最新の観てきた!クチコミ一覧

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・・・とまあ、現れては去って行くわけで

・・・とまあ、現れては去って行くわけで

劇団カタコンベ

新潟古町 えんとつシアター(新潟県)

2020/01/15 (水) ~ 2020/01/23 (木)公演終了

満足度★★★★

面白かった!
過ぎてゆく日々、1コマ1コマの大切さ、その輝きがヒリヒリと感じられた。言葉にならない、でもそこに発生した思い。   

カタコンベの舞台に流れる空気感が好きだ。戸中井作品に初期からある死のイメージは、かつてのように大上段ではないが、今もある。死もふくめ、前を向く人たち。だから観劇後感がいい。

『コントロールオフィサー』+『百メートル』二本立て公演

『コントロールオフィサー』+『百メートル』二本立て公演

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2020/12/31 (木) ~ 2021/01/10 (日)公演終了

満足度★★★

これは平田オリザの戯曲・舞台である、と感じる所以は、青年団俳優の存在もそうだが、無音楽、説明台詞無し、間、などがある。決して「理に適った」間合いとも思わないのだが、平田戯曲の世界、文学で言う所の文体である。そう、要は説明台詞が回避されているので、短編ではどうしてもリアルを担保する「説明」は追っつかない。「コントロール・・」など突っ込みどころ満載である(突っ込ませるコントの要素も、あると言えばある)。新作「百メートル」ともに30分程度。
「コントロール・・」では、「こんな時期だし」「ああそうか」等とコロナを反映した台詞もあり、配役も半分入れ替わって10人から8人と幾分変化はあるが、見た印象は初演の時と殆ど変わらずである。
オリンピック選考を兼ねた水泳大会の直後にドーピング検査をやる。採尿のために水を飲みながら選手は横に並んで雑談するが、各選手の後ろには担当のスタッフが緑のジャケットに巨大な蝶ネクタイを締めて立ち(まるで漫才師)、「重要な任務」を担う厳粛さを演じている。「勝利」だけが全ての選手らが横に並ばされている状況、その他、諸々リアリティ的には奇妙であるが、コントロールオフィサーと称する緑のスタッフの無言の演技がそこはかとおかしい(時々「今笑ったでしょ」と突っ込まれ表情を固める島田桃依、注意事項を暗誦できず隣から手帳を借りる永井秀樹など)。
まあでも日常切り取り型でローペース、盛り上がり禁止、無音楽の30分では「演劇濃度」が薄いのは当然、も一つの演目「百メートル」に期待したが、脱力度は前に同じくであった。

前者のエッセンスは、中堅選手が気負わない若手に五輪出場権も恋人も持ち去られる「勝負の世界の無慈悲さ」、だとすれば、出場権のかかる陸上競技前の控室が舞台の後者は、「勝つために手段を択ばず」か。いずれもネガティブな切り取り方であり、スポーツが美化される五輪礼賛に水を差す演劇、ではある。

ネタバレBOX

追記、より最近の作である「百メートル」ではコロナ状況をより取り入れている。開催が確定した五輪への参加を、内政切迫の米英が中止したとの報・・「そりゃ(日本人選手も)メダル意識するでしょ」「でもそれで一位取ったとしてどうなの?って話じゃん」「それでも、メダル取りたいでしょ、やっぱ」「そんなもんかな。」「そんなもんでしょ陸上って。そういうもんでしょ??」的な。
だがこの劇のメインは、レース前の控室で、あるコーチが喋る過去の日本陸上うんちくである(と思った)。自分の担当選手に熱心に喋りかけながら、室内に居るナイーブな選手をイラつかせている。そのコーチの退席中、選手らやもう一人のコーチが雑談「あの人そういう所あるらしいよ、勝つためには手段を択ばないというか・・」「コーチなのに?」・・。だが件の男は戻って来てまた喋りを始める。
空気を察知したかのコーチは「俺は〇〇の担当だけど日本チームの理事でもある」「緊張を和らげるために、この話をしてんだよ?」と大声で言い、まあ聴いてくれと話し始めるのは過去あった世界陸上の東京大会、割と最近あったらしい大阪大会の逸話だがこれがマニアックで、こりゃ平田オリザが喋りたい事だな、と思う(ちょっと意地悪か)。スポーツ蘊蓄を「うるさいコーチ」に喋らせる事で、試合前の緊張と駆け引きといったテーマを重ねている。
本番が近づくにつれ、場はコーチの「気遣い?」に反して重くなるが、ある一見物分かりのよさげな選手が去り際、ナイーブな選手のバッグを思いきり蹴り飛ばすことで空気が変わる。というより既に流れていた空気が決定づけられる。彼は理由を問われてただ蹴りたかっただけ、的な台詞を吐き捨てて出て行く。

この場面について深読みすれば、、相手にダメージを与えた者勝ちという、いま急速に蔓延しつつある風潮を切り取った図、とも見えなくない。既に今「空気」は作られており(コロナ情報は未だに「感染者数だけ」が報じられ続けている)、最も「効果的」言動で先手を取った者がマウンティングできる状況で、こういう時に英雄面して勇ましさを演じ、やんわりと「この問題(それを主に担う主犯)」の存在を匂わすなら眉唾である。空気を疑うリテラシーが未成熟だと、逆らえない言葉にこうべを垂れ、「自分は逆らっていない」と証明するために、ほのめかされたターゲットに対し敵対姿勢を取る、という事が起きる。人間は弱い存在だ。
・・そんな我々が渦中にある「今」を客体視させたい作家の衝動だとすれば、そこは肯定的に捉えたい。
(が如何せん容量的に「薄い」ので減☆)
石橋けいのあたしに触らないで!

石橋けいのあたしに触らないで!

城山羊の会

小劇場B1(東京都)

2020/12/17 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

年の瀬の予定から漏れ、配信で観た一つ(もう一つは印象「ケストナー」)。活動休止した城山羊の会が再開宣言せず<石橋けいの>などとあるので番外公演的なものかと思いきや、まるまる城山羊の世界であった。
配信は別撮り(無観客上演で撮影)との事で、生舞台とは別物になるかも、とは山内氏のコメント。元々映像の人というのも納得で、戯曲も映像要素があるのかもだが、明確に映像プランあっての撮影をやった模様で、とにかく世界に入りやすく見やすく痒い所に手が届く。エンドロールを見ると映像担当にムーチョ村松の名があった。
観たばかりの青年団公演で笑わせていた島田桃依が、オープニングどアップで語る。旦那が国家公務員の女性(石橋けい)と「お付き合いさせて頂いている」島田は、その後もしばしば語る。奇態なというか、身も蓋もない人間模様が、極点に達すると、正面を向いた島田の顔をカメラが捉え、語りで緩和する。が、破綻度=エロ度は増して行く。何気にやり過ごして来た「問題のタネ」をドラマは表面化しようとする。
映像版で照明を変えたのか、映像だからそう見えるのか、青く暗い明かりが妄想世界と現実との境界を溶かし、両者のブリッジが自然だ。(そう吐露する台詞もあるが)「現実味のない」コロナ以降の時間、それもセレブ層に元々棲息していた退廃が露出した「いい気味」な時間を味わった。

華よ咲け

華よ咲け

ステージタイガー

近鉄アート館(大阪府)

2020/02/01 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

ステージタイガーの単独公演ならまず観られない作品だったように思います。
悲劇に引き裂かれて生まれ変わってもまた結ばれる愛し合う二人という輪廻転生ファンタジーもの。
比較的分かりやすく感動を生み出すテーマ。
そこに剛さんならではの人物の深みがプラスされ、さらに役者陣がみんなそれぞれに人物像を掘りに掘り下げ厚みが増し、見事に鮮やかに生きた魅力溢れる人物達に。
そこに確かに生きてる人物がいる、人生を感じられる、そこが魅力。
だから足しげく通ってしまうんです、毎度毎度。幸せな時間。

エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】

エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】

東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館

りゅーとぴあ劇場(新潟市民芸術文化会館)(新潟県)

2020/02/08 (土) ~ 2020/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

世の中の荒廃が身近に感じられる今日この頃。「ステキなことやステキなもの」を思い出すのは、心の栄養剤だと思う。

谷さんの作品は社会的視点を持ちつつ教科書的ではなく、等身大の、いまそこにあるコトとしてヒリヒリと感じさせてくれる。
舞台としてむちゃくちゃ面白いのは言うまでもない。

常陸坊海尊

常陸坊海尊

KAAT神奈川芸術劇場

りゅーとぴあ劇場(新潟市民芸術文化会館)(新潟県)

2020/01/25 (土) ~ 2020/01/25 (土)公演終了

満足度★★★★

暗く救いのない話の繰り返しで、正直、すっごく好き!めっちゃ面白かった!というものではなかったけれど、相変わらず迫力満点の白石加代子さん、妖しく美しい中村ゆりさん、こういう役やらせたらピカイチの長谷川朝晴さん、大舞台で見る平原慎太郎さんのセリフ&演技の新鮮さ、などなど見所はたっぷりあった。

本作で平原さんは「ムーブメント」も担当とのこと。冒頭の、林のように人が立ち、揺れるシーン。子どもたちの並び方、海尊たちの登場シーン、観光客が立ってるシーンなどなど、「動き」や全体の構図が印象的な舞台ではあった。そもそも、人の生と死、思いの円環を描いた作品だ。そこに動きはある。

観劇後感は悦楽ではなく、深淵をのぞいた感じ。海尊とは何なのか…。改めて思い返してみると、深く面白い舞台だった。

モマの火星探検記

モマの火星探検記

少年社中

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2020/02/07 (金) ~ 2020/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

何度目かの再演。
再演されるたびにブラッシュアップされ、何度観ても何度でも胸いっぱいになる、感動をくれる。
舞台いっぱいの星空、満天の星空があまりに綺麗で、いつまでも見上げていたくなりました。
良い舞台は何度観ても良い、浴びに行きたくなる、この観劇体験は幸せ。

アイネ・クライネ・ノスタルジック

アイネ・クライネ・ノスタルジック

こちらスーパーうさぎ帝国

駅前劇場(東京都)

2021/01/06 (水) ~ 2021/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2021/01/06 (水) 19:30

95分。途中休憩なし。

ハルカのすべて

ハルカのすべて

ももちの世界

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2020/02/07 (金) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★

音が面白い舞台だったように思います。
観るというより、聴くような。
攻めた演劇。

モダン・ガールはネコを探して

モダン・ガールはネコを探して

劇団レトルト内閣

HEP HALL(大阪府)

2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしく、舞台そのものがモダンでした。
最近の作風とは異なり、わたしが観始めたころのレトルト内閣の感じでちょっと懐かしい心地。
またこんなレトルト観られて嬉しかったです。

その鉄塔に男たちはいるという+

その鉄塔に男たちはいるという+

MONO

AI・HALL(兵庫県)

2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了

満足度★★★★

だいぶ前、まだ観劇に出会って間もない頃に、プロデュース公演的な別団体で観ました。
それをホームで観られる喜びが先立つ。
上演当時から月日が随分と経っていておそらく随分と変わっているであろうに、観ると不思議なもので、あぁやっぱりここがホームなんだなという感覚、しっくり馴染んでいて。
プラスの部分、進化の部分、見事でした。
作品が時を超えて在り続ける姿を観た思いがしました。

『君ヲ泣ク』×『ラズベリーシャウト』

『君ヲ泣ク』×『ラズベリーシャウト』

PLANT M

ウイングフィールド(大阪府)

2020/02/11 (火) ~ 2020/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラズベリーシャウトの方を観劇しました。
空間の空気が濃密でした。
空気がうねうね蠢く生き物のようにさえ感じた。
生の観劇の醍醐味、劇場でしか味わえない感覚、映像には絶対に残せない。
こういうのがあるから、劇場へ足を運ぶことをやめられない。

エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜

エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜

劇団印象-indian elephant-

駅前劇場(東京都)

2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

国や時代背景に隔たりがあるので、現実味は薄かったですが
見応え充分でした
こんな生きづらい時代が二度と来ないように願います。

お通夜イレブン

お通夜イレブン

なにわニコルソンズ

TORII HALL(大阪府)

2020/02/07 (金) ~ 2020/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

ふたつのバージョンを別ステで分けないで、1ステで観せてくれる。
その意味と意義と値打のある2バージョンでした。
ひとつの公演で何パターンもあって一回の観劇で完結できないタイプの公演は観客に優しくないと思っている方なので。
この公演は観客にも寄り添っていて、また全ての出演者に見せ場が無理なく自然に設けられている役者さんにも寄り添っていて。
心ある公演だなぁとしみじみ感じ入りました。

ときめく医学と運命的なアイデア

ときめく医学と運命的なアイデア

匿名劇壇

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2020/02/14 (金) ~ 2020/02/29 (土)公演終了

満足度★★★

フラッシュフィクションは匿名劇壇の代表的なジャンルで、面白いのは面白いのですけれども。
長編が観たかったというのが、当時の偽らざる正直な気持ちでした。

北向きのヴァルキュリヤ

北向きのヴァルキュリヤ

BALBOLABO

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良かったです!
キラメキの時のような、煌きがありました!
魅力的な役者さんが揃っていて、個性的なキャラクターに仕上がっている。
展開が気になってグイグイ引っ張っていかれました。
熱い舞台でした!

愛する母、マリの肖像

愛する母、マリの肖像

T-works

ABCホール (大阪府)

2020/03/27 (金) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★

小学生の頃に伝記まんがで知ったキュリー夫人。
今回舞台で観たキュリー夫人は、わたしの全く知らなかったキュリー夫人でした。
このような人生を歩まれていた方だったのですね。
重厚な舞台でした。

アリス・イン・スランバーランド

アリス・イン・スランバーランド

演劇ユニット衝空観

in →dependent theatre 1st (大阪府)

2020/03/06 (金) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

満足度

詩を朗読しているかのような長台詞の多用。
雰囲気で流されてゆく展開。
ごめんなさい…あまり好みではありませんでした。
キャラクターや衣装は可愛かったです。

屋上の父帰る

屋上の父帰る

Contondo

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2020/09/20 (日) ~ 2020/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

時間軸の違い、空間の違いを表現する演出のなされ方が、とても洒落てて良かった。
場面が進み、ベールを脱ぐように仕掛けが動き出した瞬間が快感でした。
全く別々のものだと思ってた同時進行するふたつの物語が、時空を超えて交錯する瞬間。
心を奪われました、あまりに巧み。
演者の中ではザキくんの演技が特に良かった、こんな風に演じてるところはあまり観たことない気がします、新しい顔を観せて頂きました。

The last night recipe

The last night recipe

iaku

AI・HALL(兵庫県)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

とても文学的な舞台でした。
それぞれがそれぞれに自分の殻に閉じこもっていて、寄り添い合うことができない。
真っ直ぐに歪んでいて、不器用な人達。
生まれ育った環境の違いが痛々しい、双方ともに。
観ていてなんともいえない歯がゆい気持ちになりました。

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