反転するエンドロール 2023

ムケイチョウコク（東京都）

公演に携わっているメンバー：10人

【団体紹介】

ムケイチョウコクは、近年注目を集めているイマーシブシアター（体験型／没入型演劇作品の総称）の創作及び上演を行うクリエーションチームです。

ムケイチョウコクでは「イマーシブ＝没入体験」を、「人間と人間との交流を通して作り上げるもの」としてコンセプトを掲げ、観客ひとりひとりに物語の登場人物として役割が与えられる、という新しい作品スタイルに挑戦しています。俳優は、同じ物語の中の人物として、観客に話しかけ、お互いの交流の中で物語は進んでいくのです。
その中で観客は、登場人物すなわち他者の心情を自分事として想像・体験しながら観劇することができます。
自分ではない者の視点を持って世界を見つめることは、現代社会が抱える生身のコミュニケーションに関する問題に対して、有効であると私たちは考えます。
物語への没入体験を通して「他者を想像することの優しさ」ひいては「世界の美しさ」を再発見させること。ムケイチョウコクは演劇の力で社会が優しく明るくなることを信じ、精力的に活動しています。

【応募公演への意気込み】

「反転するエンドロール」は、2021年秋に上演した作品の再演となります。
映画館に併設されたカフェという実際の会場からインスパイアを受け、現実と虚構、本音と嘘、ふたつの世界が混ざり合う、緻密な物語を描きます。また、観客と俳優の直接的な交流と共に、象徴的なムーブメントを織り交ぜることで、劇空間の中に観客を誘うことにこだわっています。
観客は登場人物となって、あるいは傍観者となって、物語の世界の中に没入します。同時多発的に物語が進むため、一度に全てを見られるわけではなく、同じ空間の中で、自分とは全く違った物語を見聞きしている観客がいる。というのもイマーシブシアターの魅力です。
今回の再演では、俳優の演技をゼロ距離で感じることができる作品だからこそ、より真実味のある演技、より深い世界への没入感を目指し、一層のブラッシュアップを行います。劇場型の演劇では味わうことのできない特別な体験と感動を、観客ひとりひとりの心にお届けします。

【将来のビジョン】

『日常に1ピースの想像を』をコンセプトに、観客に登場人物の視点を与え、作品を自分事として体験してもらうことで、他者を想像することの優しさ、世界の美しさ、の再発見を提供します。
また今後は、子ども向け作品、ノンバーバルな作品、日本の伝統芸能とのコラボ作品のクリエーションにも挑戦し、東京だけでなく国内、そして国外へと活動を広げ、幅広い層の観客と出会い、体験を共有していきたいと考えています。

-今後の計画-
2023年　再演事業。子ども向け作品の発表。演劇教育への参加。古民家でのロングラン公演。
2024年　没入力と規模感を上げるため空間美術家との共作。地方劇団との共作の取り組み。
2025年　より深い没入体験として言葉を一切使わないイマーシブシアターのリサーチと上演。土佐和紙など、日本伝統工芸との共作。
2026年　海外の演劇フェスティバルへの進出に挑戦。