ピンポンパン!
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
グローバル・ベイビー・ファクトリー
劇団印象-indian elephant-
座・高円寺2(東京都)
2024/09/30 (月) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
凄まじい傑作。
東京演劇アンサンブルの『彼女たちの断片』と同じ系譜。
どうしたって女性にしか語れない問題、“出産”の核にあるものを掘り起こす。リーディング公演というよりもクラウドファンディング目的の読み合わせのようにも感じた。作品は完璧に完成している。誰か映画化してくれ。ト書きの通りに実際の公演の模様を容易く思い浮かべることが出来る。(実際、2014年3月に調布市せんがわ劇場にて公演済み)。いや、これ観たい。ラストをどう持っていくのかずっと気になっていたが成程!
ギッチリ入った観客。テーマに対しての関心は高い。自分の子供を残す行為、DNAのバトンを未来に託すリレー、生物の本能。だが日本の現状は少子化の止まらない進行による超高齢化社会。2024年現在にて65歳以上の人口の割合は29.3%。間違いなく機能不全に陥る日本社会。未来の話ではなく今の現実だ。
主演・砂子役の佐野美千子さんが最高。(砂子と名付ける親もどうかと思うが)。美人のキャリア・ウーマン、男を必要としない稼ぎ。全てを持っているが37歳という年齢に不安を覚えていく。父親(太田宏氏)、母親(佐野美幸さん)のプレッシャーに負けてお見合いパーティーに。(父親の台詞「ま〜わ〜り〜く〜ど〜く〜」が秀逸)。そこで出会った脚フェチの容器メーカー営業、佐藤滋氏と結婚。腹部に違和感を感じ、産婦人科へ。妊娠五週目だったが子宮頸がんと診断され子宮全摘出へ。これでもう自分の子供を持てなくなった絶望感。そこに現れた最後の希望、代理母出産。
佐藤滋氏はゴン中山似。
親戚の「結婚しないの」合唱団が素晴らしい。メチャクチャ完成されたコーラス。
ト書きから卵子のクジャク、代理母の一人、ラストの赤ん坊まで演じた笹良まゆさんが芸達者。
インド人代理母、ナジマ・ヴァグラを演じた大久保眞希さんも名演。ヒンディー語映画『愛するがゆえに』の主題歌、アリジット・シンの「Tum Hi Ho」を皆で歌うシーンは絶品。
挿入される精子スキヤキ(太田宏氏)と卵子クジャク(笹良まゆさん)のエピソードが作品を多面的なものにしている。善悪ではなく事実の提示。
「子供が欲しい」が「血の繋がった子供が欲しい」になり、今では「自分達のDNAを持った子供が欲しい」に。DNAなんて皆知らない方が良かったのかも。子供の意味合いが変わってしまった。
泣けるシーンが多々ある。妊娠していた自分、胎児ごと殺して子宮を摘出しなければいけない自分。手に入った筈のものを知った時から痛切に迫る欠落感。狂おしい程この欠落感に悩まされる。
今回カットされたシーンは佐藤滋氏の新鮮な精子を採るコミカルな場面。
白魔来るーハクマキタルー
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/28 (土) 18:00
この作品は2015年3月に初演されたものだが、コアな観劇ファンからは評価が高かったものの、一般の観客からはその残虐性に戸惑いがあがっていたものだ。大正時代に北海道で起こった熊害(ゆうがい)事件として有名なものには「三毛別羆事件」や「石狩沼田幌新事件」などあるが、この作品は日本史上最悪の熊害といわれる前者をモデルにしている。昨年来、熊が人間を襲う事件が頻繁に報じられ、その意味では初演時よりも観客に身近に迫ってくる感があるだろう。
(以下、ネタバレBOXにて…)
IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ
アミューズ/ぴあ/シーエイティプロデュース
天王洲 銀河劇場(東京都)
2024/09/22 (日) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
諸国を遍歴する二人の騎士の物語
劇団青年座
吉祥寺シアター(東京都)
2024/09/28 (土) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
リング・アウト
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この団体は3回目の観劇になる。前2作が笑いに溢れ、ダンスシーンなどもありエンタメ感たっぷりだったのに比して、今回は笑いは抑え目でドラマ性が強かった。笑いを期待していただけに少し物足りなったというのが正直なところ。
ただ、物語の中に主要なトピックがいくつか出てくるが、それらを100分という時間にうまく収めて最後は大団円(ちょっと出来過ぎだけど)とするところはロックマン氏のストーリーテラーたる所以か。
特に母娘の惜別のシーンは美しかった。
できれば真正面からのストレートプレイを一度観てみたいものだ。
リング・アウト
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
The Human Condition
人間の条件
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2024/09/25 (水) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
公演概要などは作品ページを読んで頂けたらお分かりになると思いますが、2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件をモチーフにした作品です。非常に、非常に残忍な事件であり、報道されたニュースの記憶を辿ったり、(いま実際にWikipediaを読んだのですが)事件について調べたりするだけで心の落ち込みが尋常ではなく、観客にとって受けとめることが困難な一作と言えるでしょう。観劇だけでこのショックですから、創作サイドに立っていた公演関係者各位は、さぞ大きな負荷と対峙されたと想像します。そして、事件を「特異」なものとして取り扱うのではなく、「私たちの問題」として向き合うことを前提に、今作を創作し上演する意味は大きいと考えます。
いつかのもの語り。
BB stage
萬劇場(東京都)
2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
全体的にセリフに対して発声が強いと感じたのは私だけではなかったようです。演出の方の好みなのかなと?まだセリフと想いが演者の中で消化されないまま、幕が開いてしまったような・・・。ストーリーとしては優しいお話ではありました。しかし、各登場人物の気持ちの基がどうもあやふやで、の各々の行動に対して説得力が足りない気がします。また、ストーリーに合わせてもっとふんわり柔らかな造りでも良かったんじゃないかとも思います。
ベラスケスとルーベンス
やみ・あがりシアター
Paperback Studio(東京都)
2024/09/21 (土) ~ 2024/09/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/23 (月)
何を考えているんだ!???でも本当に絵画が脳裏に浮かぶし、あの鏡で影がぎらぎらゆらゆらするのもすごい!
観客を巻き込みテーマを読んでもらうのも面白い。まさに実験演劇ですね。
でもこういうのあってよいと思うし楽しかった。
『ミネムラさん』
劇壇ガルバ
新宿シアタートップス(東京都)
2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了
失敗の研究―ノモンハン1939
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/13 (金)
女性からの視点。そして現在とつながる反戦。
舞台美術も凝っていた。サザンシアターって客席と舞台の距離が遠く感じるのですが…。
はい。観て良かったです。
三ノ輪の三姉妹
かるがも団地
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/06 (金)
これからも応援したい劇団「かるがも団地」
なんか面白いよね。上司役すべて演じ分けていた?宮野さん可笑しい。
若手がこのようなアットホーム的な物語を上演してくれるのがまた良いと思いました。
かへり花
トム・プロジェクト
俳優座劇場(東京都)
2024/09/02 (月) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/02 (月)
初日最前列センターで…。やはり、客いぢりされるほうは心臓に良くない(笑)
藤吉久美子さんの老けっぷりに大拍手。
でもとてもほのぼの感もあり、楽しめました。ここだけ時間の流れ方が違うんだねぇ。
と思っていたら…。そうか。この座組本当に良いと思う。面白かった。
「金のりんご」
poco
レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)
2024/08/31 (土) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/31 (土)
場内の飾りから凝っていて、ちょっと怖い世界へ入っていけました。
ずぶずぶと…そして振り返ってはいけない 笑
青色文庫‐其五、夜長月の童話集‐
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/11 (水) 19:00
【プログラムB】月と花のある風景、三篇」
プログラムAが女性4人による上演だったのに対しこちらは藤川さんが加わったことで印象が異なる。喩えて言えばAの弦楽四重奏に対してBは管楽器と弦カルによる協奏曲、的な。
どちらかと言えばビターエンドな2編の後に軟着陸する1編という構成に胸を撫で下ろす。そして1編目「野ばら」の警告が胸に沁みる。アフタートークでかつて教科書に掲載されていた本作がなくなったとの話を聞き政治的圧力?と邪推。
第38回公演『バロウ~迷宮鉄道編~』
激団リジョロ
すみだパークシアター倉(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
創団25周年記念公演、面白い。
観劇した日は、上演中の写真撮影OK。
迷宮の世界観といった内容…それが幻想・妄想はたまた悪夢なのか、理屈や細部に拘って観ると混乱しかねない。説明には、悪夢を見るために眠り続ける姉、細胞に潜む悪夢と不条理犯罪を研究する学者、謎の連続放火事件、そして時を遡って17世紀の島原の乱へ、情景と状況が次々と変転し同じ場所(空間)に止まらない。
混沌とした迷宮物語、それは坑道・軌道によって昏い穴倉へ誘われるような感覚だ。勿論 舞台美術はタイトル「バロウ:BURROW=穴・隠れ家)を表すような怪しさ、登場人物も奇異な出で立ちで外見的にも観(魅)せる。照明や音楽・音響といった技術は効果的で、物語の雰囲気を見事に漂わせていた。 観応え十分。
(上演時間2時間20分 休憩なし) 追記予定
VOGUES
good morning N°5
ザ・スズナリ(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/10/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/30 (月) 14:00
座席1階
これで2回目のgood morning N5だ。今作は絶望のふちに立たされても立ち直っていくぞ、というような感じの舞台だが、物語はあまり重要ではない。その場面場面でいかに客席を引きつけるかという熱量が最大の見どころだ。
いつも通り、観劇中の飲食、多少のおしゃべり、携帯電話の操作、劇場への出入りなどは自由。小学生以下は無料で、子ども連れの人もいた。また、2万円のVIPシートが一般客席より舞台に近い高台に設けられており、専用のコンシェルジュが何でもご用聞きをしてくれる。今日は女性2人が座っていた。
舞台も客席も真っ白なシートで覆われ、独特の雰囲気だ。開演前は主宰の澤田育子の強烈トークで思いっきり引っ張る。強烈なダンスで幕を開けると、終幕まで1時間半、誰ひとりお隣としゃべっている人はいない。視線を舞台にくぎ付けにする仕掛けが次々に登場するからだ。
毎回、VIPの席が売れるとは限らないと思うからこれは売れた時だけの演出かもしれないが、イマージョン、すなわち舞台への没入体験をVIPはすることができる。今日の女性2人はイマージョンで舞台に上がってもおじけづくことなく立派に役目を果たしていた。これこそイマージョンだ。
今回は、役者たちのコスチュームがドキドキである。また、冒頭のダンスの中では秀逸な演出もある。思わず見とれてしまった。
これほどまでに客席を楽しませようという熱量を持った集団はなかなか珍しい。異次元の演劇体験をしたい人はお勧めの舞台だ。
疾走
う潮
スタジオ空洞(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これは期待以上の自分好みの作品でした。確かにトラウマが疼くような感覚ですね。ディテールに多少疑問がありますが、納得のいく展開で、ラストもよかった。些細なことですが、ギターやベースが実物だと重くて振り回せないのかな?
The Human Condition
人間の条件
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2024/09/25 (水) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
語られないセリフをどう理解するかでこの舞台の捉え方は全く違ったものになるのでしょうが、それは作者の意図ととはどうなんでしょうね。