追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27) 公演情報 劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『追憶のアリラン』
    相当手に余る題材でよくぞここまで作り上げた。1910年「日韓併合」という名目で日本の植民地にされた朝鮮。1941年(?)自ら希望して平壌の朝鮮総督府に赴任した三等検事豊川千造(佐藤誓〈ちかう〉氏)。彼に付けられた朝鮮人事務官、浅井伸治氏演ずる朴(パクでありボクでもある)忠男。この二人の友情物語でもある。豊川の妻役の月影瞳さんがやたら綺麗だった。終戦後、北からのソ連参戦で逃げ惑う日本人達。囚えられ公開人民裁判に掛けられる4人の検事。

    ネタバレBOX

    豊川の歓迎会で彼にせがまれ朴は仕方なく「アリラン」を歌う。高麗王朝末期に作られたとされるこの歌は、架空のアリラン峠を越えていく旅人の歌。何度も何度も朴は歌わされ、歌詞を覚えた豊川は終いには一緒に歌う。「こんな日本人は初めてでした。」、朴は豊川のことが大好きになる。命を懸けて尽くすべき友達のような敬愛。この純情が作品を貫き、泣かされる。

    シナリオが混乱してどうも上手くまとまっていない。このテーマ、この題材への評価は高いが、作品の完成度としては弱い。兎に角作者の視点が定まっていない。無難な戦争観に着地するところも好きにはなれない。超人的な“正義に殉ずる人”頼みな物語に違和感。韓国人側から観ると朴が善良な日本人を讃美する構図に作為的なものを感じるのでは。それでも素晴らしい作品であることに間違いはない。

    「それぞれの国の人達が親であり子でもあることを感じ取れなかった国に、『大東亜共栄圏』なんて理想を掲げる資格などなかったのだ!」

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    2022/08/20 06:14

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