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- 応募作品
骨を捨てる
くちびるに硫酸(東京都)
公演に携わっているメンバー:7人
- 【団体紹介】
- 劇作家・演出家の水野はつねによる個人ユニット。
2017年3月、京都市内にて旗揚げ。
2018年夏頃まで京都市・大津市を拠点に活動。
その後、首都圏へ活動拠点を移し、これまで3度の公演を行う。
企画・脚本・演出を水野が務めるプロデュース公演を行っており、少女漫画や近現代の詩歌に影響を受けた作風が特徴。
愛や性、家族の在り方に関心を持った制作を行っており、「避けがたい悲しみの受容」が大きなテーマとして通底する。
【水野はつね(みずの・-)】
1992年、滋賀県生まれ。
2008年、高校入学を機に本格的に演劇を始める。
同志社大学の演劇サークルを経て、2017年3月に個人ユニット「くちびるに硫酸」を旗揚げ。
2021年、戯曲『骨を捨てる』で第4回 人間座 田畑実戯曲賞を受賞。
- 【応募公演への意気込み】
- 本作『骨を捨てる』は、北海道のある地方をモチーフに、20代の姉妹のある夏の旅を描いた作品です。
死んだ母の遺骨を、母の故郷の海に捨てに行く。
ただそれだけの物語です。
「親の因果が子に報う」という、絶句するような諺が日本語にはあります。
因果、とは何なのか、執筆・制作の中ではこのテーゼに対峙せざるを得ません。
誰も悪くないのにすれ違いの中で壊れてゆく家庭も、“機能不全家庭”と呼ばれます。
何らかの行き違いや弱さで親の立場にある人が耐えがたく壊れてしまうとき、そのしわ寄せを受けるのはいつも子どもです。
長年の家族関係の中で深い傷を負って、フラッシュバックを繰り返しながら、同情、愛情、恨み、憎しみ、さまざまな思いが去来する、そういう苦しみを、想像できる人もできない人もいると思います。
許すのか、許さないのか、どこで折り合いをつけるのか。
これは「落とし前」をつけに行く物語です。
- 【将来のビジョン】
- 2016年の冬、「どんなに下手でも、筆が遅くても、誰にも見つからなくても、80歳まで創作を続け筆を折らない」と決めて、個人ユニットを立ち上げました。
「趣味」を銘打ち、年におよそ1回の公演・収支プラスマイナスゼロを目標に、会社員兼業で細々と演劇を続けています。
オーディションなど、公演参加者を募る際には必ず「なるべく手軽に、気楽に、趣味として、でもある程度本気で手間暇をかけた作品を作り続けたい」と書く、そんなプロデュースユニットです。
自分にとって演劇は生活のための仕事にはならない分野であると思うので、こうして趣味性を強調しています。
一方で、自分にとって一生の仕事にできるのは演劇だけかもしれない、という青くさい思いも、今もってあります。
いずれにせよ、少しでも長く創作を続けていきたい。
少なくとも自分たちを恥じることなく演劇界の裾野に居続けられるよう、わずかでも良質な作品を作り続けなければならない。そのための自己研鑽を、少しずつでも積み重ねたい。
そう考えて制作を続けています。
公演に携わっているメンバー(7)