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群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「不思議の国のアリス」を戦前日本に設定を変えて翻案した話をベースに、数学者にして革命家だったガロアを絡めて、緻密に織り上げた脚本である。
耽美な世界を作っていた。客演に申大樹の姿が。貴族紳士風なビビッドな役どころに嵌まり、キャスティングの妙という所もあるが、私的には何より耽美的で哀切さや混沌の世界観に包み込む楽曲が良かった。凡そ三つ程の相の異なる楽曲(歌付きのもあり)がドラマの風景に変化と情趣を色濃く与えていた。
ザムザ阿佐谷の舞台をやはり縦に高く使い、動的にもダイナミックで躍動感がある。装置や小道具で「不思議の国」感を醸し、人物たちのキャラも寺山修司世界に通じてシュールを体現。高取英戯曲は三本目。

カズオ

カズオ

世田谷シルク

アトリエ春風舎(東京都)

2024/07/13 (土) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久々の世田谷シルク。とくと見せてもらった。永井愛の本作は今回初めて耳にしたが初期の作品のよう。二人芝居に書かれた脚本ではなく、二人が入れ替わり立ち替わり登場し、秀逸な演技を繰り出す。その様が気持ち良いが、体調により睡魔が邪魔してストーリー把握はおぼつかなかった(視覚情報が薄くなるのを二人は人物を十二分にカリカチュアしてくれてはいたのだが)。楽しい芝居である事は分かったのでリピートできたならもう一度観に行ったと思う。
一つ、核となっているのは「カズオ」という存在が、登場人物ら(女性)にとって恋慕と依存の対象であり、女性の悲哀、滑稽さを自虐的に描いた作のようであった。金だけ貢いで捨てられた事に気づかない女・・等。。
戯曲は書籍として出版されており、どこかで入手できる可能性はある。読みたし。

氷は溶けるのか、解けるのか

氷は溶けるのか、解けるのか

演劇プロデュース『螺旋階段』

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見応えあり。点描式に展開を伝え、くどい説明に走らず、最後には素朴かつ強い人間ドラマの構図を残す。1時間20~30分。他の書き手ならもう一つ二つ書き加えておきたくなりそうな所、ストイックに終わらせた。点描のイメージは周囲が闇に説ける劇場空間、照明のワークによる所も。
神奈川を拠点に精力的に活動する『螺旋階段』主宰による作演舞台を先般観た所だが、舞台の色をガラッと変え、クオリティを維持して実現していた。今日で終わってしまうが地元の方は是非目にして頂きたい。そして今後も注目である。

ネタバレBOX

突っ込み所、というか、疑問を残す部分はある。子どもが生まれて以降殺伐とした夫婦生活(夜の、でなく)が描かれ、ある時など毛虫のように夫を嫌い、酒に頼る妻がグラスに入った氷を亭主の顔にぶつけるシーンもある。子どもが生まれた後、子育てが不得意な妻が「求められる水準」に至れない事に、なのか、子どもへの愛情そのものが持てない、のか、それは夫との関係に起因するのか、と来て、しばしば特徴的に切り取られる妻の両親との関係(娘に対し何かと話を持ちかけ、干渉する)がどう妻に、夫婦に、影響しているのか、に疑問が移る。その答えは、作者なりに持っているのかいないのか、という所で、少なくとも「芝居的には」それを説明する必要は無いと判断されている事を感じるものの、気になる。夫婦が仲睦まじく新居での生活を始めた頃、賃貸でなく持ち家の方が良い、将来的にも、と両親は自分らの援助を申し出て、移ったばかりの新居から転居する事となる。(この両親は、訪ねた夫を拒絶する終盤の場面以外には、「夫婦に」ではなく常に「娘に」話をし、夫婦の選択を変えさせる、というやり方をする。)
妻が両親の説得に(その場面では娘は殆ど反応をしない描写になっているが)応じ、笑顔で夫を説得するのだが、不仲になった時点でこれをなじる材料にする。妻が夕食を作らないので夫は夕食をコンビニで買って来たが、これ見よがしにと妻は切れ、少しは自分で子育てをやってみなさいよと言い、「俺は毎日仕事を」にかぶせて自分のお陰で生活が出来てると言いたいわけ?と絡み、この家を買えたのは私の両親のお陰でしょ、と突きつける。そして顔も見たくない、と奥へ引っ込んで行く。
理不尽な主張、言ってもいない非難を言ったと相手を悪者にして自分の非を認める事ができない妻と、夫の関係とは、元々愛のない結婚だったのか?といった憶測が生まれる余地がなくはない。そして一度実家に戻った娘に対し、両親は「あなたには子育ては向いてない」「あの結婚には反対だった」と娘をもディスる言葉さえ吐く(毒親だったのか..)。そうした両親には、経済的には感謝しながらも反発を抱える部分が妻にもあって、これは親離れ(子離れも)が出来なかった家族の病理が「正常な夫」を襲ったという話なのか、それともそこに描かれていない夫の「子育てへの無頓着」というよくあるケースを土台にした話なのか、そのあたりは判然としない。
だが、ストーリーは進み、夫婦喧嘩を嫌った5歳の息子は夜家を飛び出し、工事現場にもぐり込んで穴にはまって溺死する、という展開があり、芝居ではその工事を担った土建業者(亡くなった親方の遺志を継いで新たに会社を立ち上げた)とその関係者の人間模様が、片側で描かれている。
冷め切った夫婦と、建設業者に繋がる面々とが、不幸な事故で接点を持つが、ドラマの焦点は、土建会社で働く従業員の「友達」が夜中酔っ払って工事現場の看板を蹴り倒したと聞いたその妹が、子を亡くした夫を頻繁に訪ねて行く、という奇行の方に移って行き、じつは自分も子どもを(お腹の中で)亡くした心の傷を持つ妹が、衝動的に相手に入り込んで行く様が最終的には感動をもたらす。
従って夫婦関係の「実際」はカッコに括る事が許される。のではあるが、夫婦の再生への希望を捨てていない事を最後に妹らに告げる夫が、叶わない希望にすがっている(過去にしがみついている)のか、実現不可能な事でもないのか、は重要だ。
芝居は娘(妻)側の揺れも切り取っており、可能性をほのめかすが、それは親との決別を意味するのか・・。子育てから解放されたがためにその葛藤が焦点となる事はないが、逆にその過去の傷を夫婦が顔を合わせる度に触り合うこととなる以上、どちらかが(あるいは両方が)自らの非を改める、という形でしか再出発はあり得ないのではないかと想像される。そこでこの夫婦関係にあった問題の本質が何だったのか、が気になって来るのだ。もちろん、そこには「あらゆるケース」が代入できる、という事で良いのかも知れないが。
そうした事から、作家としては「もう一つ二つ書き加えたくなるのではないか」、と想像してしまった。私てきには、あの無責任な親たちに復讐したっていい。皆それぞれ精一杯やってるのだから無碍に扱わなくとも、、とは普通の反応だろうが、今の日本を思うと、決別すべき事とは決別する、という姿を見たい願望はある。
ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-

ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-

Bunkamura

THEATER MILANO-Za(東京都)

2024/07/09 (火) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/27 (土) 18:00

歌舞伎町らしいダークエンターテイメントで面白かったです。
美術や照明も良かった。

青春の価値 プリズムエモーション

青春の価値 プリズムエモーション

劇想からまわりえっちゃん

Studio twl(東京都)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/27 (土) 14:00

青春を精一杯に表現しながら、思いっきりオモシロでまぶしてしまう感じが良かったです。
相変わらずの熱量で面白かった。

べらんだぁ占い師シゲ子

べらんだぁ占い師シゲ子

四宮由佳プロデュース

新宿スターフィールド(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全体的には面白かったのですがもう一波乱、ふた波乱有ったら尚、良かったです。

氷は溶けるのか、解けるのか

氷は溶けるのか、解けるのか

演劇プロデュース『螺旋階段』

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

子供の事故死という重い題材に、登場人物たち各人の正義で、思惑や行動がぶつかり合う。誰が正しいとか、誰が悪いとかではなく、これが現実か。観ている側は誰に共感するかで見え方が変わる舞台でした。90分と少し短めで、余韻とその後を想像させる終わり方。ただ、個人的にはやや各人の背景が伝わりにくいかもと感じた。

氷は溶けるのか、解けるのか

氷は溶けるのか、解けるのか

演劇プロデュース『螺旋階段』

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

良かったです。

いとしのヒナゴン

いとしのヒナゴン

千夜一夜座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

謎の類人猿「ヒナゴン」を主軸にした心温まるストーリーでした。
合併問題、過疎化、選挙問題等、考えさせられる所も多々ありました。
役者さん達の熱演は総じて良かったのですが、舞台の質を下げてしまう出演者もいたように感じました。
優しい良い舞台でした。

瀬沼さんのことを誰も知らない

瀬沼さんのことを誰も知らない

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
笑いを交えながら、でも切なくて温かい素敵なストーリーでした。
癖の強い登場人物は、皆、愛すべきキャラクターで、役者さん達の演技も良かったです。
そして瀬沼さんの破壊力、何とも言えない魅力がありました。
良い舞台でした!

季節の変わり目に

季節の変わり目に

刹那のバカンス

STAGE+PLUS(大阪府)

2024/07/20 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
昆虫食主流の数十年先の日本で、時代遅れの日本料理店店長とバイト、AI、ボランティアとの噛み合わない会話
からの…証される事実と師弟愛!

ホワイエや小道具等々、こだわり満載、刹バカさんの世界感、面白っ🤩

アフタートークも愉しめた😆

蕗のしたのクル

蕗のしたのクル

でめきん

布施PEベース(大阪府)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

妖怪が見える旭陽は嘘つき呼ばわりされるが…
コロボックルのクルと出会ってから、友達や家族と向き合ってゆく?!

オーブニングアクト、良かった。
結局、珠はどうなりたいのか?
気になる🧐

物の怪との穏やかな日々、良いなぁ💕
心ホッコリ🥰
面白かった🤩

飛華咲け ~龍の福音~

飛華咲け ~龍の福音~

本若

AI・HALL(兵庫県)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
春の文化祭での予告編から気になってた💕

人に裏切られ眠りについた白竜、そして一人残された黒龍…
600年の眠りから目覚めた双龍が思う事は…

人と龍の関わりの描き方が本若さんらしく、面白かった🤩
殺陣も見応えあって👍
愉しかった😆

氷は溶けるのか、解けるのか

氷は溶けるのか、解けるのか

演劇プロデュース『螺旋階段』

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 べし観る! 華5つ☆

ネタバレBOX

 オープニング時、飯場で響く重機の音、掘削音。その騒音の中、測量用の緑板やカメラを抱え現場に大声で叫び声をあげているのは、大峰興行社長の大峰隆平。然し工事の騒音で喋りかけている相手には殆ど通じない。が、ややあって社員の白神篤紀が社長の傍迄やってくる。然し彼の話す言葉も全く聞き取れない。そんなシーンが掴みとして提示される他、篤紀の母で経理・事務を担当する白神ゆかりが役所に提出しなければならぬ書類を持って自転車で登場するもいくら声掛けしても工事の騒音に邪魔されて届かない。業を煮やして体当たりと笑いを誘うなど掴みは喜劇ペース。
 板上センターには工事現場の立ち入り禁止フェンス。フェンスにも、路面に置かれた立て看板にも立ち入り禁止の文字が記されている他、上手には矢張り立ち入りを禁止する為のロープが張られ、コーン等も置かれている。オープニング早々、駆け込んで来た駿介が立て看に躓き倒してしまうが、そのまま通り過ぎる。
 この後場転。ホルモン焼き屋・たかまつの店内。この日は、大峰興行旗揚げの日。先ず登場する主な人物を改めて説明しておこう。大峰興行で経理・事務を担当する白神ゆかり、息子でこの会社で働く篤紀、篤紀の高校時代の同級生で腐れ縁、冒頭で立て看を倒した鏑木駿介、その妹瀬里奈。瀬里奈は兄に飲み代を届けに来たのだが、この日は新会社設立と大峰隆平の社長就任を祝っての飲み会とあって誘われ飲み会に加わる。物語は大峰興行関係者と会社創立6年目に起こった事件(工事現場の水溜に落ちて亡くなった5歳の古清水孝介くんの父母・徹及び朱里と祖父母・佐倉井剛・朋子らが織りなす子を失くした親の余りに深い哀しみと内省に欠け剣呑な母と娘(朋子と朱里)がその本来最も大切な人に与える悪影響。無責任で無根拠なSNS社会のネット情報が事件当事者達に与える諸影響、書き込みをする人々の悪気はない場合も事実確認を怠ることによる誤認と誤認情報の拡散によって実害を被る者達の有様が硬軟綯交ぜて紡がれる。当事者のうち子を失くした親として最も深く傷ついていると考えられる朱里は、然し乍ら自らの不明を内省によって気付くこともできない愚か者であるが、深層心理では自責の念から逃れる為に他者に責任を転嫁しようとする。これは、母親・朋子の軽率な判断に影響を受けていると考えられる。2人に共通しているのは先にも述べた通り内省出来ないという点である。事故であるから直接責任は無いものの、矢張り,胎児を流産で失くしたことから母として産んでやれなかったことへの無念や遣る瀬無さを抱えた瀬里奈は、兄が立て看を倒した後、直しもせずにその場を去ったことが事件の一因となったかも知れないとの念から古清水夫妻の痛みを何とかフォローできないかと様々な手を尽くすが朱里は自らの非には目を瞑り他者に責任転嫁をするばかりなので齟齬は決して埋まらない。このような朱里に対し夫・徹は瀬里奈の心遣いに感謝はするものの未だ息子を死なせたトラウマからは立ち直れていない。朱里の性格は先に挙げたようにその母・朋子の影響がありそうだが「見た目が総て」と言い張り恬として恥じないプチブル・佐倉井夫妻で手綱を握っているのはあくまで母・朋子だからであり、父・剛は一種のオームに過ぎない。無論、このように役柄による嫌悪感を演じている役者に対して観客が抱けるのは各々の役者が、役を生きる演技を心掛けているからである。
 そしてこの劇団の実に上手い処はラストシーンである。物にスポットライトを当てることで物を象徴として機能させるのだ。
 ラストシーンはグラスにピンスポを当てる。無論入っていた飲料は飲み干されている。自分は老齢で既に多くの眼疾を抱えている為、グラスに氷が残っていたか否かを視認できなかったが、物語の内容からは氷は残っていると考えられる。今作のテーマの答えにも繋がっているのは無論だが、この劇団の真の凄さは、今作に於いても作品の重しとなっているのは役者としては登場しない、亡くなった5歳児・孝介であるという点だ。孝の字に親孝行の孝の字を当てている。登場人物各々についても考えればこういった深読みが出来る名が幾つもある。脚本の良さを演出と役者陣の想像力と技能、そして人間性によって深い処から掬い上げ観客の目の前に晒す。これが出来ている処にこの劇団の力量と凄さがあろう。
BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 フライヤーは気に入ったのだが。 

ネタバレBOX

 某大企業の次期継承者は、叔父がCEOを務める大企業の運営する施設の子供たち皆からも好かれる好青年、分け隔てなく誰とも話し而も一切屈託がない。心遣いが自然で差別や区別とは無縁の優しく温かい35歳の男。而も自分が大金持ちの親族で叔父から次期社長を譲られる位置に在りながら奢りがない。こんな男がもてない訳がない。そんな彼が素敵な彼女を見付けた。何度もデートを重ね3年が経ったある日、彼は彼女を打ち上げ花火が最も綺麗に見える場所に誘いプロポーズした。彼女も屈託のない、彼を心底愛し生涯を共にするに相応しい女性であったし、彼の真の魅力を魂の奥底から理解し共鳴してくれるような女性であると同時に何か困難があるような時にも靭さを発揮してくれるような可能性を感じさせる素敵な女性であった。その彼女はプロポーズを受けてくれた。その瞬間、打ち上げ花火が或る建物を誤爆してしまった。その建物の中にヤクザの事務所が在り彼はお礼参りに闇討ちされた際頭を強打され、結果記憶喪失症となってしまった。
 犯人は発見されず、時は過ぎた。叔父らは、会社経営に直結するこの事件を巡って対応を練った。その結果、今迄彼が付き合って来た元カノ全員を集め、記憶を失った彼が、改めて選んだ女性を彼の妻とする計画を思いついた。集められた女性は総勢11名。出会った経緯は様々で幼馴染から学生時代、社会に出てから等々で縁のあった女性達で何れも中々魅力的な女性達であった。この11名の女性の中で、記憶を失った彼が改めて彼が本当に好きになる女性が彼の妻の座を得るというオーディションである。このオーディションは大企業の選んだ優良会員向けに放映される。ルールは連絡を受けこのオーディションに参加した女性全員は、誰一人自分が元カノであることやそれが分かるような話を彼にしないこと。話した時点でその元カノは失格である。オーディションの行われる会場は沖縄にある高級ホテル、旅費、宿泊代他の費用は総て企業持ち。女性達の身の安全も企業サイドで保障する。
 セレクトは宿泊する日々に設定されたセレクションの為のイベントによって為されるが日を追う毎に条件は厳しくなる。当然のことながら 選ばれる女性達自身の合う合わないや、相部屋である場合には状態によって親しくなったりもする。恋のライバルでありながら同時に女友達としての関係も結び合う訳である。対する御曹司、モテる条件は総て揃っている男であるから自ら好んで離れたがる女性は居ない。その女性達の元カレや現地スタッフを務める男性の中にも魅力的なこれらの女性達に恋する男も出てくる。この傍流の恋が本筋の恋バトルに絡んで展開し、真剣に恋心を告白する傍流の男達の口説きに対しコクられた参加女性の答え、御曹司の応募者に対する真摯な応えが三つ巴の恋バトルとなって刺激的である。今作がドロドロの救いの無い作品に堕していないのは、恋を語る殆どの登場人物が真摯に相手に向き合った応対をしている点に在る。恋はある意味残酷である。だが選ばねばならぬ場合がある。その時、残酷を越えて唯一納得し合えるケースがあるとすればそれは互いに相手を心底思いやって対応する姿勢にしかない。今作で述べられる台詞には、それが在る。そのことが、今作を何処か爽やかな作品にしている原因であろう。
 ラストは、キャラ設定や展開から容易に想像できてしまうのが残念!
かわいいチャージ’24

かわいいチャージ’24

人間嫌い

シアター711(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/25 (木) 19:30

価格4,200円

10周年記念という事で再々演の「劇団人間嫌い」の鉄板舞台を観劇しました。
配役が等身大で、現代を生きる女の子たちのリアルを生々しくも、上手に舞台作品に落とし込んでいると言った印象。内容がとってもシンプルであまり芝居を観たことがない方にもお勧めです。
日替わり彼氏の存在も、キャストが変わるとどういった変化が起こるのか気になりますね。

ネタバレBOX

Xにも書かせて頂きましたが
メイク術やパーソナルカラー、骨格のタイプやインフルエンサーとしての写実的な感性に触れ、これはお芝居ではなくドキュメンタリー?目から鱗の体験でした。女の子として誰しも意識した事があるであろう「かわいい」は、お芝居であっても共感ポイントが沢山あったはず。和気あいあいとした稽古だったんじゃないかと想像しております。
脚本や演出に関しても捻りだした…と言うより、伝えたい事をストレートに表出した舞台だったので、嫌みがなくスッと心に入ってきます。この世界観が好きな方には嵌ると思います。
ThreeQuarterカウントダウン公演「2…」

ThreeQuarterカウントダウン公演「2…」

四分乃参企画

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

劇団ThreeQuarterは 2024年12月末に解散する。本公演はラストステージに向けて、その一つ前の公演、そして演目は「飛龍伝2024~風信子と共に~」(つか こうへい作)。つか作品に劇団脚本家の清水みき枝女史が女性の視点を加えて改訂したとある。どのようにテキレジしたか、興味津々で観劇した。
(上演時間2時間20分 休憩なし)【花チーム】

ネタバレBOX

舞台はバリケードらしき柵と赤旗が両端に置いてあるだけの素舞台。それを運び入れ闘争状況を演出する。赤は赤旗、故郷のリンゴを連想させる色として使用している。細かいことだが、学生側は、大学名が書かれたヘルメット、大学(法政、早稲田)校歌、角材を用意し、機動隊側は警棒、制服などシンプル。

梗概…1960年安保反対学生運動を指揮した全共闘委員長・神林美智子と第四機動隊隊長・山崎一平の間に生まれた子「勝利(かつとし)」、彼の俯瞰するような回想を通して、2人の馴れ初めから別れまでを緊迫感溢れる物語として綴る。

つか作品らしく、学生運動をしている学生の方が機動隊の給料より仕送額が多い。学歴にしても然りである。国家権力の象徴として登場する機動隊、革命を叫ぶ学生の暮らしが、その生活レベル(貧富)において逆転しているという皮肉。
<革命>とは人と人が信じ合い赦し合うこと、と叫ぶ。その信念のためには体も…その哀しいまでの行為。立場が人をつくるというが、その典型的な展開に抗うことができず、運命(さだめ)に翻弄される切なさが伝わる。

全共闘学生幹部と機動隊隊長が故郷では幼馴染、その後の歩みによって敵対関係になるというドラマチックな出会い。そして1人の女 神林美智子を巡って恋のさや当てが虚しい。出来れば 神林美智子役の大澤星夏さんが もう少し人格的変化(上京したばかりの初々しさと委員長へ選ばれた後の貫禄ー黒眼鏡の掛け外しだけではなく)を観せてくれたら、もっと感情移入が出来た。他の女学生闘士のほうが迫力があった。強がれば それだけ反面の愛らしさが浮き彫りになる と思う。

演技は闘争・総括場面を始め 殴る蹴るのアクション、台詞は怒声や罵声など大声を張り上げる。全共闘の作戦(機動隊の配置図の入手)とはいえ機動隊隊長と恋人そして結婚までし子供を産む。神林美智子の激白「好きでもない男の子など生まない」、他方、同志の女性が好きな人 作戦参謀・桂木順一郎の子を自ら堕胎する。闘争中とは言え、好きな人と結ばれたいと願う、しかし活動の前には男も女もないと非情な言葉が飛ぶ。当時の状況やその場の雰囲気がそれを許さなかった。女性視点を強調したとすれば、この場面あたりか。全体としては、何か目的いや使命を持った学生の情熱をしっかり体現していた。
音響音楽は絶えず鼓舞するような勇ましいもの、または長渕剛の情感ある歌を流す。照明は原色を点滅または目つぶしで高揚効果を出す。

神林美智子の亡き母が娘に残した言葉「やってられねえよ」…1960年の安保闘争から60年以上経った今、そういうことを言わなくても済む世の中になっているのだろうか。
次回公演を楽しみにしております。
藤裏葉

藤裏葉

演劇集団☆邂逅

布施PEベース(大阪府)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
源氏物語の引き立て役、頭中将の物語。
右大臣家との権力抗争⚔️、そして光の君との恋👰の鞘当て、藤原家の棟梁として、メッチャ頑張ってる⤴️⤴️のに負け続け😢
でも幸せそう😃💕

憎めない頭中将の波乱万丈🌊、でも、とても幸せ者😆🍀の物語、面白かった🤩
登場人物多いのに、キャスト5人が七変化、しっかり役変わりしていて、見やすかった。

君たちはどう演じるか

君たちはどう演じるか

劇団ちゃうかちゃわん

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

D-C-E観劇。

D鯛焼き
鯛焼きスト禁断の論争の陰で、苦悩する泳げた○やきくん💕
愉しかった😆

C用もなしでは怖いし
観劇2度目でも愉しすぎ🤣面白っ

E恋愛ゾンビみどりちゃん
ゾンビ🧟‍♂️なのに
生死を越えた純愛🤯
の筈が…
愉しかった💕

どのお話も楽しくって、新人の皆さんの演技力の高さにビックリ🤯
凄く良かった👍

赤鬼【キイチゴ】

赤鬼【キイチゴ】

キイチゴ

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

寓話。物語は、テーマ性も強く想像力を掻き立てられる面白さ。表層的に描かれていること、その奥にある考えさせること、それが重層的に立ち上がる好作品。この演目は未見であったが、そもそも野田作品を観たことがあっただろうか。う~ん思い出せない。ラストはある映画を連想する。

少し気になったのは、物語の前提というか設定ー具体的にはいつ頃なのかーが分かり難い。勿論テーマの普遍性を考えれば、敢えて拘る必要がないのかもしれないが、この公演では<赤鬼>の言葉や状況から、ある時代・背景が連想できる。にも関らず その(外見的)表現と時代が結び付かない、その不自然さが気になる。
(上演時間1時間40分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台は三方囲みの素舞台、四隅に供花か。役者は正面通路も使いダイナミックに演じる。上演前から波の音。小物として紐。
登場人物は3人と赤鬼、その設定が妙。村人に疎んじられる「あの女」と頭の弱いその兄「とんび」、浜一番の嘘つき「水銀(ミズカネ)」という、村人にとっては厄介者を異質に重ねる。

梗概…浜辺に暮らす「あの女」とその兄「とんび」。ある日、女は海で赤鬼と遭遇し家へ連れて行く。女の気を惹くため「水銀(ミズカネ)」は、赤鬼を恐れる浜の人たちとの仲介役になろうとするが上手くいかない。人々は赤鬼が人間を食べる、そんな異質の者への偏見や差別などが顕わになる。やがて女と「赤鬼」は言葉が通じ合うようになる。しかし浜の長老による裁きによって処刑されることが決まった 赤鬼。そこで女と赤鬼、そして とんび と水銀とともに島を出るが…。

「人間」と「赤鬼」、その異質なもの同士の共存は可能なのか。その先には、人間同士が夫々の立場や主張を押し通す、そんな対話や歩み寄りがない世界が浮き彫りになる。それまで潜在的にあった不寛容・同調圧力は、コロナ禍によって顕在化する。自分と違うー異質なことに対する畏怖と敬遠、更には疎外。それは対面での会話が少なくなってきた現代人の歪みを大きくする。ラストが秀逸、人が存在するためには、その深い悲しみを知ることになる。

気になるのは、女と赤鬼が何となくであるが言葉が通じるようになる。赤鬼が喋る言葉ー英語(原作がそうなのか)ーによって幕末に漂流した異人を連想してしまう。鎖国、その閉鎖的な土地柄における異人は まさに赤鬼。赤鬼と3人は、赤鬼の仲間が待つ沖へ舟(床に紐を舟形にする)で向かうが…。キャストはハーフパンツ等の洋服。赤鬼だけが異様な格好をしている。出来れば要らぬ想像力を排除するような衣裳が好かった。赤鬼役以外は1人何役も演じる。しかし、その格好で突然 腰を曲げ長老を演じたりするが、無理がある。

赤鬼の仲間はいなく 遭難してしまう。溺れて浜辺にいた女にフカヒレの吸い物を出すが、今まで船上で食べていた味と違う。そこで初めて女(人間)が食らっていたものが…。映画「アライブ ‐生還者‐」を連想。物議を醸しそうなテーマだが、赤鬼への偏見・差別を通して人間の命の重さや生存本能について考えてしまう。そこに人間のエゴと怖さをみる。
次回公演も楽しみにしております。

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