かもめ

Art-Loving（長野県）

公演に携わっているメンバー：5人

【団体紹介】

Art-Lovingは、演劇をとおして「生きる力～つくる・はぐくむ」をコンセプトに実践している軽井沢拠点アートカンパニーです。演劇というツールを通して人々に生きる力（非認知能力）を育み、対話を重視した演者の主体性を引き出す、独自のアプローチ手法で演劇創作と演劇共育を中心に取り組んでいます。演劇創作では、演出家と俳優が対等な関係性で、作品について自由闊達に意見交換しながら、仮設を立て、登場人物たちの構築を全体で共有しながら進めていく、プロセスを大切にします。そのプロセスから演じるコントローラーを握っている俳優たちが能動的に意見具申し合う気運を醸成していきます。演劇共育では、探究型学習に連動した、主体的で対話的で深い学びの実践を行っており、首都圏や軽井沢を中心に演劇共育の場づくりに勤しんでいます。演出家も演劇共育ファシリテーターも権威ではなく、探究支援者であり、共同探究者であるという位置付けを大切にしています。

【応募公演への意気込み】

審査対象作品は、アントン・チェーホフ「かもめ」です。今回の作品は、約二年の時を経て、ようやく始動した座組です。2020年、2021年と二度にわたり延期を余儀なくされましたが、当初の予定どおりのキャストが一同に集結出来、難攻不落の名作に挑む覚悟です。作品の骨太さ、力強さ、ボリュームさには、毎度のことながら、改めて圧倒されますが、これまでのザ・ロシア的な、ステレオタイプな、チェーホフ芝居とは少し変わって、躍動感と人間味に溢れた「かもめ」を創作したいと思っています。この作品はドラマ調に上演されることが多いですが、実は喜劇であり、人間の愛おしさ、可愛さ、愚かさを描いています。人間が人間たる所以はなんなのか？そんな問いを立てながら、多少前のめりになったとしても、正面からぶつかり返してくれる今回の座組ですので、逃げるな！怯むな！恐れるな！精神で突き抜け、最後まで走り抜きたいと考えています。

【将来のビジョン】

Art-Lovingは、軽井沢に拠点を設け、町内でのアートフェスの企画等を積極的に行っており、今後は、広域圏で広がっていける場を更に広げていきたいと考えています。町内には劇場が一つもないことから、今後は町内公的機関や企業と連携し、劇場設立を視野に入れています。併せて併設のシアターカンパニーも設立し、俳優たちの育成にも力を注ぎます。町の中の文化として、演劇が根付くために、小さな成功体験を積み重ねながら、定着を図っていきます。また演劇共育については、学校教育の中に演劇の時間を導入すべく、県や町の教育機関と連携し、私立校を中心に、実績を積み重ねています。また公立校でも実践の場を広げつつあり、子どもたちの学びの場として、演劇を浸透させることが出来るように、演劇共育ファシリテーター養成の場を設け、育成にも注力します。演劇創作、演劇制作、演劇共育の三本柱を軸に、これからも邁進します。