最新の観てきた!クチコミ一覧

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PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壱劇屋東京支部さんの台詞ありの舞台は今回が初でした。台詞ありの新作、ほんとに見てよかったと思わせてくれる素晴らしい作品です。さらにはAとBの2チーム体制で、同じ台本でも演じる役者さんや組み合わせが違うとここまで変わるのかと驚かされました(全然違う作品と言ってもいいくらい)。その違いが見えると役者さんの魅力もより一段と感じられて、何度も何度も見たくなります。そして壱劇屋さんと言えばの殺陣も健在&必見です。めちゃくちゃかっこいいです。
目だけじゃなくて心も揺さぶられる作品。150分すみずみ全てが見所の舞台でした。劇場入りしてから急きょクッションをご用意してくださる心配りもありがたい限りです。
応援している役者さんがゲスト出演したことがきっかけで壱劇屋東京支部さんに出会いましたが、どれだけ期待値を上げても毎回満足度が高くて、それだけに皆さん心血を注いで作品に向きあって創ってらっしゃるのだなと思っています。見終わった後の余韻もすごいのが壱劇屋さんの舞台の醍醐味です。

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回は、セリフあり。内容、迫力、演技とどれもよかったですが、ダンスが素敵でした。ステージを引き立ててたなと思います。次回も見に行きます。知り合いたくさん誘います!

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壱劇屋東京支部さんを知って初めての台詞ありの舞台でしたがとても面白かったです!殺陣も然ることながらダンスやアクションなども素晴らしく、ストーリーやキャラクター達も魅力的でした。
ABそれぞれ観劇させていただきましたが、同じストーリーなのに演じる人がかわるとこんなにも受け取り方が変わるのかとそれぞれの良さを感じるとができたのも楽しかったです!

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

上演時間150分、メインキャラ10名というボリューム満点の舞台でありながら、いざ上演が始まると無駄のなくまとまった脚本、入り組んだ人間関係でありつつ、過度に説明的になり過ぎない補足セリフ、壱劇屋の魅力である洗練された爽快な殺陣アクションなどで上演時間の長さを感じさせない、エンタメたっぷりあっという間の2時間半でした。こんなん全員好き、という前広報の通り、こんなんみんな好きに決まってる!というような関係の目白押しでありながら、胃もたれしない程度に想像の余白を残したキャラクター設定など、非常にバランス感覚に優れた脚本、設定だと感じました。
演出についても、映像演出やプロジェクションマッピングで実際に見せることで説明をすることが多い中、人力で動かすシンプルな舞台セットで見立てる、人間が演じることに意味がある演出でした。

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

BLACK SMITH以来のセリフあり竹村作品、やっぱり良かった♪

今回は殺陣やアクションにダンスも取り入れて、エンタメ度がさらにアップ!
様々な伏線回収もあってあっという間の150分でした!…公演時間が長いので、座席にクッションが追加される心づかいも沁みました

次回、再再演のピカルーンが楽しみで仕方ありません!

ネタバレBOX

名刀・貫地谷が出てきた時はゾックとしましたw
PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めて観た壱劇屋東京支部の台詞有り作品でしたが、「これぞ壱劇屋!」という作品でした。感動的なストーリーと個性豊かなキャラクター達が魅力的です

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

小劇場での150分と聞くと、めちゃくちゃ長いやんけ!と思いがちですが体感100分でした。
なんならまだ観たい!と欲していた自分が怖い…。
変に間延びする事なく、話に没入してました。
壱劇屋さんと言えば殺陣の凄さが一番にきますが、お芝居も本当に上手すぎる。
(間合いの上手さは、殺陣の間合いで鍛えられてるからなのか?!)
舞台装置はシンプルながら、目の前に繰り広げられる世界は色付いでハッキリと見える。
そして、衣装が毎回抜群にイイ!!!

五彩の神楽で劇団壱劇屋東京支部を知った新参者なので、まだまだ知らない部分があるのかと思うとワクワクしてます。

ネタバレBOX

今作本当にキャラが全員際立っていて、もれなく全員好きになります。
特にガストン沼に落ちた女子は数知れず…。

観劇後のヲタクの二次創作が進む…
雨、晴れる

雨、晴れる

teamキーチェーン

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/05/03 (水) ~ 2023/05/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/05/03 (水) 19:00

110分。休憩なし。

ウィングレス(wingless) ー翼を持たぬ天使ー

ウィングレス(wingless) ー翼を持たぬ天使ー

サードステージ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/05/01 (月) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/03 (水) 14:00

130分。休憩なし。

空に菜の花、地に鉞

空に菜の花、地に鉞

渡辺源四郎商店

ザ・スズナリ(東京都)

2023/05/02 (火) ~ 2023/05/05 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/03 (水) 14:00

私の好きな工藤良平さんがはまり役なのが楽しい。このテーマが普遍的であることが、何より政治の脆弱さを表している。畑澤先生はその脆弱さをこんなエンタメにして私たちに提示してくれる。それにしてもあの”独裁者”め!

ネタバレBOX

舞台を囲む壁には青森のような、ヨーロッパのような、アフリカのような地図。
地球上のどこでも起こり得る話が始まる。

鉞の形をした半島の付け根に位置するのどかな村に、
使用済み核燃料の収容施設ができる。
反対運動のメンバーは、仕事と補助金に惹かれて次第に尻すぼみ、
今や村人は皆、この施設で生計を立てている。
今日もひとりの青年が新人スタッフとして入って来る。
実はこの青年、密命を帯びて送り込まれた「サイボーグ」だった・・・。

”将軍様”のキャラが秀逸。
残忍性と独裁国家を受け継ぐ者としての迷い、善人かと思ったらやっぱり極悪人、
意外におっちょこちょいでお調子者、そして人の命を何とも思わないヤツ。
気軽にミサイルを発射するのがいかにもな感じだ。

個人的には、2012年・2014年に観た「翔べ!原子力ロボむつ」で
「スターキングです!」と言って握手していた
りんご王国の王のなりきりぶりに比べて、緩さが感じられたのが残念。
物まね的な面白さはあるが、核を扱う作品の緊迫感は若干弱く感じられた。

将軍様に忠誠を誓う青年の身体にミサイル誘導装置を埋め込んで
彼を施設に送り込むという残忍な方法も、あの国ならやりかねない。
ラスト、自らをめがけて飛んでくるミサイルが
少しでも施設から遠いところへ落ちるようにと、青年は走る。
施設で出会って恋に落ちた娘を守り、施設を守るために。
彼の最期を見守ったのは、たった一人で反対運動を続ける女性だ。
彼女の叫びが虚しくて、悔しくて、涙がこぼれた。

こんな風に簡単に、偶発的に、誰かの気分で戦争は始まる。
生まれつき偏ったいびつな独裁者によって、
いたずらに元気な老人の部活みたいな政治家によって。
政治が幼い国は同じ過ちを繰り返すだろう、たぶんもうすぐ・・・。


エンジェルス・イン・アメリカ【兵庫公演中止】

エンジェルス・イン・アメリカ【兵庫公演中止】

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/04/18 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この欄でいつも参考になる意見を書いてくださる方々が揃って五つ星をつけている。休憩を入れると全部で七時間かかると聞いて、半分づつ見ることにした。
原戯曲が書かれたのは1985年、英米での評価も高く、日本でも三度も上演された。どの公演も、面白い座組で、話題にもなったから上演されたことは覚えているが舞台は初見である。アッカーマン演出のベニサンピット(1994,2004、後は杉原邦生演出。これはまた見る機会がありそうだ)は見ておけば良かった。悔やんでも仕方がないのが芝居だから諦めていると、今度のように優れた再演がある。時代とするどくきり結んだ作品に、その後の時間の経過も感じられる舞台である。
大きく見れば、世界のリーダー国家の「アメリカ」への自国民の作家による痛烈な批評である。第一部は80年代から90年代にかけて、アメリカの人々を恐怖に陥れたエイズが素材にとられている。この伝染病は性行為、それも本能に反すると一般には信じられていた同性愛者で流行したために、罹患者とその周辺に社会的にも、倫理的にも波紋が大きかった。ここで「アメリカ」の社会が動揺が明らかになり、その亀裂からアメリカが培ってき夢夢の真実と虚偽がこぼれ落ちてくる。現戯曲はテレビドラマから出発しているようで、テレビ作品のエピソード・スタイルを巧みに生かしている。
大筋は同棲中のゲイのカップル(長村航希、岩永達也)の一人が発病する、というストーリーと大物弁護士のロイコーン(山西錞)が、書記官のジョー(坂本慶介)をワシントンに転職させようとするがジョーの妻(鈴木杏)の抵抗で実現しなくなる。一方でロイコーンはバイセクシュアルなのにエイズにかかってしまう、という二つのストーリーがある。
この二つのスジを、ストーリーに絡む他に十三役ある副登場人物を八人の出演者でこなしながらエピソードを重ねていく。ホモセクシュアルの性交とか、エイズ患者の苦痛とか、ロイコーンの横暴な権力の行使とか、リアルなシーンもあるが、北極でエスキモーの幻覚を見るとか、天使が空から舞い降りるとか、ゲイ患者の世紀を超えた先祖たちが二人も顕れ、私生児論争をするとか、舞台ならではのシーンもある。シーン数は非常に多いが手際が良い。一時間づつの三部になっていて休憩二回を含め三時間半だが、一つ一つのシーンはほぼ独立していて,テンポもよく飽きない。無駄に情緒で引っ張るようなところがなくドライでアメリカの味がする。(しかし、このドラマの本当の味は自国民のアメリカ人なければ解らないのではないか、我々は外から覗いているだけ、という感じは抜けない)
演出の上村聡史は、いつもながらこの難しいドラマを音響と音楽、それに美術照明と、手を抜かないでまとめている。


ネタバレBOX

このキャスティングは全部オーディションで選んだと言うが,どういう形のオーディションをやったのだろうか。自分たちが主導権をとってやりました!と文化庁向けに言いたいだけの新国立劇場だが、これはどう見ても現場の努力が実を結んだものだ。世の中、きな臭くなって、文化統制は現実にどこかで支配しているものが居ることがはっきり感じられるようになった。そう言う意味ではこのドラマ人ごとではない。
サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―

サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―

キョードー東京

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

稲垣吾郎の誇りと良心とで葛藤するサンソンが堂々として見事。

ネタバレBOX

大鶴佐助のルイ16世が、知的だがひ弱な善人ぶりを示して、存在感があった。ギロチンの刃を丸い湾曲型から、シャープな斜め型に改良するアイデアをルイ16世が出す。歴史の皮肉をここまで凝縮して見せたのには恐れ入った。
ハートランド

ハートランド

ゆうめい

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/04/20 (木) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

どこか山村にあるらしい一軒家の、手前から奥までの各間を三段ブロックのようなセットでつくる。そこへやってきた若い映画監督二世と女性の助手が、後から来た家のものと宴会する。そのうち地元の男が監督に「人の人生を盗んで飯を食うんだろう」とケチをつけ喧嘩になる。地元の男が、映画監督を連れて外へ出ると、人格が変わったように平謝り。自分のアトリエ(3段ブロックの一番高い部屋の下)へつれていく。その様子を盗み撮りする家主(相沢一之)。家に居候し、スマホを数百台並べる若い中国女(sara)…。
いったい何を言いたいのか。

ネタバレBOX

家主は昔、映画の盗撮をしていたところを、若い映画監督につかまって、つきだされたことがある(そのシーンは、冒頭にあり、後で因果がつながる)。その仕返しをしようと、監督の酔態やマリファナ酔いの様子を盗撮しているのだ。

映画の盗撮も、人の人生をつまみ盗んで映画を作るのも、同罪ではないか、という作者のシニカルな思いが見えるが、それが深まらない。断片的な皮肉で終わっている。
アルタイルの詩(笑)

アルタイルの詩(笑)

劇団たいしゅう小説家

萬劇場(東京都)

2023/05/03 (水) ~ 2023/05/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日、行ってきました!タイトル見て悲劇なのか喜劇なのかと気になっていましたが…やられました。そうきたか。
こんなに泣いたり笑ったりしたのは久しぶりです。

ネタバレBOX

前半は悲劇…でも、なんか、設定が、おかしいような…。と、思いきや。
その設定のおかしさも、後半への伏線だったわけで…あとはもう笑うしかない。
夜叉ヶ池

夜叉ヶ池

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2023/05/02 (火) ~ 2023/05/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

泉鏡花のこの怪異譚は、古人の知恵に耳を貸さない近代人(とくに成金とえせ権力者)の愚かさと、愛に身を捨てる男女の献身との対比を描いたもの。原作のセリフにない大破局のスペクタクルを、ステージングのダンスとサウンドと、すべてを飲み込む大山嘯で描いて、圧巻の舞台だった。

山奥で朝に夕に鐘をつく老夫婦(勝地涼、瀧内公美)の静かな生活から幕を開け、そこに旅の途中の学者・学円が通りかかり、因縁話が明らかになる。老夫婦は実は若く、白髪頭はかつら。夫は3年前行方不明になった伯爵家の三男の萩原だった。この村では700年来の竜神との約束で、明け六つと暮れ六つと丑三つ時の日に三度、鐘を突かないと、夜叉が池の竜神があばれてふもとの村々を湖にしてしまうという。その鐘撞の老人が倒れたのに、たまたま居合わせた萩原が後を継いだというのだ……。これが話の導入。

萩原と学園が夜中に夜叉が池を見に去ると、夜叉が池の鯉と蟹五郎に続いて、龍姫の白雪姫(那須凛)があらわれ、遠く離れた剣ヶ峰の千蛇が池の主への恋のために、村を見捨てて、自由に飛んでいきたいとわがままを言う。乳母が懸命に止めるが、姫は聞かず……。

静かにわびしく始まって、じわっじわっと緊張を高め、最後は予想もしなかった悲劇で、ダイナミックなカタルシスを実現する。多数の俳優・ダンサーたちのつくりだす夢幻のひと時であった。。

青年座の那須凛は私の好きな女優だが、狂おしい竜神の姫を演じて見事だった。腹黒代議士の山本亨は、帽子は宮沢賢治のようなのに、白塗りの顔に三つ揃えはヤマネコ博士のようで、ふてぶてしい俗人ぶりが迫力あった。

ネタバレBOX

鯉七の手をひれのように動かすだけで、陸に上がった魚よろしく、どてっどてッと動く姿。蟹五郎のかくかくッとした手足の動き。などなど、森山開次による異界の者たちの、人間とは違う動きが、いかにもそれらしく、妖怪たちを出現させる。

すべてが山津波に飲み込まれた後の、清浄の世界で、百合と萩原のメオトがむすばれ、遠くから学円が祈る。カタルシスのあとの光明を感じさせる幕切れだった。
令和5年の廃刀令

令和5年の廃刀令

Aga-risk Entertainment

としま区民センター・小ホール(東京都)

2023/05/01 (月) ~ 2023/05/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 面白かったので5回も観に行きました(笑)。
 廃刀令の是非をめぐる討論劇です。帯刀が許されているという架空の現代の話なのでSF要素もあり。笑えたけど、考えさせられました。
 3月下旬の杉並会場から始まり、5月上旬のとしま会場に至るまでの公演の間にも、アメリカでの銃乱射事件の報道をたびたび目にしたし、銃規制デモや、銃規制をめぐって議員の更迭など議会の混乱のニュースも目にしました。そのたびに当劇が思い出された。
 実際に議論が終了した後に観客が投票を行い賛否を決める。自分が観劇した回で2回も1票差という結果に出くわしたので、1票の重みにも気づかされました。
 それぞれ守りたいものは違うんだよなあ。どの意見にもうなずけるから難しい。討論内容は永遠のテーマです。まじめで笑える劇を見たければ、再演時に、ぜひ。

令和5年の廃刀令

令和5年の廃刀令

Aga-risk Entertainment

としま区民センター・小ホール(東京都)

2023/05/01 (月) ~ 2023/05/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかった。帯刀が日常化した架空の世界での法改正にまつわる物語。アガリスクが得意とする論理戦が秀逸。9人のキャストによる息をもつかせぬ攻防に、2時間があっという間だった。観客の投票(反対/賛成)でラストの展開が変わるのも斬新。個人的には、奈良から見に来て本当に良かった。 以降、ネタバレboxに続く。

ネタバレBOX

当方が観た公演では「賛成」という結果だった。単に水掛け論になるのではなく、キャストどうし、それぞれの価値観や意見を真摯に受け止め、尊重しあって話が展開していくのがすてきだった。帯刀が一般的に確立した世界の側からしてみれば、判断を下す我々観客は異世界の住人であり、刀に関する価値観も秩序も皆無に等しく、賛成派が多数を占めることは容易に予想できる。それを覆すことができるとしたら、、、より深く、作品世界に入り込めたことの現れだと思う。別のラストも配信、メディアで是非観てみたい。
毛皮のマリー【2023年上演/B機関】

毛皮のマリー【2023年上演/B機関】

B機関

座・高円寺1(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/16 (日) 18:30

舞踏メソッドを演劇に応用することを目的に2016年11月に「毛皮のマリー」で旗揚げしたB機関が、映像をも加える次なるステップのために、この公演をもって解散するという第一期ファイナル公演である。
因みに私が主宰の点滅を舞台で初めて観たのはB機関の旗揚げと同じ年のリオフェス(岸田理生アバンギャルドフェスティバル)での「詩稿・血を、噛(は)む。 ―吸血鬼、男色大鑑より―」であった。そこでの圧倒的な存在感は今もありありと思い出すことができる。

この「毛皮のマリー」は劇団天井棧敷により1967年にアートシアター新宿文化で初演され、その時にはスタッフにも著名な人物を配していたものの、さまざまな理由でトラブルに見舞われたようだ。その後何度も上演され、マリーは「黒蜥蜴」と並んで美輪明宏の当たり役となっている。94年のPARCO劇場での上演時には欣也役としていしだ壱成が舞台デビューしており、下男役は麿赤児だったが、その関係でか点滅もこの時に演劇の舞台にデビューしている。

座・高円寺1の広い舞台いっぱいに広がる岩窟の廃墟のようなセットがまず目を惹く。下手の階段をのぼった高見には十字架が聳え立つ。舞台中央奥の小高い場所に木製のボートらしきものが置かれている。

開場時から舞台上で4人の女性が極めてゆるやかに動いており、これもきちんと振付された舞踏なのだろうが、残念ながら観客はあまりこれを見ていない。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

「鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番の美人はだれかしら?」―ボート型の浴槽からそう問いかけて、鏡の答えに「よかった、白雪姫はまだ生まれていないのね」と安堵しながら下男にすね毛を剃らせる40歳の男娼がマリーだ。B機関旗揚げ時には観ていなかったのだが、この冒頭で驚いたのはマリー役の葛たか喜代がその裸体を曝したこと。カミングアウトして女優に換わったのだということは知っていたものの、てっきり豊胸手術しているのだとばかり思い込んでいたのだ。マリーに育てられながらも部屋の外に出してもらえない美少年の欣也が「マリーさん」と呼びかけると「マリーさんじゃないよ、お母さんだって言ったろ!」と厳しく叱責する姿とともに、男娼マリーの鬱屈したした心理が見事に表現されている。
マリーが客の水夫に語ったところによれば、マリーは大衆食堂の子として生まれ、女ばかりの店員のあいだで店を手伝っているうちに、女装に目覚めたのだという。店員のひとり金城かつ子と、女の子としての魅力をあらそう仲になるが、嫉妬にかられたかつ子がマリーに迫り嘲笑するとマリーは男を雇いかつ子を襲わせる。かつ子は男の子を生むが難産で死んでしまう。マリーはこの子を引き取って女の子として育てているのだ。
そんな欣也の前に、美少女・紋白が現われ、部屋の外にある人生の新しい世界を教えようとする……。

舞踏メソッドを演劇に応用することを目的としているだけに、開演前のみならず、何か所もの場面で舞踏が登場する。が、もともと舞踏は情念の踊りであり、倒錯した美を追求する前衛的な踊りなだけに、こうした作品世界とのマッチングに違和感はないのだが、いかんせんその分上演時間が長くなる。おそらくオリジナル版より1時間近く長いのではないか。わかりづらいストーリーが更にわかりづらくなり、はっきり言って疲れる。
舞踏と演劇を融合させる中で、上演時間をどう短くしていくかが課題ともなろう。
椿説 三銃士

椿説 三銃士

エイベックス・エンタテインメント/クオーレ

ヒューリックホール東京(東京都)

2023/04/28 (金) ~ 2023/05/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/30 (日) 13:00

ジャニーズJr.のふたりがベテランたちに思いっきり胸を借りたステージ。おバカで笑える場面も多いが、国家を牛耳る存在を打ち負かせず、長いものには巻かれろ的な生き方しか出来ないもどかしさ、悔しさも表現した、奥の深いところもある作品でした。衣装がカワイかった。

舞台「遙かなる時空の中で3 Ultimate」

舞台「遙かなる時空の中で3 Ultimate」

High-position

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/04/23 (日) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/04/23 (日) 17:30

何年も前にたぶん見たことのある作品だが、中村誠治郎をのぞいて役者は総取っ替え?
終演後のスピーチによると、中村は15年前、27歳の時に(←わたしの記憶が正しければ)この『遙かなる…』に出演したことで役者の仕事が安定するようになったそうですが、この作品は若手の登竜門的な役割を今でも失っていません。人と作品に歴史感じた瞬間でした。

27日には『十六夜編』のほうも観劇。

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