熱海殺人事件
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/10 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
共生
さんらん
アトリエ第Q藝術(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
#共生
#さんらん
絶滅危惧種、野生動物、保護動物…まざまな生き物との共生を考える。人間の身勝手を突きつけられ胸が痛む。何かの犠牲の上にある贅沢な趣向品について、人間の欲望について考えさせられた。
三つの時間、三世代の時間が流れる。戦時中、高度経済成長期、現在。興味深い構成だった。ただ、ウイルス感染対策としての配慮として上演時間をコンパクトにする意図が働いていると思われるが、やや言葉足らずで強引に感じる部分もあった。それを補うためもあってか、意味を感じ取れと言わんばかりの舞踏や、俳優に動物を演じさせる演出はフィットしていないと感じた。
親切は人の為ならずを感じられたシーンがよかった。戦場ではみなケモノという言葉が印象的だった。
キャストはほとんどが初見の方だったが、皆さん期待以上で、とても上手かった。#中村有 さんが素敵だった。
目当ての #山本由奈 さんはオーラのある人。芯のある声が胸の深いところまでスッと入り込む。顔が小さくてコケティッシュなのだけれど艶っぽさがある稀有な俳優。イベントのお姉さんの演技はさすがアイドル活動をしているだけある。
忘れる滝の家
ムニ
アトリエ春風舎(東京都)
2021/03/11 (木) ~ 2021/03/20 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
青年団若手自主企画らしいムニ/宮﨑企画の「静かな演劇」。同じアトリエ春風舎で観た前作との共通点は・・ストーリーより空気感、省略された台詞、謎解きに頭脳が駆使される、静けさ、舞台の周囲が闇に溶ける(春風舎の特徴?)。中で、ムニの最大の特徴は、複数エピソードが舞台上でニアミスで行き交う演出だ。
前作は3~4組の会話と行動が近い時空で交錯したが、今作は2つの異なる時空(40年離れているとか)のわりと書き込まれたエピソードがやはりニアミスしながら進み、接点も持つ。
始めに難点を言えば、ストーリーは緻密でなくイメージを伝える詩的世界に近いが、世界観はストーリーを介して伝えるしかなく、やはりストーリー説明の省略具合がネックになる。2つのエピソード(過去、及び現在or未来)を繋ぐ一人の男が、「同一人物」として登場しているのかどうか迷走する(名前は同じだが同一性が希薄)。さほど関連がないと見切るまで、芝居中に「徒労感」に落ち込まないよう「謎」が提示され続け観客もある程度騙され続けはするのだが、脳のどこかでは気づいている。しかし・・不親切に置かれて行く点が最終的には辛うじて「像」を結び(仄めかし)、消え去りそうな像を2つの世界の対照の含意が繋ぎとめる糊となり、ギリギリ成立したと思った。不思議な間合いや、役者の意味深な風情が「徒労」に帰する予感は幾度も訪れたが、それは回避されたという事である。
以下は一観客の気まま勝手な(舞踊を解釈するのに近い)受け止め。
役者は何かそこに無いものを見ている。彼らを規定している現実に対面しながらそこにないものを憧憬し、求め、寄る辺とする風情において共通するように見える。今やセピア色とインプットされた過去シーンは、世代の移り変わりと継承の哀愁を描く小津安の世界で、母は過去を眼差し、それを語って娘の未来への恐れを融かす。娘の友人とはらしい会話でホッとさせられ、登場しない「叔母さん」の事が会話によく出てきて昭和な世界である。方や現代or未来シーンはパンフには40年後とあるが40年でなければならない物理的事情はなさそうだ。こちらは冷たい青系の色で記憶されているが、現代風カップルの会話から男が突如訪問を受けた友人の誘いで山に行くあたりから謎めいた展開となり、2つの世界に共通する存在(役名・役者が同じ・・だがどう見ても別個の存在)との遭遇から(背景が山という事もあって)無色透明、従って山の深い土色になる。ここでは現代世が過去と出会いながら、自然的なものと出会い直す未来を見通そうとしている何者かの意志(作者ではない?)を感じ始める。筋そのものは作者の中では通っているかも知れないが観客の目に映る範囲では破綻又は叙述足らず。だが、我々の世界への「予感」を持つには十分な欠片が散りばめられていて、個々の話題について何か喋りたくなる。後味良し。
桜の森の満開の下
CHAiroiPLIN
あうるすぽっと(東京都)
2021/03/18 (木) ~ 2021/03/20 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
坂口安吾の同名の小説からインスパイアされたダンスパフォーマンス。
音楽もダンスも心地良く楽しむことができた。
しかし原作の幻想性とか猟奇性とかは非常に希薄というか皆無だった。
まあ元々メタファーなのでまた別の何かで表現しているのだろう。
そこを読み解くあるいは感じ取ることは私の能力を超えている。
林檎の軌道
とくお組
駅前劇場(東京都)
2021/03/12 (金) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
しばらく、公演を休んでいたという小劇場劇団「とくお組」の6年ぶりの新作だが、この間にこの作品の舞台となっている宇宙と我々との距離はずいぶん変わったのではないか。
このコメディの舞台は火星で、ほぼ半世紀ほど未来。人間の居住可能性を確かめるために派遣された第一次隊が行方不明になって、その捜査のために送られた第二次隊の捜査が主筋になっている。
約一時間40分の舞台は細かいネタをうまく拾って話をつなげていって笑いながら見てしまうが、作も演出も俳優も、そこまで、と言う感じがする。こういう失礼なことを言うのは最近は宇宙も随分リアルに身近になっていて(本当は相次ぐロケット失敗のようにそれほど容易なことではないのだが)こういう作りだと、どうしてもファンタジーと思わざるを得ない。そうすると、結構多い日常的なギャグや、人物設定がリアルにもファンタジーにもなり切れず、宙に浮いてしまう。そこがSFコメディとしても残念だった。
6年前までのこの劇団を見ていないので、今後の方向もつかめないが、グループのアンサンブルはいい。続く活動を見てみたいと思う。約40の席は満席。
Don’t say you can’t
一般社団法人グランツ
ラポールシアター(神奈川県)
2021/03/13 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/14 (日) 13:00
知的障害者の演劇集団である横浜桜座が、青年座やテアトルエコーなどプロの役者たちを集めて一緒に公演するプロデュース公演。障害のあるなしにかかわらず、同じ役者として一緒の舞台に立つ。障害者が舞台に立つことが当たり前の世の中を目指す、劇団のパフォーマンスだ。これは障害者福祉ではない。舞台芸術なのである。
物語は、障害者施設を舞台に進行する。コロナ禍で自宅のパン屋が休業に追い込まれたシングルマザーが障害者施設で働き、そこでかつての恋人であり、演劇仲間であった男性に再会する。男性は頸椎損傷で車いす姿で、息子に付き添われて施設に来ていた。人生を投げているところがあった男性だが、施設内で演劇会を開いてはどうかという提案に盛り上がり、生き方が変わっていく。演出は青年座の磯村純。
出演する桜座のメンバーは、オーディションで選ばれた。自分の持ち場をしっかりこなしているという印象だ。主演のシングルマザー役は小飯塚貴世江。彼女は桜座の舞台を見て、「頭をたたかれるような衝撃を受けた」という。「自分は役者をやっていて、どこか上手に見せようという雑念がくっついていた。演劇をやるのに必要なものを、教えてもらったから」と話した。障害者とそうでない役者たちがお互いをインスパイアする存在として、今回の舞台に立っている。
自分は横浜ラポールシアターで見た。シモキタで多様性を体現した役者たちの舞台があるということが、小劇場文化の一つのエポックメーキングになってほしい。
ダンボールに気合を求めるのは間違っているだろうか
放課後ランナー
ウッディシアター中目黒(東京都)
2020/03/12 (木) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
実演鑑賞
何年か前から見ている放課後ランナー。本公演を以て劇団解散とのことで残念。ふざけ倒す空気はそのまま、ストーリーも見ているうちに最後はしっぽり締める。でも極道保育園の方が好みではあった。
ジレンマジレンマ
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
観劇は続けていますが、コロナ禍もあり元気がなくなっている演劇。重くなったコリッチの投稿も久々。
社会派の作品で気に入っている劇団のひとつですが、こちらも久しぶりに観ました。各人物の話が進むなかで見えてくる大きな出来事。会話劇としても楽しめた。
羽化する朱い糸
劇団Pin to Hint
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2021/03/12 (金) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/03/14 (日) 16:00
『羽化する朱い糸』という劇において、主役の真弓と、生みの親の朱音とを、俳優の望月ミキさんが、性格や雰囲気、声色を変えながら、見事に演じ分けていて、演技力があると感じた。また、最後のシーンで、主人公の真弓を演じるミキさんが、赤い蚕の赤い糸に絡め取られていきながら、妖艶さや、相手を引きずり込みかねない危険さ、それとともに春馬に対する純情さをも肉体や言葉を使っての迫真の演技が、思わず観ている僕に緊迫した状況を強いて、迫真に迫っていた。
春馬、先生、祖母役を演じた俳優の尼子亮平は、特に、頑固で、村のしきたりに異常なまでに固執する祖母役において、静かな言葉の端々に、急に何者かに取り憑かれたかのような狂気の演技に魅入った。また、最後のほうのシーンでの、今まで物静かで気が弱かった会社の後輩春馬役の亮平さんが、絶望や苛立ちから人が変わってしまう演技が、実に怪演で見事だった。
「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/17 (水)
久しぶりなのに久しぶりの感じがしないザ・スズナリ
入るなり舞台美術に圧倒され、これ好きって感じてからの観劇。
ズシンと響くアンサンブル、そしてアヤカと母、彼女らを取り巻く人間たちの心の声がうごめき、滝のように落ちてくる。
この事件を覚えているだけになんかやるせなくなってくる。
アヤカはお魚になって滝を登れたのかな…
SABU
BOW
シアターX(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/18 (木)
価格6,500円
18日18時開演回を拝見。
途中休憩10分挟んでの上演時間2時間50分、正直、かなり腰に来た。
とはいえ、脚本・セット共に、丁寧に描かれた山本周五郎原作の人情モノの芝居に、最後まで舞台への集中力が切れることはなかった。
あと、主演の庄田侑右さん。佇まいと世良公則ばりの渋い声が役柄にピタリとハマっていた。
かもめごっこ
工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10
ウイングフィールド(大阪府)
2021/03/18 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
満足度★★★★
頑張ったら夢は必ずかなうと言った言葉を良く耳にする。子供の時は、無知なんでその言葉を信じて、頑張った結果人間崩壊となる…😢日本にある悪い精神論。これに似たことを、とても上手く表現されていました❗ま、この歳になると夢を探すことすら難しくなる…。何の為に生きるのか…答えは未だない。
写し霞
不定深度3200
SCOOL(東京都)
2021/03/18 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
かはたれ
StarMachineProject
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/18 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★
うーん。分からん。意味としては夜明け前を意味する事は知っていたが、あれを見て夜明け前が意味するところは何なのか・・・。勉強不足に他ならないが。しかし前列の人は開始10分後には寝ていて、終わりと同時に起きた。仕事帰りにはつらい内容かも。僕も、会社を早々に出たが・・・。
熱海殺人事件
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/10 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
他劇団で数回見たつか作品は早口で長台詞を話し、やや暴力的な表現があったので苦手な作品だったのが。
うさぎストライプはどの様に表現するのか気になり観劇してみると今まで見たのつか作品とはかなり違った印象だった。
自分勝手ではあるが愛嬌のある木村伝兵衛や個性的だけど憎めない登場人物達がみな生き生きしていたのが印象的。
賛否両論あるとは思うが私はこの演出が好きでした。
「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
犯罪は時代を反映する。80年代に転位21を主宰した山崎哲は、世間の注目を集めた猟奇犯罪事件を素材に犯罪に埋め込められた時代の声を次々とドラマにした。久しぶりの椿組での登場である。
この舞台の素材は十五年前の秋田の地方都市で実際にあった児童連続殺害事件である。
舞台では、家族内の無関心、家庭の貧困、地域社会のいじめやネグレクト、など具体的に事件の詳細が明らかにされていくが、さらに、犯罪の中に潜む日本社会に通底する病癖を抉り出そうと試みる。その手法がいわゆる社会科学的事実のドキュメンタリーではなく、演劇的、文学的(詩的と言ってもいいか)表現であるのが、山崎哲の犯罪シリーズのユニークなところである。
例えば、被害者の少女(長峰安奈)が周囲から与えられるわずかな玩具は、母(井上カオリ)がたまたま金を持っていた時に与えられた二百円のテレビキャラクターと、年上の男の子からもらった魚の飾り物なのだが、秋田の象徴である白神から流れ出る川に捨てられた少女は自身が体の中に飼っていると信じている魚となって旅立っていく。そこに彼女の知る唯一の絵本「海のトリトン」が絡んでくる。
客観的な裁判や捜査を枠取りに進む犯罪物語の中に挟まれるこういう現実と少女の間の大きな乖離を示す乾いた短いエピソードが、事件の深層へ繋がっていく。
事件を囲む現実は、すべて男、女と番号でしめされる二十名近い俳優で演じられる。
演出は西沢栄治、多分椿組では初めてであろう。初日を見たが、多くの多様な俳優たちを巧みにさばくだけでなく、暗黒の中から突然フットライトと音響ともに事件の核心人物を登場させるかつての転位21の手法を踏襲する余裕もある。
新旧の作家と演出の顔合わせが成功して、80年代小劇場の空気を今に生かすことになった。休憩なしの二時間。飽きずに見たが、遂にタイトルの「軍手」の意味が分からなかった。
ゴーストノート/西には悪い魔女がいる
第27班
「劇」小劇場(東京都)
2021/03/10 (水) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「ゴーストノート」を観劇。
深谷晃成の名をよく見るので何者か確認を、とネットを見れば音楽が深く絡んだ舞台といった紹介があり、一つ逃してその次の「潜狂」を三鷹まで観に行ったのが一昨年の事、密かに拳を握った。
先日の演出家コンクールの演目の一つがそれであったが、音楽がリアルに近い形で組み込まれた舞台(ドラマ上の必然がありかつ演奏もできる)はそれだけで贅沢であるのに加え、楽曲がドラマを彩る効果を持つならさらに贅沢だ。
本作は「潜狂」を思い出させる展開で、音楽活動と友人を巻き込んだ金銭トラブルが共通していたが、ある意味で音楽は若者の「進路」「夢」を象徴し、金銭問題は若者を貧困に追いやって憚らない(臆面もなく恥ずかしげもなく)上層同士の身贔屓を許した社会を想起させるアイテムであり、普遍性がある。もっとも人物らは「問題」化を拒み、ストイックに、どこまでもスピリッツの文脈でものを語る。事態を観客が徐々に掴むミステリーの構造だが、人物自身も、最も変わりそうにない存在が変化を見せ、現代貧困物語はスピリッツにおいて灯をともす。不覚にも泣いた。役者が「いそうな」人物にハマっているのもオイしい。
「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
コロナ渦で無事上演でき、お客様に来ていただける事が何よりの喜びですの演劇でした。
この脚本家さん、この芝居を書いた当時、シャケと軍手と表した、殺された二人の子供さん達を何だと思ってたんだろ?
東京ブギウギと鈴木大拙
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2021/03/12 (金) ~ 2021/03/20 (土)公演終了
ウェイトレス
東宝/フジテレビジョン/キョードー東京
日生劇場(東京都)
2021/03/09 (火) ~ 2021/03/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
高畑充希さんのTVドラマは見たことがなかったので人気女優がたまたま歌うのだと舐めていたら、演技も歌も堂々とした実力派で腰を抜かしてしまった。知らなかったとはいえ失礼をお許しくださいと頭のなかで謝った。
宮野真守さんの歌も良い、宮澤エマさんは主役でないせいか伸び伸びと快調な歌いっぷり(*)、LiLiCoさんの歌声も重く響いて心地良い。そして特筆すべきはコーラスが奇麗に重なることである。ビブラートの位置が違っても声が溶け合うのは練習量の多さなのだろう。そして私の一押しはおばたのお兄さんだ。演技、歌、道化のどれも秀逸である。あの女子アナは見る目があったなあと感心した。
ストーリーはDVの夫に悩むジェナ(高畑)が妊娠する。望んではいなかったので悩み、浮気をしたりするが、生まれた赤ちゃんの顔を見てすべてを吹っ切って新しい生活に舵を切るというもの。ラブコメではないが問題作でもない、まあ甘くも辛くもないミュージカル用の土台である。そこに様々な演出が施され、俳優陣の素晴らしいパフォーマンスがそれに答えて飽きさせない。強いて言えば高畑さんがあまりに自信に満ちていてジェナの境遇にまったく心配を感じさせなかったのが不満と言えば不満である。少しはハラハラしたかったなあ。泣き所もなかったし。
(*)宮澤エマさんは主役になると委縮してしまうというのが過去の出演作を観た私の勝手な感想。