最新の観てきた!クチコミ一覧

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いっかいやすみ

いっかいやすみ

ポッキリくれよんズ

シアター711(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。お世辞抜きに感動しました。脚本も演出もばっちしです。役者さんの声もしっかりとおり、滑舌もよく台詞回しも完璧でした。次第に伏線が回収されていって「ああ、そういうことだったのか!」というシーンがいくつもありずっと楽しめました。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/10 (水) 19:30

座席2列

フルタジュンさん二回目の観劇

講談スタイルのリズミカルでわかりやすい展開。

今回は講談ダブルス🎵
みなさま是非一回体験して欲しいです!
最高でしかない!

正三角関係

正三角関係

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/08/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

NODA・MAPの『正三角関係』を観劇。

 劇場に入ると人工的な匂いを撒き散らした熟れた花たちが咲き乱れていた。どうやら池袋芸術劇場が宝塚劇場に成り下がってしまったようだ。
その要因は勿論、松本潤が主演だからだ。

 いきなり殺気だった唐松族の三兄弟の長男・富太郎の登場に度肝を抜かされてしまった。松本潤の野田秀樹への作品の意気込みか?役柄への憑依か?この勢いがクライマックスまで続く事が伏線とは思えないが、野田秀樹の芝居では得る事のない熱量の芝居が続いていく。
 舞台は花火師・富太郎の法廷劇で始まる。父親を殺めようとした罪だ。
そこに次男で物理学者の威蕃、聖職者で三男・在良が絡んでくる。
法廷劇から事件の当日を二重構造にしながら、第二次世界大戦時期の日本とロシアの関係、アメリカとの戦争など踏まえ、終戦まで描いている。
この時期を題材にしているのは過去作にもあったが、敗戦と分かっていながら戦争を続けた日本を声高に非難しているのは間違いない。ただ描かれるのは市井の人たちである唐松族・三兄弟の話だ。
 花火師・富太郎の火薬が戦争に使われてしまい、花火を打てなく落ち込んでいる最中、恋人・グルーシェニカが父親に寝取られてしまい、憎しみのあまり父親を殺めようとしたというのが物語の発端だ。
親子で奪い合うグルーシェニカとはそんなに魅惑的なのか?
本当に富太郎の恋人なのか?否か?
はたまた実在するのか?
父親にとっても、富太郎にとっても、日本にとっても貴重な存在であるグルーシェニカだが、サスペンスにするかと思いきや、謎はあっさり分かってしまう辺りから妄想な世界へ誘っていくのだ。入った瞬間から始まる父親と唐松族・三兄弟の確執、アメリカを倒す為に原発を開発する威蕃、神の存在を信じる在良、と未だに続いている戦争への非難がはっきりと読み取れていく。
 長男・富太郎を描いている時は、国家に洗脳され、無理やり戦争に加担させれてしまう市井の人たちの側に立って見ることが出来る。
次男・威蕃を描いている時は、戦争に勝つ為に危険な兵器を開発し、相手を如何に倒すか?という日本国家側から見る事が出来る。
三男・在良を描いている時は、神から見た世界、人間同士の無駄な争いなど宗教を通して世界を見る事が出来る。
そこに気がつけはタイトルの『正三角関係』の意味が読み取れ、作家が毎作ごとに叫んでいるテーマに没入出来るのだ。残念ながらこのタイトルの意味を読み取れないと物語の半分も理解していない事になってしまう。
 今作はいつものように物語を撒き散らす事もなく、何度も観ているファンは、置いてきぼりを食う事もなく、スピィーディーさはさほど感じない。現代の時事ネタを織り交ぜ、言葉遊び、小道具の使い方などは健在だ。
ガムテープを使いながら、牢屋にしたり、電話のフックやハンガーにしたりと見立ての上手さは他の演劇人には真似出来ないだろう。当時開発されたばかりの録音テープの表現方法の美しさにはうっとりしてしまい、物理の計算式の羅列が背景に映し出されると、手前では理解し難い量子力学を人体を使って表現している上手さにはあんぐりと口が開いてしまったほどだ。人間の創造性と演劇の無限の表現力が交わる最高の瞬間でもある。
 そして今作の最大の注目は松本潤だと思われるが、実は長澤まさみだ。
既に過去作『The Bee』で演技力は認証済みだが、今作では遂に野田秀樹の分身になってしまったのだ。演劇人は自分の身代わりを登場させるのが常で、初期の頃は自分でその役を演じるが、とある時期から他者に委ねる傾向がある。それは宮沢りえであり、松たか子の存在であった。
長澤まさみの三男・在良の台詞回しは『夢の遊眠社』頃の野田秀樹とそっくりではないか!今作の最大の見せ場はそこだと言っても過言ではない。
宮沢りえや松たか子にはまだまだ追随出来ないが、完全なる演劇俳優になった記念的作品だ。
 チケット入手は困難だが、野田秀樹の初めて観る方にはお勧めである。







ANGERSWING

ANGERSWING

劇団Q+

駅前劇場(東京都)

2024/07/03 (水) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

スーウェイは観たが本体はお初。
作り込んだセット、弾き語りのオープニング、過去と現在が交錯する構成など、とても上質な作品だと思う。が、なぜか没入出来ず…
設定が日本ではない点、葬儀屋さんの存在も微妙、くしゃみの意図が分からず…
もっと強い怒りを期待してたのかな。

ノスタルジアの贖罪

ノスタルジアの贖罪

空想嬉劇団イナヅマコネコ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/06/29 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日観劇。
まだこれからなので多くは語らず。中盤までは微妙。しかし伏線回収の終盤は凄く良い!
結構泣けた。

詭弁師のレトラ

詭弁師のレトラ

演劇企画ヱウレーカ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/06/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最初、台詞が入ってこずヤバイかぁ〜て思ったけど、オープニングの構成に惹かれ、ストーリーも意外と分かりやすくて最後まで楽しめた。
観たことのない世界観でまるで詭弁で言いくるめられているかのようだった。
言霊、言の葉の具現化が特に良かった。

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ナンセンス…不条理…時間軸…
全く分からず…

ピンスポの演出と通路の芝居は面白かったけど…

シャッター・ガイ

シャッター・ガイ

梅棒

IMM THEATER(東京都)

2024/06/21 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

基本は台詞無し、ダンスだけで物語を紡ぐ演出におお!と。
話自体はありふれてるが、何か不思議な感動がある。
ダンス好きなら観て損はなし。
吉原さんのキレキレダンスに魅了され、HOUSEかじってる身としてはSHUHOさんを生で観れて満足。
ザンヨウコさんの多彩ぶり
凄い!

アトラスの姫

アトラスの姫

ロマングラス

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2024/06/20 (木) ~ 2024/06/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

物語の導入や語り部が時空を行き来するかのような展開、影を印象的に使った演出など、雰囲気ある作品。
タイトルから、重荷を背負った女性の生き方を描いていると受け取ったが、真の主題はそこなのかなぁ…と今でも咀嚼できていない。
が、継続して観ていきたい団体。

ト音

ト音

メディアミックス・ジャパン

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/06/13 (木) ~ 2024/06/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

あれ?藤と秋生、逆じゃね?という不思議な違和感からのスタート。
それでも流石の5454作品、春陽さん演出であっという間の2時間、最後まで楽しめた。

かなかぬち

かなかぬち

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/23 (火)公演終了

実演鑑賞

外波山文明が主宰する椿組恒例の夏の花園神社の野外劇も、今年39回で幕を下ろすという。はっきりとは言っていないが、たぶん地域の中でこのような興行に風当たりが強くなったからだろう。一方では、地域イベントが求められているのに、外波山としては残念なことだろうと思う。短躯の脇役俳優のどこにこの興行にこだわった原点があったか、小劇場らしい理由はいろいろ伝えられているが知らないほうがいいような気もする。
最終公演は中上健次の知られていない戯曲を青木豪が演出した2時間。雨が降って、緩めの満席だったが、例年通り、最後にはテントを開け、土の舞台では俳優と観客が飲むイベントも盛り上がったことであろう。当日パンフには過去の上演リストがあって、この本は和田喜夫演出で13年に初演している。39年間の個々の演目では、小劇場のスターたち(例えば、唐、寺山、野田)を外して、独自路線でテントで大衆観客とのつながり(言ってみれば新宿三丁目路線とでもいおうか)を求めようとしてきた。俳優も椿組の俳優だけでなく、飛び入りも歓迎らしく種々雑多な小劇場・新劇のの俳優・演出者が参加してきた。。
今回も、当日パンフに顔写真がある役者だけで四十数名、主演に松本紀保と山本亨を迎えて、南北朝時代の吉野の山中の異郷の住人かなかぬちを軸に権力からこぼれた庶民劇が展開する。歌あり、殺陣あり、メロドラマあり、白毛の巨大な獅子が登場するスぺクタルあり、の賑やかな祝祭劇的なシーンが次々と展開する.青木豪はよくまとめた。
助成金は出ているが、次に立ち上げるのは容易ではない独特の演劇界の夏祭りのフィナーレである。

群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 19:00

スタイリッシュなアングラ、スタイリッシュな月蝕歌劇団、と私が勝手に呼んでるユニットだが、スゴイものを見せてもらった。観るべし!(2分押し)106分。
 ルイス・キャロルのアリスの世界観と、ガロアの群論が絡む上に、2・26事件の革命的な雰囲気を交えて、壮絶な物語世界が展開される。高取英はハンパじゃなかった、と改めて思わされてしまうが、加えて、それを現代的に翻案しスタイリッシュな芝居にする森永にも脱帽するしかない。冒頭、私の押しである大島朋恵扮するアリスが登場するが、それだけで心を捕まれてしまう上、その後の展開のヴィジュアルがすごくてドキドキする。その後、東北の寒村の少女達が学ぶ姿が描かれ、アリスとよく似た雪絵(大島の2役)が現われ、2人の時代が混在する、…、というような物語。ルイス・キャロルとガロアを想像と勇気として対比する元の構成も見事だが、それを美しく作り切る森永の力量もスゴイと思う。数学の論文(っぽいもの)をクライマックスで使うことにもシビレタ。全編に渡って大島の魅力があふれていて大満足。

ゴールデン・エイジ【7月12日~15日公演中止】

ゴールデン・エイジ【7月12日~15日公演中止】

劇団俳小

駅前劇場(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この作品が戯曲として書かれたとは驚き。日本語上演においては明らかに独特の難しさがあるだろうし細かい場面も多いが、全体的にうまく捌けている。俳優たちの実力は高くその演技は見事という他はない。
駅前劇場の座席の椅子がかなり狭く、休憩を挟んで2時間半の公演を耐え抜くにはお尻が痛くてたまらなかった。

いっかいやすみ

いっかいやすみ

ポッキリくれよんズ

シアター711(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人生、いっかい立ち止まり考える時間と場所が必要、そんな特別な日を描いた物語。
チラシにあるような場所で偶然に出会った男女のほろ苦い思い、そのリアルな姿がちょっと切ない。登場する人物に料理人がいるが、その人が作るティラミスは<苦い>と評される。まさにその言葉を比喩としたような どうして苦いのか 得体のしれない不安や戸惑いが押し寄せる。

表現し難い感情、思いの距離感とでも言うのか、そんな曖昧で漠然とした気持を実に自然体に演じ観せる。また冒頭、男2人が何やら怪しく謎めいた会話から始まり 興味を惹かせる導入部、そして いつの間にか日常的な光景へ、その展開の仕方も好かった。何より この場所がどういう所なのかという設定が妙。
(上演時間1時間35分 休憩なし) 7.15追記

ネタバレBOX

舞台はリゾート地にある貸別荘 そのリビング。中央にテーブル、上手にビーチベット、下手はインナーバルコニーorテラスのような所に椅子、全体的にスタイリッシュといった感じ。上演前には海鳥の鳴き声、波の音が聞こえ海辺の風景が浮かぶ。

物語は、この貸別荘を契約するか否か判断するため下見(体験宿泊)にやって来た夫婦、そしてダブルブッキングしたカップルという2組、何とか商談成立させたい営業担当者(ベテラン-木村智之と新人-牧沙織)とその周りの人々が織りなす<休息劇〔⇦勿論 造語〕>といったところ。宮澤知宏・直美夫妻は、気持に微かなズレが生じているようで、それが修復できるか否か微妙な関係にある。特に妻は 夫が仕事に忙しく心に隙間を作っている。貸別荘はそんな夫との関係を見直すキッカケ、ゆったりとした時を過ごしたいと思っていたが、ここでも仕事の電話が…。
一方、予約手続のミスで同宿することになったカップル 相田悠木と福原美咲は、男より女の方が収入が多く、相田はデート代を節約するため体験宿泊(すべて無料)に申し込んだ。夫婦とカップルの契約に対する思いの違い、勿論 収入格差など嫉妬・卑屈・羨望などの感情を盛り込むことによって、一層 男と女の<気持>のあり様を浮き彫りにする。

冒頭、この貸別荘の契約をさせたい木村が、ここの清掃員 山内敏男に別荘(家)の前の持ち主であり、思い出深いと一芝居打ってほしいと依頼している。ミステリーを思わせるような導入が物語への関心を高める。また清掃員の妹?(劇中では木村の妹のようだったが、当日パンフの役名が山内葉子)が、レストラン勤務で心を病み この別荘へ逃げて来て…。皆なんらかの事情で<休みたい人々>が集まってしまう。夫婦、カップル夫々の関係の表面を取り繕いつつも、内に抱え発散できないモヤモヤした気持、その表現し難い感情を巧く描いている。また営業職にある者の焦りと苦悩、それをベテランと転職を繰り返す新人、この2人を対置させることで清濁を分かり易くしている。

舞台技術は、波の音や時間経過を表す照明の諧調。特に花火を連想させる音響・照明は効果的だったが、物語を強く印象付けるものは感じられなかった。
次回公演も楽しみにしております。
心の声など聞こえるか

心の声など聞こえるか

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 19:00

115分。休憩なし。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 14:00

125分。休憩なし。

春鶯囀

春鶯囀

Office8次元

シアター風姿花伝(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/11 (木) 19:00

Office8次元『春鶯囀』@シアター風姿花伝。
 初見のユニット。谷崎の「春琴抄」をベースに堀越涼がかいた脚本を寺十吾が演出した。スケールが大きく緻密に作られた芝居に圧倒された。観るべし!(3分押し)114分。
 基本は原作の流れは活かしつつも、鴬と雲雀を飼っていたというエピソードを広げ女優3人で演じさせたところは脚本の妙で、よく知っている展開に加えて、物語がふくらんだ。笑いが起こる芝居ではないが、タイトな演出で緊張感が維持される。美術や照明も見事だが、衣装が丁寧に作られているのが感じられ映えていた。
 古い知り合いの勝平とも子・木下祐子が出演しているが、勝平は琴の母を演じて大きな包容力のある役をしっかり演じ、木下は鴬を演じて物語に深みを与えた。2人はもちろんのこと、役者陣の充実も見事。特に、若い頃の琴を演じた米倉ゆいが16歳と知ってビックリしたし、存在感のある語り手役を演じた歩夢が初舞台というのも驚く。

心の声など聞こえるか

心の声など聞こえるか

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトル『心の声など聞こえるか』の意味を、観劇後に何度も噛みしめる作品だと思います。隣同士の二組の夫婦。両家の交流はほぼないものの、ゴミ出しのルールに関してのみ、意見の食い違いがあった…。

ネタバレBOX

隣家のゴミ出しに納得のいかない妻は、ゴミ出しを監視し、ゴミ袋を拾って帰り中身を検証する。大きくルールを逸脱していないことを自認する隣家の妻は、それら苦言や監視に辟易していた。やがて、ゴミ出しの件でしっかり話し合おうと、ワインを手土産に夫婦揃って隣家を訪れるのだが……。

二組の夫婦を演じた4名の俳優たちがキャッチーな存在感を放っていて、非常に見易い印象を受けた。劇作である以上、ややトリッキーな内容もあるが、現代を象徴する等身大の夫婦として、共感しながら見る人が多かったと思う。物語の展開も最後まで予想できず、興味深く観劇できました。

劇中には「現実」パートと「妄想」パートがあり、それらが交錯しながら物語は進んでいく。妄想にも、理想を練り込む登場人物もいれば、悲劇や自虐を練り込む登場人物もいて、そういう差異も興味深い。タイトルの「心の声」が何を指しているか?は複数の解釈ができ、そういう点もよく出来ていると感じる。シンプルな本音かもしれないし、願望や渇望かもしれない。劇中であまり丁寧に説明していない点が、全編への良いアクセントになっているように感じられた。想像する余地が残っていることが嬉しい。

あと、ラストシーンは良い意味で予想外でした。
かなかぬち

かなかぬち

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

威勢のいい演者たちに気圧されるよう席につくと、そこは独特の空間でした。何百年もの長い間多くの人々がお参りした場には、人を引き寄せる何かがあるんじゃないかなと思えてなりません。日が暮れて落ち着いた蒸し暑さや、照明に寄る羽虫の軌跡、都心の喧騒などが違和感なく受け入れられ楽しめました。どういった感情なのか推し量れない表情で禍々しく登場するアレはどこから来て、どこへ行くのでしょう。グローバルな都市の中心で境目が無くなる瞬間は、何かが終わったようでもあり、始まったようにも思えます。

TryAngle -その先に或るミライ-

TryAngle -その先に或るミライ-

演劇集団ふれる~じゅ

王子小劇場(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 14:00

<★チーム>を観た。初見のユニット。力量があるのは分かるが、なんかちょっとハマらなかった。80分(10分休み)74分。
 雑誌社でチーフのサトルは自分のチームがミスしたために、休暇を取らされ、元カノからの手紙を読んで、15年帰っていなかった田舎に帰る。不和の母親と、一緒に星を見た仲間達が残っているが、親友が意識が戻らないことになっていて、…の物語。ていねいにエピソードを積み重ねて物語を紡いでいるのは分かるが、なにしろ160分の長さなので、それ本当に必要?、と思う場面もいくらかある。役者陣はしっかり演技しているが、主人公のセリフ回しが私のテイストではなかったことも大きいかな、と思う。寂れた田舎だったら若い世代ほど出ていくだろう…、とか、展開もちょっとご都合主義が多い気がする。

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