作品タイトル「令和5年の廃刀令」
満足度★★★★★
どれだけ厳しめに見ようとしても、不足や過分を探ろうとしても、本にも演出にも俳優の演技にも余すことのない工夫が凝らされていて、絶妙なバランスが保たれていて、ただただ面白く、素晴らしい演劇として受け止める他なかった。エンタメでありながら社会劇でもあったこの演劇には、そう思わざるを得ない完成度の高さがありました。
満足度★★★★
観劇後に残した自分用のメモには「横綱相撲」の四文字が。それほど磐石な上演だと思います。団体が得意とし、かつ多くの上演経験を有する「会議劇・討論劇」の新作であり、演出家、俳優共々、その経験値を大いに活かしています。安心して観劇できるシチュエーションコメディとして、観客を選ばない一作だと感じました。選んだモチーフも多くの社会問題に置き換えられるため、深掘りをして楽しむことも、エンタメとして割り切って楽しむことも、どちらも可能だと思います。一人ではなく誰かを誘って観に行きたくなる。そう思わせてくれる団体であり、作品と言えるでしょう。
満足度★★★
観客が物語の鍵を握る討論劇
2年前に小学校で発生した日本刀による無差別殺傷事件を受け、某区でタウンミーティング(政治家などが一般市民に対して行う対話型の集会)が催される。歴史上初めて出される廃刀令の是非をめぐり、8人の有識者が1時間に渡り激論を交わしていく。