DOLL（ドール）

ちょっとはいしゃく（東京都）

公演に携わっているメンバー：13人

【団体紹介】

　目まぐるしく変化する世の中でも、人の心や行動は昔と今とで何も変わっていないはずです。私たちは新作ではなく、昔に書かれた既存の戯曲を上演します。そこに描かれる事から、現代を、これからを生きるヒントを得て、今後の生活や社会と向き合いたいと考えています。過去作『売春捜査官』では、女性が社会で活躍する際に立ちはだかる問題を。『ボクサァ』では戦争の原因とそこに対する恐怖を描きました。
　当団体は俳優スタッフともに固定メンバーを置かず、毎公演違新しいメンバーで創作をしています。作品のテイストや、その時参加したい人によってメンバーを変え、様々な人との出会いの場にもなっています。過去には演劇公演が初めての方、ブランクのある方も多くいました。そのような方々も躊躇なく演劇に参加でき共に成長できる団体、いつでも戻ってこれる場所でありたいと思っています。

【応募公演への意気込み】

　第4回目となる今回は、如月小春の『DOLL』を上演します。本作は、実際にあった女子学生の事件をもとに描かれた作品です。1982年の作品ですが、ここで描かれる若者たちの悩みや苦しみは現代と通ずる部分があります。人と人との深い関わりが少なくなってきている今、この作品ともう一度向き合うことでこれからを生きるヒントをお客様と共に探していきたいと思っています。
　また、今回は団体としても稀な幅広い年齢層での公演となります。今まではできなかった表現も取り入れられ、更に奥行きのある作品となりそうです。高校演劇で上演されることも多いこの名作を、これからを担う若者と社会を経験した大人からの視点で描きます。これまでとは一味違う、ちょっとはいしゃくなりの『DOLL』を多くの方に届けたいと思っています。

【将来のビジョン】

「全ての人の通過点であり、帰ってこれる場所でありたい」

　当団体は毎公演違う作家の作品を、毎回違うメンバーで上演しているため、多くの人の出会いと別れの場所になっています。それはキャストだけでなく、お客さまも同じです。演劇に初めて関わる人、演劇を初めて見る人、地方の方や人生の大先輩など。全ての方にとってこの団体が通過点であり、いつでも戻れる場所でありたいと思っています。私たちはそんな場所を守り続けたいと思っております。
　現在は都内を中心に活動をしていますが、ゆくゆくは私たちから各地へ出向き、国境や年代に縛られない創作をしていきたいと思っております。
　生きている中で辛いことや悲しいことはありますが、私たちの演劇が、今を、これからを生きる人たちの力になることが心からの望みです。関係者もお客さまも全員が、演劇と、人と、団体と出会い、またいつでも安心して戻って来られる場所であり続ける。これが私たちのビジョンです。