満足度★★★★
いかにも王子、いかにも冨士原作品
いかにも王子、いかにも冨士原作品(笑)。(…とか言って冨士原作品は他に1編観ただけなのだが(爆))
核戦争後にシェルターで暮らす5人の男女(+α)を描いており娯楽性は無きに等しく圧迫感・閉塞感さえあるというのに不思議と眼を逸らさせない求心力のようなものによってグイグイ引き付ける感じ。
また、各人の「その日」の迎え方にそれぞれリアリティというか説得力というかがありつつ、女性の方が前向きに感じられるのは気のせい?オトコのひがみ?(笑)
あと、状況が状況だけに非常に静かなシーンが多く、そこに不定期かつ頻繁に入る低音ノイズも効果的。状況説明に加えて観客に対する心理的効果もある…みたいな。
なお、この回は終演後に「バックステージツアー」(25分くらい?)があり、津田主宰と装置の濱崎賢二氏による演出意図や装置の意図(閉塞感を出すため天井をつけた等)などの説明があった後、ステージで細かい部分を観察したり照明の当たり方を体験したりできたばかりでなく、奥のハケ口から楽屋を通りロビーを通ってステージに戻るという「ツアー」(笑)まで…。
通常のアフタートークとはまた違った切り口で、こういうのも面白い。
あ、そうそう、今回の装置プランは風琴工房の『機械と音楽』にインスパイアされた、なんて話にも大いに納得。
満足度★★★
人物は描けてる
イライラする(これは必ずしも悪い意味ではない)芝居だった。理解はできるものの、登場人物に共感できないのがイライラ感の原因。それは、とりあえず人物像は描けているということなのだけれど、エンディングに向けての展開が納得できるかは、ちょっと別物の気もする。タイトルは象徴的な意味を持つのだけれど、それも充分に活きているとは思えなかったのは惜しい。
満足度★★★
最後まで張りつめた緊張感が続く
極限的に追い込まれた状況での人間同士の微妙な均衡を描いている。背景があまりに見えなさすぎる故にただ傍観な印象。104分。
満足度★★★★
最期に何をするか?
王子小劇場が核シェルターになりました。入場した瞬間から無機質で異様な感じ。壊れかけた世界観、極限状態での人間の本質をついたものだと思います。その日が来たら、自分はどうするんだろう?最終的にはぜんぶ受け入れるのかも。
牛水さんの独特な雰囲気、ぴったりで良かったです。
満足度★★★★
やわらかく消耗
2時間弱の上演時間、ずっとある種の緊張が劇場内に維持されていて・・・。
平穏が剥ぎ出す人間のコアに息を呑みました。
誉め言葉として、やわらかく深い消耗を感じた作品でありました。
ひろう
津田記念日プロデュース初観劇。なんとか観に行こうと時間を捻出。牛水さん主役。宣伝美術、素敵。1ヶ月ぶりの観劇。素敵な舞台美術に圧倒される。どんな舞台を観ることが出来るのか期待が膨らむ。当パンに書かれている作家と演出家のあいさつを読み、闇に引きずられる。疲労がたまっているからなのか、メンタルが凹みモードだったからなのか。今思えば、開演前からこの世界に引きずり込まれていたのかも。観終わって広がる疲労感と、凹みモードに撃ち込まれた言葉の矢とともに、この舞台から拾ったものが確かにあった。カーテンコールの拍手の大きさがリアルなお客様の反応。
よくを言えば、中盤までがもっとまとまってくるとより素敵な舞台になるのになと。