最新の観てきた!クチコミ一覧

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ナマリの銅像

ナマリの銅像

劇団身体ゲンゴロウ

ひつじ座(東京都)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ホリゾント中央に2枚のクロスを隙間なく合わせた幕。その手前が一段高くなった舞台、これを囲むように可動式の低い台座を取り付けた1間パネルが設えてある。出捌けは中央奥の幕及び、幕の奥を袖として用い、板のぐるりを通る上手、下手のスペース。
 2月下旬だった公演日程がCovid-19の影響でずれ込んだ。だが、果敢にチャレンジしたこの劇団に好感を持った。兎に角、一所懸命に書いた脚本、そして演技である。上演時間約110分(追記後送)

アーモンド【2/25~3/7公演中止】

アーモンド【2/25~3/7公演中止】

conSept

シアタートラム(東京都)

2022/02/25 (金) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/09 (水) 14:00

120分。休憩なし。

蜃気楼を抱け!

蜃気楼を抱け!

アトリエ・センターフォワード

OFF OFFシアター(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/10 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

?・・
冒頭から進行にガッカリ感もって観てたが・・
二役目登場に?!
終わって初めて二役目までの進行全てに騙されたと気づく演出が見事
この作縁演出の方かなり力ある
今日まで
お薦め

三大劇作家、逮捕される!

三大劇作家、逮捕される!

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

ウイングフィールド(大阪府)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/14 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめました‼️満席で桟敷席で拝見させて頂きましたが、飽きさせない。関西を代表する劇作家が作り上げているから、期待していましたが、期待どおり。実話なのかな?

ナマリの銅像

ナマリの銅像

劇団身体ゲンゴロウ

ひつじ座(東京都)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主演のパチンコ屋店員益田四郎(天草四郎)役は初鹿野海雄(はじかのかお)氏、濱田岳似。
パチンコ玉を溶かした軟鉄で仏像を彫る彫刻師、ナマリ役は山﨑沙羅さん、歯列矯正中で眼が松田龍平にそっくり。
柳町明里(やなぎまちあかり)さんは島原の乱の副将山田右衛門作(えもさく)役、若い頃の指原莉乃に似ているような。マニキュアが綺麗。

天草四郎の銅像をつくっているナマリ。何度もこねては潰し、どうしても納得出来るものが創れない。このシーンが秀逸で泥の中から産まれた四郎が身体を与えられては潰されるマイムが繰り返される。四郎の肉声を求めるナマリ。江戸時代のパチンコ屋で拡声器を片手に客を煽る四郎の光景が浮かび上がる。展開される百姓残酷物語、無慈悲な圧政と奴隷のような暮らし。そこには落ちたパチンコ玉を拾い集め続ける乞食のようなナマリの姿もあった。

野田秀樹っぽい語り口でかなり好きなんだろうなあ。天草四郎の物語と云うよりも『プロパガンダ〈政治的宣伝〉と戦争』がテーマっぽい。箱馬や平台を効果的に組み合わせて群舞的に使う演出がリズミカルで冴えている。

ネタバレBOX

武田朋也氏演ずる幼馴染と四郎の関係性が『AKIRA』の金田と鉄雄を思わせる。これに少女ナマリを加えた三人の人間関係に焦点を絞った方がいい。とにかく四郎の話に観客を乗せないと島原の乱が盛り上がらない。結末は誰もが知っているのだから。今作は天草四郎である必然性が余り感じられない。
怪葬

怪葬

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

しょっぱなで今回は現代口語演劇理論ではいやなのという叫びにきこえた
満足

 、恋をする

 、恋をする

肉汁サイドストーリー

荻窪小劇場(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

終盤中央組の長時間見つめ合いで笑わない精神力がすごい

三年王国

三年王国

人格社

新宿眼科画廊(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

出ハケの位置と暗転のタイミングに苦労したのではないかという感じ

たぶん きっと おそらく ゾンビ 

たぶん きっと おそらく ゾンビ 

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2022/02/23 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/24 (木) 14:00

ある演劇ユニットの最終公演初日の開演数時間前からの出来事を描いた物語。バックステージ系、ゾンビとあと「もう一つの要素(ネタバレBOXへ)」の三題噺的に一見意外な3つの「お題」が上手く融合して見事。
バックステージ系については公演初日数時間前に出演者のうちの1名がまだ来ていないという典型的な状況ながらそこここにこの1年ほどの小劇場事情をちりばめてまさしく「イマの演劇」。
ゾンビ関連ではゾンビたちが巷に溢れつつある(らしい)状況からいかに脱出するか?という「正当ゾンビもの」のオモムキ。でありながらゾンビそのものが登場しないのは宮坂武志監督「大怪獣東京に現わる」(1998年)の如し。
また、ゾンビを登場させないゾンビもの、ということで2017年6月に東中野RAFTで上演されたサムゴーギャットモンテイプ「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」を想起。あの作品内の「東京の状況」が本作にあたるのではないか?などと夢想。
三題噺の残りの一つについては「その類が好きな身には結末が予想できたりする」が、それ自体が楽しい。

ネタバレBOX

結末は「時間ものSF」が好きな身として「電話があった」あたりでピンと来て予期できたが、その意味では「基本に忠実」とも言えるし、「ワカるヤツにはワカる」のがまた巧い、みたいな。
また「前日に行く」ということからヨーロッパ企画の「サマータイムマシン・ブルース」を思い出したりも。
光垂れーる

光垂れーる

ぽこぽこクラブ

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/06 (日) 14:00

昨年度の演出家協会若手演出家コンクールで最優秀となった三上の本拠地なので観に行ってみた。悪くはないが、やや冗長。(3分押し)47分(休憩12分)75分。
 生と死が混在できる集落を舞台に展開される奇妙な宗教(的)なグループのあれこれ。軸になる家族の物語としてはやや話が広がりすぎるし、群像劇としてもちょっと散漫である。丁寧な演出で場面毎に作り込んではいるが、かえって冗長になってしまった印象である。登場人物も多すぎる気がした。死者と生者が区別できる記号が欲しい気がした。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 18:00

B version を観劇。同劇団でも他の団体でも何度か上演してる戯曲。(2分押し)58分(休憩10分)60分。
 中田顕史郎最後のロバートということだが、確かに迫力があった。残念だが、1幕のキャサリンとハルに「数学をやっている」知性がやや感じられずに、乗れなかった。2幕ではそうでもなかったので、何でだろうと思う。

冬のライオン

冬のライオン

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/02/26 (土) ~ 2022/03/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

うっかり予習していかなかったのが悪かった。かつてどこかで見た記憶もあって(主な公演だけでほぼ十年おきに四演目)高をくくっていたのだが、この家族、夫婦、親子共にかなり複雑。しかも十二世紀の西ヨーロッパの政治地図が今とは違う。第一幕の冒頭でその関係は手際よく説明しているのだが、状況がすっきり頭に入らない。言って見れば、西洋歌舞伎の世界、新劇にすれば西洋版「子午線の祀り」の平家物語の世界だ。
人間関係と欲望地図が分かってしまえば、あとは国を手にした国王の権力劇、その家族劇としてよく出来た芝居なのである。
森林太郎の演出はセリフ劇に徹していて、きれいに整理された美術の舞台で登場人物たちがそれぞれの欲望をぶつけ合う。国王夫妻は、佐々木蔵之助と高畑淳子、過去の例では平幹と麻美れい、山崎努と岸田今日子〈これは見ておけばよかった、いや忘れたのか?〉という当時ではなるほどと言う顔合わせだが、こういういかにも権力ずくの国王夫妻が似合う組み合わせから、今回は地位をいいことに勝手放題の国王夫妻のジレンマとしたところが新しく、まるで、今の世界情勢に合わせたみたいで面白い。その権力の横暴ぶりが親子、夫婦、兄弟と個人的な関係に落ちていくと手に負えない。そういう人間的な矛盾に焦点を当てて下世話な芝居にしているところが今回の見どころで、佐々木、高畑ともに王冠を常時つけているのがジョークにしか思えない演技で舞台を圧倒する。助演陣もそれぞれ役柄を好演。舞台俳優が多いなか、テレビの葵わかなが、ガラはあっていないのにうまくはまっている。舞台としてはよくまとまっていていいのだが、この芝居の面白さを味わい尽くすには観客も勉強していかなければ楽しめないのが辛いところだ、しかし一月公演、中日でもほぼ一階は満席だった。何より!である。


プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

お話は『ある数学の論文を書いたのは誰か』なのだが、「数学の論文」を「小説」に置き換えてもストーリーはそのまま成り立つ。原作者の経歴を見ても数学や自然科学とは無縁であって、おそらく何かの折に「証明を書いたのが誰かを証明する」という言葉の面白さに気が付いたのだろう。そしてそこから精神が崩壊した父と自分にもそれが起こることに怯える娘という設定に進むのだが、それはステレオタイプの偏見ではないだろうか。60分+10分休憩+60分

そういうわけであらすじ的には感心しないが、数学とは関係ないサイドストーリーの集合としての家族の物語はそれなりに面白い。さらに今回は舞台装置までも全く異なる3つのバージョンが用意されていて演劇のテクニカルな面でも楽しめることになっている。
Aチーム:身内で固めてコントロール。
Bチーム:未知の若手二人に中堅とベテラン。
Cチーム:実力者で固めて任せる。
俳優は基本的にオーディションで選考されているが、父は3人とも一本釣りである。

今回私はBチームを選んだ。
<Bチーム=娘:伊藤麗、恋人:阿久津京介、姉:原田樹里、父:中田顕史郎>
冒頭、娘が舞台にチョークで大きな円を描き、その後ずっとそこからは出ない。精神的にも肉体的にも身動きがとれない状況を表しているのだろう。その結果、薄暗がりの舞台上で着替えをすることになる。まあ上着くらいなので期待しないように。…いや待てよ、主宰のサービス精神を考えると原因と結果が逆なのかも。

伊藤さんは不機嫌で面倒くさい少女(から脱していない25歳)をストレートに表現していた。王子様に出会ってパッと花開く変化が極端な気もするが舞台的ではある。
阿久津さんは軽目の頼りないキャラ設定をうまく表現していた。難しい理論が理解できるかちょっと心配になったけれども(笑)。
原田さんは写真ではおっとりした普通の人に見えるのだが舞台では100倍映えて美しい。そして厳しく少し面倒くさい姉に変身する。
中田さんはやりたい放題で中田節を期待して来た人(含私)は満喫できるだろう。

*後日修正:落ちついて見直して星を4つに増やした。

ネタバレBOX

数学の雰囲気が希薄で、失望して否定的な感想を書いたが、原作の評価は高いので見直さないといけないと思っていた。そのため映画版を見始めたのだがキャサリンに加えて姉もガミガミとうるさくストレスが溜まるので何度もストップしながら漸く最後までたどり着いた。

映画版がBチーム演劇版と違うのはキャサリンが実際に数学の研究をしている場面があることだ。父からアドバイスを受けるところもあって数学オタクはうんうんと頷くことだろう。キャサリンが冷蔵庫から瓶を取り出そうとした瞬間にひらめく場面も雰囲気作りに貢献している。これはどんどん場面を変えて細かなところまで描くことができる映画の利点である。ただし映画版はいろいろ場面を変えすぎて散漫な感じもする。

キャサリンがその論文を書いたということは、実は幼い頃から「巨人の星」のように父娘でハードワークをこなしていたとかがあるとすっと入り込めたのだが、映画版にしても短時間のひらめきで証明ができたように描いているのは数学を含む自然科学を舐めているとしか思えない。自然科学は過去からの積み重ねの上に新しい理論が発展して行くことが小説とか戯曲とかとは違っている(*)。沢山の地道な努力の末にひらめきが起こるのである。補助線を一本引いたらたちまち大発見というのを「美しい証明」とか考えているなら冷静に思い直してほしいものだ。もっとも、そういう点を現実的に描けば退屈な話になるので仕方がないことではある。Bチーム演劇版では年齢を下げているので更に現実味がなくなっているのが私の最大の不満の原因ではないかと思う。

映画版では父はアンソニー・ホプキンスが演じる。レクター博士のときとは全然違って普通の人であり、中田さんの方がずっと狂っていた。

ところで映画の邦題は「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」となっていて、何だかふわっとしているが内容的にはその方が合っている。やはりこの劇は数学の話ではなく、人生に迷った若者の発見と再生の物語なのだ。

(*)現在の生活の状況はすべて過去の積み重ねの上にあるので、小説や戯曲においては生きていることがそのまま過去を勉強していることになる。そういう意味では同じことではある。まあこの辺は何とでも言えるので深入りしない。
蜃気楼を抱け!

蜃気楼を抱け!

アトリエ・センターフォワード

OFF OFFシアター(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/10 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/08 (火) 14:00

ロスジェネって若い世代だと思ってたら、いつの間にかオジサン、オバサン世代に。騙しのプロが騙し騙され、最後までハラハラドキドキ。

ネタバレBOX

いちばん友情を信じてた愚直な性格のおじさんが、実は詐欺集団の取材をしてたジャーナリストだったという最後の最後のオチは笑いました。
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フライヤーから受けた印象通り、カッコイイ舞台でした。
テンポも良く楽しく観られました。
難を言えば、終盤を急ぎすぎたのかターゲットを“おとす”方法が
安易且つ乱暴すぎる。もう一工夫欲しかったところ。

光垂れーる

光垂れーる

ぽこぽこクラブ

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久しぶりに力がこもったお芝居を観させてもらいました

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

東京にこにこちゃん

シアター711(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/18 (金) 14:00

恋愛シミュレーションゲームをプレイする主人公の(ゲーム内)体験。
初期(?)のPCゲームのチープ感(爆)が随時投影される背景画像のドット絵だけでなく芝居本編全体に漂って愉快。
特に終盤の「あの表現」は小劇場ならではの「開き直り(爆)」でもあり、やったモン勝ちではなかろうか?(笑) こんな風におバカを本気で演るの、好きだなぁ。
作・演出の萩田さんはときメモのプレイ経験がなく想像で創ったそうだが(18日昼のアフタートークより)だからこそ「経験者限定」ではないものに仕上がったのではないか。←プレイ経験のないσ(^-^) でも共感(?)できたのが証左であろう。
また、同じくアフタートークによると本作は「万人にウケる笑い」を中心に時々「一般ウケはしないかもしれないが一部の人には伝わる笑い」を入れたとのことだが、作品全体のタイプとしては、昨年1月のバックステージ系の「さよならbye-bye、バイプレイヤー」が後者で本作が前者かもと思った。

夜叉ヶ池

夜叉ヶ池

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2022/01/22 (土) ~ 2022/03/05 (土)公演終了

実演鑑賞

ふじのくに21→22最後を飾るのは宮城聰演出、棚川寛子音楽のこの演目。泉鏡花の著名な作品だから以前読んだアレ、と思って見始めたが、小説「高野聖」と勘違い。「その口になってた」のでやや落胆であった(勝手にしろという話だが)。

長の別れを惜しみつつの観劇(また訪れるとは思うが..)。さすがと言える出来ではあり、あっと言わせる演出、小気味よい場面、溜飲を下げる場面とポイントを稼いでいる。だが「厳しいな」と感ずる部分もあった。

第一はこれ、マスクの着用。ステージと客席の距離からすれば通常はマスク無しで問題ないはず(厳密には、発声により微小飛沫が生じれば2m離れてようが飛んでは行くのだが)。「表現」の点からすると、マスクをつけても声はよく届くものの、障害は半端でない。言葉は正直聞き取りづらく、それ以上に表情が見えないのは決定的だ。本当は見てほしいんだけど・・と目が言っているのが悲しい。
以前も書いたが地方における対コロナの許容ラインは恐らく都会よりシビアに違いない。だが感染リスク・ゼロ信仰を乗り越える事なしに日本の今後は無い、という事を考え合わせつつ、また客席はディスタンス無しに入れている事も考え合わせれば、別の判断は十分にあり得る。
感染防止の最大の武器は換気で、これによってマスク縛りを乗り越える事を考えてほしい。観客・市民と話合いを持つことができないのかとも思う。
たきいみき演じる池の白雪姫だけは、艶やかなマスクを外す時間がある。だが、チラ見せでも相貌が見える事が「貴重」という価値観は妙なものだ。マスク無しで一しきり動きを演じた後、台詞のある場面に戻り、思わず喋ろうとして従者に止められ、「そうじゃった」という無言のやり取り、マスクをつけ直して台詞を言う、というくだりが笑いを取っていたが、私は笑えなかった。演劇人の「敗北」に見えてしまうのである。

第二は、最終場面からコールに行く所。私は宮城氏はどうかしてしまったのかと思ってしまった。
純潔な二人の男女が最後に非業の死を遂げ、舞台中央で折り重なるが、紗幕の向こうにスポットで二人を照らす中、フェードアウトせずに舞台前部分に白い明りを入れて、二名以外の役者が登場し拍手となった。だが一旦そうした後、役者がはけると明りが落ちて、元の暗がりが出来、奥の光だけうっすらと照っている。つまり、コールを挟んで本当のラストは次に来る、という雰囲気になる。当然二人を照らす明りがついに落ちて終幕、となるだろうと思っていると、またコール用のまぶしい明りが入り、「同じように」役者が袖から、2コールを呼ばれたような顔で出てくるのだ。え?と思う。まだスポットは二人を照らしている。「頼むから終わらせてくれ」と思い、もう一度待つ。ところがやはり消えない。
拍手をする観客の側から言えば、最初に役者がコールに応じて登場した後は、拍手をしていた手は当然止めず、「本当の終幕」を待っている。ところが役者が満面の笑みで出てくるものだから、ああ、と思って拍手をしてしまう。それで引っ張って引っ張って、結局4コールぐらいやった後、二人を照らしたライトが消える。
演出としては紗幕の向こうを時間の止まった「絵」のようなものにしたかったのだろうが、私には「絵」に見えなかった訳である。絵画化するにはもう一つ何かが欲しく、それが無くちゃ認めないぞ、というつもりはないのだが、動き出しそうな感じがするものだから、そういう形は早く闇に溶かして欲しいと思ったのだな。恐らく「形」の問題だろう。

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 19:00

 劇の始まりが、秋葉原のアイドルカフェのアイドルライブのシーンから始まり、その後OL二人の他愛もない会話や、ヤケになって新宿?のショッピングビルで買いまくって手荷物が多い女性と、それを怜悧に眺め、冷たく突き放す友達らしき女性との会話、グルメレポーターをしている姉と、最近看護師を始めた世間知らずで、人を疑うことを知らない無邪気でマイペースな妹との会話など、他愛もない日常のシーンを最初の方で続けざまに、それでいて丁寧に細かく描いていて、その後の実はそれまでのたわいもなく見えたシーンが、おとし屋に所属する女性たちの普段の姿だと言うことが明らかにされる展開が、お見事だと感じた。
 あと、落とすターゲットの篠山ファンド社長を演じる俳優が、いかにも裏がある感じの雰囲気と偽物感のある怪しい雰囲気を漂わしていて適役だと感じた。ただし、俳優だけじゃなく、これは脚本にも問題があるのかも知れないが、表の顔よりも裏の顔の雰囲気が目立ちすぎて、人当たりが良い好青年な感じが全然出ていないのには強く不満が残った。
 敵役が裏表がある設定の割には、部下との信頼関係がかなり危ういところを強調しすぎ、女垂らしであることもあまりにも分かりやすく描いている上に、おとし屋のメンバーの葛藤も多少は描かれるが、全体としてはおとし屋の側を完全に正しい絶対正義として描き、篠山ファンド社長の側を典型的な女の大敵として描く脚本の単純さが目立ち、キャラクター個人としては魅力あるキャラもいるものの、脚本全体としては、単純明快過ぎて、これでいいのかという相当な不満が残った。学生演劇ではあるまいし、もっと深みのある脚本にしなくては駄目だと思うし、脚本が駄目ならば役者と演出家で脚本の欠点の部分を補強しないと駄目だろうと思う。また、役者も全員ではないが、主役と主役級の役者3、4人が台詞を何度も噛んだり、噛むレベルどころか、台詞を忘れて思い出すために何分か無駄な時間が過ぎていったり、ある役者などは台詞が思い出せない空白の時間を埋めるために急遽アドリブを入れて誤魔化そうとしたが、そのアドリブが上手いどころか、取ってつけたようで、あまりに下手なアドリブ過ぎて、場が持たなかったりといったことが何回となくあり、それでも、それが新人の役者だったらまだしも、20代後半〜30代ぐらいの男性や女性だったりするものだから、余計に見れたものではなかった。
 最後のマツケンサンバの曲に合わせて盛り上がり、役者は歌って踊り狂い、観客は手拍子をして上野ストアハウスという小さな会場が一体となり、熱気が溢れたのは良かったと思う。色々、改善点は上げれば切がないが。

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

劇団肋骨蜜柑同好会

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

シンプルに物語が楽しかったですし、人物も乱れ飛ぶ口語も好き好きでしたが、とびきりは、肋骨さんの演劇スタイルなら確かにこれかあ!しかしなあ!それにしてもよお!!っていう、怪獣に纏わる理への興奮でした。
超面白かったです。

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