時代絵巻AsH 其ノ拾八『蒼穹~そうきゅう~』 公演情報 時代絵巻 AsH「時代絵巻AsH 其ノ拾八『蒼穹~そうきゅう~』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     史実と創作を矛盾なく繋げ、悲劇の英雄阿弖流為と坂之上田村麻呂との親交と二人の目指したもの・ことと権力者の無情とを対比させた秀作。ベシミル。(追記後送)2時間20分、休憩無しの長尺だが引き込まれっぱなし。

    ネタバレBOX

     時は奈良から平安への過渡期、往時の天皇は五十代・桓武である。物語は陸奥・日高見国が舞台だ。この地には朝廷からまつろわぬ民と敵視され、権力者側の常套手段・非人間化する為のプロパガンダに因って体制側からは悍ましい者ら、ヒトたらざる者と見做された人々が住んでいた。彼らの多くは現在日本と呼ばれるこの国の先住民集団のうちのアイヌの人々である。実際のアイヌは、自然と共に生き狩猟、漁業、牧畜、農業等を営み、自然の中に様々な神を見出し神を大切にしながら生活していた。狩猟や漁業を行う場合でも狩られる動物や魚たちは人の餌食になることによって、各々の体に宿っていた魂としての神が解放され元々の神の在所に戻るという考え方をするので矛盾はない。因みに今作の主人公・阿弖流為の纏っている衣装のデザインは梟が下敷きになっている。何故か? アイヌの神々の最上位は、力の象徴たる熊ではなく、知恵の象徴たる梟だからだ。このような彼らの思考形式が野蛮である訳がない。寧ろ真の蛮族は残念乍ら権力者の側だ。

    0

    2025/02/07 11:16

    0

    3

このページのQRコードです。

拡大