迷想タクシー、行き先はどっちだ?
ONE AND ONLY
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
朗読ライブを中心に活動をしている、お気に入りの劇団ONE AND ONLYの24回公演『迷想タクシー、行き先はどっちだ?』の千穐楽を観てきた。劇場は、池袋の木星劇場。
タクシー運転手のシンジは、出産間近の妻アヤカと2人暮らし。そんなシンジが仕事中に衝突事故。本当は死んでいるのに、シンジ本人は事故は駐車中に見た夢だと思い仕事に復帰。ところが、拾う客がみんはシンジの知り合いで既に亡くなっている人ばかり。ようやく、シンジは自分が死んでしまっていることを自覚する。が、アヤカの産んだ子が霊感が強く、子供を介してシンジとアヤカの夫婦はその後も仲良く過ごしていく?
フルートとギターの生演奏あり、出演者全員でのダンスありと、しんみりする場面もあるが基本はコメディー。笑える箇所は大いに笑った。
作品の原案と演出、音楽監督はOAO代表の松永潤。
脚本は森山大輔。
役者陣で目立っていたのは、当然のことながら主人公シンジを演じた神成健太郎。そして、妻役の掛布彩衣。いつもは主演的な位置にいる中野聡や松木里江、上野梨佳子、山崎はん菜が助演的な役柄で脇を固めていたのが成功のポイントの一つ。石川順や可知将雄の存在感も光っていた。
生演奏の音楽も、場面にあった選曲で感心。
次回は11月だとか。楽しみにしている。
なお、松木里江は今回が劇団の卒業公演だとか。今後の活躍に期待したい。
ダイバシティーファミリー
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/03 (水) 19:00
初めに誤解を解いておきたい。「観たい!」への書き込みを拝見していると幾人かの人が青木ヶ原の樹海を迷い込んだら二度と出てこれない場所と思っておられるようだが、現在では青木ヶ原は観光スポットなのだ。遊歩道があり、遊歩道から外れない限りは一度入ったら出られないような恐ろしい場所ではないし、樹海の中でキャンプする人たちさえいる。近年はそうした観光者によるゴミのポイ捨てに加え、外部から持ち込まれた粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄も多く、これらのゴミは地元住民が定期的に始末しているのだという。従ってそういう際に遺書が発見されることもあるし、遊歩道の傍で自殺する人さえいるそうだ。しかも後述するが、この作品の中では遺書がどうして発見されたかの説明もなされている。
開場して奇異に感じたのは、この劇場だと通常はL字形に客席が設置されているのだが、入口側の客席がなかったこと。が、開演時間になって遅れてきた客の席がなく、慌てて入口側にも客席を作り始め、かと思えば客が着席した後で最前列を外すために移動してもらったりとバタバタ。入口側に新設した客席もほとんど埋まってしまったのだが、予約数と客席数のチェックもしていなかったとは制作スタッフの不手際が甚だしい。で、開演時間に5分遅れで長男・カズヤ役のタカギマコトの前説が始まるが、これまた(場を和ませるためであろうが)不必要なことまで喋るので、結局10分以上遅れて開演。
【ネタバレBOXに続く】
岸田國士戦争劇集
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2022/07/05 (火) ~ 2022/07/19 (火)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
「動員挿話」
戦前の戯曲なのに、これって分かる~というあるあるが岸田國士の芝居の面白さだ。
大概の男はたとえ最愛の妻がどう言おうと、世間体や仲間内の見栄からは逃れられないものらしい。
死んで見せたところで、無駄なのだ。
「かへらじと」
地区の原爆慰霊式で献花をしてきた。
国家のためだろうと、友情のためであろうと、戦争は人殺しに行くことだ。その先に何の仕合せがあるだろうか。
手柄を認めた将校役と息子の求婚に出向いた父親を同じ役者に演じさせた。そこに批判的な意図を感じる。
鎌塚氏、羽を伸ばす
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2022/07/17 (日) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/02 (火) 18:00
鎌塚氏シリーズの第6弾。やはりとても面白い。115分。
貴族社会が残り執事という職業がある、という世界観が面白いんだが、完璧な執事とは何かということの設定がすごくて、三宅のキャラクター作りが本作も成功してる。ある意味「お約束」の面白さだが、爆笑というより苦笑という感じになっていた。本作では玉置孝匡の役割が重要な気がした。それと二階堂ふみも見事だし、初登場の西田尚美が○○○というのがハマった。シリーズ全作を観ているのだが、本作は過去の作品の余韻を活かしているので、観てない人がどれだけ理解できるのか、ちょっと気になってしまった。
ダイバシティーファミリー
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「ダイバシティーファミリー」家族ひとりひとりの生き様、なるほどこういう意味が込められていたのですね!
家族や人間関係のちょっとほろ苦いところも丁寧に描きながら、同時にしっかり笑えるドラマ&コメディーのミックスバージョン。
誰もがそれぞれに悩みを抱えていたり、道の途中だったり
シーンひとつひとつが楽しく積み重なって、登場人物達のいろんな側面や悲喜こもごもが見えてきて
観終わった後にはこちらの活力にも繋がる充電タイプの作品でもありました。
復活公演…実は生きていたお父さんの謎や、実は逞しいお母さんの生き様…コロナのせいでお蔵入り なんて事にならなくて本当に良かった。
沢山の役者さん達のエンタメ魂が丸々ギュッと詰まっていて、演劇初心者にも優しく こちらにもお勧め。
蝶々結び
LUCKUP
上野ストアハウス(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
肉声で届く声、何気ない楽しい会話に潜む真実。観る者に想像の余地を与えてくれるお芝居だった。
膨大なセリフから心に触れる言葉が繰り出され、青年の気持ちと共に動かされていった。
ふらっと旅に出て、帰ってきた、そんな気分にさせてくれる。
『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
自亡自記
セツコの豪遊
新宿眼科画廊(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/30 (土) 13:30
恋する人を演じるのに必要なのは、恋する心ではなく、図々しさではないかと思うのだけど、違うのかしら。
TSUYAMA30-津山三十人殺し-
PSYCHOSIS
ザムザ阿佐谷(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/18 (月) 14:00
「八つ墓村」の元ネタである津山事件に阿部定のみならず陰陽道の形代や未来から来た人物なども絡ませた例えば海野十三など少年倶楽部に掲載された冒険もののような「跳んだ発想」の物語につくづく高取さんは「少年の心」を抱き続けた方だったんだなぁ、と。(換言すれば「オトナのごっこ遊び」的な?)
そして「濃厚な」人物に実在感を持たせて演じた出演陣はもちろん、冒頭の惨劇場面で客席後方上部のオペブースを使うのに明かりの明滅だけで表現したことを筆頭とする照明や舞台下手の螺旋階段などもステキだった。
なお、2008年の初演以来3度(or more?)上演された月蝕歌劇団版は観ていないが、そちらよりもアングラ色が薄いのではないか?と漠然と推測。
HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】
conSept
ザ・ポケット(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/02 (火)
価格6,800円
2日19時開演のBキャストを拝見(90分)。
肉屋の店主である70代の男性・アレックスに、平田満
風変わりな40代の女性・ジョージーに、小島聖
を起用した本作。
個人的な感想をひとことでいえば、中高年層…いや、高齢の男性観客に夢と希望を与える⁉︎ 90分かなぁ。
いかにも翻訳モノらしいストーリーだったが、大量のセリフを叩きつける小島聖さんと、それらをやんわり受ける平田満さんお二方の熱演もあって、見応えのある舞台だった。
ただ、残念なのは、高齢者向け?だからなのだろうか、コロナ感染を恐れたのか、あるいは…S席(9,800円、C列~D列)とC席(6,500円、M列~O列)は埋まっているのだが、A席(8,800円、E列~L列)はガラガラ!(私の観た回は、1列13名のI〜L列がほぼ空席という惨状)。
他の回も同様らしく、舞台の出来からして、勿体なさ過ぎ!
なんとか、集客面で挽回を期待したい。
公演日程(Aキャストは全公演中止)
8月3日(水) 14:30B
8月4日(木) 14:30B
8月5日(金) 19:00B
8月6日(土) 17:00B
8月9日(火) 19:00B
8月10日(水) 19:00B
8月12日(金) 14:30B
8月13日(土) 13:00B
8月14日(日) 13:00B
抹消/解除
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2022/08/02 (火) ~ 2022/09/07 (水)公演終了
金色夜叉・改
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2022/07/30 (土) ~ 2022/08/05 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホリゾントセンターに大きな月 中央出捌けを挟むようにパネルが貼られ、パネルの開口部近くにシンメトリックに取り付けられた巨大な眼球のような照明。東洋館のレイアウトは、皆さん既にご存知だろうからくどくど書かないが上手には螺旋階段を上った先に小部屋がある。
風のサインポール
劇団俳優難民組合
下北沢 スターダスト(東京都)
2022/07/22 (金) ~ 2022/07/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/07/22 (金) 19:00
「観たい!」にも書いているが、4月に上演されたベンチシリーズ第1作の「いかけしごむ」はまず劇場となる3階にあがろうとして、2階の踊り場を過ぎてギョッとしたのは階段に犬の糞が落ちていたこと。が、よく見ると犬の糞に似せたもので、下から上に(3階に向かって)「いかけしごむ」と公演タイトルが形作られているのだ。片隅に黒く焼け焦げたような紙の燃えカスのようなものもある。事程左様に劇場に入る前からムード造りが秀逸で、開演を待つ間も子供の泣き声が流され(私は開演されるまで、それが劇場外から聞こえてくるものだとばかり思っていた)観応えのある舞台を創りあげていた。
今回はそのベンチシリーズ第2作。今回は変な仕掛けはないなと思いながら階段を上ると、入口手前の手すりが「立入禁止」のトラテープ(ポリスラインテープ)で塞がれていた(笑)。
客席と演技スペースとの間にもトラテープが張られ、奥にベンチがある。ベンチの横には床屋のサインポールが立てられ、ベンチの下にはホームベースがある。
やがて、客席前のトラテープが剝がされて開演。
【ネタバレBOXに続く】
自亡自記
セツコの豪遊
新宿眼科画廊(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/31 (日) 16:00
このセツコの豪遊は劇団員が宮村だけという一人劇団だとのことだが、観るのは19年5月に代々木上原のIto・M・Studioで上演された「つぎとまります」に続いて2度目。
今回はコロナ禍再燃中ということもあって、一人だけでも公演ができるようにとスタッフワークも一人でやることにしたとのことで、開演前の挨拶の後、客席後方の場内照明のスイッチを切りに一旦ハケてから再度登場し、サンダルを脱いで開演。衣装はといえば、紺のTシャツとジャージーパンツ。
【ネタバレBOXに続く】
追憶ベイベー!
TOMOIKEプロデュース
駅前劇場(東京都)
2022/07/27 (水) ~ 2022/07/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/29 (金) 19:00
6年半前にシアター711で初演した作品(当時の団体名はチーム進火RONといったらしい)のリメイクだという。
全席が自由席だが、最後列の下手端に着座。
中央にイーゼルに立てられたキャンバスが置かれた舞台で、開演10分前から友池さん(主宰・友池一彦の役者としての名前)と根岸可蓮、えなえ、岡田竜二の4人によるプレトークが始まる。この中でえなえは降板した大森つばさの代役を急遽務めることとなって、1日で台詞を入れたのだという。
【ネタバレboxに続く】
鎌塚氏、羽を伸ばす
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2022/07/17 (日) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/25 (月)
鎌塚さん!!!このシリーズの虜になり欠かさず観劇しています。今回もまた面白かった。舞台美術も楽しみで、これまたすごいし。(´∀`*)ウフフな幸せ感じました。また次お待ちしています。
きゃんと、すたんどみー、なう。
やしゃご
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/08 (金)
ドキリとした。そうだよね。そうだったよね。ドラマがあって本来はちょっと出来すぎ?と感じることもあるけれど、客席に入るなり引き込まれて、終演後は席を立つのも戸惑う…。上演台本を珍しく買いました。
ディグ・ディグ・フレイミング!
範宙遊泳
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/06/25 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/01 (金)
現代だな。と感じる自分は年寄りか!笑 でもすごく面白かった。本当に何が本当が分からなくなってくる。スピード感も有り、笑っている自分も怖くなるような既視感。また次が気になります。
ゴンドラ
マチルダアパルトマン
下北沢 スターダスト(東京都)
2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/25 (土)
白組 こちらはこちらでまた面白かった。どうせならすべての組み合わせを見たくなる!そんな設定すごい!!演者によって受け取る側の気持ちも変わっているのもわかり楽しかった。また朝11時からの上演というのも良い。お出かけ前に観劇できて良かった。
code:cure
壱劇屋
ABCホール (大阪府)
2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
壱劇屋2年半ぶりの本公演ということで楽しみにしていました。1回しか観劇出来ませんでしたが、刺激のある舞台でした。
ストーリーは好みが分かれそうかなという印象です。
私自身は、好きな部分も複数あるけど、全体通してとても好きかと言われればそこまでかな…という感じでした。
題材である治験×ループものという点は面白かったですが、途中量子力学に関わるような内容が入った時、知識がないもので「難しい話だ…」と身構えてしまい、失敗しました。笑
この点を「理解しないと話がわからない」のか「ふんわり解ればオッケー」なのかがその時点では分からないので、理解が追いつかないことに焦ってしまいました。
観終わってみれば理解出来なければ楽しめないというわけではなく、また、台本を購入して読んだり、回を重ねれば解ることが増えて味が濃くなる内容だったので、ファンほど面白かったんじゃないかと思います。
個人的には1公演の上演時間内では捌ききれなかったなと思います。
ただ、それを差し引いても「パフォーマンス」「映像」「音響」「照明」「美術」など、演出面での満足感が非常に高く、総合的に見てとても楽しめました。