十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
日本の老舗人形劇一座を初観劇。時間枠が取れたので直前予約で観た。鄭義信作・演出だな..と何気なく見やっていたが開演ギリで劇場に向かう途中おもむろに期待がもたげ、徒歩が小走りに。客演植本純米の八面六臂も意外、そしてシェイクスピア「喜劇」を力技で翻案した舞台の最後も・・期待を超えて満足。
人形劇は面白い。ひとみ座が自分の中では筆頭だが(他にあまり知らないが)糸操り人形劇では一糸座のシュールな舞台を観ていた。結城座とは接点無しと思っていたが、スズナリで流山児舞台に客演していた(先代孫三郎の風貌が記憶の片隅にある)。「伝統」「料金高め」という印象であったがパンフを見ると実はアングラ時代から現代劇作家・演劇人との共作、コラボ等人形芸の開拓者の一面もあった由。
糸操り人形の「歩き」は不格好である。が微細な手の動きや角度で表情を作る。ポイントを押さえて風情が宿る。何より声である。主役の双子の兄妹を新孫三郎が、ゲップ親父を先代が演ずるが、その他は全て男役を女性、女役を男性が演じる。形代が持つ観客の想像力誘発の機能に最大限頼み、換言すれば観客の理解力に信頼しその限界を攻める演出の熱に、心底でやられている(まあ座員の男女比からの必然とも..)。
これら人形と絡む唯一の「人」である植本氏の芸達者振りにも驚いたが、大胆な起用というかこの演出ありきの台本を書いた鄭氏に敬服。
シュベスターの祈り
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/05/27 (木) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
時間を少しさかのぼって、のお話。前作を知らなくとも、十分に楽しめます。出演者の殺陣や動き、表現には圧巻です。人間関係を実にリアルに表現されています。この作品は、世界観が広く、ストーリーが沢山あります。今回の作品から入っても、世界観を楽しめ、ますます興味がわくと思います。私は西本りみさんからこの作品に触れました。この作品への思い入れは、凄いものがあります。また、沢山の素晴らしいリリィ達がいますので、好きなリリィが必ず見つかるでしょう。ぜひ、劇場で、配信でご覧いただければ、と思います。
風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/05/23 (日)
価格2,200円
ネットデマの拡散→理不尽なネットリンチ、というダークな現実を、ほんわかとしたコメディータッチで描きつつも、これでひと安心と思ったら土壇場で、いきなりシビアな現実に引き戻され…。
動画配信でなく、座・高円寺1で直に観るべきだった91分。
なお、会場では配布されたのであろうが、動画配信では配役が最後まで表示されなかった。次回は是非、エンドロールで役者紹介をお願いしたい。
【追記】
CoRichのシステムでは劇場公演の期間でしか鑑賞日を登録できないようなので
こちらに動画鑑賞日6月2日と記載しておく。
風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
船をこう言う使い方するのか・・・風を切る感じではなかったが・・・♪
気になったのが、レースの時ってライフジャケット着けないの・・・?
Tシャツ一枚でレースって・・・そりゃ事故で死ぬよね・・・♪
蝶のやうな私の郷愁
ひなた旅行舎
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
外の道
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2021/05/28 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
イキウメの世界も、このコロナ禍の一年余で変わってきたようだ。
以前は天体の運行とか、宇宙人の襲来とか、SFでも飛び道具のような設定で、現代社会の奥に潜む人々の不確実性を鮮やかに描いて見せてくれた作品が多かったが、今回は、SF的ではあるが、設定はだいぶ変わった。
舞台は相変わらずの北の小さな町。故郷へ帰ってきて、配送屋で生活している四十過ぎの男寺泊(安井順平)が地元の行政書士事務所で働いているかつての同級生の山鳥(池谷のぶえ)に再会して、全国からひそかに客が来るという町はずれの喫茶店で、店主(森下創)の手品を見に行く。それは個体を人間の中に埋め込んでしまうという手品で、実際に政治家がパーティの会場で、その場で割れたビール瓶のかけらを頭に埋め込まれて急死する超現実的な事件があった。
手品を見たころから寺泊の周囲に奇妙な事件が起き始める。妻〈豊田エリー〉が美しくなり始め、どうやら、山鳥の弟と浮気しているようでもある。配送する荷物は行き先が分からず、誤配で返送されてくる。配送物の中身は「無」と書かれている。中にはマックロクロスケ、闇が入っていて、そこから漏れ出した闇は時に舞台を暗黒の世界に誘っていく。
・・とイキウメらしい展開になっていく。しかし、それは、全社会に及んでいく超自然現象ではなくて、個々の人間の、個人の記憶と認識から始まり、見知らぬ子ども(大窪人衛)が家族と主張して入り込んできたりする。
SFファンタジーのような、ホラーのような、イキウメ独特の舞台の感触は変わらないが、仕掛けが壮大な宇宙から個人になった。同級生の間の人間関係や喫茶店のマスターの手品など、いままでになかった人間的な味わいやユーモアがあるし、どこか、幼いころ読んだ、小川未明の童話の街の雰囲気もあって、なかなか面白い。
休演している間にブラッシュアップする時間もあったのだろう、完成度も高い。見終わったあと、あれはどういう事だったのだろうと思い返して、はたと手を打つ楽しみも大きい。
風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
アントロポセンの空舟
水族館劇場
臨済宗建長寺派 宗禅寺 第二駐車場 特設野外儛臺 虹の乾坤(東京都)
2021/05/14 (金) ~ 2021/05/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ザッツ水族館劇場。東京の果て、雨降る夕刻に集った客と俳優の数は共々少なめであったが「らしさ」は健在、堪能した。役者陣のデコボコ感、歴史を貫通して詩的文体に刻むテキスト、目を喜ばせる舞台装置、水。
後の席に座った親子連れの子供二人がしばしば遠慮なく「感想」を差し挟んで途中邪魔っけだったが、フィニッシュの大展開に「やった!」の一声は観客の心と一体化していた。(分ってるぢゃないかっ。)
『桜嵐記(おうらんき)』『Dream Chaser』
宝塚歌劇団
宝塚大劇場(兵庫県)
2021/05/15 (土) ~ 2021/06/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
物語がしっかりしていて、見ごたえがありました。歌が少なめかなと思いましたが、歌はとても良かったです。
レビューのタンゴがすばらしかった。足があんなに速く動いて、相手にひっかかることもなく、感動しました。美しかったです。
モーツァルト!【4月28日~5月6日東京公演中止、5月25日~5月31日、6月5日~6月6日大阪公演中止】
東宝
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
上演されるのを待っていました。感謝しつつ、大切に観劇しました。すばらしかったです。
何度も再演されて、観たのは4回目くらいだと思うのですが、今回の感動を超えることはないかもしれないと思いました。でもまた観に行ってしまうかな。
JACROW#30『鋼の糸』
JACROW
駅前劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
同じ劇団、というか同じ作家の企業物はいくつも見たが、ワンパターンにならず、一作一作特徴があって異なることに感嘆する。
キャッツ【7月22日~7月30日、12月8日、2月24日昼公演中止】
劇団四季
キャッツ・シアター大井町(東京都)
2018/08/11 (土) ~ 2022/04/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
四季劇場[夏]では『ライオンキング』が6月12日に大井町公演ファイナルを迎え、閉館。
キャッツ・シアターでは『キャッツ』が6月20日に千秋楽を迎え、こちらも同じく閉館。
大井町から劇団四季が消えてしまう。
三回目、チケット表記5列目が最前列。
ジェリクルキャッツ〈誇り高き特殊な猫達〉のリーダー格マンカストラップ(金本泰潤氏)が新生鷹の団にいそうな格好良さ。
おばさん猫ジェニエニドッツ(笠原光希〈みき〉さん)がゴキブリを従えてタップダンスを踊るシーンは矢張り最高。
泥棒猫ランペルティーザ(片岡英子さん)の動きは目を見張る。
ジェリーロラム=グリドルボーン(奥平光紀さん)のコミカルな細かな仕草が印象に残る。
シャム猫軍団が可愛い。(子役だと思っていた。)
JACROW#30『鋼の糸』
JACROW
駅前劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/06/01 (火) 14:00
座席1階
田中角栄など自民党政治家の栄枯盛衰を描いた作品など、社会派劇で名高いジャクローが、今度は企業合併や出世競争だけでなく、働き方改革まで取り込んで、見ごたえのある2時間にまとめた。
昭和から平成にかけて、右肩上がりの経済成長とバブル崩壊、その後の長期不況という歴史の中で、日本企業は様々な姿を見せてきた。「出世争いは企業の活力」というセリフも出てくるが、今も基本的には変わっていない男社会の感覚かもしれない。
その競争社会では、「24時間働けますか」という、ジャパニーズビジネスマンをたたえるような流行歌に乗せて、栄養ドリンクが売れまくった。それが時を経て令和の世となり、残業などもってのほか、ワークライフバランスという印籠でもってして働き方をお上が中心になって変えようとしている。働く女性たちも男性とともに世の中を支える時代なのだから、男社会の感覚はお上に言われなくても払拭しなければならない。私見だが、この舞台はそうした時代の変化への対応にあえて真正面から取り組まず、バブルのころに入った新入社員の出世や人生を中心に置いて描き、昭和・平成時代の企業社会を生き抜いた観客の共感を得ている。
ライバルに勝つ営業成績を上げろという経営陣と、働き方改革だから残業はさせられないという所属長の板挟みになって咆哮する役員手前の部長が悲しい。「クライエントの秘密情報を取ってこい、それが営業成績向上の決め手だ」との𠮟責は、それが会社のためであり、自分のためであるという彼らの共通認識である。そういう昭和・平成の企業戦士の常識が、部下である所属長の抵抗によって打ち砕かれる。もちろん、所属長たちはその常識を分かっているのだが、自分の立場上、部下を残業させてまでその仕事を命ずるわけにはいかない。それこそ、部下の離反を招くどころか責任を問われることになろう。部下をがっつり働かせてなんぼの世界は終わり、部下をうまく休ませるのが優秀な管理職なのだ。
この舞台でも「じゃあどうすればいいのか」という答えは出ていない。会社の経営陣は「働き方改革の中で、成績を上げるやり方に知恵を絞れ」と言う。だが、その経営メンバーは24時間働くような従来のやり方で成績を上げてのし上がってきた連中だ。答えなど持っているはずはない。知恵を絞れという号令は無責任そのものであり、できもしないことを部下に押し付けている最悪の上層部である。「やればできる」という精神論で前線の兵士を破滅に追い込んだ旧日本軍の精神構造と全く同じである。
非常に面白い舞台だった。が、欲を言えば、そこまでつっこんでほしかった。
獣唄2021-改訂版
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/05/25 (火) 18:30
東憲司氏、桟敷童子を率いてもはや他と比べるべくもない演出家となりました。桟敷童子ほど、内容・時期共に安定した公演を行っている小劇団は、他にそう類は見ません。また、これほどの新作数を舞台装置含めながら考案していることにも驚きます。ただし、これが東憲司というような代表作が認められないと思うのは、私だけではないのでないでしょうか。
その理由の一つとしては、総じて作品の質が高いというという事が挙げられますが、桟敷童子作品が、かなり特殊な構造を抱えていて、他劇団での再現性が低いという事が挙げられると思います。もちろん、ラストの舞台総崩し的な見せ場は、他の小劇団では再現可能性が低いと思われますが、それ以上に驚くのは、頻繁に登場する過剰な悪意や欲望の放出です。
過剰な悪意や欲望の放出は、桟敷童子芝居の大きなレンズであり、物語の進行を前半と後半を一転集約で繋ぎ、舞台にダイナミズムを生じさせる、大きなファクターです。しかし、これはともすると、観客の混乱と不安を招き、それまでの感情移入を引かせる要素とまおなりかねません。(一方で中毒性もあるのですが) この点が、東憲司以外の桟敷童子作品の演出を困難しているように思われます。
さて「獣唄」この作品には、この過剰さがないのです。意図的に削ぎ落したように。観客は良くも悪くも、この作品でかの過剰さに向き合うことがありません。そのことは、脚本に演出側の自由度をかなり高めていると言えます。
冒頭こそ、慣例の肉親憎悪をもって展開しますが、その後の展開はかなりニュートラルです。つまりどういう描き方がされても、どこに話がフォーカスされても、ラストへはいかようにもたどり着けられるように書かれていると思われるのです。
今回の演出のように、あくまでも一地方での群像劇として描くのもありだし、梁瀬繁蔵を深く掘り下げる演出や三人姉妹の描き分けによる演出も可能なような気がします。つまり、桟敷童子版・東憲司版以外の「獣唄」が生まれる可能性があるということで、もしかしたらこれは新しい『古典』の誕生かもしれません。
終焉後の村井國夫の屈託のない笑顔が、再演とは思わせない新たな(何らかの)誕生を象徴していたような気がします。
てげ最悪な男へ
小松台東
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#てげ最悪な男へ
#小松台東
#小園茉菜 さんが「彼氏できたー」と叫びながら自転車で登場する爽やかさとは真逆の、生き辛さが充満した作品。二幕の冒頭も彼女の自転車で始まるのだけれど、カールした美しい髪が、まるで人生の歪みを表しているように見えたのは、我が心も歪んでいるからだろうか。人に纏わり付く影…負い目。それが自身の失敗ではなく家族の行為によって生じたものならば、その責任を背負わされる家族について考えると胸が締め付けられる。被害と加害。起こったこと、起こしてしまったことによる支配。それはいったいどこまで、誰にまで広がり、いつまで続くのか。そしてどうやったらその支配から逃れることができるのか。たとえ許されなくても、解放されるときは来るのか。謝罪は決して楽になりたいだけなんかじゃない。そうじゃないんだけれど…不本意ながらもそうなる部分はあって、それを突きつけられれば反論は難しい。死ぬまで過去は消せない。でも、死んだって過去は消せないし、それこそ自らが負うべき十字架を家族に背負わせて逃げ出すことであり…それは勝手に楽になろうとする行為なはず。だから…死ねないし逃げられない。人間が嫌悪する感情で発する敵意や悪意ほど恐いものはない。
言葉は難しい。この二週間で何度聞き、何度実感したことか。勇み足で溢れた一言が、積み上げてきた人生の全てを台無しにする恐怖。台無しにしてしまったかもしれない恐怖。そんな思いは二度とご免だ。そう思うと口がきけなくなる。しかし、声であろうと文字であろうと手話であろうと…自ら言葉を発しなくなったら、果たしてそれは人間としての徳を有していると言えるのだろうか。先天性のものや病や事故ではない。だからこそ、あの家に集まってきた人たちは言葉とどう向き合い、恐怖にどう立ち向かっていたのかということについて…何度も反芻している。
劇中、そのオーラを激変させたのは #瓜生和成 さん演じるフミオ。優しさと思いやりの包装紙は薄くて柔。どうやったって包んだ下心は透けて見える。望もうが望むまいが、始まった二人での生活は『支え』から『支配』に変わってしまった。時間も人の感情も残酷だ。覚えていて欲しいことは忘れ去られ、忘れて欲しいことはいつまでも記憶され続ける。
這いつくばって嗚咽して苦しむ彼の姿に身を斬られるような苦しさを感じた…が、彼の方がその傷は深く強い痛みを感じているに違いない。にもかかわらず、隣の席の観客はクスクスと笑っている。まるで世の中が彼を…そしてわたしを嘲笑っているかのような錯覚を覚えた。世間に笑われながら、地に這いつくばって、彼は…いや我々は、何を守り、何を失いながら生きていくのだろう。生きていけるのだろう。受け入れ難いことを受け入れ、忘却力を頼りに、時の経過が苦しみや悲しみを薄めてくれるのを息を潜めて待つ。
ここ数作品における主宰 #松本哲也 さんの脚本の引き算に痺れる。誰がいつどこで何をどうしたか…ということを客席は追いかけたくなる。でも、その人がいないこと、来ること、それだけが重要で、細かなことは想像に委ねられる。あの家の世界が果てしなく広がり、闇は深く深く沈んでゆく。
観客はいつだって作品と自らの共通項を見いだし、現在過去未来に結びつけ、時に教訓にもしながら、人生を生活を顧みる。それは演劇に限らず、映画も文学も、歌の歌詞からも、我々は自分を探す。安心したり、恐れたり、教訓にしたりしながら生きる。
フミオを見つめながら我が身に降りかかった災難を俯瞰していた。自分の愚かさを突きつけられながら、励まされた気がした。
風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
始まりから本編に行くまでが少し長く、舞台転換がバタバタで今どこなのかわかりにくかったのでもう少し短めでレース部分を多いともっと盛り上がると思う。見始めはあまり好みじゃないなぁ、失敗したかなと思っていたのですが中盤から引き込まれ楽しめました。大林さんが声も通り舞台映えする方だったので今後も舞台で見てみたいです!
残念なのは開演前に席を移動し、お互いのチェキを見せながら会話しているお客様を放置していたことが気になりました。
てげ最悪な男へ
小松台東
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
凡そ9か月振りの三鷹。小松台東は昨年のグッドディスタンス、アゴラ公演でさほど久々感は無いものの本拠地で本領発揮の「細部にこだわる芝居」が観れた。「痛い」男の話であるが男は一度は経験するだろう「失恋」のロングバージョン。ただ、そこをオチにしたのはたまたま、とも見える。不幸な生まれの女子物語としても通るしそちらの目線で追えばハッピーエンド。裏表の関係。
小松台東での瓜生氏の役柄は割と枠に収まっている気がするが(そういえばiakuの舞台でも恋の成就しない哀れ男だった)、時には二枚目役も見たいぞよ。
風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
パワーあふれる熱い舞台で、とても面白かったです。ストーリーも面白く、登場人物それぞれのキャラクターも良かったし、役者さん達の熱演で、どんどん惹き込まれ、特に競争シーンは食い入るように見ていました。風と海を愛する男達と、それを応援する人達の、素敵な舞台でした。そして、セーリングという競技に興味を持つきっかけになりました。大満足の舞台でした!
「母 MATKA」【5/17公演中止】
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/05/13 (木) 13:00
チャペックの作品というとSF。それも良い意味で牧歌的であり、一方かなり諧謔的であり。舞台では「山椒魚戦争」「R.U.R」「クラチカット」と観てきたけれど、この「母」にも、何かそうしたSF作品に通底する独特の雰囲気がある。そう作家の体臭というか、作品の面持ちというか。ロボットの反乱だ、超破壊兵器の獲得競争だ、生物界の人間への侵攻だといっても、どこかのーんびりとしている、そうカレルの好きな庭仕事のように。
常に内戦絶えない(民族紛争?)、おそらくは東欧と思われる小国。そこでの市民たちは戦争に巻き込まれては、民族と家族を守るための戦いを強いられる。男たちは戦場へと駆り立てられるか、民族の繁栄のために命を落とし。女たちは父親。恋人、夫、子供たちと、次々と愛する者たちを失っていく。誰もその運命に抗うことはできない、否、できないはずであった。死者である夫と長男、戦場に赴こうとする次男、三男、四男、彼らと向こうに回して、
母は五男のトニーだけは、けして戦場行かせないと徹底的に抗うことを決意する。