の温かみを感じさせます。装置上部をぐるりと囲み、二重らせんを思わせる木の枠がポイントでした。
そんなさわやかな空間で静かに交わされる現代口語劇ですが、題材が臓器移植ですから内容は重厚。登場人物の感情の衝突は激しく、息が詰まるような緊張感があります。
前作『ブロークン・セッション』でも感じたことですが、両バージョンともに「その先が見たい!」と思うところで終幕するのが残念でした。「CoRich舞台芸術アワード!2009」の第2位に選ばれた『成れの果て』では、タイトルどおり救いようのない人間の争いとその果てがしっかり描かれていたので、私が勝手な期待をしてしまったせいもあると思います。
“現代日本を舞台にしたシュールなホラー短編”としては、見応えがあるかもしれません。でも私としては、周囲や自分自身との死にものぐるい格闘と、その末に獲得される何かが見たかったです。
【R編】初日の上演時間は50分でした。【D編】が1時間15分なので、装置の転換が大変かもしれませんが、できれば途中休憩を挟んで両方一度に観たかったですね。
【D編】の回はほぼ満席で、場内誘導のスタッフさんたちの客入れの手際の良さにうなりました!入り口が1箇所しかない小劇場で自由席だと、空席がないようにするのも難しいんですが、通路席も見事に埋まっていました。
満足度★★★
レシピエント編
初見。。以前好きな役者さんがブログで絶賛していたので観てみました。2本立てのせいかまだ劇団のカラーがつかめなかった感じです。
どんな関係性なんだろう?とだんだんわかってくる過程は楽しめました。60分でも短く感じませんでした。
また次回観に来たいと思います。
満足度★★★
もっと凝縮を!
ドナー編のみ観劇だったので片手落ち感は否めませんが…
話の筋も構成もすばらしく、
観客を身じろぎさせず、見ることを強いる感覚。
さすがelePHANTMoon。
でも、同じ話を、半分の役者でやったら
もっともっと面白かっただろうなぁと思ってしまいました。
その場にいない人の名前はどんどん出てくるけど、
実際に役者が演じない役(人物)がいる。
それでも解る脚本を、マキタさんには期待してしまうのです。
満足度★★★★★
はりつめた緊張感の果てに・・・。
日常の中から劇的なシチュエーションを切り抜くうまさ、そしてその劇的な状況に、さらに衝撃的な結末を用意する演出のうまさ、マキタカズオミの作劇術は円熟味を増している。今回は自らSFというとおり、まだ日本の現実ではありえない話も混ざっているが、非現実的な感じは全然しない。
作品としてはドナー編の方が完成度が高く、レシピエント編は、若干細部に感情移入しづらい部分があったが、それでも作品の質は高い。
75分と60分という、通常の芝居に比べると短いが、その間、はりつめた緊張感を維持するのは並大抵のことではない。エンターテイメントとは全く逆の道を進む、エレファントムーンの姿勢が潔い。
満足度★★★★★
レシピエント編、淡々とした強さ
ドナー編に続いてレシピエント編を鑑賞。
キャストの変更があったようですが
その影響を感じることはなく、
淡々とした世界に現れる
逃げ場のない世界に浸されました。
満足度★★★★
ドナー編を見ました。
初めてのelePHANTMoon。
虚無感と脱力感に包まれたラストシーン、好きです。
他の方も書いているように、舞台美術がとっても素敵♪
レシピエント編も楽しみ!
満足度★★★★★
拍手も起きない・・・圧倒
レシピエント編観てきました!
緊張感あふれるセリフの連続
かと思うと、思わず笑ってしまうシーンという不条理
舞台は終わっているのに拍手も起きないことを、とてもポジティブに感じた
周りのほかの人がどう感じていたのかは分からないが、自分は圧倒されてしまっていた
舞台装置も美しい空間芸術作品
おまけに小1時間の凝縮された構成で、切れがある
いやぁ、こりゃ、まいった!
満足度★★★★★
今まで観たelePHANTMoon作品の中で1番!
シュナイダー以降全作品を観劇していますが、
今回のドナー編は個人的には、1番のお気に入り。
上演時間75分の間、観客に集中し続けるコトを要求する超ドS作品!(笑)