最新の観てきた!クチコミ一覧

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もんくちゃん世界を救う

もんくちゃん世界を救う

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

若い感性の独特の世界観ではあり,面白く観劇できました。

ほどらひの夢

ほどらひの夢

あみゅーず・とらいあんぐる

Therter Cafe 信天翁(大阪府)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかった 戦争が長引く今 暖かい話が良いです 秋に椎茸が採れたら また乾燥させましょう😁
優しい想いがいっぱい 良かった。

『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本も手掛けられた主宰者ご自身がアルコール依存症(お酒を断って20年だそう)という事で、なんて勇気あるカミングアウトだと思うし、それだからこそ描ける世界観だと思う。
「演技という力を借りたドキュメンタリーを観てきた」というのが正直な感想。

酒さえなければ良い人、それは充分わかるのだけれど、
彼等の頭の中には餓鬼が住んでいる・・・ホントそう見えた。

アルコール依存症には終わりがない。
それが鮮やかに伝わってくるし、家族や愛する人達の苦しみも。
「だから、そうならないで!」という強いメッセージが添えられた公演。
最近ちょっとお酒に頼り過ぎかも、そう感じている方にはマジで観に行って欲しい、本当に運命を変える公演になるかもしれないから。

ネタバレBOX

「俺はお前らとは違う」すらっとした外資系イケメン。
でもその飲み方はヤバい気がする

泥酔したお客相手に至ってスマートな立ち振る舞いのマスター。
ちょっとお客に寛容過ぎ?
それも含めてさぞかしお酒というものを知り尽くしているのだろうと思って見ていたのだけれど、まさかの訳あり、そして驚愕の姿

「アルコール依存症」の実体が次々と描かれていく衝撃。
所作の細かい所まで生々しく役者さん達すごい!
観終わった後、頭が痺れた感じになるはずだ、これは。

室温~夜の音楽~

室温~夜の音楽~

関西テレビ放送

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

どんどん話がスライドしていく感じ。軸は、高校生だった双子の娘の一人を不良グループに殺された恨みにあるのだが、それを突っ込んでいくわけではない。戯曲本の解説は「作者はそこに感情移入しすぎないように最大限の注意を払っている」という。通奏低音のようなものか。娘を殺された以外にも、いくつもの悪や犯罪が次第にあぶりだされていく。

ホラー作家(堀部圭亮)と娘のキオリ(平野綾=すばらしい、はかなく魅惑的で底知れない)の住む瀟洒な海辺の家。この家に入り浸る巡査(坪倉由幸)、変なタクシー運転手(浜野謙太=好演、一番笑いをとっていた)、出所してきた犯人の一人、間宮(古川雄輝)、ファンを装ってきた主犯の姉(長井短)。一癖も二癖もある人間たちの、裏の顔が次々明らかになっていく。悲劇はほかにもごろごろ転がっていると言わぬばかり。そのうえ、加害者と被害者が逆転し、善と悪とがあいまいになっていく。この芝居の人間の中で、一番まともな人間が間宮に見えてくる。

音楽は私はあまりはなじめなかった。エネルギッシュな在日ファンクが芝居のトーンとあっていたかどうか。2時間半。残念ながら客席は1階の3分の2か。全体からすれば、5割の入り。ケラ原作というだけでは、アピールしないのか。前に見たパルコ劇場も4割程度の入りで驚いたが、ジャニーズやよほどの人気俳優でないと動員は難しいのだろうか。

沖縄の火種

沖縄の火種

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三線・胡弓・笛の琉球音楽バンドも付き、ウチナンチュの誇りとエネルギーが満ち満ちた舞台だった。死者を悼む琉歌や、太鼓をダイナミックに使ったエイサー踊りも織り込み、芝居と歌と踊りが融合した(会場が乗りがよければさらに盛り上がっただろう)。

手塚治虫によく似た漫画家の大学生が沖縄取材に来ている。その目のまで、戦果アギャーたちが米軍から原爆を盗み出す。取り戻そうと血眼になる米軍司令官と、ふてぶてしく開きなおるアギャーの親分。沖縄独立党の党首は、原爆を米軍の交渉の切り札に、米軍撤退を要求する。そこに沖縄戦で死んだ米軍将校を恋人にもつ、米軍女性中佐の復讐が絡む。物語の細部はさておき、沖縄のひとびとに脈打つエネルギーと、アメリカ軍への怒りがはじけていた。

米司令官の「沖縄の連中の誇りを奪え。誇りを失った人間は、打算で動くようになる。上目遣いで我々を見る。誇りを奪い、植民地根性を叩き込め」の科白に強者の本音とおごりを見た。これに、果敢に(無鉄砲に)立ち向かうアギャーたちの運命やいかに…

ネタバレBOX

芝居も後半、死を覚悟にエイサーを準備するウチナンチュの姿に不覚にも目頭が熱くなった。「ヤーの力がこれからの沖縄には必要さ。石川さん(党首)が自分の命を犠牲にヤーをかばったわけがわかるさ」というくだりも、胸に響いた。
M.バタフライ【福岡公演中止】

M.バタフライ【福岡公演中止】

梅田芸術劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/06/24 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

 上演時間は約3時間25分(20分休憩含)。

 男が生み出した女を愛してしまった男の、現実と幻想をめぐる
頭の中での回想の物語。

 また、タイアップでもないだろうが、7月8日~16日に、
新国立劇場オペラパレスで、劇場主催公演 
高校生のためのオペラ鑑賞教室 2022『蝶々夫人』が上演予定。

first train 1987

first train 1987

TAMA企画

AI・HALL(兵庫県)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

バブルや、安田記念病院問題が…。既に商業ビルになっているが、当時は事故物件といった言葉もなく…。演劇に良くある時間軸をシンクロさせ、失った何かを探す。何かは観てのお楽しみということで、観客層は高めでした。

生まれた時から嘘つきで

生まれた時から嘘つきで

劇団WAO!

国立文楽劇場(大阪府)

2022/06/25 (土) ~ 2022/06/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

主人公の生い立ちがリアルでどの時期も生きづらさが伝わってきた。もう、LGBT Qは単なる個性ですもんね。
アーカイブで、も一回見ます。

『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

せっかく「タンサン」と言えたんだからタンサンにしてやれよ!と思ったのは私だけではないと思うのだが・・・。
お酒の揃った(多分、バーとか行かないのでよくわかりませんが)雰囲気も良さげなお店なのに、こんなに酔っ払いがたむろしてたらまともなお客さんが来なくなってしまうのでは?と心配になりました。

ネタバレBOX

アルコール依存の人は共依存だったり逆に近親憎悪があったりするのかと思いました。最初マスターがアルコール依存から脱して10年がんばったとは分からなかったので、こいつはお金になればいいとしか思ってないからこんなに冷ややかなのかと思っていましたがどうも違うようだ。そのうちマスターの事情が分かり、自分ががんばっているのは偉いと思いましたが、親しい客がこんな状態なのになんで何もしない。近所で出禁になっている客を受け入れるだけでいいのか?そしてとうとう事件が・・・
遺作

遺作

男〆天魚

ザ・ポケット(東京都)

2022/06/29 (水) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

エンタメ性が溢れる舞台で、とても面白かったです。
どんな展開になるのか?と、どんどん惹き込まれ、その意外性というかバカバカしさに(褒めてます)笑いっぱなしでした。
役者さん達は、個性的な登場人物達を全力で演じていて、とても良かったです。
劇団や役者の思いなど、リアルな部分なども感じられ、それも良かったです。
観劇前は、すごく疲れていたのですが、疲れが吹っ飛びました。大満足でした!

パンドラの鐘

パンドラの鐘

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/06/06 (月) ~ 2022/06/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/25 (土) 18:00

セット何にもない!と思ったいたが2つの時代に引き込まれた。「現実」を突き付けられた事に驚いた。

てなもんや三文オペラ【6月8日~11日昼まで公演中止、宮城公演、新潟公演中止】

てなもんや三文オペラ【6月8日~11日昼まで公演中止、宮城公演、新潟公演中止】

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/14 (火) 18:00

今回平田敦子さんを舞台で見たかった。コミカルで可愛い演技であった。ウェンツ瑛士さんも初めて舞台で観ることができた。テンポのいい舞台であった。

アナと雪の女王

アナと雪の女王

劇団四季

JR東日本四季劇場[春](東京都)

2021/06/26 (土) ~ 2024/10/31 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/12 (日) 12:30

エルザの歌唱部分アニメよりすごかった。外国のミュージカルのように階段はなかったが、歌唱と歌っている時の変化が素晴らしかった。

NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-

NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-

『NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-』製作委員会

シアターGロッソ(東京都)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ストーリー、かなり食い込んでしまう展開(現状を作り出しているものの存在や仕組みがちょっと単純ではあったが)、そして音響・映像・アクションに殺陣、Gロッソだからこそできる演出、見ごたえ有りです!感覚と視覚と聴覚、かなり刺激的な舞台でした!

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...THE STAGE

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...THE STAGE

はめステ製作委員会

サンシャイン劇場(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大好きだったアニメです!そして、カタリナがそこにいるのにワクワクしました!いやいやカタリナだけでなく、マリアもメアリもソフィアもバッチリOKの出来栄え!!そんな女性陣に対し、残念ながらちょっと男性陣が弱いかなと・・・。個人的には各々がカタリナに“たらし込まれる図”をもっと丁寧に描いてほしかったかな(アニメふぁんとしては、なぜみんながあそこまでカタリナに入れ込んでいるのか説得力が足りない気がする)と思うわけで。シリーズ化して、次の展開もぜひぜひ舞台で観たいものです!出来たら子供時代バージョンも!個人的には一番面白いと思っているので、ぜひ舞台で!

舞台「HELI-X Ⅲ~レディ・スピランセス~」

舞台「HELI-X Ⅲ~レディ・スピランセス~」

High-position

サンシャイン劇場(東京都)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三作目ではありますが、ようやく第一章が終わったという感じです。
まだ愚かな野望を持ち続ける者、それを傍観するもの、それに巻き込まれるもの、そしてそれを阻止しようとするもの。まだまだ終わらない戦いが続くのを切に切に期待しております!

室温~夜の音楽~

室温~夜の音楽~

関西テレビ放送

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本作を観るのは初めて。初演時にには「たま」が音楽を担当したそうだが、今回はタクシー運転手役としても登場する浜野謙太が率いる在日ファンクが生演奏。楽しい話ではないものの、予想外な展開というほどでもないので、もっぱら役者陣の表・裏の振れ幅を楽しむといったところ。

『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

警鐘・喚起劇のような印象。
アルコール依存症の問題を過不足なく、しかもリアルに描いた物語。けっして後味の良い作品とは言えず、どちらかといえば嫌悪感すら抱きかねない。それだけ現実に向き合っているということ。アルコール依存症の症状、そうなった原因、そして周りにいる人々、特に家族との関係が痛ましい。
夜ごと集うDrunker、彼らをBarのマスターが傍観者的に観察することで、アルコール依存症者の異常さを際立たせる上手さ。同時にラストの衝撃さが…。
なお、過不足なくと書いたが、未来(明日)は観客への投げかけであり、そこまで描くか否かは評価の分かれるところ。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台セットは、劇場が公演の期間中だけ「Perfect Day Bar」を開店していると思わせるほど作り込んでいる。ほぼ中央奥にボトル棚・カウンター・腰高スツール、上手にトイレや深紅のソファ、下手に店の入り口や丸テーブル等が置かれており、酒場の雰囲気は十分だ。

この店に来る客はアルコール依存症で、自分でも認識している人々だ。この界隈の店は出入り禁止にしており、集える場所はこの店しかない。そんな人々に酒類を提供するマスター・大崎(楢原拓サン)は、酔客を冷静に見つめ観察しているようだ。時に観客に向かって観察したことを説明するような口調になる。一見 不可思議な態度であるが、これはマスターの必死の虚勢、カモフラージュした姿である。ラストには驚愕の事実と姿を見ることになる。

登場人物の苗字は、山手線の駅名と同じ。当日パンフに主宰・藤崎麻里さんが「これには大きな意味があり、終点がない、つまり終わりがないというメッセージを込めています」とある。そして二十年前には「私自身がアルコール依存症です」と告白している。劇中でも、同様の台詞をマスターが呟いているが、途中下車すること(人)もあると…。

アルコール依存症になった原因などを一人ひとり独白するが、多くは仕事のストレスによるもの。飲みたくて飲んでいる訳ではない、という常套句のような言い訳が虚しい。本人の苦痛も然ることながら、周りにいる人々をも苦悩に陥れる怖さ。物語では、恋人(同棲している彼)が酒浸りで家に帰ってこない、夫がちょっとした切っ掛け(奈良漬けを食べた)でアルコール依存を再発した、といったリアルな事例を紹介する。

物語では、医療機関から抜け出した者・上野(浅倉洋介サン)、家庭ある者・大塚邦夫(山城秀之サン)、恋人・渋谷美紀(山下智代サン)がいる者・田端(吉田雅人サン)、そして断酒を決意した者・馬場(井内勇希サン)・自分は違うと言い張る男・目黒(岡田篤弥サン)が登場するが、全て男性。アルコール依存症は性差に関係なく、女性の依存症者(の問題⇨妊娠・出産、キッチンドリンカー等)はどうなのか、といった観点も欲しかった。

本人の精神的なイライラ、不安、焦燥感、身体的な震えや幻覚といった特徴、他方 家族全体が病んだ影響については、大塚の妻・麻衣(前田綾香サン)の苛立った言動や態度で示す。本人に強く断酒を迫る、半ば脅しの離婚を仄めかす強硬手段など、いかにも ありそうな現実を突き付ける。妻が実家に帰った数日で「日常がものぐさになってゴミの中で飲んでいた」「言行不一致、約束を守らない」といった行為は見捨ておけない。妻は「酒さえやめてくれれば」「酒を隠したり捨てたりする」という家庭内地獄が見える。

解決策として、「医療機関」での治療や「断酒会」といった場での交流・相談を通して1人では難しい断酒への取り組みへ導こうとする。しかし、事はそう簡単ではないようだ。物語では1人のアルコール依存症の男・神田(坂井宏充サン)の末路を描きつつ、残った依存症者達は立ち直れるのか、といった明日を描こうとするが…。

全体的に役者陣の演技力は確かでバランスも良かった。初日 冒頭の酩酊シーンは 少しぎこちなく違和感があったが、それ以外は安定していた。
また劇中歌うシーン、カラオケを別にすれば2場面ある。依存症者皆で「アル中の行進」を歌う場面は、それでも断酒できない諦め または勇み、そしてマスターのソロには哀惜が…。
次回公演も楽しみにしております。
連結の子

連結の子

ONEOR8

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

噛みしめるほどに人の味わい深さが染みわたる公演。
前科者となった孫を迎え入れる一人暮らしのお祖父ちゃん役、高橋長英さん
温和でありながら頑固な一面もあって、そのめっちゃ人間味ある佇まいが時折自分の父親と重なってジーンとくる。

隣んちのお姑さん役、藤田弓子さん
これまた笑っちゃうくらい超絶親近感!
それでいて何とも複雑…感慨深い。
高橋さんと共に期待していた通り、というか期待以上で
他にも、キャスティングの妙というのが今作には多かったと思う。

実家に親族が集まった時の、ご近所さんが遊びに来た時の、それで、ちょっ何気に詮索してるやんっていう時の、滑稽さや煩わしさ、親しみ、どうしようもない距離感、もう色んな感情がないまぜになった人との交わり。
基本、ニンマリで観ているのだけれど、優しい顔から一瞬で鬼女に変わるからくり人形の如く、何かをきっかけに関係性が豹変するのではないかという空恐ろしさも同時に感じながら固唾を呑んで観ていたのでした。

サイは投げられた

サイは投げられた

劇団アンパサンド

アトリエヘリコプター(東京都)

2022/06/23 (木) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女優五名様によるナンセンス不条理おちょくり世相風刺入り脈絡ありそでなさそな愛と希望ほのぼの死屍累々スポコン人情劇である。(分からん物を名付けると長くなる)
五反田団系列、だろうか。新年工場見学会に似た乾いた笑いを誘うが、台詞の端々に現代風俗と皮肉がセンスがよく混じり、心地良い。だがストーリーは迷走気味。他の選択肢もあるがこちらを選んだか(作家は)、と思いながら観る。「こっちでなきゃならんかった」と思えるかどうか(戯曲の完成度のバロメータ)は疑問が残る。ナンセンスだから「何でもあり」ではあるのだが。。鄭亜美に電話で二度もアレやらせていた・・これは定番なのか。
ほりぶんの要素があったな(体を張らせたい意気込みとか)。

ネタバレBOX

落語のオチのようにサイが登場して劇を終わらせたが、「投げる」を必然化する要素はもう一押し欲しかった(途中も)。
人生損したと本人に言わせる驚異的な?(実はたいしたことない?)特技である「投げる」と、「枕投げ」に憧れながら踏み出せず「投げられない」のとは繋がらない。最初の場面に戻る、という事では枕投げに逡巡していた女の子が最後は投げる、の方がオーラス感が出る(オーソドックスだが)。それにはあの女の子が「出来る事」も挙げられてて、「それが出来ても投げられんのかい」と突っ込まれそうなやつで、それと「サイなら投げる」が繋がる、となれば理想。
難点、というか少し引っ掛かる部分。千羽鶴折りの女性(この鶴折りのボケにもスルーでなく何等かの突っ込み、リアクションが欲しいがそれは置いて)が「自分は見てなかったから見たい」には、「皆見てたのに何で」と突っ込みがある事で、わざとやらせようとしている可能性を消せる。そこも良いとして、私が嫌だったのは・・自分だけが見られないのはおかしい、と権利を主張する形で困惑させる攻撃、これはそれまでの彼女のキャラに合わない事もさることながら、物を享受する権利は平等に与えられるべき、という論理は全てのクレーマーの根底に潜む論理でして・・そんな平等なんかねえよ!と蹴散らすのが正しい。批判の対象として敢えてうざく描く、もありだが、芝居で取り上げなくても辟易するくらい見せられてる。逆に「それが普通」な展開として書かれたなら、「それが普通」という感覚、何かが摩耗してやしないだろうか・・と苦言を禁じ得ない。
とにかく台詞を書くセンスが優れ物であるので、期待。

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