詭弁師のレトラ
演劇企画ヱウレーカ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/06/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/29 (土) 19:00
初見のユニット。世界観芝居だが、分かりやすく面白い。(4分押し)117分。
言葉で人を癒す「詭弁師」なる存在がいる世界で、気分爽快薬とどちらが、みたいな物語。作・演出の荒井ミサの作品は以前も観たことがあるが(『虚飾のレイス』)独特の世界観をベースにした劇作に特徴がある。本作では、言葉に「力」があり「言霊」や「言の葉」が実在として登場する、というあたりが独特な世界観だが、スンナリ入り込むことができた。言葉か薬か、というあたりは、例えば「鬱」をどう扱うか、という問題にも通じて、ちょっと哲学的な意味も感じてしまった。まひたん,平安咲貴,藤真廉,ゆでちぃ子。など、押しの女優がいっぱい出るのもあって観に行ったのだが、作品も楽しむことができた。人物と「言葉」が同時にセリフを重ねる場面が多く、役者陣は大変だったろうな。まひたんの戦闘シーン美しい。言霊役の平安の扇の裏打ちがないのは、ちょっと安っぽい感じで残念。
PRESS
明治大学ミュージカル研究会
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2024/06/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良かったです!
難しいと思われるミュージカルの名作を、力いっぱい演じていて素晴らしかったです。
演技力や歌に個人差は感じましたが、一生懸命さと笑顔に心打たれました。
素敵なミュージカルを堪能しました。大満足でした!
2024ゴースト
ミュージカル座
あうるすぽっと(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
誰もが自分を殺人犯だと言う
G-フォレスタ
新開地アートひろば(兵庫県)
2024/06/29 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
作品としては、14年前の再々演ということであるが、現代でも十分状況というか、気持ちがわかる内容であり大満足 アフタートークも勉強になりました‼️
1123GO8
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
!ll nut up fam初観劇。前情報をほとんど入れない状態で劇場へ。序盤、話が動き出し始めるまでというか、タイトルにあたるシーンに入るまでがちょっと長く感じたけど、これは好みの問題かも。視覚的にも分かりやすくて楽しい舞台。
音埜淳の凄まじくボンヤリした人生
ほろびて/horobite
STスポット(神奈川県)
2024/06/21 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
久々のほろびて。と言っても本公演2本、さいたまネクストシアターへの書下ろし作品(演出:岩松了)を観たに過ぎない。今回は初期作品のリクリエイトとの事で、新鮮な感触が味わえた。
表現上「これは幻想なのか、想像なのか、現実なのか」が決定的な部分で判らなかった所があった。二つばかりの解釈があり得るそのどちらかによって評価が分かれるという所でもあり、あらまほしい解釈の方を信じたいが、そのためにはもう少し表現上の工夫がなければ・・という感想であった。
STスポットを横長に使い、調度は置かれているが住居内の「壁」部分は床にテープで示され、映画『ドッグヴィル』(黒い床に白ガムを貼りつけただけの「村」のセットの中で演じられる)で、人物らが次第にリアルな存在に立ち上がって行くのに似た、「段々見えて来る」感覚が中々面白かった。
雨とベンツと国道と私
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/06/08 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
正直ツボであった。ハラスメントがテーマとして浮上しており、回想場面と現在進行形の場面を行き来するが、芝居の真ん中で長尺の回想場面がぐっと入り込ませる。根底には総合芸術である映画を「創り出す」営為と、非対称的な関係性の歪みをどう評価するか(できるか)の問題がある。前作「ビリー..」も劇団の話だったが、映画現場ではより「仕事」の側面が強くなる。芸術性の要素に「お金」の要素が大きく絡む。勢い現場は熾烈になる。ハラスメントすれすれの言動が飛び交う。
句読点シリーズが始まった頃だったと思うが入場料3000円にこだわると宣言し、コロナを経て今はそれをアピールすらしていないが、今となっては破格である(無論芝居のレベルも勘案して)。
芝居は映画界に憧れを持つ(講座に通ったりして一度現場の手伝いに入った事がある)女性が語り手となり、彼女の視線で久々にお手伝いを乞われて久々に訪れた撮影現場の光景が描かれる。だが彼女は語り手に留まらず、徹するのでなく、以前行ったその現場と、久々にお手伝いを頼まれて訪れた現場の二つは、世の中では終息しようとしているコロナ同様、彼女にとって「終っていない」問題として交錯する。彼女がかつて見たハラスメントの飛び交う現場は、彼女にとっては「勇気をもって立てなかった」忸怩とした過去であり、それは彼女の儚く終えた「初恋」に絡んでいる。パワハラ一般の問題ではなく、個的な体験としてある。世間一般で言う「パワハラ」はその当事者である監督のスキャンダルとして映画界から放逐される要因として機能するのみ。物語はそうしたもやもやと未解決に取り残された問題群を看過する事なく、最後に拾い上げる。
見事に溜飲を下げる場面に私は快哉を禁じえなかった。放送コード、コンプライアンス・・表現そして芸術の領域に、これらが果たしてどう有効に機能するのかは大きな議論が必要だと思う。その議論を喚起するに適切なケースが、この芝居では作られている。そこが巧い。色々と語りたくなるが、もう少しまとまったら書いてみるか。。
デカローグ7~10
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
7-10を1日で通して観たが、これまでと同じく、どれもなかなか面白く印象に残る短編の佳作。劇的な展開をみせるものもある。何度も観てくると、あの舞台上の建物がそこに住まう者の運命を操り見つめているように思えてくる。
オリジナルの映画がそうだからか、どれも短い場面が次々連なって展開するが、うまく舞台上で捌いている。最前列の場所によっては建物の2階で演じられる場面が角度的に死角になってやや見えにくくなる。
『D地区 × カムパネルラ』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2024/04/02 (火) ~ 2024/04/02 (火)公演終了
内側の時間
劇団野らぼう
調布市せんがわ劇場(東京都)
2024/05/31 (金) ~ 2024/06/01 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
野外と見せかけ実はせんがわ劇場!?と驚くほどの世界観の構築にまずびっくり。テントのみならず太陽光で蓄えた電力も持ち込んでの地産都消のゼロカーボン演劇、素晴らしい試みでした。地球のエネルギーも人間のエネルギー同様に有限。この世界と、今という時間と手をしっかり繋ぎながら描かれていく叙情詩/叙景詩の連作たち。キャストから技術スタッフさんへの「(残りの電力は)あと何%?」という問いかけすら演劇の"内側"に繋がる輝きが眩しくて、尊くて。開けた窓から入る風と光で煌めきながらパラパラと詩集がめくれてくような時間でした。この演劇ばかりは語れば語るほど、本当に語りたいことが指の隙間からすり抜けていくものがある感覚になります。それは多分目に見えぬ、心に直接触れるエナジー。胸がいっぱいの観劇でした。次も必ず観たい!
『阿房列車』『思い出せない夢のいくつか』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/05/08 (水) ~ 2024/05/15 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
『思い出せない夢のいくつか』は列車内を舞台にした3人芝居である。
歌手の由子(兵藤公美)とその芸能人生の苦楽を共にしてきた長年のマネージャー安井(大竹直)、由子の付き人である貴和子(南風盛もえ)が地方巡業へと向かうため列車に乗っている。
3人は過去の世間話や窓の外の景色、そして空の星座についてのとりとめのないおしゃべりを続ける。一見なんてことのない、こちらもまた静かな会話劇だけど、さりげない一言一言がそれこそ星と星のようにつながり、3人の間に生じている穏やかではない起伏をそっと確かに握らせていく。
以下ネタバレBOXへ
S高原から
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/04/05 (金) ~ 2024/04/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
病を抱え、療養を要する人たちが暮らす高原のサナトリウムを舞台に、そこで生活をする人や働く人、入れ替わり立ち替わり面会に訪れる人たちの交流が会話を通じて描かれていく。
以下ネタバレBOXへ
1123GO8
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
人間の死生観を管理するという何とも目新しい世界
天使と悪魔、それぞれのコミュニティーが存在するも、天使側の政治の方がぐらついており悪魔よりダークな匂いがするという意外な展開
唯一の人間となる主人公には華やかさとリーダー性があるので、入り込んでしまったこのヘンテコな世界をガンガン引っ掻き回して欲しかったもけれど、最初は宙ぶらりんな状態であったのがちょっと勿体無かったかなぁと(重要な立ち位置ではある)
バナナマンを彷彿させる天使&童顔の天使の二人組が筆頭になって笑いを誘発
ケレン味たっぷりの見せ場が随所に用意されてバラエティーに富んだ舞台
導かれた結末で作品の主張部分に共感できたけれど、もう一段深みが加わればもっと良かった
地の塩、海の根
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2024/06/21 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/29 (土) 14:00
ウクライナを歴史的、地政学的、文学的に彩った壮大なる叙事詩のような作品。スズナリという狭い客席でこの難解な戯曲と向き合うのは体力勝負的なところはある。休憩なしで2時間半を超す長さだが、よくこれだけの長さに収めたと思う。
西側の報道だけに日ごろ接していると、ロシアがウクライナの大地を一方的に蹂躙しているのが今回の戦争だ。それはそれで事実なのだが、オスマン帝国の時代から見ただけでも、この地が歴史に翻弄されてきていることが分かる。この土地に生きる人たちのありようをわかりやすく伝えるために、京都大学の講堂の来し方やそこで行われた演劇やから説き起こしたり、物議を醸した通販生活の表紙を寸劇にしたり。なるほどこの戦争を形作っているのはそういうものたちがあるのかと分かる。だが、やはり、ある程度知識を仕入れてから見た方が難解さは薄まるであろう。こうした作品を作れるのはやはり燐光群、坂手洋二のなせる業だとは思う。
戦争は国と国、民族と民族、宗教と宗教の争いであり、先に蹂躙を仕掛けた方が責任を取るべきであるという一般論を超えたエンディングが用意されている。理想論と言われるかもしれないが、やはり人間たちはもうそろそろ、ここで描かれている「海の根」に希望を託すべきではないのか。こんな思いをしっかりと抱きとめたいと思う。
2024ゴースト
ミュージカル座
あうるすぽっと(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最初から最後まで、パワフルな歌とダンスに圧倒され、とても楽しい時間を過ごせました。観終わった後は心が温かくなる素敵な作品でした。
デカローグ7~10
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/29 (土) 13:00
E(9・10)を観た。最後に観る方がいいとは思ったし、Aとは大分雰囲気が違う。57分(20分休み)54分。
9「ある孤独に関する物語」性的不能と診断された医師の夫が、妻と離婚を話し合うが、実は妻は若い大学生と不倫をしていて…、の物語。不能が分かったことで、妻の態度が変わるあたりが面白く、展開はドキドキするものになり、エンディングが見事だと思う。元が映画だと思うと、エンディングの演出は当然なのだけれど、感動する。
10「ある希望に関する物語」父の死で疎遠になっていたサラリーマンの兄とパンクバンドのヴォーカルの弟が父のマンションに行くと、そこには莫大な価値を持つ切手のコレクションがあり…、の物語。父と疎遠だったがゆえに、残された切手コレクションの価値が分からない、というのもありそうだし、切手コレクターたちの挙動も良く分かる、と思ってみていた。最後は一応ホッとするエンディングで良かったなと思う。
都合で、Dより先にEを観ることになったが、Eが最後を意識した作品になっていて、Dを先に観たかったなとは思った。
トリビュート1/3
劇団太陽族
ウイングフィールド(大阪府)
2024/06/27 (木) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
いろいろと問いかけられているような気がした。
人類このままでええんか?明日は真っ白かも知れへんでと!
お芝居観られてありがとう
まぬけなリュウの話
ISSO演劇PROJECT
あとりえミノムシ(京都府)
2024/06/29 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
初演拝見
題目とのミスマッチは感じながらも(まぬけではないような…)、内容はとても良かった‼️
人間の身勝手さを分からせてくれます‼️童話も読んでみたくなりました‼️
イイムロナオキさんの実家ということも驚き👀‼️
迷子
WItching Banquet
Half Moon Hall(東京都)
2024/06/27 (木) ~ 2024/07/03 (水)公演終了
「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2024/06/10 (月) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/16 (日) 16:00
【SIDE B】
4作品すべて脚本担当が異なった SIDE A に対してこちらは(原作ものはあれ)すべて灰二さんの脚本なので(照明による印象もあるが)劇中設定とは別に(普段の「真冬の」とは違えど)「夜」のイメージで統一された印象
そして「囚」感が薄いものもありつつ4編目「固執」はまさしく「囚」(笑)だし「そっちの「こしつ」かい!」なところ(とメタな部分)に頬が弛む。ダークな部分もある全8編の締め括りがこれなのは巧いなぁ。