最新の観てきた!クチコミ一覧

7481-7500件 / 182903件中
白眉濛濛

白眉濛濛

海ねこ症候群

王子小劇場(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/23 (金) 13:00

初見のユニット。女性3人の劇団のファンタジー作品。(3分押し)94分。
 3人で「劇団青い鳥」のような集団製作を目指したそうだが、興味深く観た。絵を描くことが好きなミソラが画商を名乗るツキシロに誘われオークションに出品するが…、という物語。現実には起こらないだろうな、という展開と演出や、突然歌やダンスを入れるあたりは、ファンタジーなんだなぁ、と思うが悪くはない。悪くはないが、焦点が絞れていない印象が残念。絵をフレームだけで示したり、独特の話し方の演出とか、気になるところは多い。
 直前に体調の悪い役者が出て、役を変えたり演出を変えたりしたそうだが、違和感はなかった。女性だけ、に拘った理由は知りたい。

兎、波を走る

兎、波を走る

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

野田MAP『兎、波を走る』を観劇。

新作である。

あらすじ:
不思議の国に迷い込んだアリスを探しに時代を彷徨うアリスの母親。そこに白兎が旅を共にしするが、迷い込んだ世界は現実と妄想が入り組んだ場所だったのだ。
果たしてアリスを探す事が出来るのだろうか?

感想:
アリスと母親と白兎。この三人は一体誰なのだ?という疑問を抱き続ける事が、テーマへと繋がっていく。『夢の遊眠社』が復活したのか?というぐらいに時代と場所と歴史上の人物が急展開に飛び周り、追いかけていくのがやっとだと思っていると『妄想』という言葉が追い討ちをかけてくる。
「そうかぁ〜、全てが伏線だったのか」と思ってしまうが、それが落とし穴になってしまうのが野田秀樹の戯曲だ。観劇後に「あれとこれはどういう関係だったの?」観客同士で述べ合う声は多々聞こえたが、伏線と捉えてしまうと大事なものを見過ごしてしまうのだ。
急展開する作品を「ジェットコースターに乗っている気分だ」と例える事もあるが、これほどの乗り物は過去にあっただろうか?というぐらいにアリス、母親、白兎の道行きには驚かされる。
社会に対する怒りは毎作品に感じ取れるが、その先には一体何があるのだろうか?
答えを少しだけ垣間見えてきたが、「今までにはないラストには驚愕だ!」
野田秀樹の新作はあと何本観れるのだろうか?という不安もあるが、
「こんな傑作を観ないのは勿体無い」
当然の結末

当然の結末

シベリア少女鉄道

俳優座劇場(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

順を追って見ていけば比較的わかりやすい伏線回収もの。98分。

ネタバレBOX

大事なストーリーの導入(10分)+召喚と退散のルールの植付け(40分)+アップデート&一部修正(40分)+ストーリーの回収(8分)みたいな感じ。昔の作品のように見てる世界が全く変わってしまうというタイプではなく、前半の苦痛ともいうべき話の展開は今作でも変わらないが、後半がそれを凌駕するほどでもない。
瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チラシからは想像できないシチュエーションでの会話が面白い。後日談もシュールな展開で、独特なユーモアのセンスが感じられた。桃尻犬のステージは久しぶりですが、これを機に、もっと頻繁に作品を発表してくれたら嬉しいな。

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

Pカンパニー

西池袋・スタジオP(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

いやあこれは私には難しい方の別役だ。何かそれらしいことを書いてみたいのだが「説明」にあること以上にはつかみ取ることができなかった。もちろん実際に観たのだから短い文章とは全く違う膨大な情報を浴びているはずだ。しかしそれを沈殿させ言語化することがまるでできない。
まあでも「わが町」も「ガラスの動物園」も観たことがあったのは演劇ファンとしての基礎ができているようで単純に嬉しい。

瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

 白と黒の天板付き骨組み箱馬2体を縦に組み合わせ連結した道具を出演者1人が1個ずつ持つがオープニングで並べられているのは2体のみ。天板の色は一体の上が白ならば、隣のもう一体の方は黒、一体の上下は上が白なら下は黒。2体並べられた時は隣の一体は上が黒、下が白。こんな所にもオシャレなセンスが息づいているのは舞台の醍醐味だ。出捌けは上手奥の袖と下手ホリゾントに設えられた幕開口部の2カ所。基本的に素舞台。この条件から、内容は、役者陣の演技、演出の良さ、会話劇の仕上がりの良さに依存していることが分かる。華4つ☆

ネタバレBOX


 物語は2パートに分かたれ、柔らか目な表現で進行してゆくが設定は可成り特殊である。神戸に在る遊園地の大型遊具・フリーフォールの類で事故が起こった。利用客は既に4時間地上50mでストップしてしまった遊具の支持機構に支えられた状態である。
一組の男女カップルが何か話している。無論、脚本の展開はおしゃべりしている場面から始まる。男の方は前向きであるが、女の方はやや別の何かに気を取られているような感じを受ける。暫くすると肩口に取り付けられた何等かの器具が意味する所がハッキリして来、上に述べた状況であることが観客に伝わる。実はこのカップル、瀬戸内に面する地域に住む男の実家へ行く途中なのである。ところが本来結婚に繋がるハズの男の実家初訪問は、真逆の結果に終わる。この経緯が暴かれる過程が、新たに登場する他の登場人物(同じフリーフォールに乗っていた客と遊園地従業員)との対話によって明らかになる。そこにはシリアスな破綻を揶揄するかの如き効果を発揮する笑いの種もふんだんに仕込まれているが、どこで笑うかは観客の知的位置や想像力の質に拠るのは無論のことだ。何れにせよタイトルに直接通じるのはカップルの結婚話が無に帰した3年後、振られた男の地元で起きて居た状況を描くシーンに継承されてゆく。この顛末がどうなったかについては上演中のことなので明らかにしないが、蟲師とは古来陰陽師などとも共同し蟲を用いた呪術等を担っていた。そして使われる蟲たちは、元人間だったと考えることができるような内容でもある。蟲にされる前に獲物とされた人間はダウンサイジングが施されるのだ。子供なら本当に怖がる恐怖を実際に感じられる。

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2023/06/20 (火) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

当然の結末

当然の結末

シベリア少女鉄道

俳優座劇場(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

近代能楽集 

近代能楽集 

演劇集団Q

同志社大学・新町キャンパス 新町別館小ホール(京都府)

2023/06/23 (金) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

満足度★★★

らしい作品
最初のころは、良い意味合いで不思議な劇団と思っていたが、最近は理解が少しできるようになった
あの照明はいただけないけど、それなりだった

瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

登場人物達の置かれた状況がとんでもなく面白い!
生で観劇しているからこその緊迫感から一時たりとも目が離せない
のに加えて、そこからポロポロこぼれ落ちてくる人間性の妙味を思いっきり堪能できてしまう仕組みがもう天才的
こんなに人が困っているというのに笑ってしまって良いのだろうか…と思うくらい、ヤバい!人間というものがあまりにも面白過ぎる

“蟲使い”というキーワードは特に後半から生きてくるのだけれど、もうその頃には妙ちくりん能力もすっかり受け入れ態勢モードに
あぁそうなったか、そうか、そうなっちゃったかぁ…申し訳ないが、可笑しい(笑)
この公演自体が舞台空間の空気感を自在に操ることのできる”空気使い”だったのではないかと思えてくるほど鮮やかなシーンさばきの“瀬戸内の小さな蟲使い”ワールド

老若男女、全タイプの観客が固唾を飲んで楽しめる全方位型エンターテイメントでした、力強くお勧めします

舞台「Go Forward!」

舞台「Go Forward!」

舞台「Go Forward!」製作委員会

かめありリリオホール(東京都)

2023/06/16 (金) ~ 2023/06/22 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

HPくらいは読んでいくつもりがバタバタしてしまい、前知識ゼロで行ってしまいましたが単純熱血青春もので楽しめました。
ラグビーはサッカーやテニスと違ってそんなに球が遠くへ飛んだり早かったりしない(多分)ことが多いらしくて、本物のボールをパスしたり転がしたり。みんな新入部員ということでルールなども観客も一緒にレクチャーしてもらって分かり易かったです。7人制の試合のラグビーもあると知りました。機会があったら見に行きたいです。
舞台の高校生たちも個性的で応援したくなりました。
かめありリリオホールは通路から後ろの階段席の段差が大きいので、前の人が邪魔にならなくて良かったです。
最近は千秋楽が平日の公演が増えているのでしょうか。しかもマチネなので人の入りは少し寂しかったです。

恋するアンチヒーロー

恋するアンチヒーロー

イルカ団!

上野ストアハウス(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

笑い興奮の坩堝、熱狂的なファンが支えるコメディ作品。理屈っぽいことなし、肩の力を抜いて そう脱力して観👀よう。
🆎両チーム観劇したが、コメントはまとめて記す。

世界征服を企む悪の組織、その戦闘員がカフェの店員に恋をした。しかし 彼女は正義のヒーロー戦隊の大ファンという ありがちな物語。何故か悪の組織がヒーローをやっつけるという逆バージョンの痛快娯楽アクションが見どころ。弱いダークヒーローが圧倒的に強いヒーローの それもリーダーのガルレッドに立ち向かう。愛の力は本当に強くしてくれるのか、彼女の心を捉えることが出来るのか、ドキドキハラハラというよりは 面白可笑しい展開に思わず楽しい~と心が弾む。

弱いダークヒーロの強みはお互い〈仲間〉の思い遣り、その協力する姿に<力>が漲る。一方、独善的に(1人で)戦うガルレッド、圧倒的に強いが いつの間にか浮いた存在へ。やはりチームワークの大切さ、ガルレッドの いざとなったら一般人(自分が好きな女性=美樹)をも傷つけるという卑劣な行為。ゲーム感覚を取り入れた 分かり易い展開、本来の勧善懲悪的な設定を逆にして小笑・爆笑を誘う。
仕事帰りの疲れた神経を癒してくれる、あ~愉しい。是非とも💨
(本編1時間30分、カーテンコール兼舞台転換10分、アクション編<ファンサービス>15分)

ネタバレBOX

イルカ団!は、「Q.T!!!」で第34回池袋演劇祭「豊島区長賞」を受賞するほどの実力。この公演は笑いというサービスで楽しませることに徹しているが、作品ごとに その観せ方というかポリシーをしっかり示しており、幅広い創作に魅力を感じる。

さて 本公演、舞台美術はカフェ店内…壁にはポスターが貼られ、上手奥にカウンター、上手 下手にテーブルと椅子がいくつかあるだけのシンプルなもの。勿論アクションをするためテーブルと椅子だけで、壁際に寄せるだけで中央にスペース。

悪の組織「シャムニャーン」の戦闘員 真中はカフェの店員 菜々に恋をしたが、彼女は正義の戦隊「ガルルンジャー」の大ファン。仕方なく 真中は休んでいるガルルンジャ-戦隊の1人である<ガルグリーン>だと嘘をつく。そこへガルルンジャーのメンバーが現れ混乱・隠蔽・誤魔化しなど、そのドタバタ滑稽さが笑いの渦を作る。

【A】チーム ★★★
ガルレッド(中村龍介サン)とシャムニャーンの怪人ヘルタイガー(大地翔護サン)を演じた役者の体躯のよさ。その存在感と圧倒する圧力が凄い。そしてマドンナ的なカフェ店員 菜々(板野成美サン)とは違うコメディエンヌ的な美樹(はぎの りなサン)、奇抜な化粧に嬉々とした振る舞いを 実に生き活きと演じている、というか楽しんでいるような。
【B】チーム ★★★
アクションのスピードとキレ、バク転・側転、ジャンプといったダイナミックさで観(魅)せる。それだけにドルオタ的な観客も多く、ケミカルライト、デコ団扇があちらこちらで…。その応援に応えるかのような熱き運動量が半端ない。特にガルレッド(渡辺隼斗サン)、ガルブルー(川合立統サン)の動きはシャープだ。

公演の魅力は、分かり易い笑いとアクションという両輪。それが上手く噛みあって心地良い癒しとちょっとした緊張感という場を作り出している。演出はアップテンポな音楽、アクションを支える効果音、情景の変化を印象付ける照明の諧調が巧い。案内をいただき観た回は無料、こんな楽しい公演が只(ロハ ⇐死語?)とは…。
次回公演も楽しみにしております。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シアターミラクルさん。長年のエンターテイメントをありがとうございました。
また、場所を変え継続されることをお祈りいたします。SF的な締めはいいね。

キューちゃんは僕を探さない

キューちゃんは僕を探さない

projecttiyo

元映画館(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

未見の団体、元映画館も初めて。
ダークファンタジー系にして心象劇のよう。なかなか手強い観せ方をする。かと言って見巧者向けという訳でもない。

説明にあるピアノを擬人化し、永い旅物語を抒情的に紡ぐ。少しネタバレするが、キューちゃんとは擬人化したピアノの名前というか愛称。そして僕との対話を通して生と死、自然摂理、食物連鎖といった漠然とした心の彷徨が始まる と思うのだが…。そこに第三者もしくはキューちゃん との因縁があるモノが絡み、今いる空間(部屋)と外の世界が歪に捻じれ狂気を孕んだ様相を見せる。

会場は元映画館、その構造を巧く利用した観せ方によって違った感覚(劇中劇)に陥りそう。いや そうかもしれない といった物語の結末がふわふわして つかめない。敢えて そう観せているのか、脚本(内容)が未消化なのか、または自分が解らないのか、その意味で手強い。
(上演時間1時間25分 途中休憩なし)
♪北 みれい さんver♪

ネタバレBOX

舞台美術、冒頭は黒いビニールシートに覆われた堆いもの。上手壁は映画館のスクリーン、下手はカウンターがあり黒電話が置かれている。スタンドライト等、いくつか形状の異なる照明器具が暖色を灯している。天井にはシーリングファン。

物語は3人の男女(ひろ、太郎、あい子)が或る部屋に忍び込んで、黒ビニールシートを叩き 中のモノを壊すところから始まる。壊したのはピアノ、それ以外に取り出したのは、ソファ・ローテーブル・椅子、それらをリビング風に並べる。同時に白い衣裳の少女が現れる。少女は ひろの祖母が大事にしていたピアノの生まれ変わりという。本当かウソか 信じられない話に戸惑う3人、そこへ塚井という人物が現れ不思議な話をし出す。ひろ(田山陽大サン)は 太郎(斎藤大學サン)とあい子(三木沙也香サン)が買い出しに行っている間に、ピアノの脚を1本焼いた。供養の意も込めて焼骨したという。

塚井曰く、ピアノは もとは羊(ヒツジ)で、その昔 雌狼のために一本の足を与え、狼は飢えをしのぎ越冬して子を産んだ。羊は三本脚のピアノに産まれ変わり、今また二本足の人間に生まれ変わった。姿かたちは変われども魂は生き続ける。そして塚井は助けられた狼だという。輪廻転生といった印象、人間の3人はキューちゃんに言葉を教えるが、その中で食事の時に「いただきます」…尊い<命>を頂くのだと…。
*羊(4本足)⇨ピアノ(3本足)⇨人(2本足)

キューちゃん(羊)、塚井(狼)とも異なる行為、そのため自然界から見放され孤独な世界へ…彼女らに関わった人々も異常な世界(狂気)へ。神の仕業か精霊の悪戯か?正常な場所は この部屋だけ、ここから出られない。主体的に選択判断できないボク(ひろ)は、どうするのか?ひろ とキューちゃんがソファに並んで座った時にスクリーンに生命・自然界をイメージさせる映像が映る。映画館で映画を見ている二人 その劇中劇と思ったが、さらに物語は続く。ひろは祖母が嫌い、いや正確にはピアノが嫌いだったよう。まさかピアノに<魂>があろうとは想像だにしなかった。人(キューちゃん)は壊(殺)せないが、動物やモノは簡単に…寓話か。

キューちゃんは白衣裳、塚井は黒衣裳で前世イメージ、薄暗い室内に暖色の照明が柔らかく灯る。音響は外世界の狂気と乱舞のような騒音。そんな中で塚井(春日紗矢子サン)の美しい歌(声楽)が聴き所。因みに観た回は、楽器(ピアノ)の音量と彼女の声量がアンバランスで、せっかくの歌声が聞きにくかったのが残念。演出は幻想的であり、その雰囲気作りは巧い。演技は手堅くキャラクターをしっかり立ち上げている。特にキューちゃんを演じた 北さんは純真な赤ん坊の演技が愛らしかった。
全体的に好印象なだけに、結末が今一つなのが惜しい。
次回公演も楽しみにしております。
点滅する女

点滅する女

ピンク・リバティ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

不思議な空気のある新人の舞台である。初見の劇団。
ホームドラマに幽霊を出すという手はもうノエル・カワード以来、出尽くした手だし、ホームの事情もよくある話、蛍を最後のクライマックスに持ってくるのも、もう何度も見た芝居の設定なのだが、いつのまにか2時間、持ってしまう。
たぶん、これは舞台の独特のテンポにあるのだと思う。ほとんど従来の序破急の劇的構造による進行に頼ることをしないで、ひとつひとつ確認するように事件が進んでいく。そのテンポに乗ってみているうちに不思議なリアリティが舞台に生まれてくる、この他愛もない世界が、実は「現代の社会の中で失われた家庭」であることが解ってくる。作者はこのことについて劇中で、なくもがなの短い家族論の演説を試みるがそんなモノはなくてもいい。
長い歴史のある演劇の世界では、「はじめて」と言うことは、貴重である。ことにこの作品は、戯曲、とか台詞、役者、美術など具体的、固定的なモノでなく「独特の芝居の空気」
だから、霧散するのも早い。次回を見るのが怖いような公演だった。


ネタバレBOX

野田秀樹も岩松了も前川知大も自分だけの独自の空気を舞台から失わないために、大きなエネルギー、と知恵を使っている。それを見る観客がいるから、彼らは続けられるのだ。作者頑張れ!
キューちゃんは僕を探さない

キューちゃんは僕を探さない

projecttiyo

元映画館(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団初見。この劇場も初めて(迷いました)。ちょっとキュートだけど、ダークなファンタジー。割と入り込みやすい世界観でしたが、ラストは分かりにくいなー。劇中歌よかったです。

当然の結末

当然の結末

シベリア少女鉄道

俳優座劇場(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団初見。あらすじ程度しか知らずに観に行ったのですが、こんな話だったとは。それなりに楽しめましたが、ちょっとビックリですね。ゲームの知識がもっとあればよかったのかな。

当然の結末

当然の結末

シベリア少女鉄道

俳優座劇場(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/22 (木) 19:30

 あらすじを読んだだけでは、何のことやら正直さっぱり分かんなかった。何がやりたいのかとか、大体どういうジャンルでどういう内容で、どんなメッセージを伝えたいのかとか、全く予想がつかず、想像も出来なかった。
 さらにチラシのイラストも劇を観始めてから分かったことだが、劇の内容と直接あまり関係がないことが分かってきて、良い意味で二重三重にしっぺ返しを喰らったような気持ちになった。
 さらに、劇を観終わった後にイラストが載ったクリアファイルのなかに入っていたネタバレ注意の紙の内容を読んで、劇が始まる直前に主要な役を演じるはずの5人の役者が降板になったので、代役の5人に出てもらうことや、機材トラブルといったことで、開演時間が予定より3分遅れて本編が始まったことの奇想天外な理由や状況を飲み込むことができた。

 劇が始まると、同棲と言えば聞こえは良いが仕事もせず家でブラブラしているニートで減らず愚痴だけは一人前の駄目人間半間真人と、恋人で仕事も家事もこなす人吉ひと美との噛み合わない価値観や倫理観、こだわりの違い、趣味の話などでの絶妙にズレていく会話や、時々挟まる独白と言うにしてはラジオがかなり大きめの音量でかかったような心の愚痴を代弁する独白と、とにかくコミカルでテンポ良く、自然と笑えた。
 メインは家族の話なはずなのに、劇の最初のほうでゲームのRPGの話があったからか、世界の終わりが来たらどうするといった話があったからなのかは分からないが、腹違い?の妹入来一恵を除いて、ひと美の父がドラキュラ伯爵であるのにその場に居合わせた全員その異常さに気付かないどころか、普通に話していたり、ニートの半間真人の浮気相手間島茉優花が明らかに蛇女なのに誰も気付かなかったり、ひと美の元恋人が人食い鮫ジョーズ人間だったり、半間の元働いていたバイト先の店長マイルスのマスターがRPGのファンタジー又はアドベンチャーゲームによく出てくるゴブリンであったり、謎の男·松島は植物人間(本当にそのままの意味)、そして劇の最後のほうに出てくる最後の客人·丸山は腰の低いUber Eats店員だがどう見てもダンジョンに出てきたら確実にラスボスな不気味な王髑髏人間と、個性豊かどころか、異物が居座っているのに、驚いたり、恐怖に慄くどころか、それらをも日常の一環として生活に埋没させ、平静に対応している感じの奇妙な間や、あまりの同時無さに呆れ、また大いに笑えた。
 また、最後のほうでは、それらの怪物どもに弱みや嫉妬に付け込まれて襲われ、この世から半間真人や入来一恵が消えるが、人吉ひと美が半間真人との一緒にアニメ映画を梯子したことや一緒に夢中になったRPGゲームなどの良い思い出話をする度、怪物が一人、また一人とさり気なく撃退されていくという、良かった思い出話によって怪物を倒すというやり方が新鮮で、斬新で良かった。
 劇全体としても不条理やブラックユーモアが光っていて、家族の話や金銭トラブル、浮気問題に元恋人との関係性など、盛り込んでいるテーマを普通に演ると真面目で救いようがない苦虫を噛み潰したような悲劇になるところが、怪物を日常の延長線上に入り込ませることで、ユーモアが生まれ、どうしようもないほどくだらなく、それでいて憎めない仕上がりになっていて大いに楽しめた。

 間島茉優花役のアイドルラフ×ラフというグループの現役リーダー齋藤有紗さんは、間島に扮しているときはアイドル感が抜けきれていないものの(まぁ、天真爛漫で純粋無垢、ハイテンションな感じのキャラなのであっていると言えばあっているが)、蛇女の本性が現れてくる劇の後半では、豹変しつつ、可愛らしい名残も残しつつという感じで、その独特な感じはお見事だった。現役アイドルでもここまで出来るのかと、その役者としての素質に感動してしまった。
 半間真人を演じたラブレターズというお笑い芸人の塚本直毅さんは、こういうひねくれていて、屁理屈だけは一人前、かなり面倒臭い無職のニートをその辺にいそうだなと観ていて思わさせられた。芸人だけれども役にあまりにもその駄目人間っぷりがハマっていて、上手いと感じた。

 ただ、時々『シベリア少女鉄道』という劇団のファンによる内輪受け的な雰囲気が見受けられたのが、かなり気になった。

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

Pカンパニー

西池袋・スタジオP(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この2作品をカップリングしたのはなるほどと思わされる。テーマも共通しているように思えるし、いずれも独特の魅力を持った美しい作品。あらためて別役実はすばらしい作家なんだなと思い知らされた。

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2023/06/20 (火) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

熱気がありました。

ネタバレBOX

とても熱かったです。エネルギーが漲っていました。4人の個性と個性のぶつかり合い、熱のこもった会話の応酬に魅せられました。話の本筋、軸がぶれていくのですが、そこがなんとも、おもしろいです。中盤の少し落ち着いたやや静の場面、大山金太郎と恋人扮する婦人警官のやりとりは、冗長に感じて染みました。しかし、後半の熱量の高まる展開に単なる一つの殺人事件にとどまらない奥深さを強く感じました。

このページのQRコードです。

拡大