実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/24 (木) 14:00
ある演劇ユニットの最終公演初日の開演数時間前からの出来事を描いた物語。バックステージ系、ゾンビとあと「もう一つの要素(ネタバレBOXへ)」の三題噺的に一見意外な3つの「お題」が上手く融合して見事。
バックステージ系については公演初日数時間前に出演者のうちの1名がまだ来ていないという典型的な状況ながらそこここにこの1年ほどの小劇場事情をちりばめてまさしく「イマの演劇」。
ゾンビ関連ではゾンビたちが巷に溢れつつある(らしい)状況からいかに脱出するか?という「正当ゾンビもの」のオモムキ。でありながらゾンビそのものが登場しないのは宮坂武志監督「大怪獣東京に現わる」(1998年)の如し。
また、ゾンビを登場させないゾンビもの、ということで2017年6月に東中野RAFTで上演されたサムゴーギャットモンテイプ「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」を想起。あの作品内の「東京の状況」が本作にあたるのではないか?などと夢想。
三題噺の残りの一つについては「その類が好きな身には結末が予想できたりする」が、それ自体が楽しい。