発明家と探検家
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
BGMや光の使い方が不思議な空間にいるようで良かった。答はどれというのを誰かとじっくり話し合いたいと思える作品でした。
異常以上ゴミ未満、又は名もなき君へ
good morning N°5
小劇場B1(東京都)
2021/11/25 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
オリバー!
ホリプロ / 東宝 / TBS / 博報堂DYメディアパートナーズ WOWOW
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2021/12/04 (土) ~ 2021/12/14 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
市村正親さんは唯一無二の存在、すばらしかったです。来年も代表作と言える2作品に出演が決まっていて、親の演じる姿を息子に見せておきたい気持ちなのかなあと思ったりします。今回は息子との共演でした。
1番のおめあて、ソニンちゃんは、今回もこれでもかというくらい激しく迫ってきました。期待どおりたっぷり見せてくれました。
海王星
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/12/06 (月) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
寺山修司の大人のメルヘン。
再婚間近に事故に遭って死んだはずの男(ユースケ・サンタマリア)が生還してみると婚約者(松雪泰子)と息子(山田裕貴)が恋仲になっていた…というお話。もう少し書くと全部になってしまうのでここまで。それくらい話は単純。
オープニングは銀座のクラブの歌手といった風情の中尾ミエさんがブルース風の歌をしっとりと歌い上げる。おお良い調子と思っているといきなりロックバンドの爆音が響き渡る。こうなると歌詞がまったく聞き取れない。言葉を楽しむはずなのに誰だよこんな選択をしたのはとブチ切れてしまった。そういう気分のせいでもないだろうが皆さんの歌があまりうまく感じられないので困った。音楽以外も特に何かがあるわけではなく印象の薄い舞台であった。
松雪さんは何があってもいつも推しだが、今日の推しは伊原六花さん。やさしくしかも凛とした声に優雅な身のこなし、安定した演技で文句なしである。おっと歌はロックのビートに乗れていない感じがした(私の席がかなり後ろだったせいかもしれないが)。得意のダンスは特別にソロの場が用意されていた。とはいえ主役でもないのであっという間に終わってしまった。これからに期待。
飛ぶ太陽
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
敗戦直後の大事故で147人も死んだのに、占領軍案件なので、新聞はどこも沈黙し、被害者住民の訴えに、弁護士たちはこぞって背を向けた。福岡の二又トンネル爆発事故。この事故を、2週間前に復員して火薬処理作業に参加した朴訥な青年与一(古田知生) と、老いた小柄な母トワ(鈴木めぐみ)を中心に描く。戦争末期に陸軍が秘密裏に運び込んだ大量の火薬、担当した占領軍中尉の無造作な焼却処理、興味本位で見物していた住民を襲った突然の悲劇、肉片が飛び散り、呻き声が溢れる地獄絵。医師(斉藤とも子)と元従軍看護婦(もりちえ)の熱く冷静な現場の采配が見事だった。巡査部長の原口健太郎も好演。
さらに、行商仲間の姉典子(板垣桃子)と、国民学校教諭の妹文子(宮地真緒)の姉妹の話がもう一つの柱になる。どんぐり拾いに行った29人のこどもが巻き込まれて死んだ。文子は自分の病気が良くなるようにとどんぐりを拾いに行った子供らの死に、精神を破壊される。典子はその介護に疲れ切り、妹が死んで涙も流さなかった。そんな自分こそ「破壊されてしまった」という典子。しかも典子はトワと、何も知らずに火薬運びを手伝った負い目もある。両腕を失ったトワと、典子に見られる、傷つき生き残ったもののその後の生活をいろいろ考えさせられた。
長期にわたり、説明するだけでも一苦労の話を、母子と姉妹の悲劇を中心に、心揺さぶるドラマに仕上げた。背景から現場の混乱、事故後の補償裁判闘争、現在の駅舎状況までを、ぐいぐい引き込んで見せた。コロス的住民たちの言葉が、ナレーションでもあり、叫びと訴えでもあって、効果的だった。冒頭12分で崩れ落ちる橋と紅葉🍁のセットも見事。1時間55分
わたくしたち、人中短ガールズです!!
東京E-Do motions.
新宿眼科画廊(東京都)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/06 (月) 19:00
初見のユニットだが、若手の女優のみ7人というので、思わず行ってしまった(^_^;)。学園モノのコメディだが、大いに笑い、そして、いい話だった。観るべし!100分。
今年度いっぱいで廃校になる学校の職員室が舞台。手違いで取り壊し工事が始まり、てんやわんやの教員たちが不平を言いつつ授業やあれやこれやを扱うが…、の物語。ありえない展開だが、そこはコメディということで許容されるギリギリかと思う。女優陣が巧みで、無理筋な展開を、なるほどと思わせる説得力がある。子育て中の主婦で急遽副理事長になったという設定の池田恵子の終始の笑顔からは、知らない世界に入ったワクワク感を見て取れて好感を持った。先月のJACROWでハードな政治劇を演じてた福田真夕の落差にはビックリ。人中短という聞き慣れないキーワードは、あまり活きていなかったと思う。
生配信の回だったのだが、開始して何故か音声が3秒ほどディレイして会場に流れ、23分経ったところで主宰が止め、調整して45分遅れで最初からやり直すアクシデント。それでも面白く観せてもらったし、ストレスだっただろうに、きっちりやり直してくれた女優陣に感心させられた。
ただし、学校関係者として見ると、教育実習を2ヵ月もやらないよ、「新任教育」って何だよ、今は「歴史の先生」っていないんだぜ…、と、突っ込みたくなるところもあった。ご愛嬌か。
彼女を笑う人がいても
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/12/04 (土) ~ 2021/12/18 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
及ばずもその志やよし。60年安保の学生運動と、福島の原発事故による避難者を重ねている。それぞれを取材する新聞記者(祖父と孫、瀬戸康史が二役)を中心に、権力の監視・告発の役を投げ捨てた大手メディアを批判する。
メディア批判というテーマは鮮明だが、それが具体的な人間ドラマして描ききれなかった。60年安保の学生の暴力批判の「7社宣言」をめぐる、記者吾郎と主筆(大鷹明良)の対決が、この劇の要になっている。ここは両者の熱演も相まって、迫力ある、考えさせる場面だった。
1時間45分
みんなしねばいいのにII
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/12/07 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ヒロインの看護師役清水緑さんがえらくアイドル顔。たかみなに水島裕子と池脇千鶴を足したような雰囲気。「へえ、こんな娘いたんだ」と思ったらイキウメの『外の道』にも出ていた。「ちょちょちょちょ」「ムリムリムリムリ」。
ヒロインの死んだ母親役小瀧万梨子(こたきまりこ)さん、マンションの天井裏に幽霊として棲み着き、いつもニコニコしながら毛糸で編み物をしている。
ファミマの店員役、伊藤毅氏はリアルな狂気。多分誰もが思い当たる日常生活に順応しながら確実に狂っている奴を的確に表現。異常にナースに執着している。
舞台は女性入居限定のマンション、その近くのファミマ。何故かハロウィンが終わらず、延々と規模を拡大して続いている。コスプレ警官や医療従事者、血塗れの人々が路上に溢れ返り、本当だか嘘だか判らない騒乱が繰り広げられている。マンションでは心霊現象が続き、そこの三部屋にそれぞれ住む女性のエピソードが語られる。それぞれのキャラクターが魅力的なのでずっと観ていられる。
ダウト 〜疑いについての寓話
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2021/11/29 (月) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
英語戯曲作品の翻訳・演出を得意とする小川絵梨子女史は本作でも本領発揮、題名が示すように疑惑の真偽を探るミステリーでもある本作の持つポテンシャルを最大限に引き出し緊迫感十分であった。主役、と言って良いだろうシスター(学校長)役・那須佐代子と、神父役・亀田佳明が疑惑を巡って火花を散らし、新人シスター(教師)役・伊勢佳世、生徒の母親役・津田真澄の貢献も目に焼き付いた。
映画版を観た印象というのが今一つであったので、それほど期待はしていなかったが収穫であった。
ワクチンの夜
城山羊の会
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前作は映像で観てこれも独特であったが、今回も共通するものがあった。というより、恐らく内田ケンジの狙う世界が、一度(氏の領分である)映像表現で鑑賞した事で、よりその意図を汲んで見れるようになったのかも知れぬ。
コロナ・ウイルスのワクチンを今日打ってきた夫婦、その息子、その祖父(夫の父)、息子の大学の後輩の男女が、夫婦の家のリビングを入ったり出たり。下手が玄関への廊下、上手に二階へ行く階段(結構な高さまで作られている)、正面奥の中央が台所へ行く出口、その下手寄りに祖父の部屋に続くらしい廊下が奥に消えている。
前作(映像)では主人公の主婦の妄想と、現実との境界が溶解していたが、今回「妄想シーン」は出てこないもののワクチン熱で熱い吐息をつく妻は、既に妄想(発情?)モードの中にあると読めたりする(しかも後にその対象となる若い男に曰く、実は今日注射をした若い医師を「ある人」と見紛って体が熱くなった)。発情モード全開になるに従い照明が落ちるのも主人公の見ている風景という解釈を誘う(「日暮れ時」は後付け)。
約1時間半、言ってしまえばどうでもいい類の話なのだが、あんな事も(こんな事も)普通しやしないが、わざわざエロ要素を盛り込んでたりもするが、期待に応えつつ予測を裏切る展開から目が離せない。
大昔読んだ筒井康隆だったかの小説に、人の行為全てがリビドーに裏付けられている描写があったような。この芝居の人間の行動も全てそれである様を、皮を剥ぎ取って「ばぁぁ」と開けてみせるので笑いになる。ショーケース(文字通りの)の外から人(観客)が覗き見してると気づいたら「きゃっ」とめくれたスカートを直す訳である。
みんなしねばいいのにII
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/12/07 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/06 (月)
価格3,500円
ひょっとしたら16ヶ月ぶり?のこまばアゴラ劇場で、「空想科学II(2018)」以来の、うさぎストライプの舞台を6日19時半開演回で拝見。
様々な事情や感情を抱えながらも、それでも生きていたいと願う、生者に死者!のエンドレス・ハロウィン。
今回もまた、この団体独特の"ふんわり鋭角"な語り口に乗せられ、不条理かつ不可思議な世界に引きずり込まれた79分だった。
咎灯の環
劇団ZTON
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
人の怨念は、どこまで繋げたら消えるのか?
怨む者には安らぎは訪れるのか?
難しいです。
カチカチ山の狸は、冷酷な殺人狸なのか?
人の行為と内にある真実は同一なのか?
作者が咎灯の環の作品に込めたものを考えます。
一つだけ、悲しいシーンより楽しげなシーンのほうが泣けて泣けて仕方なかった
どいつもこいつも
三栄町LIVE
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
彼女達の希望はどこにある?
大人達の正義はどこにある?
この国の現実を突きつけられて、ずっと胸が締め付けられた作品でした。
凄くインパクトありました!
一番印象に残ったのは、古志柚香さん。子どもにとって親は、どこまでも親なんだと。捨てられないんだと。
獣唄2021-改訂版
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ずーと観たかった作品!震える舞台でした。迫力のあるセットと照明と出演者の熱。
刺さるようなセリフが沢山ありました。大満足。
発明家と探検家
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
自分好みで面白い! お薦め。
3つの物語。2つの例題と1つの問い。あなたの答えが真実であります様に…掘っても掘っても底深い人の心に迫ろうとする。
脚本は、オムニバスと言うか小説の連作集のような構成で、先々の展開を予測するのは難しく、というよりは予測不可能で、ミステリアスなところが魅力的。この物語を支えているのが圧倒的な演技力と存在感を出している村田充さんと林灰二さんの2人。
ちなみに自分が観た回は満席で、増席していたほどの人気ぶり。
(上演時間2時間弱 途中休憩なし)
『元禄バロックロック』『The Fascination(ザ ファシネイション)!』【1月8日~29日公演中止】
宝塚歌劇団
宝塚大劇場(兵庫県)
2021/11/06 (土) ~ 2021/12/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
プロジェクションマッピングが多用されて、花火や雪が美しかったです。衣装も色や柄が華やかでとてもよかったです。クロノスケの刺しゅう入り黒マント最高でした。トップさんのピンクの羽もキュートでした。いつもB席でチケットが取れるなら見ようかなくらいでは、なかなか名前と顔と声が一致しませんが、花組トップの柚香光さんのお顔はよくわかります。
AI懲戒師・クシナダ
株式会社CREST
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
舞台はホリゾント中央に出吐けを設け、両端を手前に引いて150度くらいの角度をつけた壁に連なる側壁とぶっちがえになって上手・下手の袖から延びる短い壁の間を若干開けて上手側・下手側の出吐けとするがこの壁面は折り紙を内側に織り込んで層をつけたような意匠に形作られ中ほどにドアを設けたもので出吐け通路は3つ、出入り口は5つという面白い作りだ。基本的に板上はフラットであり、箱馬を物語の展開に合わせて設置・撤去する。音響や映像は非常に良い装置を使っており、各々の担当者たちの操作レベルも高いので脚本・舞台美術と並び大人の技量を見せてくれる。
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
マニアックな設定はさておいて、とても丁寧な作りの学園ラブコメですね。グッときました。用語解説は大変勉強になりました。どんな分野でも新規ファンの参入障壁はウザい古参ファンだと納得。
さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こんな話だったとは、驚き。妄想と現実(?)が混在したリアルな(少なくとも自分にとっては)世界観。休憩をはさんで2時間半の長丁場でしたが、大いに楽しめました。
彼女を笑う人がいても
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/12/04 (土) ~ 2021/12/18 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
表題の「彼女」というのは60年安保闘争で亡くなった樺美智子さんのことだが劇中では名前は出されず姿も声もない。そういう手法なのだろうが、他の人が語る彼女のことから彼女の存在が強く浮かび上がるということは私にはなかった。
舞台は安保闘争で学生たちに取材する新聞記者の話とその孫がまた新聞記者になり原発事故被災者の取材をする話との二つからなり交互に展開される。私には無関係な二つの話にしか見えないのだが、政府とその監視の役目を放棄したマスコミが悪いということを言いたいらしい。私が二人の記者について共通点を探せばどちらも取材対象にのめり込んで社会全体が見えていない(あるいはわざと見ないでいる)ということだ。
内容はともかく俳優さんたちの演技は緊迫感があってすばらしかった。