満足度★★★★★
純な演劇
笑いで観客の心をつかもうとか、テレビ的な演出で斬新さを狙おうとか、そういったギミックは全部排除し、愚直なまでに直球勝負で挑んだピュアな演劇作品でした。それが社会の荒波にもまれる直前のピュアな若者たちの姿にもマッチしていたと思います。狭い教室の中のごく普通の高校生という設定であるにもかかわらず、生徒ひとりひとりの言動の中に、保守的で民話の残る田舎の村が徐々に変わって行く予感や、後戻り出来ない時代の流れのエネルギーも感じられました。
個人的には、1970年代という比較的最近の時代の物語であるのに、日本の原風景的なものが見えて来てビックリしました。