最新の観てきた!クチコミ一覧

17541-17560件 / 183072件中
『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』

『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』

ムシラセ

オメガ東京(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/11 (土) 15:00

一つ一つの所作や台詞に面白さがあり、紡がれたストーリーはとても心を揺さぶられた。
演劇がより好きになるお芝居だった。

『きみがゆえにわたし』 『咲く、白。』

『きみがゆえにわたし』 『咲く、白。』

踊る『熊谷拓明』カンパニー

あうるすぽっと(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

2作品交互上演のうち『きみがゆえにわたし』観劇。
「咲く、白。」について、作・演出・振付の熊谷拓明氏とゲストで振付家・ダンサー・俳優の北尾亘氏がダンス披露を交えた、モノローグ、ダイアローグといった観せ方。これを公演にするのは無理がある。どちらかと言えばアフタートークで済ませる内容だ。
(上演時間1時間15分)

ネタバレBOX

招待公演。
舞台美術は、基本的に『咲く、白。』と同様。違いがあるとすれば、ソファーがひっ繰り返っていないことと、冷蔵庫が初めから舞台上にあることぐらい。2人がソファーやその他の場所で語らうが、普段通りの会話だろう。広い空間に2人だけで所在なさげだ。

熊谷氏が北尾氏に公演を観た感想を求めるが、口ごもる北尾氏。 次第に話題は互いの”踊り”や ”生きる”に及び、互いの価値観の根底にある歪みが浮き彫りになるらしいが…。さっぱり解からない。そして2人でダンスの競演やカラオケ・デュエットでの緩い笑い。あー勿体ない時間が過ぎる。
『きみがゆえにわたし』 『咲く、白。』

『きみがゆえにわたし』 『咲く、白。』

踊る『熊谷拓明』カンパニー

あうるすぽっと(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

2作品交互上演のうち『咲く、白。』を観劇。
物語とコンテンポラリーダンスの融合作品。
物語は自分の存在確認と心地良い居場所を求めて集まった男女7人が紡ぐ話。それをダンスを交えて観せるのだが、自分にはダンス・パフォーマンスの意味するところは読み取れない。ただ極めて身体表現(体力面も含め)の質が高いことは窺い知ることができる。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

招待公演。
舞台美術は、白銀網のような幕が舞台の前後に吊るされ、場面に応じて上下に動く。板には緑の絨毯が何枚も敷き詰められ、その中央に3人掛けソファ(上演前は引っ繰り返っている)、上手に応接椅子2脚、下手にテーブル、後方に洗濯機、ごみ箱、スタンド等、雑然と色々な物が置かれている。さらに洗濯物が吊るされている。この場所はどこで、集まっている人々の関係性は、といった疑問が生じるが、物語の展開とともに明らかになる。この雑多な物は各人が持ち込んだもので、何故その物なのかは不明。

梗概…2014年3月末日。車両が頭上を行き交う高架下で、1人のホームレスが酒に酔ったサラリーマン3人に暴行を受け、殺害された。数日後、消しきれぬ彼の血痕の上に何枚もの緑の絨毯を敷き、思い思いの家具を持ち寄り暮す人々が現れた。人々は入れ代わり2021年12月。緑の絨毯の上で暮す男女7人は互いの価値観に足を踏み入れる事を嫌い、穏やかに過ごす時間を求め肩を寄せ合った。
ある日、7人の前に冷蔵庫を引きずる一人の男が現れる。妻との時間に息苦しさを感じここへ来た男と7人の暮らしは、やがて男が知らされる妻の"ある真実"により新しい未来へ加速する。男は、自分を否定すると、妻をも否定しているような錯覚に陥る。それだけ妻を愛していたのだが…。

ホームレスとは、単に帰る家が無いだけではなく、心に帰る家が無い人をいう。その意味では、高架下にいる7人は心の拠り所、安心できる場所がここしかない真のホームレスといえる。また、血痕が隠れるように敷いた緑の絨毯は平和の象徴のように言っているが、こちらも隠すだけという表面的な取り繕い。7人は互いに干渉し合わないから、その場限りの”関係”でしかない。自分のことは話し(知られ)たくないが、相手のことは詮索しがち。人間はなんてエゴな生きものだろうか。”白”という色は、純粋無垢といった好イメージを持つが、逆に何にも強調・主張しない無責任な色でもあるという。それが不干渉とでも言うのだろう。観せ方は極めて心象的で抽象度の高いもの。それだけに観客を選ぶかもしれない。ラスト、薄暗い中、ランタンの明かりに照らされて朗読される詩が心に響く。

音響は優しくピアノが奏でられ、時々 波の音、そして水が流れるといった静寂な空間イメージ。かと思えば高架下ということもあり耳障りな騒音、空想と現実の世界観を音響効果で表しているようだ。
物語の展開とダンスの関係性(表現したかったこと)は理解できないが、公演全体としては楽しめた。
次回公演も楽しみにしております。
バイオレット・フィズ

バイオレット・フィズ

オリゴ党

天満天六・音太小屋(大阪府)

2021/12/11 (土) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★

二部構成だか、繋がっていく感があり、演劇らしかった。30周年に向けて、頑張ってくださいね〰️🎵

闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』

闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 劇場には何かが居る。

ネタバレBOX

 アクシデントや天候不順で出演者が劇場へ来れない。そんなシチュエイションの中で三々五々集まったあれやこれやの人々。無論予定していた出演者も居るには居るが香盤表を埋めるには余りにも少ない。然し穴はアケラレナイ! 観客が入るか否かも定かではない。然し穴はアケラレナイ!
 この土砂降り、凄まじい雷鳴の中で多くの交通機関がストップ、停電や事故、おまけに電話迄通じないのだ。が、素人も含め雨宿りの坊さんや食品配達をバイトでやっているラッパー、電気工事士等々が怪我や下手をすれば死をも覚悟せねばならぬ酷い状況の中でも入口を閉ざすことをせぬ劇場に逃げ込んで来た。これらの人迄巻き込んで送る妙に楽しく爽やかなショータイム。
 折々妙に哲学的で深い台詞が入り、それが夢と現実の、死と生の境界領域に位置する劇場空間で機能する。未だ国家幻想だの、法だのというチマチマした縛りに対する抵抗感も慣れも無い時代と空間に。
 これはヒトが未だ原人だった頃からの長い歴史の中で培ってきたアナーキーで自由な生き方を改めて刻印する儀式だ。自分達の想像力及び創造力と実践で勝ち取ってきた、勝ち取ってゆく姿こそが、今当に晒され共有される。自立と相互補完への息吹が新たな時代を感じさせるのは、そのショーで羽を付けた衣装を用いるシーンがあることやあの世とこの世を繋ぐ木魚や大徳寺リンのような仏具の利用、ハーモニカ、テープ音源、歌唱、ダンス、・タップダンスにシャンソン、シャンソンもどき等と共演する演目にも表れていようし、移動できるハンガー5つを利用したショーアップの巧みに、電力不足による照明・音響の二択等の困難を創意工夫で乗り切ってゆく清々しさや全体としての爽やかさに繋がって何とも言えない。
ジャングルジャングル6

ジャングルジャングル6

アイビス・プラネット

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日、今日11日13時回と観劇
野口さんの異界の魚は配信の時から何度も観てたまらなく好きな作品。劇場で野口さんの熱量を感じ 野口さんの息遣いや汗までもが作品の1部になっている事に感激しました

「尋問 」久下恭平くんのゲスト回 間違いなく神回だったと思います。そしてどんな分岐にきても
流れを経つことなく水の勢いを増すような水路へと導くような平野さんと林さんのお芝居のすごさ
本当に本当にすばらしくて
そのお芝居に合わせる音響さん、照明さんのタイミングと技量も素晴らしかったです
恭平くんの生涯1回の6号が観れてほんとうに幸せでした。

時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』

時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久し振りの劇場でのリアル観劇がAsHの公演。丁寧に作られたプログラムがいつもながら素晴らしい。歴史に詳しくないので、島原の乱自体の背景があやふやでしたが、それを置いても男達の想いにラストは涙、涙でした。
次回もぜひ見たいと思える素晴らしい舞台でした。

ぶっかぶか

ぶっかぶか

ここ風

シアター711(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

メチャクチャ面白い。超満員の客席、高いリピート率、もっと大きな箱でやっても良いのでは。口コミの熱気に嘘が無く書かれた言葉の通り、喜劇としてもかなり笑える。登場人物一人一人のキャラへの描き込みが半端なく、普通の舞台なら「この人主演で一本行ける」ネタを惜しげもなく何本もぶち込んでいる。帰り道、観客達の幸福な会話が下北に溢れ返る光景。「舞台って面白いなあ」としみじみする。
タイトルの『ぶっかぶか』とは、サイズの合わない大きすぎる外的自己を押し付けられてどんどんストレスが溜まっていく内的自己のことであろう。

舞台は妹夫婦の経営する小さなペンション、そこに居座る兄のエピソードからスタート。兄・牧野耕治氏は西田良や郷鍈治を思わせる強烈な風貌、ズカズカ無神経に振舞う口上は近田春夫を思わせる。妹夫婦は矢鱈巨大な香月健志(かつきたけし)氏と本格的なカーフキックを見せる天野弘愛(ひろえ)さん。兄と妹夫婦の遣り取りがモロ『男はつらいよ』で、「この駄目な兄の話だな」と思わせるが実は全然違う。そこを訪れる宿泊客達の抱えるエピソードは予想もつかない突拍子のないものばかり。圧倒されつつ、人の想いの織り成す不思議なハーモニーにじんわり浸されていく。

漂泊民、三谷健秀(たけひで)氏のキャラは一本の映画のようで、よくもこんな人物を創造出来たものだ。日本人離れした雰囲気は外人が演じているのか?とも思った程。浅井健一の詩のような人物像。

ネタバレBOX

牧野氏の催眠術動画をYouTubeでたまたま観た、物置会社の社長(斉藤太一氏)がおかしくなってしまう。心配した兄(後藤英樹氏)が牧野氏の居場所を突き止め、弟を連れて会いに来る。
実はこれは逃げられた女房に向けて撮った動画で、「催眠を解く」ことを伝える内容。(プロポーズの時、照れ隠しで「俺と結婚したくなる」と催眠術をかける真似をし、女房はかかった振りをした)。離婚届を置いていなくなった女房に、「催眠術を解いたから自由になっていいよ」と伝える為の動画が、偶然斉藤氏の潜在意識に反応し彼を外的自己から自由にしてしまったのだ。斉藤氏の時折狂い出す(”世界のナベアツ“風味)シリアスな演技に必死に笑いを堪える面々の顔。宅麻伸に似た後藤氏。斉藤氏と後藤氏の愛憎入り混じった兄弟の物語も胸を打つ。

余談だが黒沢清の傑作『CURE』は萩原聖人が人々にストレスから解放する催眠をかけて回る話。かけられた人々はストレスの要因を殺し、救済(CURE)に至る。人によってその要因が愛する家族だったりするところが黒沢清の鬼才たる所以。

クライマックス、ペンション夫婦の妹、斉藤ゆきさんとその亡き親友の双子の姉(はぎこさん)との対話は名シーンに。親友は一年前、社員旅行の火事で焼死し斉藤さんは会社を辞めた。妹が命を懸けて助けたかった友達に興味を持ち、独り墓参りする斉藤さんを墓地からずっとペンションまでつけてきてしまう姉。妹とその友達が二人で見上げた満天の星空。姉は全てを理解し帰っていく。複雑な感情を丁寧に重ねた斉藤ゆきさんの名演。彼女にかなり見覚えがあるのだが思い出せなかった。

作・演出で1シーンだけ登場(助六を食うだけ)の霧島ロック氏。才能に溢れた巧い脚本、見事。
溺れるように走る街

溺れるように走る街

吉祥寺GORILLA

劇場HOPE(東京都)

2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

本日配信で拝見させていただきました。
昔中学生だった頃、深夜radio番組にはがきを投稿して読まれた時の嬉しかった思い。
そんな懐かしい感覚を思い出させてくれました。
素晴らしい〜👏👏👏👏👏舞台でした。

溺れるように走る街

溺れるように走る街

吉祥寺GORILLA

劇場HOPE(東京都)

2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

しみじみとした趣を感じました。

ネタバレBOX

ラジオ番組の臨場感がとてもありました。お笑いコンビの間合いや呼吸がいい感じで、さらに周りのスタッフたちとの距離感もほどよかったです。人それぞれの自分に対する思い、そして心の葛藤がよく伝わってきました。おだやかな、やさしい気持ちをひしひしと感じました。姉の変わりぶりには驚きました。ちょっと強引すぎる展開に感じました。混沌とした感じにも思える展開で話が進んでいきましたが、じわじわと温もりを感じる終盤には心休まりました。
Transcendent Express

Transcendent Express

Cuebicle

上野ストアハウス(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/10 (金) 19:00

旗揚げ公演だそうで、すごくオシャレだが、刺激的で興味深い不思議な感触を持った作品だった。観るべし!90分。
 2016年に初演された作品の再演ということだが、初演は観てない。激しい頭痛に悩まされ元カノの幻影を見る男が、婚活夜行寝台(?)に乗って北に向かう。相手が見つかったら降りてよいけど、なルールの中のあれこれに加えて、秋田から乗り込む女が元カノそっくりで…、という、ミステリー風味と心理的興味の混じった作品。終わり30分に展開される種明かし的どんでん返しの連続が面白い。見知った佐野功・ハマカワフミエに加え、他の役者陣も巧み。開演前に役者が舞台上に現われ、鮮やかなムービングで始まる等、お洒落な感触もある。空席があるのが勿体ない。

時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』

時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感動して、最後は涙が止まりませんでした。
農民たちがかわいそうで、胸が苦しくなりました。
役者さんの熱演がめちゃめちゃスゴくて、本当に目の前で起こっているようで、夢中に最初から最後まで、身動きもできず観いってしまいました。

グーグルニュースに、この劇団さんが話題になっていました。
どんな劇団さんかと、興味があり、のぞいてみたのですが、スケールの大きさにビックリ!!!
イケメン男性がずらーりと、嬉しくて悲鳴あげているのは、きっと私だけではないでしょう!!
女性の観客が、着物姿で殺到!! ほぼ満席!!!
私も着て行けばよかったかも...
ストーリーもおもしろい!!!
満足感でいっぱいのお芝居でした。
役者さん、感動有難うございました。

イニクイティワールド

イニクイティワールド

RTC project

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真成編
冒険者と魔王と従者・侍従
孤独な戦いを続けていた冒険者 カーライフ。
絆 剣に込められた物 人と悪魔と神 人がいる限り続く繰り返す世界
絆ってなんだろう 愛情、愛着、信頼が深くなり、絆が生まれる。
運命共同体のような切れない関係、間柄なもしれない。
私の絆は、家族かな。
面白かった。

あーぶくたった、にいたった

あーぶくたった、にいたった

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/12/07 (火) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

今から約45年前の別役実作品を新国立にて上演。「タバコ」とか時代を感じる言葉も
チラホラありつつ、大体の部分は令和の今でも通じるものばかりで、少しいじれば
まんま新作という触れ込みでいけそう。

男1と女1のやり取りとか間とか、「キング・オブ・コント」かと思った。笑いのエッセンス
かなりあるよな。

ネタバレBOX

ある夫婦の結婚時から「死」(?)までの流れを全10話の連作で描くというのが
大まかな流れ。

さっきも書いたようにさまぁ~ずか、おぎやはぎばりのトボけた男女のやり取りが
繰り出される中、2人の子は高校で悪い仲間に入り、ある女の子を妊娠させたあげく、
殺害したため、一家が破滅するという暗い未来を(妊娠はおろかまだ結婚してない
にもかかわらず)心配し出すという滑稽かつ不穏な未来話がなされ、

観客を爆笑させるとともに、どこかいたたまれない気持ちにさせるという、抜群な
つかみを展開。

その後夫婦は結婚し、子どもができるものの、ありし日の「予言」をそのままなぞる
形で非行に走り、手を付けた女子を殺害し、一家は破滅する。夫婦は雨の降る公園で
毒を飲んで心中しようとするも果たせず、

そのまま年老いた末に神へ「雪に埋もれて誰にも知られずに消えてなくなりたい」と
懇願し、舞台上方から大量に降り積もる雪に飲まれるという…ギリシア悲劇ばりの
悲しさと空虚さで幕を閉じます。

「かみさま、私たちはふしあわせでした」「でも、そのことを誰にも言われたくは
ないのです」「かみさま、雪を降らせてください」「わたしたちはこのまま、
いなくなってしまいたいのです」

切々と天に向かって紡がれるセリフに猛烈に胸打たれ、神がどうかこの最期のお願いを
聞き入れてくれないだろうかと心の底で思っていました。結果的にその願いは成就した
わけですが、別役の分かりにくい「やさしさ」をひしひしと感じましたね。

あそこで雪が降らないなら、救済をもたらすべき「神の不在」が作中で確定しちゃうわけだから。

劇場側がいうような「昭和の小市民の閉塞感や苦しさ」というよりは、国とか時代とかを超えて
人が人として死に至るまで生き続けることのやりきれなさ、「もう終わってしまいたい」と思うような
漠然とした滅びを望む心(西洋ではタナトスですかね)を描いてるように思いました。頭上の万国旗って
そういう意味かと思ってた。

ちゃぶ台とか結婚式の屏風とか、あの辺の昭和日本のクリシェを全排除して、海外で上演した場合、
この作品がどう評価されるのかめちゃ気になる。別役自身は日本の観客に向けて書いてるはずだけど
他の文化圏でも通じる普遍性はありそう(言葉の微妙なニュアンスをうまく伝えられれば、だけど)。
莫逆の犬

莫逆の犬

Nana Produce

新宿シアタートップス(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#荒井敦史 #傳谷英里香
#百瀬朔 #浜谷康幸
#お宮の松 #入江雅人
#とみやまあゆみ #東原里夏
#山口森広 #森永友基
【初日】永遠の愛の誓いなんてモノほど儚いものはない。人の心は移ろいやすい。時は人の気持ちも関係も変えてしまう。無常観。秘密を共有する者の絆は太く強い。だからこそ、一旦それに綻びが生じると修復は困難である。愛や恋にダメージを与えるのは、いつの時代だって嫉妬だ。恐ろしい怪物だ。ソイツに打ち勝つ術はない。小さな恐れ……疑念は、直ぐに腐敗臭を放ちながら傷口を広げていき、やがて全てを飲み込む。抗うことはできない。
キャスティングが素晴らしかった。
短い時間でも、クソでウンコな女のリョウを演じた #とみやまあゆみ さんは流石だった。作品に存在する登場人物の必要性というのは、その長さではなく意義だ。彼女はそれを証明し、姿を見せずとも作品の重要なパーツを担っていた。
百瀬朔さんが演じた弟のダメ男ぶりもよかった。
お宮の松さんも何作品も観てきたけれど一番よかったなぁ。
傳谷英里香さんの演技を初めて観たのだけれど、不安を抱えた従順さの危うさが伝わり素敵だった。次の出演も観てみたい。
暗転を効果的に用いた演出は、時の経過……繰り返される日常を静かに語った。
ただ戸口の開閉のSEのタイミングは、もう少し合わせないと気になる。
座席については感染予防対策のゆったりした間隔に慣れてしまったので、隣と肘が触れる距離には抵抗を感じるようになってしまった。せめて5cmの間隔を取って欲しい。

ぶっかぶか

ぶっかぶか

ここ風

シアター711(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

満員御礼のここ風さん。ちょっと暑かったけれど、さわやかな熱いお芝居でした。ラスト、もっとハチャメチャに盛り上げたら、とは思いましたが、とても楽しかったです。ありがとうございました。

ネタバレBOX

一番好きなのは旅人さんのキャラクターで、旅に出たくなりました。人間誰しも「人に会わなければよかった」なんてこと絶対ありませんよね。一万人に感謝されるなんて、よく生きた人でないとできませんよね。人はなんて日々自利自利の中で流されているのだろう、と改めて思う次第です。
コンボ・イ・ランド

コンボ・イ・ランド

THE CONVOY

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

休憩無しの3時間弱。
おじさんたちと若者たちがこれでもか!と言う感じの THE CONVOY SHOW。
みなさん個性的で素敵でした。楽しかったあ!!毎日行きたいです(色々無理ですが)

開演が18時なので仕方ないですが、遅れてくる方が結構いて、私は2人に前を横切られました。

夏への扉 2021

夏への扉 2021

enji

現代座会館(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日頃都心の劇場に行くことが多いので、小金井?遠いな・・・と思いましたが、なあに、吉祥寺から3駅です。ちょっと歩いても(コミュニティーバスもあります)見に行く価値があります!
「夏への扉」と言う単語だけでドキドキします。夏休みを想像するからでしょうか。暑いし汗はベタベタするので、夏は苦手なんですが。
懐かしい雰囲気の喫茶店に、レコード、私でも記憶にあるフレーズがたくさん出てきて楽しかったです。主人公と一緒に不思議な世界に行けました。

ジャングルジャングル6

ジャングルジャングル6

アイビス・プラネット

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2021/12/08 (水) ~ 2021/12/13 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

「尋問」は映像で見てもヒリヒリ感の伝わる作品でした。あー現場で見られたらなーと思う。

ネタバレBOX

照明効果がちょうどいい暗さだったのでその点では映像の方が好きな色彩だったのかな。6号の細やかな表情が見られる方がいい気がしたのでその点でも映像にぶがあるかも。そう思えるいいカメラアングルだった。ただ空気感はやはり現場には敵わないのは間違いない。
ホテルカリフォルニア

ホテルカリフォルニア

劇団扉座

紀伊國屋ホール(東京都)

2021/12/07 (火) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/10 (金) 18:30

昭和レトロなひねくれててカッチョ悪い青春物語。終始笑いっぱなし。

ネタバレBOX

最後にロッド・スチュワートのSailingをバックに座長が登場しましたが、Sailing というよりはDriftingという言葉の方がふさわしいお顔だと思いました。

このページのQRコードです。

拡大