魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY- 公演情報 エンターテインメント風集団 秘密兵器「魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「まさかの秘密兵器に人気が出たら魔が差す追加公演」…それを観ることが出来てラッキー。未見の集団だったが、チラシには2002年旗揚げとあり、㊗21周年記念スペシャル公演だという。集団のコンセプトは、高尚だが親しみのある「『MISSION IN POSITIVE』をテーマに舞台、ライブハウスで公演を続ける。持ち前の『アホ』を武器に、個性あふれるメンバー達が芝居、コント、歌、ダンス等様々なパフォーマンスで観るものを『POSITIVE(前向きな気持ち)』にし、常に笑いと感動を与え、『元気』を与え続ける。」である。

    その謳い文句どおりに、大いに楽しませてもらった。何も笑いだけではなく、演劇としての観せ方、特に構成力には驚かされた。公演プログラムは日替わりコント(毎公演3本)を上演し、本編へ繋げる。観た回は「簡易裁判所」「I・♡・Lie」「ミックスフライ」の3本であり、それぞれテイストが異なる。しかし、本編ではその違いが見事に融合し、味わい深い内容へ昇華していく。ロングストーリー「魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY」に描かれているのは、「夢」であり「諦めない」といった逞しい思い。コロナ禍にあって、人々が失いがちな言葉、しかし劇風は面白可笑しく 癒しの空間といった雰囲気を演出する。舞台と客席が一体となって盛り上げる、まさしくエンターテイメントショーといった内容である。お薦め。
    (上演時間2時間15分)

    ネタバレBOX

    オムニバス3話。舞台セットは基本 素舞台。1話目は法廷、3話目はテーブルを2卓置いただけの食堂内。本編は、シンプルな造作を何度も転換させて状況を作り出す。

    第1話…簡易裁判所で調査記録を検討している男性判事、そこへ新任の女性書記官が赴任してくる。二人の取り留めのない会話から、突然 書記官が判事に向かって判決で後悔したことはないかと質問する。
    第2話…中年の男が地下アイドルの追っかけをしており、こっそり楽屋に忍び込んで彼女の様子を窺う。その結果、崇めるアイドルの実態を知ることになる。何となくオタクでありストーカーのようにも思える。
    第3話。とんかつ屋で訳アリ女性が注文に迷っている。店主がお勧めを言っている時に、後から入ってきた女性雑誌記者に最後の一品であるお勧めを注文されてしまう。何の脈略も無さそうな話が妙(少し強引)に繋がってくる。

    判事と書記官の兄は、以前 宇宙飛行士を目指したライバルであり親友だった。ある事情で兄は判事を庇い訓練センターを辞めた。判事も訓練センターを辞め裁判官を目指した。その兄が求めた判決を巡って妹(書記官)はその内容に疑念を持っていた。それが説明にある「正しい判決を言い渡す」それだけを信念に日々裁判を繰り返す簡易裁判官の男、そんな男がたった一度だけ下した魔がさした判決、を指す。動き出した歯車、引き寄せられる人々、明かされる過去、次第に浮かび上がるあの判決の真実とは…3話の繋がりは観劇して確かめてほしい。全編コミカル調だが、真実を知る場面ではジワッとくる。思いっ切り笑わせておいての感動シーン、見事な構成である。

    この後は余興芸のような歌と踊りで楽しませる。中年男性5人が観せる魅せるのオンパレード。そのサービス精神と熱量は凄く、また(公演を)観たくなるのも肯ける。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/08/20 08:54

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