飯縄おろし 公演情報 飯縄おろし 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★

    中盤あたりから失速気味?
    時は昭和40年代の早春、信州の高校で季節外れの大雪により校舎から出られなくなった生徒数人…という状況の物語。
    木造の旧校舎でやっと油の入っているストーブがある教室を見つけたという設定だし、置いてある椅子や机も当時の木製のものだし、交わされる会話も最近のコギャルからは考えられないウブなじょしこーせーだし、レトロな感覚満載。
    ただ、相米慎二監督の『台風クラブ』(84年)にも似た昂揚感(あるいは小学生の頃、外が暗くなるまで居残っていた時のトキメキとか?)の中、卒業を目前にした不安をつい吐露してしまうという前半はなかなか良いが、中盤あたりから失速気味で中だるみ、というか坂を転がり下りていた球が登りに差し掛かって次第に速度を落として止まってしまうような感覚で、なんだかもったいないような…。
    そういえば、オリジナルである男子高校生版は出演者が1人多いようで、どう違うんだろう?

  • 満足度★★★★

    良い話でした。
    まず舞台が良かったです。
    そして役者さん達がいい演技していました。

    ほのぼのした時間を過ごしました。

  • 満足度★★★

    みた
    普通です。
    セットとか、役者とか悪くない

  • 満足度★★★★

    余韻…
    悩んだ末に、同性である女子高生バージョンを観劇。
    タイニイアリスの濃密な空間で、役者さんひとりひとり、お互いの台詞の間を確かめ合うようにじっくりと大切に繰り広げられる物語。
    丁寧な目線での作品作りに、好感。
    私も高校生までを田舎で過ごし、今は東京で生活している身であり、しかも、エンジのラインのセーラー服が自分の母校(中学ですが)の制服によく似ていて。なんだか、登場人物たちの顔が友人の顔と重なるような…。
    ただ、方言のイントネーションが強すぎ、「自分」と重なってどっぷりと浸りきれるところまではいけなかったのは、個人的には残念でした。
    男子高生バージョンも観たかったなぁ。

  • 満足度★★★★★

    甘酸っぱい、あの頃の記憶
    女子高生バージョンを観劇。
    1970年代の、長野県の片田舎にある高校での一晩を描写。
    高校生特有の、将来に対する不安と期待を地方伝承を絡め、見事に表現。
    観劇中、観劇後、心がポッと暖かくなる舞台であった。
    今年101本目の観劇作品となったが、年間のトップ10に入る秀作であった。

    ネタバレBOX

    卒業をまじかに控え、卒業式での出し物の練習をする3年生の女子高生たちであったが、季節はずれの大雪によって、校舎に閉じ込められてしまう。
    女子高生の面子は、①東京出身で、成績優秀・スポーツ万能な生徒会長、②バスケで実業団への就職が決まっているヤンキー、③演劇部に属するも、舞台上で緊張のあまり台詞が一切出てこなくなってしまう演劇少女、④日ごろから差別的扱いを受ける部落出身者、器量。スタイルともに自身がなく、将来の幸せのためには、有名大学への進学しか目にないガリベン、⑥ヤンキーの金魚の糞として振舞う両思いの彼氏がいる少女の6人。
    高校卒業・進学or就職を控えた多感な時期だけに、それぞれの少女には悩みがある。親のことを気遣いせっかく決まった大学推薦を取り下げる者、同級生に恋心をいだき、自分がレズビアンかも知れないと不安を募らせる者、被差別部落出身であることが重荷になる者等々。
    作・演出の丸尾をこれらの者を等身大に描きつつ、あゆみを止めることなく、進めと、エールを送る。

  • 満足度★★★★★

    なぜかふるふると涙が出て止まらなかった
    男子バージョンを観劇。宮沢賢治の世界感を彷彿とさせた作品だったと思う。オープニングとエンディングがお見事。このエンディングで泣けた。泣いた。
    雪深い山間の高校の教室が舞台。雪が降り初めて止む気配がなく、教室に閉じ込められてしまった高校生らの話。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    予選会での演劇の脚本起こしの為に6人の男子と1人の女子が教室に集まる。ここで彼らは山太郎やもみじさんと呼ばれている鬼女の話題になり、びびる。物語とは・・皆から恐れられていたもみじさんは、その昔、深山郷(部落)の人たちに親切にされた経緯があったことから深山郷の人たちだけには悪さをしなかった。しかし征伐隊がやってきて、もみじさんとその子供は殺されてしまったが、もみじの力は山太郎に受け継がれている。・・とこんな話だ。

    一方で彼らはそれぞれの進路について東京に行くもの、地元で公務員になるもの、家業を継いで畜農をやるもの、何もきまってないもの・・、それぞれが将来に向けて抱える不安を抱きながらも、その未熟な精神がゆえに不安に押しつぶされそうになった男子はついつい他人を攻撃してしまう。狡猾そうで、不躾な態度を取りながらも、彼の内面には憎しみを抱えた子供が潜んでおり、言動にはその子供の怒りが反映してるかのように・・。

    恰好の攻撃相手となったのは深山郷出身の男子だった。彼は役場に就職が決まったが、彼には部落出身という問題があり、だからこそ、他に就職口はなく、むしろ公務員になることしか選択肢がなかった。と知らされる。今まで人間扱いされてなかったのだった。役場では「部落の人が入ったら、皆と同じ扱いをするように・・。」とのおふれが出て、むしろ、同じ扱いってどんなか恐い。と不安に感じていた。

    「ああ、卒業したくね。そんでもずっと教室に居られるわけでねえ・・。何になるんかやー、おら達、何になるんかやーー。」

    ある男子生徒の父親は「生まれてこうやって生きてきたけど、何もええことなかった。」と毎日、息子に愚痴る。その息子は「東京に行きてー。」と嘆き、一方で東京からやってきた男子は
    「同じだって。どこに居たって同じだって。」
    「それでも行かなきゃわかんねえし。」
    「おんなじだから・・。」

    そんな希望と不安の入り混じった話をしながらも彼らの希望は山太郎だった。山太郎は皆が困ってるときっと来る。そんな幻想と妄想の狭間で、会長と呼ばれる男子は他の教室で10年後の柴田みはるに出会う。高校生だった柴田は東京に出て夢を実行するという希望があったが、「いざ、東京に出てきたら何もかも上手くいかなくて・・、何にもなってない。だけど、会長、柴田に会ったら伝えて。柴田があの頃、どんな思いをしていたか、それを忘れないで。10年経ったけどええだねえか、ええだねえか。今日ここにきて君に逢えたから・・。柴田みはるに伝えてほしい。」こう言って不思議な少女は居なくなってしまう。。

    そうして彼らは

    きっと大丈夫だ!これから先、10年20年経っても歩き始めるその為に。
    そして全員で元気に歩くシーンで完結する。(この部分で堪えてた涙が一気にあふれ出る)

    そう、未来は希望に溢れてる。そしてそれは自分次第だ。




  • 満足度★★★★

    懐かしい椅子や机が見れました
    言葉使いや方言が、地方色よく出してました。自分が何の卵かわからず、何にでも成れそうな、それでいて何も出来なさそうな。不安・期待が入り混じった時期の高校生を良く描ききっていました。田舎から出る事、出ない事。人より秀でているところの有無。それぞれの立場から出る言葉の積み重ねが、心に残る作品でした。

    ネタバレBOX

    すみません、開演時間に間に合わず。40分程劇が進行してからの入場になってしまいました。残念でしょうがないです。
    さて、女子高生バージョン拝見しました。
    セーラー服の脱がし方が、なんか実演つきでやってると。いかにも高校生!
    って感じが伝わってきましたね。笑えました。
    白い帽子の「やまたろう」さん。高校生としては無理があるんじゃ・・・。
    といった自虐ネタは、なかなかフォローの踊り含めて楽しかった。
    手鏡や上履きに(山)と入っているのが、おしゃれです。
    観る人によって、やまたろうが白い帽子以外異なって見えるという。
    妖怪らしさが、上手に会話で解らせてくれました。
    木の床の教室、重い木の椅子や机。机に彫る言葉。
    ノスタルジィーに浸れた時間でした。
    ほとんど、台詞かまずにきたのに、終了後の宣伝とかの口上が、
    かみまくりだったのが、かわいかったです。
    きちんと観たかった。
    男子高校生版も見たくなりました。 です。
  • 満足度★★★★★

    純な演劇
    笑いで観客の心をつかもうとか、テレビ的な演出で斬新さを狙おうとか、そういったギミックは全部排除し、愚直なまでに直球勝負で挑んだピュアな演劇作品でした。それが社会の荒波にもまれる直前のピュアな若者たちの姿にもマッチしていたと思います。狭い教室の中のごく普通の高校生という設定であるにもかかわらず、生徒ひとりひとりの言動の中に、保守的で民話の残る田舎の村が徐々に変わって行く予感や、後戻り出来ない時代の流れのエネルギーも感じられました。
    個人的には、1970年代という比較的最近の時代の物語であるのに、日本の原風景的なものが見えて来てビックリしました。

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