満足度★★
直感的に浮かんだのは「かけ蕎麦みたいな上演」という感想でした。戯曲(物語や詩など)×俳優というシンプルな要素で構築する作品世界。セットらしいセットもなく、ほぼ素舞台と言えるでしょう。ある意味で「気」の魅力が求められるため、潔い方法を選択したと思います。言葉にウエイトを置く一作と言えますが、ストーリー性より、言葉の響き方や詩のような機能性を重視した作風なのかも。シーンひとつひとつは輝くものの、全編を通してややまとまりのない印象が残りました。ただ、どこか沸点の低い会話を基調とした現代口語劇は、若い団体の世代感覚を反映している気がして、妙に心に残りました。
満足度★★★
倫理的な問いかけを放つ近未来の群像劇
青年期を終え壮年期に移行する人生のひととき、10人の男女がそれぞれの人生に落とし前をつけようともがく人間模様のなかから、近未来の国家統治や科学技術の有り様が浮かび上がる異色の群像劇である。