マリーバードランド
やみ・あがりシアター
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2021年8月12日に開催された東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議で、大曲先生が「自分の身は自分で守る必要がある」と発言されたのを受けて観劇を自粛していましたが、大好きなやみ・あがりシアターさんがお芝居をやると知り、久しぶりに観劇しました。
奇跡を待つ人々
東京夜光
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/07/24 (土) ~ 2021/08/04 (水)公演終了
奇蹟 miracle one-way ticket【3月12日~3月17日公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」
キューブ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
カーテンズ
フジテレビジョン/キョードー東京
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2022/02/26 (土) ~ 2022/03/13 (日)公演終了
ロッキー・ホラー・ショー【1月13日~16日公演中止】
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2022/02/12 (土) ~ 2022/02/28 (月)公演終了
石を投げる女がいて
ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/23 (水) 19:00
SSチームを観劇。初見のユニットだが、作・演出はプラチナ・ペーパーズの堤泰之。ある種のジェットコースターストーリーだが、納得できない不安な気持ちが残る。さまざまな正義のあり方が示されているように思う。148分。
寂れたリゾート地にあるロッジに集まる女性達が始めた天然石アクセサリー工房。さまざまな事情の女性が集まり、軸になる人物が次々に変わっていく展開は目まぐるしい。えっ、そんな、…と思ってる内に2時間半が経過する。終わってもすぐには納得できないし、謎も残るのだが、その不安定さこそ堤が描きたかったものではないかと思った。2年前に延期になったということだが、今のこの時代にピッタリ合う展開が驚く。タイトルは、エンディングで素晴らしく活きる。
先日の電夏で素敵な演技を見せた小林知未を観たくて行ったが、軸になる1人を巧みに演じ、不安な気持ちをしっかり起こさせてくれた。
オロイカソング
理性的な変人たち
アトリエ第Q藝術(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今は家を出て行った双子の一人・倫子(西岡未央)。彼女が7歳の時に遭った事件。その事件のせいで、10歳の時の学校の性教育でははいてしまい、高校生になると心の傷を埋めるように、だれとでも寝るようになる。双子のもう一人の結子(滝沢花野)が、倫子の恋人(?)だった写真家のルーシー(万里沙)と語り合う32歳の現在と、過去を行ったり来たりしながら、性被害者の問題にじわじわとせまっていく。
若くてパワフルで美しい女優陣の魅力と熱量に圧倒された。狭い会場での熱演、衣装や小道具も段ボールから出したりしまったりの、手作り。幼少期の誕生会や、「サザエさん」の場面はのどかでホッとする。サザエさんを見ながら「カツオはタラちゃんのお兄さんなの?」「サザエさんちは普通じゃないね」「うちも普通じゃないね」と、この家族の事情が分かっていく。母(佐藤千夏)は未婚の母、祖母(梅村綾子)と血のつながりがない。
「引っ越しのバイトは、他人の日記をのぞくようで楽しい」など、ちょっとしたいいセリフもある。
「オロイカ」は天草方言でキズモノのことらしい。漁師のおかみさんたちが「この魚、もってけや。オロイカだ」と使う。芝居では方言もいかされてる。天草から大阪に出て大阪弁になった祖母が、東京で関西弁を直そうと、「ばあちゃんが大阪弁使ったら、10円あげる」と幼い双子にもちかけたり。1時間55分。
京時雨濡れ羽双鳥/花子
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
「マリアの首」の作者、田中千禾夫(ちかお)による戯曲の上演を初めて観た(「マリアの首」は観ず終い)。
実はこの日は未見の若手劇団を観劇するぞと決めた矢先に初日が中止になったので、無理に出掛ける事も無いっちゃ無かったんであるが、「口が芝居の口になってた」のでこれを選んで六本木まで出掛けた。
日本の古典戯曲には惹かれるものがある。当時の人々にとってはレトロでも何でも無かっただろう木造家屋や、着物や路地や、口調が、「前時代的」ではなく「いい感じ」になっている。もっとも田中千禾夫は主に戦後活躍し注目された人だから今言った範疇から若干ズレるのかも知れぬが。
この所海外戯曲の秀作舞台を打っている俳優座、果たして今回は・・
「友達の家に行った」
狂夏の市場
尼崎三和市場内 イベントスペース 「とらのあな」(兵庫県)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
期待通りの楽しいお芝居でした☆キャストの皆さんによるかくし芸的なパフォーマンスに大いに笑わせてもらいました\(^o^)/
泣くな研修医
劇団銅鑼
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/23 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/23 (水) 14:00
座席1階
自分が見たのは千秋楽。満員の客席から拍手が鳴りやまぬカーテンコールにこたえた研修医役の山形敏之のすがすがしい、充実感漂う笑顔が印象的だった。
研修医が経験するただ働き同然の劣悪な職場環境など現実的な話は出てこない。国家試験に合格して現場で経験を積む若い研修医のひたむきさや、自分が医師になろうと決めた幼いころのできごとなどを交えながら、一人前の医師に向かって成長していく物語。ハッピーエンドになっているところも素直なつくりである。銅鑼らしい優しい舞台だ。
終末期の患者に対する治療方針をめぐって先輩医師にぶつかっていったり、気管挿管は「数日延命させるだけ」とクールに(あるいは現実的に)言い放つ同僚に「やれることはまだあるはずだ」と食ってかかったり。この研修医のピュアなところが強調して描かれる。途中で挟む淡い恋愛シーンも、もどかしさ満載で微笑ましい。若くしてがんに侵され亡くなる患者と悲嘆にくれる家族の場面では、すすり泣きも漏れた。
社会派劇にあって厳しい局面を真正面から描くシライケイタの脚本とあって、医療の矛盾、残酷さや病院内部の軋轢などが研修医の目を通して描かれるのではないかと想像して劇場に足を運んだが、まったく違っていた。温かく包み込むようなムードを漂わせながら進む物語に、何だか拍子抜けした感じを受けてしまった。そう感じてしまったが最後、何となくだが「医療ファンタジー」というイメージになってきた。これが、自分の場合、登場人物への感情移入を妨げた。
そもそも、タイトルから分かるように、研修医への応援メッセージなのだ。医師の多くがこのようなピュアな部分を失わずにいてくれたら患者本位の医療に近づくのだろうに、と思ったが、どこかこの舞台が現実離れしているような印象がぬぐえず、やはり、心から楽しめなかった。見立てを間違えた自分のせいなのだが。
舞台転換が頻繁に行われる。これも気持ちが途切れる一因になった気がする。
ミュージカル「手紙」2022
サンライズプロモーション東京/MY Promotion/スペースポンド
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
犯罪者とその家族、その周りの人達を描いた、東野圭吾さんの有名な作品。この重いテーマを、どのようにミュージカルにするのか?と気になっていましたが、とても良かったです。
生演奏に役者さん達の素晴らしい歌声、バンド演奏も加わり、贅沢な時間でした。
非常に考えさせられる内容で、答えがないように感じました。切なく、でも希望のあるラストは涙腺が緩みました・・。大満足でした。
OM-2×柴田恵美×bug-depayse『椅子に座る』
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2022/03/17 (木) ~ 2022/03/19 (土)公演終了
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観応え十分。上演時間こそ、この劇団にしては短い方だが、内容的には力作。
芝居屋風雷紡らしく歴史的事件を通して現代にも通じる問題、その理不尽を骨太に描いた作品。物語は連合赤軍の事件ー山岳ベースを外観に装いつつ、底流には不平等、特に女性蔑視を中心に鋭く指摘・糾弾する。弾丸は重く深刻、だからこそ観ている者のハートを射抜くのである。
さて、公演の外観を成す連合赤軍のことは、生半可な知識では書けないが、描きたかった芯の部分は十分伝わる。同調しなければ生き残れなかった同志・仲間、しかし 本当は他人がどうであろうと自分で考え行動する信念がなければ、いつの時代も生きられない、と思わせる。
因みに映画「実録 連合赤軍あさま山荘への道程」(若松孝二監督)は、3時間を超えるが概要は分かるかも…。
(上演時間1時間15分)
一枚のハガキ
劇団昴
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
当日パンフの演出ノートで北村さんは「戦争という得体の知れぬ暗夜の底に突き落とされた人間が、崩壊から再生へと必死に這い上がる生命力を賛美し、その姿を粛々と再現したいと考えています。」と書かれている。なるほど、森川友子が慟哭する場面もサラッと暗転したり、暗雲に覆われた日々にどこかカラッとした場面が現れたりと、当時のリアルな日常が再現されていた。だからこそ戦争の狂気や悲惨さが痛切に伝わってくる。もちろんそれは昴の役者さんたちの確かな演技によって裏打ちされていました。
『銀河鉄道の夜』
楽園王
サブテレニアン(東京都)
2022/02/02 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了
実演鑑賞
こじんまりとした舞台ではあるが、きちんと丁寧に作られていた。
銀河鉄道の乗客が、もっと色々な変な人が登場してきた方が面白いような気もしました。
ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】
劇団肋骨蜜柑同好会
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/06 (日) 15:00
2年前に出現し悪臭を撒き散らす怪鳥対策に取り組む田瓶市職員たちだが目撃者によって怪鳥の特徴は異なり……な最近の怪生物系サスペンスの様相で始まりながら物の見方/見え方などという哲学(?)っぽい方面や民俗学・神道などに触れ、とり・みき、諸星大二郎などの伝奇系作品にも通ずるという変容を為す。それでいて終盤にはアクション(?)まで盛り込んで娯楽要素も失わないという怪作にして快作。好きだなぁ、こういうの。
耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022
企画演劇集団ボクラ団義
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
3/27(日)を持って無期限活動休止になる『ボクラ団義』の暫定最終公演、日替わり二本立て。
『ハンズアップ2022』
海辺の洋館、登場人物達は気付くとそこに居て強制的にデス・ゲームに参加させられる。全員一部の記憶に靄が懸かっており何かを忘れさせられている。落ちぶれた人気アイドル(平山空さん)とマネージャー(高橋雄一氏)、親友を殺してしまったボクサー(沖野晃司氏)、声の出なくなったヴォーカル(田中彪〈ひょうが〉氏)、リズムを刻めなくなったベーシスト(毎熊〈まいぐま〉宏介氏)・・・。少し、映画『人狼ゲーム』シリーズに似た設定。
サヨナフーピストル連続射殺魔ノリオの青春
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2022/03/11 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
秩序の縁辺に生きる生を多く描いた大竹野氏が、実在の人物を描いた本作は異色作か、代表作か・・舞台を観ての結論は「大竹野正典らしい作品」。役者、演出申し分なく、後方席からほんのり暖かい気の塊のような舞台を眺めて座席に座る感覚を忘れた。
「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー
Whiteプロジェクト
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/18 (金) 19:05
『被災地の想いを演劇で世界へ/Whiteプロジェクト SHINSAI 10th 震災演劇短編集 宮城·東京ツアー』といういくつかの小編の劇を連続して、東京のこまばアゴラ劇場で観て来ました。
私は、4つの小編、中編の劇を観ましたが、そのどれもが、劇的な展開はないものの、地味だけれども、こじんまりとして、多少笑いもありつつ、飽きさせず、東日本大震災という重い題材を扱いつつ、観客に極度な緊張を強いさせず、知らず知らずの内に津波や未だ遺骨が見つからない問題などについて想いを馳せ、深く考えさせられていて、劇の作りが非常に上手くできていると感じた。
「イーハトーブの雪」という作品では、震災直後の遺体安置所で番号を付けられ床にモノのように置かれたご遺体に、妹の遺体を探しに来たおじさんが、赤の他人の遺体に親しげに話しかけるところから物語は始まるが、最初はちょっと風変わりなおじさんなのかなと思ったが、劇が進行していくうちに、妹の生前の思い出話を語ったりして、遺体に対して、コーヒーを生きている人に渡すかのように渡してみたりするところから、遺体が途中から起き上がって喋り始めるという幻想的で妖しい展開になるのかとも思ったが、終始遺体は動かない上に、最後の方で主人公の東北弁で喋るおじさんが、震災が起こったために、避難して妹と別れることになった話をして、後悔や自責の念から、感情が昂ぶり、声を荒げてしまう辺りから、幻想の要素はあんまりないと思いつつ、今まで静かに、親しげに遺体に対して話していたおじさんの東日本大震災で失くした妹に対する葛藤や整理しきれずにいる現実、大災害が不意に襲ってきた時に、科学技術がいくら進化しても対処しきれず、慌てふためく、人間の無力さなどが生々しく伝わってきて、東日本大震災が起こったことによって大事な人を失ったり、眼の前で津波に呑まれるのを目撃した傷はそう簡単には癒えることはないし、その衝撃は消えることはないだろうと実感し、終わったことと捉えるのではなく、東日本大震災の記憶を頭に焼き付け、私達は日々考えていくことが大事だと感じた。
「第二章」という作品では、震災後、新しくできたバス停で夫を迎えに行くためにバスを待つ地味だが、よく見ると貴婦人風な気品のある老女が主人公だが、回想する台詞の中で、夫が津波に呑み込まれ2度と帰らぬ人となっている現実は認めつつも、せめて魂だけでも帰ってきてくれるのではないだろうかとか、夫は津波に呑まれたが、今は南の島に流れ着いて幸せに楽しくやっているんだとか、考えれば考えるほど虚しくなるはずなのに、それでも微かな希望を、自分の心を支えていくために、自分を励まし、奮い立たせ、明日も生きていくために、そのような想像をするというところに深く考えさせられ、思わずグッときてしまった。
「Prelude -天使が生まれた日-」 という震災とは直接関係のない作品では、病院の分娩室隣のロビーでもうすぐ父親になる男がビデオメッセージを録画しているところから始まる。ビデオメッセージの録画を慣れていないのか、何度も撮り直したり、動きが挙動不審であったりと、ドタバタして笑える場面も結構あるが、期日前診断で、これから産まれてくる赤ちゃんが男の子でダウン症の可能性が高いことを知らされ、中絶するか、産むかの判断をなるべく早くしてくれと言われたこと、正直迷ったことなど、不安や恐怖、焦りや喜び、迷いなどが入り混じり、まとまりがない形でビデオメッセージを録画しているのが、人間らしさや悩みが垣間見える共感できた。しかし最後は、赤ちゃんの泣き声を聞いて喜び勇んで、いても立ってもいられなくてすっ飛んでいく、もうすぐ父親になる男を見て、無性に感動してしまい、涙が出た。人間とは、赤ちゃんが産まれると、今までの悩みや怖れ、不安などはすべて吹っ飛ぶものなのだなぁと感心した。
「桜ひとひら」という作品では、震災で家族を失った人々のために依り代として仏像を彫り続けている住職が主役だが、依り代としての仏像を頼んだ小さなこどもを震災で失くした女性の依頼人の女性とのやり取りにおける、住職の良い意味でちょっとずれた思考や糖質を控えていると言いながら、饅頭を女性に勧められると、一つだけならと言って食べるあたりの図々しいが憎めない感じなど、住職の人間臭い感じなどに共感し、大いに笑えた。しかし、依頼人の女性がハキハキと押しが強い感じで話しているが小さなこどもを失くしたことを未だに気にしていて、傷が癒えてはいないが、最後のほうで完成した木彫りの地蔵を住職から渡されて、まるで震災で失くした我が子を抱くように、優しく抱き、慈しむ様子に、複雑な気持ちになり、感慨深くなった。